Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

独りではない理由

2008/06/18 18:45:34
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■独りではない理由
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




 寂しいとは思った。
 だから私の周りには、沢山の人形がいる。
 人形達は、私に対して元気良く振舞ってくれる。





 だから私も、それに答える。





 綺麗な服を縫ってあげたり、新しいお友達を作ってあげたり。
 私の為に作った人形だから、今度は人形の為にも何かしてあげないと。





 でも・・・。





 それでも少し寂しい。
 本心は、本当のお友達が欲しい。
 でも、私にそんな勇気なんてなかった。





 そんな中、家のベルが鳴った。
 魔理沙・・・?
 いや、魔理沙なら窓から侵入してくるし、丁寧にベルを鳴らす事はない・・・。





 玄関まで出迎え様としたら・・・。





 「元気にしていたか?アリス」


 「お、お母さん!?」





 吃驚っ。お母さんが訪ねて来た。
 だって、あれ以来顔を見合わせていないから。





 「じゃ、じゃあ取り敢えず中に入って」


 「お邪魔~」





 私は突然の母の訪問に動揺が隠せなかった。
 取り敢えず私は、紅茶でも出す事にした。





 「ねぇアリス、こっちではどうなの」


 「・・・そ、それなりよ、それなり。そう言うお母さんこそどうしたの」





 紅茶を淹れ終わり、テーブルの上に置く。
 そして私は向かいの椅子に座った。





 「いや、そろそろ魔界に連れて行こうかなってね」


 「え・・・」





 魔界に戻る・・・。
 魔界人である私にとって、更にその神であるお母さんの一人娘である限り、
 必ず訪れてしまう事だった・・・。





 でも私は未だここに居たい。





 でも・・・中々言えなかった。





 「貴女は、この世界に行く時『何かを見つけてくる』って言ったけど、そこはどうなの?」


 「あ・・・そ、それ・・・わ」


 「まさか、これだけ長い間待ち続けてたのに未だに見つけられないと?」


 「・・・」





 言い返せなかった。
 確かに私はそんな言葉を言った。
 何かを見つけてくる―――――。





 「まぁ元より・・・貴女じゃ無理だって言う事ぐらい、解ってたけど」


 「な、なんでそんな言い方するのよっ。私だって何もせずに見つけようだなんて―――――」


 「でも、見つける事は出来なかったんでしょ」





 ・・・・・・。





 「これ以上、ここに居ても意味なさそうね。手っ取り早く済みそうで良かったわ」


 「・・・・・・・・・・・・・・・私・・・魔界に戻りたくない・・・」





 その瞬間、お母さんは手に持っていたティーを勢い良く置いた。
 私は思わず、ビクっと驚いてしまった・・・。





 「ねえアリス、今まで長い間目を瞑って来たけど、好い加減我慢にも限界がある事を知ってくれない?」


 「で・・・でも」


 「でも?何?貴女はこの世界に居て、華が咲く事はおろか、芽さえ出来る事もない。
  もう解るでしょ・・・素直に、戻るとしましょうか、アリス」





 椅子から立ち上がり、私に向かって歩き出した。





 その瞬間だった・・・。





 正しく、覗き見でもしているかの様な絶妙なタイミングだった。





 「おっすアリス、遊びに来た・・・ぜ?」


 「ま・・・魔理沙」


 「うん?アリスのお友達かい?」





 何も知らない様子だった。
 しかし、今回は本当に珍しく「玄関」から入って来た。





 いや、今はそんな事より・・・。





 「あれ?見た事のないお方が・・・んん?」


 「あ・・・いや、私の・・・」


 「アリスの母ですわ、ウチの娘がお世話になってます」


 「ふむふむ、なるほどな。アリスのお母さんって訳か・・・。ん?」





 納得した刹那、魔理沙も又驚いた。





 「アリスのお母さんだって!?」


 「う、うん。そうだけど」


 (げ、玄関から入ってきて良かったー)


 「折角遊びに来たんだから、明日に延ばしましょうか」





 突然切り替える。
 流石にお母さんも心までは悪魔じゃなかった・・・。





 「何かあったのか?って、親娘の話に首突っ込むわけにゃーいかないか」


 「・・・じ、実は」


 「アリスを、魔界に連れ戻そうとしたのよ」


 「え・・・」





 思いがけないお母さんの一言に、魔理沙は戸惑う。





 「ま、魔界・・・?じゃあアリス、魔界に戻っちまうのか?」


 「・・・・・・」


 「そ、娘はこの世界に居ても意味ないし、その証拠に何も見つけてない」


 「見つける?」


 「必要とされなければ又必要とする人もなく、自分自身を見つける事さえ出来ず。
  それでなくても、十分過ぎる時間を与え、何も言わず見守って来たと言うのにねぇ」





 私は俯いたまま、何も言えなかった。
 正論だったから・・・。本当に、何も言えない。
 ここまで言っているお母さんに、最早何を言っても無駄。
 既に私も、覚悟を決めていた・・・。魔界に戻る事に・・・。





 「私はアリスが必要だぜ?」





 その一言に、私は思わず「え?」と思った。
 魔理沙からそんな一言を聞く事があるなんて・・・。





 「それに、アリスとは友達だし、離れたくない」


 「・・・ふぅん」





 お母さんはその一言を聞いて、先程とは少し変った表情をする。





 「互いにコレクターだから、解らない事は互いに聞けるし、理解出来るしな」





 ・・・。
 解らない事あったら、聞くより人のグリモアを掻っ攫うでしょうが・・・。
 今、自然と魔理沙に対する素直な気持ちが露になってしまった・・・。





 「アリスが私を必要としてくれてるかは解らないけど、私にとっては大事な友達だぜ」





 笑顔でそう言った。
 私の顔は赤く染まって、聞いてる自分が恥ずかしくなった。





 「じゃあ、逆か」


 「・・・え?」


 「うん?」


 「なんだアリス、良い友達が居るじゃない」





 魔理沙はああ言って、お母さんもそう言った。
 私には解らない。
 これが友達だって言うのが解らなかった。
 必要とされているから友達なの?





 嬉しいけど・・・解らなかった。
 だが、私のその想いに、お母さんはまるで読み取ったかの様に話しかけた。





 「友達っつーのはねぇアリス、意識するものじゃないんだよ。
  ただ話し合って、ただ遊び合って、その内に自然となる不思議なものなんだよ」


 「ん~、まぁなんつーか『心から許せる』人?って言うのかな、私の場合はな」


 「・・・・・・・・・・・・・・・。ぐす・・・」





 二人の言葉は、余りにも大きくて、余りにも温かかった。
 私の瞳に涙が溢れ、抑え切れず流してしまった。
 そんな顔を見せるわけにいかず、思わず両手で顔を隠す。





 「お、おいアリス・・・」


 「あらまぁ・・・こんな事で泣くなんて、余程独りだったって訳か」


 「え」


 「自分にとって、貴女は友達なのか解らなかったんじゃない?
  複雑な関係で、どう言う態度で表せばいいのか解らないし、どう言えばいいのかも解らない」





 その言葉を聞いた魔理沙は、そっと私の傍に寄った。
 そして手を、ぽんっと私の頭にのせて、撫で始めた。





 「アリスったら可愛い奴だなぁおい。普通でいーんだよ、普通でさ」





 馬鹿っ。本当に恥ずかしいから・・・。
 ・・・でも嬉しかった・・・。それは紛れも無い事実。





 「既に見つけてあるんじゃない。見つけてあるなら私は居てもしゃーないわね。
  それじゃあアリス、大切にするんだよ・・・ふふ」





 そんな言葉を残しながら、姿を消していくお母さん。
 どうやら、私は魔界に行かなくて済むみたい。
 それもこれも、魔理沙のお陰だった・・・。





 私の涙はやっと止まった。
 両手を離して、魔理沙にお礼を言おうとした時。





 「うお!アリス、眼真っ赤だぜ?」


 「え、嘘っ」


 「はは、まぁ・・・よかったな」


 「・・・・・・うん」


 『ありがとう』って言いたかったのに・・・。
 素直じゃないのかな、私・・・。





 「正直吃驚したぜー・・・。アリスのお母さんが居て、急に魔界に戻るってさ・・・」


 「うん・・・ごめんね」


 「いやでも、本当に良かった良かった。寂しくなっちゃうかと思ったよ」





 私が居なくなる事で、魔理沙も寂しくなる。
 もしかして友達って、心の中に居る存在で、急に居なくなると埋めようがない大きな穴が生じる・・・。
 そんな感じ・・・なのかな?





 未だ私には解らない。
 自分から『友達が欲しい』っと言って、友達とは何なのかさえも解っていない。
 もっと知らないといけない・・・貪欲に、知り尽くさないといけない。





 魔法と似ている、友達って。





 そんな簡単に手に入る友達は、友達とは言わないのね。
 だから人形は『愛すべき娘たち』と考えれば・・・・・・。





 「ん?何考えてるんだアリス?折角だし、気分転換に外にでも行こうぜっ」


 「・・・ん。ちょ!ちょっと魔理―――――」





 魔理沙は勢い良く私の手を握って、外へと連れ出した。
 けど・・・。





 「靴ぐらい履かせなさい!」


 「わりぃわりぃ、つい」


 「もう・・・。ありがとね、魔理沙」


 「う、照れるじゃないか・・・」





 そして私と魔理沙は、外へと気分転換しに出掛けた。
 勿論、私の人形も一緒に・・・・・・・・・・・・・・・。





 End
魔理沙「そーいやアリスのお母さんって、どんな人なんだ?」

アリス「ん、魔界の神様だけど。魔界を創ったし」

魔理沙「ぶっ」

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どうも始めまして、大阪と言います。

前回「忘れたい思い出」と言う雛メインの小説を投稿したんですが、
数時間後自分を含め他の人の小説までも何故か消去されていた様子・・・。

自分が悪いのかなぁっとネガティブな思考を抑えつつ、
実質二回目の投稿となります。

自分はアリス好きなので、アリスには幸せになって欲しいと思って書きました。
誤字とか有ったらごめんなさい!
改行のし過ぎて見難くかったらすいません!
大阪
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
ずいぶん肝っ玉なお母さんですね。
2.からなくらな削除
アリスも神綺が母親だとプレッシャーがあるんでしょうね
(私もすごい人にならないと・・お母さんのように)
とか、気にしてるのかもしれません
3.名前が無い程度の能力削除
>その神であるお母さんの一人娘である限り
魔界に在るもの皆彼女の子供です
少なくても、一人娘じゃありません

というか、魔理沙は彼女達と面識あるじゃないですか
4.名前が無い程度の能力削除
色々と東方の知識不足な感じです。もう少し勉強してはいかがでしょうか?