※ ごあいさつ
「こんばんは、八雲藍です、早いもので四分咲き劇場もこれで四回目となりました」
「藍…動かないでよ、今しっぽに枝毛見つけたから」
「回数を繰り返したところで別にどうってことの無いお話ばかりではありますが、
これでちょっとでも笑っていただけると思うと、真に幸せな次第でございます」
「あ…だからじっとしてなさいって」
「いつも通り適当なところで適当に笑って頂く読み方をおすすめしま…って痛いです!引っ張らないで下さい!!」
「待ちなさいよ…これを…」
ちょき…
「痛ぁっ!!?ちょ、紫様!!身ィ切ってます!切ってますってー!!」
「あ、ごめん…ちょっと血が出た」
「私の尻尾で何やってんですか!!!」
「暴れないでよ、危ないって…私いま、刃物持って…」
ぐさっ
「あ…」
「ぎゃあぁぁ!!!」
「……こんな感じで、スタートでございます♪」
「勝手にまとめるなあぁ!!!」
※ つまみ・喰い
「お嬢様、まだ食事の準備はすんでおりません」
「たまには従者が働いているところを見てみたいのよ」
そんな訳で、紅魔館の炊事場。
「…そう仰られるのでしたらお止め致しませんが…」
「とりあえず気にしないで作業をなさい、飽きたら出て行くわ」
「かしこまりました」
トントントン…
「手際良いわね、でも時間を停めてやらないの?」
「忙しい時はそういうのもありますが…私はこの料理をしてる雰囲気が好きなので」
「ふ~ん…そういうモノかしらね?」
「そういうモノなのですわ」
じゃーっ
「そんな程度の火でいいの?」
「大きな火は食べ物を焦がすだけです」
「へぇ…」
ちゃっちゃっちゃっ
じゅー…
「咲夜ー?このサラダに入ってる緑の実は何?」
「ああ、それはアボカドと言って、果物の一種です」
コトコトコト…
「これって果物なんだ」
「はい、生のままだとレモンやメイプルシロップをかけて食べてもおいしいですよ」
パチパチ…じゅー
「そーなのか」
ひょい
「まぁ一般には森のバターと呼ばれてまして…」
ぱくっ
「甘みが全然無いので醤油をつければ刺身のようにも…」
「!!?!?!!?」
「咲夜さーん…何か、お嬢様に一定距離を保たれながら睨みつけられてませんか?」
「……スペカ発動中なのよ、きっと」
「…?」
……ぽんっ(←手を打つ音)
「レミリアストーカー、ですか」
※ 優雅な神隠し
「あ~、下界は暑くてもここはまだ涼しいわねぇ~」
「もうそんな時期なのね~」
ここは白玉楼。
八雲紫はのんびりと、西行寺幽々子はもっとのんびりとしていました。
「しかし妖夢はよく動くわねぇ」
「不器用だからねぇ、まだまだ半人前だって証拠よね」
「半人前…そうね」
ずず~っ…
「そういえば昔の藍はやんちゃでね、首に紐を付けたりしてたもんよ」
「ふ~ん」
ずずず~っ…
「今じゃ頼りがいのある子になっちゃって…もうすっかり放し飼い、身の回りの世話までしてくれるの」
「ふんふん」
ふぅ…
「その紐も要らなくなってすっかり成長した姿を見てると私、ふと思うことがあるの」
「どんなことを思ったの?」
「これがホントの無線藍(LAN)ってね!」
「あ、紫~食べないならそのおはぎ頂戴ね」
「幽々子様~庭のお掃除終わりました」
※ かなりうざい
あまりに傲慢な強奪振りに、
業を煮やしたパチュリーさんが、
レッツゴウと言わんばかりに、
魔理沙の家に強引に押しかけ、
強情な彼女を張り倒し、
非難轟々の中で本を取り返してきたんだそうな。
「はぁ~…これをしまうんですかぁ~?」
「ほら、ぶつぶつ言ってないで手を動かして」
ごうっっと置かれた本の山、
考えるだけで頭がごうーんとなる。
「はい…でもホントこの量の本って…どんだけ~ですよ…何て言うか……」
「ネコの手も借りたい?そんな都合よくいく訳が…」
「呼ばれて飛び出て…」
ごうんにちはと出てきたのは、
ごうっつ可愛い橙でした。
「あらら?可愛いネコちゃんがホントに出てきましたね」
「橙です!ネコの手でよかったら貸しちゃうよ!」
元気なごう挨拶で、にゃにゃっと飛び出す猫一匹。
「それなら話がはや……」
「…ゴホッ!」
ごぅほっとセキをしたのはパチュリーさん。
ごうも…基、どうも動物の毛が駄目だったようです。
「え?あ、ぱ、パチュリー様!!」
「えっ?えぇ!?」
ゴチ…オチなど無い。
※ 姫様の暇つぶし
今日の診察はお休み、永琳は本を眺めていた。
つかの間の休息、流れる時間はゆっくりと。
そこに暇を持て余した輝夜がやってきた。
「ねね、永琳!しりとりしよ!!」
永琳は本を読んでいる。
目線は本に落としたまま。
「はい…」パラッ…
輝夜の方を見ずに答えた。
「じゃあね……やごこ『ろ』!」
「炉」パラッ…
「えっ!?えぇっと…ろうど『う』」
「鵜」パラッ…
「う!?えっとね、えと…うさ『ぎ』」
「義」パラッ…
「永琳…私のこと、嫌い?」
「『ぎ』ですよ、姫様」パラッ…
※ 姫様の穀つぶし
永琳に酷い目(?)に遭わされた輝夜。
「むぅ…永琳め~」
続いて他の生贄を探す輝夜。
はっきり言おう、暇なのだ。
「あ、イナバ~」
「ん?姫様、何か御用ですか?」
話の相手は因幡てゐ。
今日は彼女も暇なようで。
「ねね、しりとりしない?」
「あ、いいですよ」
「イナバは強そうだからね…ちょっと難しいのいくわよ!!」
「はは…お手柔らかに……」
「じゃあ私から…く『だ』!」
「ダヴァジャルガ○ムンフバト」
「は?」
「いや、だからダヴァジャルガ○ムンフバト、『と』ですよ」
「と?あ、ああ『と』ね?と、と…糖度!とう『ど』よ!」
「ドルゴルスレ○ダグワドルジ」
「へっ?」
「だから、ドルゴルスレ○ダグワドルジですよ、じですよ『じ』」
「『じ』っ!?…えっと…えっ~と……じぇ、ジェン『ガ』!」
「ガンボル…」
「さっきからそれ何なのよ!?」
※ 姫様の玉つぶし
てゐにエライ目(?)に遭わされた輝夜。
「…てゐの相撲好きには参ったわ」
次の被害者をまた探す輝夜。
敢えて言おう、暇なのだ。
「あ、イナバ!イナバ!!」
見つけたのは月のイナバ、鈴仙・優曇華院・イナバだ。
珍しいこともあるもので、うどんげさんも丁度暇だったそうな。
「はい?どうしました、姫」
「イナバ~しりとりやろ?」
「しりとりですか?いいですよ」
「じゃあ私から…イナバ!イナ『バ』よ!!」
「バ…バンジージャンプ…」
「ぷ、かぁ…えっと」
「…なんて出来る訳無いじゃないですか!!師匠、無理ばっかり言わないで下さい!」
「へっ!?」
「いつも師匠はそうじゃないですか!自分の楽しみだけで私につらいことをさせて…」
「あ、あの…イナバ?」
「そんなに言うなら自分でやればいいじゃないですか!!」
「お~い…」
「もう…もうたくさんです!!……の『す』です」
「長っ!?」
「違いますよ~『す』ですよ♪」
「えっと『す』?す…す……すいか、萃香よ!次は『か』!」
「か…家事…」
「『じ』ね…」
「…をしてるのほとんど私じゃないですか!私に何かあったらご飯とかどうするんですか!!」
「続いてる!?」
「自分で何とかする…?師匠一般的なことほとんど出来ないじゃないですか!ご飯炊くのも苦労するのに!!」
「イナバっ!イナバってば!」
「蓬莱人って言っても食べなきゃつらいんでしょ!?その屋台骨を支える私を苛めて何が面白いんですか!」
「ちょちょちょ…」
「もう!もう勝手にして下さい!!知りません!!」
「イナバ~…」
「あっ…すいません、『ん』ついちゃいました…私の負けです…」
「……イナバ、お酒のみに行こ?私、おごったげるから」
「えぇ!?そんな…」
「いいから付き合いなさいって!」ぐいっ
「わ、わわっ!」
※ 暴れん坊シスター
「さくやー、お腹空いた~」
「はいはい、今おやつの準備をしてますので…」
ちゃっちゃっちゃっ
「わーい♪」
「期待してて下さいね」
こんこんっ
ぱかっ!
「うん、ところでさくや、このすごくいい匂いのするビンは?」
「ああ、それはバニラですよ」
ちゃっちゃっちゃっ
「バニラって、あの甘いヤツ?」
「そうですよ」
「そーなのか」
ひょいっ
「まぁ甘いといってもそれは香をつけるだけのモノでして…ってあら?」
~地下~
「へへへっ…♪ちょっと味見しちゃおっと」
ぺろっ…
ごごごごご…
「妹様警戒警報!!妹様警戒警報!!総員配置につけ!!」
「異常事態!!今日の妹様指数『最悪』!!」
「さ、咲夜さん!!何か知りませんが妹様めちゃめちゃ機嫌悪いですよ!!?」
「気合を入れていくわよ!」
(ごしまい)
最近は、首ではないものの、実際に紐つけてる幼児と持ってる親を見かける時があるので笑えませんでした。
なんてこったいorz
ええ!?醤油しかやったこと無かったので今度試してみます。ありがとうございました。
>無線藍
笑ってしまった。負けた。
痴漢撃退法のアレを想像してしまった僕はどうすればいいのですか?