「お嬢様」
「なに?」
突如現れた咲夜に動じることなく憂鬱気なレミリアは聞き返す。
「気晴らしに、先日ありあまっているからと売りに出したカリスマがどうなったか書かれたレポートでも読みませんか?」
「読んで頂戴」
「はい。それでは読ませていただきます。
まずは一番多く売れた『れみりゃ愛し隊』のカリスマから。
形の無いカリスマをどのようにわけあうかを話し合い、それが加熱し殴り合いに発展。
殴られて吹っ飛ばされた一人が偶然カリスマにぶつかり体内に吸収。
その場の全員を一括し注目を集め、お嬢様に対する熱い想いを一時間語り続け、全員を先導し紅魔館に進軍開始。
目的はお嬢様を高い高いすることです。
これに対して美鈴が排除許可を願い出ていますが?」
「許可」
レミリアが短くそう言うと咲夜の姿は消え、すぐに現れた。
途端、館外から微かな振動が伝わってくる。
美鈴が許可を受け、排除を開始したことによる振動だ。
妹様万歳といった悲鳴が聞こえきたが、二人は気にしない。
「次は西行寺家当主に売ったカリスマです。
購入理由が不明でしたが判明しました。
食用として購入したようです。
目的どおり食べたようですが、どうも相性が悪かったらしく食あたり? カリスマあたり? したようです」
「見舞いの品でも送ったほうがいいのかしら?」
「いえそれには及びません。
ヘタレ成分を混ぜた饅頭を食べさせたところ、カリスマと相殺して食あたりは治りました」
「それはよかったわ。クレームとかくると面倒だものね」
「まったくです」
対応対処のよさをレミリアが褒めると、咲夜は恐縮ですと一礼する。
「最後に八意永琳に売ったカリスマです。
カリスマとはどのようなものなのか好奇心による研究目的で購入したようです。
同時にカリスマを売るという前代未聞の行為に驚きを示していました。
カリスマに含まれる成分など、わかったことはこちらにも知らせると言っていました。
なお主人のカリスマの調査をしないのかという質問については、返答をいただくことはできませんでした」
「どんな研究結果がでるか楽しみね」
「きっと素晴らしいものに違いありません」
報告が終ると同時に振動もやむ。美鈴がれみりゃ愛し隊の排除を終えたらしい。
レポートをどこかへと消し咲夜は表情を引き締める。
「お嬢様、例の件についての調査結果ですが」
「なにかわかったの!?」
咲夜が切り出した話題によってレミリアの落ち着きがなくなった。
それを見て咲夜の表情が緩むが、すぐに引き締められた。
「はい。
原因は、たくさんあるからとカリスマを売りすぎたことです。
現在お嬢様のカリスマは限りなく0なのです。
なので牙爪の鋭さがなくなり、羽が小さくなり丸みを帯びて、表情が常に緩み、雰囲気が和み系になったのだと思われます。
今のカリスマでは、かろうじて吸血鬼という体面を保つことが限度なのでしょう」
「どうしたら元に戻ると思う?」
自然と可愛らしい仕草で咲夜に聞く。
レミリア本人は必死に聞いていて、そのような仕草を狙ってはいない。
だが狙ってはなくとも、咲夜の心を刺激する。
「私個人としては、現状は大・歓・迎!
失礼しました。
時間が過ぎてカリスマが貯まるのを待つしかないのではと思われます。
これはパチュリー様も同じ意見です」
「ほんとに?」
「グッジョブ!」
聞き返した仕草がとても素晴らしいものだったので、咲夜はサムズアップ。
レミリアの問いは瞬時に頭から消えていた。
この日が、のちに出血多量者を大量にだした「紅魔館は血に萌えて」事件の始まりだった。
「なに?」
突如現れた咲夜に動じることなく憂鬱気なレミリアは聞き返す。
「気晴らしに、先日ありあまっているからと売りに出したカリスマがどうなったか書かれたレポートでも読みませんか?」
「読んで頂戴」
「はい。それでは読ませていただきます。
まずは一番多く売れた『れみりゃ愛し隊』のカリスマから。
形の無いカリスマをどのようにわけあうかを話し合い、それが加熱し殴り合いに発展。
殴られて吹っ飛ばされた一人が偶然カリスマにぶつかり体内に吸収。
その場の全員を一括し注目を集め、お嬢様に対する熱い想いを一時間語り続け、全員を先導し紅魔館に進軍開始。
目的はお嬢様を高い高いすることです。
これに対して美鈴が排除許可を願い出ていますが?」
「許可」
レミリアが短くそう言うと咲夜の姿は消え、すぐに現れた。
途端、館外から微かな振動が伝わってくる。
美鈴が許可を受け、排除を開始したことによる振動だ。
妹様万歳といった悲鳴が聞こえきたが、二人は気にしない。
「次は西行寺家当主に売ったカリスマです。
購入理由が不明でしたが判明しました。
食用として購入したようです。
目的どおり食べたようですが、どうも相性が悪かったらしく食あたり? カリスマあたり? したようです」
「見舞いの品でも送ったほうがいいのかしら?」
「いえそれには及びません。
ヘタレ成分を混ぜた饅頭を食べさせたところ、カリスマと相殺して食あたりは治りました」
「それはよかったわ。クレームとかくると面倒だものね」
「まったくです」
対応対処のよさをレミリアが褒めると、咲夜は恐縮ですと一礼する。
「最後に八意永琳に売ったカリスマです。
カリスマとはどのようなものなのか好奇心による研究目的で購入したようです。
同時にカリスマを売るという前代未聞の行為に驚きを示していました。
カリスマに含まれる成分など、わかったことはこちらにも知らせると言っていました。
なお主人のカリスマの調査をしないのかという質問については、返答をいただくことはできませんでした」
「どんな研究結果がでるか楽しみね」
「きっと素晴らしいものに違いありません」
報告が終ると同時に振動もやむ。美鈴がれみりゃ愛し隊の排除を終えたらしい。
レポートをどこかへと消し咲夜は表情を引き締める。
「お嬢様、例の件についての調査結果ですが」
「なにかわかったの!?」
咲夜が切り出した話題によってレミリアの落ち着きがなくなった。
それを見て咲夜の表情が緩むが、すぐに引き締められた。
「はい。
原因は、たくさんあるからとカリスマを売りすぎたことです。
現在お嬢様のカリスマは限りなく0なのです。
なので牙爪の鋭さがなくなり、羽が小さくなり丸みを帯びて、表情が常に緩み、雰囲気が和み系になったのだと思われます。
今のカリスマでは、かろうじて吸血鬼という体面を保つことが限度なのでしょう」
「どうしたら元に戻ると思う?」
自然と可愛らしい仕草で咲夜に聞く。
レミリア本人は必死に聞いていて、そのような仕草を狙ってはいない。
だが狙ってはなくとも、咲夜の心を刺激する。
「私個人としては、現状は大・歓・迎!
失礼しました。
時間が過ぎてカリスマが貯まるのを待つしかないのではと思われます。
これはパチュリー様も同じ意見です」
「ほんとに?」
「グッジョブ!」
聞き返した仕草がとても素晴らしいものだったので、咲夜はサムズアップ。
レミリアの問いは瞬時に頭から消えていた。
この日が、のちに出血多量者を大量にだした「紅魔館は血に萌えて」事件の始まりだった。
とかでも面白そうだ