Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

届かない想い

2008/07/05 00:24:28
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それは唐突にやってきた。

この恋は報われない。そう、気付いてしまったのだ。

あいつを誰より近くで見てきたから。見続けてきたから。

人と妖、どちらにも肩入れしないはずのあいつが。

奴の話をする時だけ、微かに、本当に微かに笑うから。




ねぇ、魔理沙。何か悩みがあるならいつでも言いなさいよ?
解決はしてあげられないけど、聞くだけならいつでも付き合ってあげるから。




あいつの優しさが痛い。

あいつにその気が無いと分かっていても勘違いしそうになる。

こんなに苦しいのなら、何故私は恋をしてしまったのだろうか。




どんなにあいつを見続けてもこの距離が縮まることはない。

どんなにあいつを想っていてもこの想いは伝わらない。

私はこんなにも、あいつの事を好きだというのに……





どうしたの? 最近元気ないわね? 珍しいじゃない、あんたにしては。




なんてあいつに言われる。

ギュッと胸が締め付けられて、涙が出そうになる。

お前が好きだ。お前が欲しい。お前と……一緒に居たい。

この思いの丈をブチまけられたらどんなにいい事か。

でもそれは叶わぬ夢。

だから私は溢れそうになる涙をアクビで誤魔化す。

最近実験続きで徹夜だったからな。ただの寝不足だぜ。

なんて嘘をつく。





いつからだろう、あいつに嘘をつくようになったのは。

前は嘘なんかつきたくてもつけなかったのに。

今はもう、喋るたびに嘘が交じるようになってしまった。



あの日から毎日胸が苦しい。この苦しみは一生消えないのだろうか。

あいつを想い、眠れぬ夜を幾度も越えた。

もしも、時間が戻るのならあの時へ。

あいつと初めて会った、あの時へ戻りたい。



もしもあいつに愛してるぜ、なんて言ったらどんな顔をするだろうか?

私はあいつに笑顔を向けることが出来なくなるかもしれない。

でも、限界なんだ。

もう、友達のままで、あいつに作り笑いは出来そうにない。



本当はずっと好きだったんだぜ。

いつでもお前のこと、愛していたんだぜ。

あいつに届けたい気持ちを八卦炉に込め、私は上空に広がる青空へと解き放った。
片思いって切ないけど、美しいですよね。
ノイン
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
これは魔理沙→霊夢→???って流れかな?
片思い物は読むと鳩尾のあたりがキューンってなるんだよぅ。
キレーな片思いごちでした。