Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

午後、白玉楼の縁側にて

2008/06/28 16:50:01
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冥界は白玉楼。二百由旬あるといわれている、広大な屋敷。

ここの庭の管理をするのが、庭師としての魂魄妖夢の主な仕事である。

とはいっても、一日で庭の全てを見回ることは、物理的に無理であるから、

庭を1日で見ることができる広さに区切り、順番に見回る。

また、掃除や砂利の手入れは、その辺の暇をしている幽霊達が勝手にやってくれるので、

妖夢は幽霊達への指示と木々の剪定のみ行えばよいのである。



ある晴れた日、昼も少し過ぎた頃、妖夢は仕事を終わり、縁側に座った。

「ふう、今日の分はこれで終わりね。

 …それにしてもいい天気。

 …ふわぁ」

ぽかぽかの陽気。

とても気持ちよかったのか、妖夢はあくびをひとつして、そばにあった柱に寄りかかった。

そして、そのまま目をつむり

「…すぅ」

かわいい寝息をたて、夢の中へ。





         「妖夢ー?   よーむー?

          どこいったのかしら?いつもなら呼んだらすぐに…。

          あ、妖夢、そこにいたの?いるなら返事をって、あら?あらあら?

          ふふふ。この子ったら…」






「…ん」

ふと、妖夢は目を開けた。

「…あれ?」

どうやら、眠っていたらしい。それはいいのだが、視界が90°傾いている。

それに、気持ちのいい温かさとにおいに包まれている。

「あら、起きたの?」

「ふえ?」

声のした方に顔を向けると、幽々子の笑顔があった。

「あれぇ?幽々子様?」

「ええ、そうよ」

なんで幽々子様の顔がこんなところに?あれ、頭に感じる柔らかさは、もしかして?

寝起きだった妖夢の頭が覚醒していき、それにより、現在の状況の答えが出る。

あ!え!?私、幽々子様に膝枕してもらっている?と。

そして。

「ええええ!?ゆっ、幽々子様!?どうして!?」

「妖夢、いきなり大きな声を出さないの。びっくりするでしょ?」

全然びっくりしているようには思えない様子で、幽々子が言う。

「え、でも、幽々子様が!?なんで!?」

「妖夢。落ち着きなさい。はい、深呼吸。

 吸ってー、吐いてー」

混乱しつつも、妖夢は素直に幽々子に従い、深呼吸する。

「スーーー、ハーーー」

「吸ってー、吐いてー」

「スーーー、ハーーー」

「吸ってー、吸ってー、吸ってー」

「スーーー、スーーー、スーーー」

「吸ってー、吸ってー、吸ってー」

「スーーー?スーーー!?スッ!?ゴホッ!?ゴホッ!!

 ゆ、幽々子様!?吸ってばかりじゃ苦しいですよ!!」

一頻りむせ、妖夢は幽々子に抗議する。

「クスクスクス、妖夢ったら。

 でも、落ち着いたでしょ?」

「あ、はい…。ありがとうございます。

    …すみません、幽々子様」

「あら、どうして謝ってるのかしら?」

「え?いや、役目の途中で居眠りなんて…。それに、幽々子様に、ひ、膝枕を…」

しゅんとしながら妖夢は答える。幽々子はその様子に微笑みながら言う。

「いやいや、妖夢。あなたはとてもできた子よ」

「え?」

よくわからない。きょとんとする妖夢を尻目に、さらに言葉を続ける。

「あなたは眠っていても、私を満足させてくれたのよ?とてもいい子じゃない」

「はうぅ…」

頭をなでられながら伝えられた言葉に、妖夢は顔を赤くする。

そして思う。やはり幽々子様には勝てない。いろんな意味で。

ふと、閃いた。こんな機会は滅多にない。幽々子様を驚かそう。

「で、では、幽々子様!お願いがあります!」

「あら?珍しいわね。妖夢がお願い事なんて。何かしら?」

「も、もう少し、膝枕、していてくれませんか?」

思ってもいなかったことだろうか。予想通り幽々子は驚いた顔をしていた。

そして、笑顔になり。

「クスクス。いいわよ。いい子の妖夢にご褒美ね」

頭をなでられながら、妖夢は再び夢の中に旅立つのであった。




「ほんとにかわいい子ね。そう思わない?紫?」

「あら、やっぱりわかってた?」

「付き合い長いじゃない。私たち」

「そうね。

 …やっぱり、寝ている子はかわいいわね。意地悪したくなっちゃう」

「紫、ちょっと機嫌悪い?」

「ええ、幽々子の膝枕を取られたんですもの。機嫌も悪くなるわ」

「あらあら、拗ねないの。今度、してあげるから」

「…約束よ」

「はいはい」

幽々子が妖夢の頭をなで、紫が妖夢のほっぺをつつき、白玉楼の午後は過ぎていった。
「幽々子様…」
「妖夢?どうしたの、こんな時間に?」
「お昼にたくさん寝てしまったから眠れなくて…
 なんだかお化けが出そうで怖くなって…
 一緒に寝ても、いいですか?
「(妖夢、半霊を抱きしめて口元を隠しながら、上目遣いは、反則よ)
 クスクス、しょうがない子ね。ほら、来なさい」
「あ、ありがとうございます!
 では、幽々子様、おやすみなさい」
「はい、いただきます」
「え?幽々子様?挨拶がちがいまsアーーーーーーー!?」




拗ねるゆかりんかわいいよ
うまく表現できない作者を許してください。
ぺ天使B
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
>吸ってー、吸ってー、吸ってー
やると思ったw いただきますは予想できなかったけどw

のんびりとした風景が簡単に想像できました
こういった雰囲気好きです
2.名前が無い程度の能力削除
妖夢の反則技が頭から離れない。
3.名無し妖怪削除
>妖夢、半霊を抱きしめて口元を隠しながら、上目遣いは

某ゆゆ様絵師のあの絵ですね。わかります
4.名前が無い程度の能力削除
>吸ってー、吸ってー、吸ってー
ラマーズ法じゃなくてそう来たかw
いい冥界組でもう顔がにやけっぱなし