Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

魔理沙好きの嘆き

2008/07/03 07:16:51
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注意:作品集プチ28『魔理沙好きの挽歌?』の続編となっております。

・頭のアレっぷりが加速した妹君とそれに好かれた巫女の場合
「まーりーさー」
夜もふけた頃の白麗神社にて、霊夢はフランにぎゅーっと抱きつかれていた。
「あーもー……この子は………」
事の発端は夕暮れ時の霧雨邸への訪問。その際に先に居たフランドール・スカーレットと鉢合わせ、
魔理沙の独占権を巡って争った結果、(検閲済)な行為に至って、終まいにゃ懐かれてしまったのである。
霊夢は呆れてこそいたものの、まんざらでもない様子だった。※格好は魔理沙っぽいままである。
「えへへー、魔理沙の匂い、もっと嗅ぎたいなー」
「はいはい、勝手にどうぞ」
世間では狂気の妹と言われたりもしているが、今霊夢の目の前にいるのはなんて事は無い、只の子犬である。
「いい匂い……前に嗅いだ魔理沙の匂いと違うけど、こっちの魔理沙の匂いの方が今はすきー」
と霊夢の腋をクンカクンカしていると、霊夢の目の前がヒビ割れて隙間ができた。
「ゲ!?……これはまずいかも………フラン、ちょっと隠れてなさい」
「えー、もっと魔理沙の匂い嗅ぎたいよー」
「いいから黙って――」
「はーい、霊夢。ご機嫌はいか…が……」
隙間から現れた紫の表情が強張る、予想されうる最悪な事態と立ち向かい、そして――
「ねぇ、霊夢……随分思い切ったことをしたのね……?」
「まぁ、その、ねぇ……」
「れい、む……その小娘は?」
「えーと、まぁ……説明するとちょっと長くなるけど」
「?何言ってるの、魔理沙は魔理沙だよ?おばさん誰?」
「おば……」
紫の口元が攣り上がるが、怒りを抑え、質問を続ける。
「えーと、その格好のイメージはあの白黒かしら」
「……そうよ、魔理沙好きが高じて格好も変えてみたくなったの。悪い?
 それと、この子はえーと、その……したのよ!!悪かったわね!?」
観念したのか、霊夢は開き直って事実をかいつまんで話した。
そして紫の表情は次第に強張ったものになり、その表情のままフランを見据える。
「貴方ね……霊夢を変えてしまったのは……?許すものか、この恨み果さで置くべきか」
「何……?も、もしかして魔理沙を狙ってるの!?わ、渡さないもん!!魔理沙は私のなんだから!!」
「二人とも、ちょっとお願いがあるんだけど」
「「霊夢(魔理沙)は黙ってて」」
「神社に傷の一つでも付けたら尻に退魔針をブッ刺すわよ」
すかさず、二人は遥か彼方まで飛んでいった(自発的に)。そして霊夢は居間から急須と湯飲みを持ってきて茶を啜る。
「はぁ……まぁ、予想できなかったわけじゃないけど。それにしたって所構わず暴れられても困るんだけどねぇ」
そして茶を啜りつつ、霊夢は遠まきに弾幕ごっこを眺めていた。
「ハァ……あの子、もしかして居候すんのかn」
ヒュン、と霊夢の両脇を弾が掠める。そして遅れて爆音。
「オーケー、シバく」
魔理沙を真似て神社に立てかけてあった箒に跨り、二人が弾り合っている場所へ急行――
「ゼェ、ゼェ……」
「中々、やるじゃんか……」
持てるスペルカードも全て撃ち尽し、互いに疲労困憊で睨み合い。
「だったら、殴り合いで……」
「決め、ようか……」
「わかったわ、とりあえず夢想封印でいくのね?」
振り向くとご立腹な霊夢が立ちはだかっていた。二人の脳裏には弾幕を展開している時に誤射した弾が――
「散、集、瞬、寂、侘、どれでも好きなのを選ばせてあげる」
「「ごめんなさい」」
瞬時に土下座、瞬時に夢想封印が叩き込まれた――
結論:人間(妖怪であっても)関係は時に厄介事を運んでくる、望むとも望まずとも

 ―――――


・ニートではない……筈のヒキコモリ魔女Aの場合
「う……魔理沙は………?愛しの魔理沙は……」
パチュリーより若干早く意識が戻ったアリス。だが周りを見渡しても、
どエラいことになった図書館と倒れたパチュリーが見えるだけ。
パチュリーよりも早く魔理沙のいる部屋へ向かおうと立ち上がろうとするが、
さっきのダメージが残っていて足が震えてマトモに立てずそのまま倒れてしまう。
「ぬぁぁぁぁ……ま、魔理沙ぁ……」
だが、這い蹲ってでもパチュリーの部屋にアリスは向かう。
「もう、少し……待ってて………魔理沙」
そしてパチュリーの部屋の戸に手をかけようとしたその時―――
「魔理沙さんの肌……すごく、綺麗………」
「や……み、見るな……みる、なぁ……」
人生の負け犬に成り下がる事必死なヴォイスがドアの向こうから聞こえてきた。
「――ハッ、いけないいけない!何か幻聴の類が聞こえたけど気のせいね!!」
「すごく、美味しそう……」
「ひぁっ!?だ、だめ、やめ……あぁ!!」
微塵も幻聴ではありません、本当にありがとうございました。
瞬時に頭の中が真っ白になって、地に膝を着くアリス。だが次の瞬間には表情には闘志を灯していた。
「そうよ、まだ方法はある!!」
と一目散に我が家へ駆け抜けて行く―――

 ―――――

「どっせい!!」
自分の家のドアを思いっきり開け、一目散に研究室へ向かう。
「あの方法ならいけるわ……!」
そして研究室の魔力倍加の魔方陣を起動させる。
「我が血よ滾れ、我が魂よ輝け――全ては真理に触れんがため」
そして懐から紙袋を取り出し、そこから自分とは違う金色の毛髪を取り出す。
「こんなに早く使う事になるとはね……」
そして近くに置いてあった人間大の人形を手元に寄せる、そして――
「我が願いを聴け、我が願うは血より彼のものの魂の写し身の創造、
 我が創りしヒトガタへ入れ、この肉の欠片を依り代として創られたまいし存在よ――
 霧雨魔理沙の魂の複製よ、汝、主たるアリス・マーガトロイドの命を聴kゲボらはぁぁああぁぁぁあ!?」
いきなり後頭部に鈍い衝撃がアリスを襲う、その途端集中が切れて魔方陣から光が失われる。
「いだだ……一体誰!?私と魔理沙のとてもスウぃぃぃぃぃトな時間を邪魔するのは!?」
と後を見るとそこには四季映姫・ヤマザナドゥとその部下小野塚小町が立っていた。
「間に合いましたね。全く、おr」
「あーもー四季様ったら人……いや死神使いが荒いんだかr――きゃん!?」
すかさず裏拳を叩き込まれ小町は可愛い悲鳴を上げる。
「小町、私が話をしている時に口を挟まない――とにかく、貴方がしでかそうとした事は紛れも無く重罪。
 魂の複製はそれも禁忌中の禁忌、当然それに見合った裁きを受けて頂きます」
と、いきなり小町の方に向き直って、
「小町、貴方もです」
「はい!?え、ちょ、少なくとも今回は真面目にやりましたよ!?
 四季様の頼みであたいの能力使ってこの家との距離ガンガン縮めまくったのに!!あたい何か拙い事でもしましたか!?」
「巨乳に死、あるのみ」
血涙流しながら凄い身勝手なジャスティスをのたまふ、無茶苦茶ここに極まれり。
「ちょっと待ちなさいよ!私は別にそんなにおっきくないわよ!?できるのなら私だってもっと大きくしたいってのに!!」
「っと、そうでしたね、訂正します。無乳・微乳以外に生きる権利はありません」
「サイズは」
「………絶壁です、こういう時だけは嘘を吐く事ができないこの生き様を呪いたくなります」
俯いてそう言った映姫の服は一部が血に染まっていた――
「とにかく、貴方達はこれから煉獄に落ちていただきますから。あ、でも小町、貴方は1時間で出しますよ。
 流石に三途の川の渡し守がいないと私が仕事できないんで」
「理不尽だ……」
「な……不戯けないで!!私はこれに魔理沙の魂の複製を入れて本物の魔理沙と入れ替えに行かなきゃいけないのよ!?
 本物に限りなく近いからそう簡単にバレないだろうし、本物の魔理沙にこれからじっくりと私の愛を伝えるの!!」
「黙りなさい――魂の複製、及び微乳または無乳でないという咎を貴方は犯し、そして犯そうとした――
 四季映姫・ヤマザナドゥの名において、貴方を裁――」
「ねぇ、そんなコトしちゃだめじゃないのかな」
と、後方から圧倒的なオーラ(敵意、殺気、憎しみその他諸々)を感じ、映姫は恐る恐る振り返るとそこには――
「盗み聞きは悪いことだってわかってるけど、それでもおかしいんじゃないかな……?」
ゴミ袋に群がるカラスを侮蔑するような眼差しで、映姫を見つめている神綺ママが立っておられました。
「おかしいなぁ…どうしちゃったんですか、閻魔様。
 おっきな胸が羨ましいはわかるけど、閻魔様は自分勝手を許された存在じゃないんですよ。
 普段の仕事はちゃんと裁いてるのに、こういう時に勝手に裁くなら
 閻魔様がいる意味、ないじゃないのかな。ちゃんと、普段通りやってよ。
 ねぇ、私の言ってること 私の閻魔様に対する考え方、そんなに間違ってる?
 少し、頭冷やそうか……」
そっと前に出した右手からは膨大な魔力が迸っている、その先は映姫――
「ハッ!!」
すかさず映姫は距離を詰め、神綺の腕をへし折ろうとするが、
そこは見抜かれていたのかすかさずバックステップをとり、外に出る。
続いて映姫も外に出てすぐ様勃発、ガチ弾幕バトル。
「蚊帳の外だねぇ……」
と小町は、閃光やらけたたましい爆音が響くのを窓から覗きつつボヤくと同時に、
アリスは外の戦闘を尻目に再び術式を発動させようとしていた。
「またやんのかい?素直に待っていたほうが後々楽だと思うけどね」
「五月蝿いわね、私は待てないのよ。我が身より魔理沙へ愛を伝える手段が無くなるほうが辛いわ」
「愛に殉ずるのは勝手だけどさ、それであれが喜ぶのかい?悲しむと思うんだけどねぇ」
「――!!五月蝿い……!!私には、魔理沙が全て、だから……」
「それはいけない事だと思うけどなぁ、おかあさん」
と、どこから持ってきたのか不明な巨大な銀の十字架を担いで神綺様が戻ってきた。
「思ったより早かったね……ところで四季様は?」
「えーと、閻魔様?ならここ」
と担いでいた銀の十字架を降ろすと、そこには服が所々千切れてボロボロになって、
気絶していた映姫が括りつけられていた。
「ちょっと、危なかったな。弾道が素直だったお陰でなんとか避けきれたけれど、
 少しでも細工をしてあったら避け切れなかったな――さて」
と二人を見据える神綺ママ、そして――
「ねぇ、アリスちゃん……おかあさん、アリスちゃんに好きな人が出来たのは素直に嬉しいわ。
 でもね、文字通り奪い取るっていうのは関心しないんだけどなぁ」
満面の笑みを湛えたまま説教モードに移行しておりました。
「え、えーと……どこから聞いてたの?」
「アリスちゃんが閻魔様におっぱいのサイズを聞いた辺りからだけれどね、
 でもね、聞いた感じだとその、魔理沙ちゃん、かしら?その子にも好きな人がいるみたいだったから。
 好きな人にずっと尽くしてその魔理沙ちゃんを振り向かせる、っていうのならおかあさんも応援するけどね、
 おかあさん、そんなひどい方法をかわいいアリスちゃんにはとってほしくないんだけどなぁ………」
「いや、あの、その……はい、ごめんなさい………」
ヤバい方向に走っていたアリスの思考すらマトモに戻すほどの怒気に耐えられなくなった小町は、
映姫が括りつけられた十字架を引きずって去ろうとするが、
「え……と、小町ちゃん、でいいのかしら?あなたにも話があるのよ?戻ってきてくれないかな?」
「あ、あはは……わ、わかりました」
さっき以上に燃え盛る怒気に臆し、小町は十字架を引きずって逃げるのを諦めた。
「さて、小町ちゃん。自分の上の人が頑張っているのにどうして助けてあげなかったのか、
 おかあさん聞きたいんだけど……?」
「死ぬ、とわかってて流石に飛び込むバカはいないんじゃ………」
嘘を吐いたら殺されると思い、正直に小町は胸の内を話す。
「それは解るけどね、でもせめて自分が大怪我しない程度に援護するくらいは出来た気がするけれど、間違ってるかな?」
「あ、いや……ま、確かにそうですけど……でも」
全く以って的を得ているため、小町は微塵も反論できなかった。
「さて、小町ちゃんは正座、アリスちゃんは――」
ポツリ、と神綺様は呟くと凝縮された魔力が輪となってアリスの手足を拘束する。
「ちゃんと私のおはなし、聞いてもらうからね?」
「「ハイ………」」
二人は観念して神綺ママの説教を喰らう羽目になったのだった……
――説教から3時間経過
「――さて、わかったアリスちゃん」
「ワカリマシタゴメンナサイオカアサン」
物凄い虚ろな顔で答えるアリス、尚小町は生気が抜け切ってミイラまがいになってしまっている。
尚、説教を始めた途端に映姫が目を覚まして「キャラが被るから止めなさい」と行った為猿轡されて放置され続けた。
「うん、わかればいいの。これでおかあさんも安心して魔界に帰れるわ。あ、そうだ」
「マダナニカ」
「うん、もう一つ言い忘れていた事があったから」
と、アリスの横に歩いていって呟いた。
(頑張りなさい、アリスちゃんは私の子供だもの。きっと振り向いてもらえるから)
その一言でアリスの顔に生気が戻った、そしてアリスを拘束していた魔力の輪が消えて自由の身となった。
「……ありがとう、お母さん。私、頑張るから」
「うん、その意気よ。さて、小町ちゃん、少し長くなっちゃったけどもう行っていいわよ」
「ぁー……やっとかい…………死ぬかと思った」
「ちょっと大げさよ、でも少しは反省したみたいだから許してあげる」
「ははは……ま、あたいはこれでお暇させていただくよ」
と、自分の持っていた鎌で映姫を拘束する鎖を断ち切り、猿轡を解いて解放する。
「四季様、帰りましょうか」
「個性が、私の個性が……」
そう言って小町は白くなった映姫を引きずってアリス邸を後にした。
「じゃあね、アリスちゃん」
「じゃあね、お母さん。次に来る時までに魔理沙を振り向かせてみせるから」
「うん、楽しみにしてるわね」
そう言って魔界神もアリス邸を後にした――
「さて……上海、蓬莱、行くわよ」
「シャンハーイ」
「ホラーイ」
「まずは媚れ薬の材料の調査、これで確実に振り向かせてみせる!!」
漢らしい間違った生き様をまざまざと見せ付けてくれるアリスであった――
結論:こういった類は死なないと治らない……かもしれない



 ―――――


自称病弱魔女Pの場合
「ぅ……ぁ……まり、さ………」
と今度はパチュリーが目を覚ます。
「魔理沙、まっ……てて……すぐ、いくから……」
と何とか立ち上がって壁を伝いながら、ヨロヨロと危ない足取りでパチュリーは自分の部屋へ向かう。
「魔理沙……もう、すぐ、だから……」
と部屋の近くまでなんとか歩き、そしてドアノブに手をかけようとした瞬間――
「もっと、魔理沙さんの身体、綺麗にしてあげますから」
「やぁ……こあくまぁ……もっと、もっとぉ………」
パチュリーの耳に桃色ヴォイスが響き渡る。
「ホ、ント……?嘘、でしょ………」
糸が切れた人形の如く、パチュリーはその場にくずおれた。
「そんなの……ナシ、よ……よりによって、小悪魔に……」
と、立ち上がるとフラフラと危ない足取りのまま、図書館を出て行った――

 ―――――

「そんな事があったのね、パチェ」
「む~きゅ~~」
パチュリーはレミリアの私室で泣きじゃくっていた。
「まぁ、フランが癇癪起こして貴女の図書館で暴れ回るよりはマシでしょうに」
「でも、魔理沙が、魔理沙がぁ………」
「ハイハイ、仕方ないわね」
そう言ってレミリアは泣き続けるパチュリーの髪を梳くように撫で続ける。
ただ、その状況を良しとしない人物がレミリアの横に立っていた。
(憎い、幾らお嬢様の友人といえど、お嬢様に甘えるなどぉ……私ですら髪を撫でて頂いていないというのに……)
憎しみと嫉妬の炎を燃やしつつ、その光景を眺めるメイド長。と、脳裏に浮かんだ策を実行するため時を止めて、給湯室へ。
そしてティーポットを持って戻ってきた。
「お嬢様、紅茶のお替りはいかがいたしましょう?」
咲夜の紅茶は格別→紅茶飲みたい→パチュリーの頭が邪魔→パチュリーにどいてもらう→紅茶飲む→咲夜の淹れた紅茶(゚д゚)ウマー
という上記のようなフローを咲夜は思い浮かべ実行する、ただ――
「別にいいわ、パチェが泣き終わってからね」
呆気なく策は崩れ去り、咲夜の嫉妬の炎が更に燃え上がる。
(おのれおのれおのれぇぇぇ!!!こうなったらお嬢様が見ていないところで抹殺してくれる!!)
「―――咲夜」
「――ハッ、ハイ!どうなさいましたか!?」
「後で私の部屋に来なさい、話があるわ。今はパチェが泣き止むまで一緒にいたいの」
「わ、解りました――」
と、誰にも気付かれないよう小さく舌打をし咲夜は部屋を後にした―――
「さて………パチェ、もういいの?もう少しくらいなら泣いててもいいのよ?」
「……もう、平気よ」
そう言ってパチュリーは顔を上げる。表情はまだ暗く、目元は真っ赤になっていたが落ち着きを取り戻していた。
「それで、どうするの?あの白黒を諦める、それとも――」
「ううん、まだ諦めきれない。それにまだ方法があるもの」
「そう、なら頑張ってね。影ながら応援させてもらうわ」
「ありがと、レミィ」
「気にしなくていいわ、パチェ」
そしてパチュリーは部屋を後にし、大魔法図書館へ向かった――
「さて、後は私の望むままに――」
と虚空を見上げる、レミリアの眼前に見えるのは、様々な色が点滅する球、銀色の球、そして真紅の球に寄り添うように浮かぶ鮮やかな虹色の球――
「パチェ、貴女には悪いのは承知しているわ……でも貴女の運命、弄らせてもらうわ」
と様々な色が点滅する球を指で弾き、真紅の球にカツン、とぶつける。
様々な色が点滅する球――パチュリーの運命を象徴する球は反発して元居た場所の近くに戻って行く。
「……無理、か。少なくとも今はその時じゃないみたいね、でも………」
ため息を吐き、俯いて呟く。
「寂しいのは、嫌……」
そして感極まってスッと立ち上がり――
「ヤダヤダ!!ハーレムじゃなきゃヤダヤダ!!寂しいのやだ、やだぁ……
 パチェがいなきゃ……咲夜がいなきゃ………めーりんが、いな、きゃ……やだぁ……やだ、よぉ……zzz」
極度の寂しがりやな吸血鬼は駄々をこねて眠ってしまったのだった――
結論:エロゲの主人公体質って苦労する気がする(周りが)


 ―――――


・某魔女の使い魔と魔理沙の場合
「ん、んん……もう、朝ですか……?」
目を覚ましたのは小悪魔だった、ただ――
「えーと、あれ……?何で私パチュリー様の部屋で寝てるんでしょうか?」
起きてまず真っ先に視界に飛び込んできたのは数多くの積み上げられた魔道書、
そしてパチュリーが精密さ・慎重さを要する練成や実験の際に使用される、これまた魔道書が雑多に置かれた机であった。
「あれ……そういえば昨日何かあったようななかったような……」
ふと、今度は視界に何一つ身に付けていない自分の姿が写った。
「え、えぇぇぇ!!な、なんでは、裸に!?」
で、オロオロして辺りを見ると自分の横に一糸纏わぬ魔理沙がうつ伏せで眠っていた。
「う、うわわわわわわ!!ま、ままままままま………」
頭はオーバーヒート気味、つられて全身まで真っ赤、小悪魔の意識のヒューズが切れるのも最早時間の問題。
「お、おおおおおお落ち着くのです小悪魔!!そう、昨日の行動を振り返って……」
熱暴走気味の脳をフル回転させて昨日の事を思い出す。
こんな時どこぞの機械人形なら熱暴走で機能の全体的な向上も見込めるだろうが生憎小悪魔はそこまで便利な身体ではなかった。
「そう、確かパチュリー様に頼まれて、パチュリー様の名前と同じハーブの精油を入れた容器をそこかしこに置いてくれって頼まれて……」
段々自分がどんな行動をとったかを思い出す、そして――
「そう、それで魔理沙さんを見ていると何だか何時もよりも胸が切なくなって、
 それを我慢してたら、たまにここに来るアリスさんが魔理沙さんに告白して、
 それでパチュリー様とアリスさんが弾幕ごっこを始めるからパチュリー様の部屋に行く……あ」
思い出す、そこで魔理沙に思いの丈をぶつけて、そして魔理沙が自分のことを好いていてくれて、唇を奪い奪われそして――
「あ@くWn(~|¥=%$&##!?」
声にならない叫びを上げてしまう、そして隣で寝ていた魔理沙の眉間に皺が。
「う……うぅ………ん、誰だ……朝から大声上げるのはぁ……」
魔理沙は眠たげに目を擦りながら、肘をついて小悪魔のいる方向を見上げた。
「ま、魔理沙、さん………」
「あ、あれ……小悪魔?な、何でこんなところにいるんだ!?」
「え、えーとその……昨日のその………ぁぅ」
「あ、おい小悪魔!!倒れるな、しっかりしろ!!」
顔を真っ赤にしたまま気絶した小悪魔を揺さぶって何とか起こそうとする。魔理沙が5、6回揺さぶって、小悪魔は目を覚ました。
「ぁ……ぁぅ、えーと、いったい何が………」
「やっと目を覚ましたか、だから――」
「あ!!……あの、魔理沙、さん」
「……一体どうした?なぁ、小悪魔?」
小悪魔が顔を更に真っ赤にしたまま視線を逸らしたのが気になった魔理沙が尋ねると、
「その……裸」
「え……ぁ――」
と初めて自分と小悪魔を見やると、何一つ纏ってない姿が目に飛び込んで――
「ーーーーーーっ!?」
あまりの羞恥にぷしゅー、と湯気を出して魔理沙はシーツに潜った。
「ご、ごめん……」
消え入りそうな声で魔理沙は呟く。
「ま、魔理沙さん……あの」
「……話し、かけないで」
「え、えとあの……」
いきなりの拒絶に困惑する小悪魔だが、その直後、
「昨日の事が、頭に焼き付いてて……小悪魔の顔、まともに見れないから………」
「あ……」
納得し、自分もまともに見れないという事態に陥った事を思い出す。赤面しつつも少し迷った後、
小悪魔は魔理沙の腕に手を伸ばしてそっと魔理沙の手を握る。そして引き寄せるようにして自分の胸に魔理沙の手を当てた。
「わ、わわわわわわわ!?こ、こあ、くま………」
「わかり、ますか、魔理沙さん」
「え……?」
「今、すごく緊張してます。悪魔でも、人の形を模していますから心臓もちゃんとあるんですよ?今すごく心臓がバクバクしてるんです、
 で、ですからその……は、恥ずかしいのは私も、同じ、だったり………」
最初こそ魔理沙の顔を見ながら喋ったものの、結局恥ずかしくて魔理沙の顔を見ることができなくなって視線を逸らす。
「だ、だから……その、は、恥ずかしがらないでも――」
「そ、そうだよな!!は、恥ずかしがらなくていいんだよな……」
魔理沙の反応が可愛くて、小悪魔はある事を呟く。
「もう一度………キスでもしたら、なんとかなるんじゃないかなー……って」
「えぇ!?で、でも……」
「しちゃ……だめ、ですか………?」
と、魔理沙の瞳を覗き込む。潤んだ瞳、頬をほのかに赤らめて、でもその眼差しから本当にしたいという想いが見て取れる。
魔理沙は唾を嚥下し、瞳を閉じて小悪魔に近づく。そして小悪魔は魔理沙の首に腕を絡めそして―――
「魔理沙!!話……が………」
「「あ……」」
場が凍りついた、
「あ、えとパチュリー、あのな」
「ぱぱぱパチュリー様!!あ、あの私達実はこ」
「わー!!わー!!わー!!」
テンパリ過ぎて爆弾発言しかねなかった小悪魔の発言を遮ったり、打開策をパニクッた頭で二人が考える中、パチュリーはふるふると身体を震わせていた。
「――たしも」
「ど、どうしましょう魔理沙さん!!こうなったら土下座で謝るしか」
「……そうした方がいいな、あー……パチュリー?ちょっと」
「私も入れてぇぇぇぇ!!」
足元に突風を発生させてベッドにダイブ、ベッドにいた二人は勢いで潰された。
「ぐぇ!?」
「あぐぅ!?」
「せめて私も入れてぇ……魔理沙と一緒じゃなきゃ、やだぁ………」
「ゲホッ……パ、パチュリー………」
「パチュリー、様……」
「なぁ、小悪魔」
「何でしょう、魔理沙さん?」
「私にとってパチュリーはあくまでも『友人』なんだ、だからそんなこと言われても……どうしたらいいんだろうな」
「……これから、考えればいいんじゃないんですか?大丈夫です、幻想郷で重婚は禁止されてませんし」
「そっか、そうだな。やっぱり、私には小悪魔みたいに支えてくれる奴が必要みたいだ」
「そうですよ、でも『みたい』なんてひどいです。泣いちゃいますよ?」
「あー……ごめん、悪かったよ小悪魔」
「ふふ……それじゃ、さっきのやり直ししてくれたらいいですよ」
「え、そ、そんな……無理、言うなよ………」
「嫌、ですか……?」
小悪魔に潤んだ瞳で見つめられ、そして瞳を閉じた。しかも微動だにせず待っている。
「う………わ、わかったよ……」
「お願いだから私も入れて~~」
パチュリーは終始むきゅーむきゅーと泣いていた――
結論:甘々であるなら、幻想郷は重婚も許される………ハズ
どうも、勢いは『三輪車の両脇にロケットブースターを一基ずつ』、
ギャグの破壊力は『某古い鉄の某巨大パイルバンカー』できれば『旧Gジェ○の核弾頭』クラスのSSを書きたいと思っている等品 骸です。
続編でサッカリン1Kgを1gに凝縮したぐらい甘いの書こうと思ったら挫折しましたorz 書けるか畜生
※ヤバかったら削除お願いします
等品 骸
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
霊夢さん達のやり取りが最高です。
2.名前が無い程度の能力削除
>パチュリーは終始むきゅーむきゅーと泣いていた
こああああー!!こああああーー!!
3.名前が無い程度の能力削除
ハーレム候補にフランちゃんがいないですと!?

考えてみたら、魔界は幻想郷じゃないから映姫さまの担当じゃないし、
そもそも神綺様が創り出した世界だから担当閻魔そのものが居ない?
4.名前が無い程度の能力削除
目の前で、あくまでも『友人』なんだ発言されたパチュリー様に涙が止まりません
けど重婚の相談してるから、結婚も目の前か?
まあなんだその・・・かわいいよパッチュン!

神綺様すっげえです。カリスマが溢れてる。うおっ、眩し
5.名前が無い程度の能力削除
神綺様の溢れ出たカリスマが糖分になって体に直接侵入してきやがった