まず初めに。
このSSには以下のことが含まれているかもしれません。
東方緋想天のネタバレ
キャラの崩壊
咲夜×魔理沙成分(微量)
また、作品名に安楽椅子探偵と書いていますが、
全然安楽椅子探偵ではありません。
以上のことに注意してお読みください。
私の名はレミリア。レミリア・スカーレット。
悪魔の館と呼ばれ恐れられている紅魔館の主の私にはもう一つの顔があった。
それは・・・名探偵だ。
「咲夜、咲夜はいるかしら?」
「はい・・・ここに」
私が呼ぶと一瞬で私の真横に現れる。流石は私の優秀な従者だ。
「フフッ、貴女はいつも忠実で可愛いわね」
そう言って私は咲夜を抱きしめてやった。(※第三者から見ると抱きついてるように見えます)
そこでふと、違和感を感じた。
「あら?咲夜、鼻から出る忠誠心はどうしたのかしら?」
私がこんなに近くで、しかも抱きしめてあげている状況なら、大量の赤い液体の忠誠心が出るはずなのだが・・・
「残念ながらお嬢様、今回の設定はサクマリです」
「いつものことじゃない・・・で、今回の優先度はどんな感じかしら?」
「このようになっております」
そう言って咲夜がどこからともなくホワイトボードを取り出しマジックで書いていく
『魔理沙>>>レミリア>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>美鈴』
「ふむ、それじゃあ仕方ないわね、ところで・・・これから私は探偵の仕事をするわ。咲夜、助手を頼めるかしら?」
「申し訳ありません、これから魔理沙のところへ行かなくてはいけません」
普段なら無理矢理でも私の用事を優先させるところだがサクマリでは仕方が無い。
「しょうがないわね、なら他の助手を探そうかしら」
「あと今日は魔理沙のところで泊めてもらいます」
「あら、随分と進展してるのね?それじゃあ今夜は不夜城レッドかしら?」
「恐らくはそうなるかと」
瀟洒に笑いながらそう言う咲夜。うむ、仲が良いのはいいことだ。
「早く孫の顔が見てみたいわね」
「期待に副えるよう、努力しますわ」
そう言うと咲夜は一礼をして、スッと消えた。
「さて、それじゃあ助手はパチェに頼もうかしらね」
―――少女移動中―――
「相変わらず無駄に広いわね・・・パチェはどこかしら?パチェー!パチェー!?」
私が図書館の奥まで飛び回っていくと、何やら話し声が聞こえてきた。
「それにしても・・・貴女、魔法使いなのに人間と変わらない生活をしてるのね」
「いいでしょ?人間だったときからの習慣なんだから、そんなに言うなら持ってきたクッキー食べなきゃいいでしょ!」
「いいえ、頂くわ。・・・折角貴女が私のために焼いてきてくれたんですもの」
「べ、別にあんたのために焼いたんじゃないわよ!人里でやる人形劇にきた子供にあげようと焼いてて、あまったから手ぶらでくるのもあれだし・・・」
何かしらこの茶番劇は。なんて思って見物しているとどうやら私に気付いたらしく二人がこっちに顔を向けた。
「あら、レミィ、来てたのね」
「えぇ、随分と仲がいいのね?」
「まぁ・・・パチュアリだしね?」
「そうね、パチュアリだわ」
「パチュアリなら仕方ないわね」
何がどう仕方ないのかとか疑問に思ったら負けよ?
「それにしても惨めよねぇ、咲夜に魔理沙を取られ、負け犬同士がくっつくんだもの」
「う、うるさいわねっ!」
アリスがムキになって突っかかってきた。随分と威勢がいいわねぇ。
「まぁ、魔理沙がよかったっていうのは本当のことだけれどねぇ、アリスでも私は別に構わないわ。むしろ胸が魔理沙より大きい分、楽しめそうだし」
パチェの発言にアリスが真っ赤になった。
「ちょ、ちょっとパチュリー!?あんた何言ってんのよ!!」
「あら?事実を言ったまでよ?貴女も魔法使いならサバトくらいわかるでしょうに。今までは小悪魔や妖精メイドにやらせてたけど・・・」
そのままパチェはアリスを舐めまわすように見つめた。
「そろそろ魔力の強い娘としたいと思っていたし・・・ね?」
「あらあら、お熱いわねぇ。まぁアリス、寂しいなら今度は私のところにも来ればいいわ。壊れちゃうくらい可愛がってあげるわよ」
「な、ななな、あんたまで何言ってんのよ!そんな卑猥な・・・」
「あら、弾幕勝負のことよ?一体どこが卑猥なのかしら?」
私が意地悪な笑みを浮かべてそう言ってやるとアリスはこれまで以上に顔を真っ赤にさせ涙目でなにやら言葉にならない言葉を叫んだ。
まったく、なんてからかい甲斐のある娘なのかしら。
「そういえば・・・レミィはなんでここに来たの?」
「んぁー?パチェに助手をしてもらおうと思ったんだけどねぇ、取り込み中だし美鈴かフランに頼もうかしらねー」
「あーあの二人なら無理よ、今頃仲良くしっぽりしてるんじゃないかしら?」
「・・・それってつまり」
「フラメイね」
「ああもう!助手がいなくちゃ格好がつかないじゃない!」
私が腹立っているとアリスが横から口を挟んできた。
「いるでしょ?丁度良いのが」
―――少女移動中―――
「ってわけで貴女がめでたく助手に選ばれたわ!」
「どういう訳よ!」
目の前にいる紅白の巫女が怒り出した。
「理由は簡単よ」
そう言って私は霊夢の体にそっと触れた。すると霊夢は顔が真っ赤になって恥ずかしそうに体を縮めた。
「な・・・なんなのよこれぇ・・・」
「決まってるじゃない、レミレイよ!」
私が責め、霊夢が受けの設定になっている限り、霊夢は私に抵抗できない。つまり、私の言うことには絶対服従なのだ。
「よぅし、それじゃあ今夜は霊夢が助手に相応しいかどうか身体の隅々まで捜査してあげるわ!」
「い、いやぁあああああ」
―――少女情事中―――
「フフッ、たまには朝に起きているのも気持ちがいいわね。曇り空で快適だし」
昨晩は霊夢の精気やら血液やら色々吸って体調がものすごくいい。お肌もつやつやだ。
ちなみに霊夢はなんか布団の中で嗚咽をもらして泣きじゃくってるけど気にするようなことじゃないわ。
「えっぐ・・・ひっく・・・もう私・・・巫女じゃいられない・・・」
「そんな些細なこと気にする必要ないわ。大体、そんなこといったら同人やSSでどれだけの霊夢が純潔を散らしてると思ってるの?」
「う、うっさい!そういう話はするな!!」
「まぁまぁ、そう気を落としなさんな。昨晩ので貴女は正式に助手として認められたわ。多分そろそろ事件が起きるはずよ」
「そう簡単に起きてたまるもんか」
「いやいや、私のカリスマセンサーによるとそろそろ・・・」
私が不敵に微笑むと、狙っていたように・・・
「文々。新聞の号外!!号外だよ!!」
天狗の新聞記者が声を張り上げてそう叫びながら新聞を撒いていった。
「ほら、起きたでしょ?なになに・・・『幻想郷で謎の殺人事件発生!?犯人は未だ手がかりなし、事件は迷宮入りか!?』ですって。さあ、行くわよ!」
―――少女移動中―――
ということで、私は霊夢をひきつれ、事件現場へと赴いた。
「さぁ、新聞記者さん、事件を詳しく教えて頂戴!」
「はい、被害者は鈴仙・優曇華院・イナバ氏、死亡推定時刻は昨晩、丑三つ時頃と予想されます」
ふむ、これは中々難しい事件のようだ。しかし、この名探偵、レミリア・スカーレットの手にかかればどんな難事件もあっという間に解決するのだ。
私は紙にすらすらと名前を綴っていった。そして書き終えるとそれを霊夢に渡した。
「霊夢、この紙に書かれた人物を連れてきて!私の推理では犯人はその中にいるわ!!」
そうして、私の元へ犯人候補の人物が集められた。
咲夜・魔理沙・妖夢・幽々子・アリス・パチュリー・紫・萃香・文・小町・衣玖・天子
「で、なんでこの中に犯人がいるってわかるの?」
不思議そうに霊夢が聞いてきた。
「ふふ、それはね、殺害された被害者が緋想天参戦メンバーだからよ!」
その場にいる全員に衝撃が走る。流石は私の推理ね。
「いや・・・それなら永夜抄や花映塚参戦メンバーも怪しいぜ?」
と、魔理沙が反論してきた。
「なるほど、いい目のつけどころね。でも考えてごらんなさい、その二作品は発売してからすでに時間が経ってしまった。それにくらべ緋想天は時期が浅いわ!」
「つまり、彼女を憎む動機があるのはつい最近出た緋想天に参加したメンバーの可能性が高い・・・ということですね」
と、咲夜が私の推理に付けたした。
「うむ、流石は元、私の助手、いい推理力を持っている。まぁそういうわけでこれから貴女達の昨晩のアリバイを確認するわ」
【容疑者その1、魂魄妖夢】
「貴女は昨晩、何をしてたのかしら?」
「はい。昨晩は幽々子様と紫様が冥界で宴会をお開きになられたので、私は藍様と一緒に調理をしていました」
「ふむふむ、それは本当かね?」
「えぇ、間違いありませんわ。しかもついさっきまで徹夜で飲み明かしていましてよ。ねぇ、幽々子?」
「そうねー、だから妖夢も紫も私もちゃんとアリバイはあるわ」
「なるほど、これでこの3人は無実ね、次ー」
【容疑者その2、小野塚小町】
「さぁ、貴女はアリバイはあるのかしら?」
「んー、そうだなぁ、昨晩は映姫様と一緒に夜雀の八目鰻屋でお酒を飲んでたよ」
「ふーん・・・じゃあ、あの閻魔と夜雀が証人ってわけね」
「そういうこと、昨日はすごいレア物の八目鰻が入っててねぇ、すごく美味かったよ」
・・・じゅるり。
「咲夜ー!今日のご飯は八目鰻ねー」
「はい、かしこまりました」
「まじめに推理しろ!」
むぅ、助手のくせに名探偵に怒鳴るとはなっていないな。
「はいはい、無実ってことで次いこー次ー」
【容疑者その3、アリス・マーガトロイド】
「君は友達がいなくていつも一人だからアリバイもないな!怪しいぞ!」
「友達いないって・・・余計なお世話よ!大体私にはちゃんとアリバイもあるし証人もいるわよ!」
そうアリスが言うと、パチェが横から口をはさんできた。
「確かに彼女にはアリバイがあるわ。昨晩は私とずっと一緒にいたもの。魔法の研究でね」
「あら?そうなの?」
「えぇ、新種の魔法でね、人間の身体の一部・・・髪の毛をつかってその人間のクローンを使い魔として呼び寄せる魔法を・・・ね。」
「・・・おい、アリス。お前この前私のところに魔法に使うからって髪の毛をもらいに来たよな・・・?」
「・・・何のことかしら?」
まぁそんなことはどうでもいいとして、一応これで2人の無実もわかった。
「次いってみよう」
【容疑者その4、伊吹萃香】
「貴女はどうなの?」
「んー?私は昨日は私の分身とお酒飲んでたよ?」
「ふむ、証人ありね、じゃあ次に・・・」
「ちょっと待ちなさい!どう考えてもアリバイにならないでしょ!」
「何言ってるのよ霊夢、分身の自分が証人になるじゃない。」
「いや、だからその分身っていうのは萃香自身なんだから証人にならないでしょうに。」
「んー。ねぇ貴女、貴女の分身ってそれぞれ自分勝手に動き回るの?」
「それぞれが自分の意思で動くよ?」
「ほら、それなら大丈夫でしょ。」
「何が大丈夫なのよ!・・・はぁ、もう頭が痛くなってきた・・・勝手にしなさい・・・」
「まったく、不出来な助手を持つと大変だわ。次ー」
【容疑者その5、射命丸文】
「あぁ、あんたは無実ね」
「なんで!?」
「わかってないわねぇ霊夢、普通こういう事件で記者ってのは探偵の味方なのよ?」
「何よその理論は!」
「まぁまぁ、実際、私は昨日衣玖さんに取材をしながら一緒に飲んでましたし、ちゃんとしたアリバイと証人もいますよ。ねぇ?衣玖さん」
「はい、私の仕事についての取材ということで、わざわざお酒や肴を持参してくださいました」
「ほらね?私の推理は完璧よ!」
「(推理でもなんでもないじゃないのよ)」
「さぁて、だんだん絞られてきたわね。次よ次!」
【容疑者その6、霧雨魔理沙】
「さて・・・ある意味、君が犯人の可能性が一番高いのだが。どうかね?魔理沙君」
「何で私なんだよ」
「窃盗、器物破損、etc・・・君には前科が山のようにあるのだよ。主にうち(紅魔館)の被害だがね」
「なんだよそれ!逆恨みじゃねぇか!」
「お待ちください、お嬢様」
私が魔理沙を問い詰めていると咲夜がそれを制止した。
「魔理沙は犯人ではありませんわ。昨晩は私とずっと一緒でしたもの。ねぇ魔理沙」
「あぁ、そういうことだ」
「そういえばそうだったわね。で、咲夜、昨晩はどうだったの?」
「な!?か、関係ないだろそんなこと!!」
「あら、私は咲夜に聞いているのよ?さぁ咲夜、魔理沙の無実を晴らすためにも詳しく話しなさい」
「えぇ、わかりましたわ。まず私が魔理沙を・・・」
―――少女説明中―――
咲夜の説明でほぼ全員顔を真っ赤に染めた。さらに数名は鼻から流血し、そして魔理沙は・・・
「うっ・・・ひっく・・・もうお嫁にいけない・・・」
と、しゃがみこんで両手で顔を隠して泣きじゃくっているわけなんだけど・・・
「あら、私が貰うわよ?幸せにしてあげるわ、魔理沙。」
と、とっても瀟洒なメイド長。
「まぁ・・・うん、流石私の従者ね!(汗)」
「お褒めに頂き光栄ですわ。」
「とにかくこれで・・・謎は全て解けた!!さぁ皆!崖の上に行くわよ!!」
「なんでよ!ここで犯人を言えばいいじゃないの。」
「謎解きのクライマックスは崖の上!昔からそう決まってるじゃない」
―――少女移動中―――
「移動が多いとかそういう心の狭い意見は切り捨てるわよ。」
「何のことよ?」
「いいえ、こっちの話よ。さて、それでは今回の事件の真相を究明しようかしら・・・。今回、被害者が狙われた理由。それは『人気』よ。」
「人気・・・?」
霊夢が首を傾げる
「えぇ、あの月兎は結構な人気があってね。外の世界でも『新参ホイホイ』と呼ばれたくらいだわ。そんな彼女を妬んだ犯人が彼女を殺害したのよ!」
「それで・・・犯人は一体誰なんですか!?」
庭師が固唾を呑んで私に聞き返した。
「今回の事件の犯人、それは・・・比那名居 天子!!貴女よ!」
ビシッと私が指差すと全員の視線が天子に集まった。
「はぁ!?あんた馬鹿じゃないの?なんで私が犯人なのよ!」
「貴女はとても不人気・・・だからあの兎を妬んでた。それが動機よ」
「誰が不人気よ!私みたいな完璧な天人、人気なんてありすぎて腐るほどだわ。外の世界でだって結構な人気じゃない?」
「フッ・・・これだから素人は・・・。不人気っていうのはねぇ・・・外の世界でのことじゃなくて、この幻想郷の住人からのことよ!!」
「「「「「あー・・・」」」」
「ちょ!?なんで皆納得するのよ!?」
「そりゃあんた・・・緋想天でのあの態度は・・・ねぇ?」
「どう?これではっきりしたでしょ!?不人気なあんたは人気者のあの兎を妬んで・・・いつも持っているその石で撲殺したのよ!」
決まった!あまりにも完璧すぎる私の推理。もう自己陶酔しちゃうわ。
「えっと・・・盛り上がってるところに悪いんですが・・・死因は毒物による中毒なのですが・・・」
気まずそうに新聞記者がそう告げた。
・・・えっ?
一斉に皆の視線が私に集まる。皆、とても冷めた目つきだ・・・まずい、このままでは私の偉大なカリスマが崩壊の危機だ・・・
「ならば・・・運命操作!!」
・・・・・・・
・・・・・
・・・
ふ、運命を操って天子が犯人になるというシナリオに書き直してやったわ。これで安心ね。
「さぁ・・・観念して自首しなさい!自分から罪を認めた方が罪は軽くなるわ。」
「うぅ・・・来ないで!来たら私の能力で要石を抜いて幻想郷に大地震を起こすわよ!!」
「馬鹿な真似は止すんだ!そんなことをしたらどうなるか・・・君自身が一番わかっているだろう!」
「どうせ私は幻想郷じゃ嫌われ者よ!!だから・・・だから、鈴仙が憎かった!いつも愛されてるあの兎が!!」
「君は勘違いしている。君にはすぐ傍にこんなにも君を思ってくれる人がいるじゃないか!」
そう言って私はチラッと衣玖の方を見た。
「(え・・・?私?)・・・え、えっと、総領娘様!私は貴女のいいところたくさん知っています!お願いです。もうこれ以上罪は犯さないでください!」
うむ、中々迫真の演技だ。カリスマポイントを30点あげよう。
「ほら見たまえ!こんなにも君を思っている人がいるんだ!君はそんな彼女も悲しませるつもりかー!」
「う、うぅ・・・ごめん・・なさい・・・私ったらなんてことを・・・」
天子はその場で泣き崩れ、霊夢がそっと取り押さえた。
こうして、迷宮入りするかと思われた難事件は、私、レミリア・スカーレットという一人の名探偵のおかげで無事、解決した。
しかし、これから先、もっと難しい謎が私の前に立ちはだかるだろう。
それでも私は負けない。そこに謎がある限り、私はそれに挑み続けるだけだ。
~FIN~
「ん・・・あれ、私どうしたんだっけ・・・」
鈴仙は記憶の糸を辿った。
「あぁ・・・そうだ、昨日の夜、師匠の作った新薬を無理矢理飲まされて・・・って痛!?」
思わず鈴仙は頭を抱えた。
「ちょ!?なんで私こんな血が流れてるの!?しかも頭が割れるように痛い!てかホントに割れてる!?」
・・・運命操作はほどほどに・・・ネ♪
藍様
>鰻屋
八目鰻屋
チートだ!!