「あーゆかりにあいてえよぉ・・・・・・」
五畳半の狭い室内、アクエリアスを友にしてメモ帳に向かう某SS書き。
舌打ちするかため息をつくか、それか最初の発言のように妄想を口に出している。
危ないのだが一人暮らしの彼を止めるのは誰もいない。
彼は俗に言うユカリストであった。
紫をババアと言うものを強敵と認め、夜を明かすほどに論争をしたこともあった。
カラオケに入り、アカペラでゆかりんファンタジアを歌うこともあった。
カッコイイ紫SSを書こうとして断念したことも幾度となくあった。
「ちくしょう、ちくしょう・・・・・・」
面白い話がかけない。
挫折し、悔しさのあまり涙を流したあの日。
紫が軽蔑の眼差しで見てくれたような気がした。
ゴミを見るように、微笑んでくれたような気がした。
彼にとってはそれだけが支えであり、今日までSSを書いてきた。
「エロく書けねぇ・・・・・・!!」
慟哭、天を裂く男の叫びである。
紫から漂うあの匂いたつようなエロさ。
彼が想う1000分の1も文章で表現できない。
まさに1000分の1少女臭。
あ、俺今上手いこと言った?
まぁいいや、彼の話を続けよう。
彼は掃いて捨てるほどいる紫ファンの一人であり、それ以上でもなくそれ以下でもない。
そんな彼はある日、とてつもない発見をした。
いや、それは人類にとっては小さな一歩だろうが、彼にとっては大きな一歩なのだ。
そしてその発見から物語は始まり、彼が叫ぶ理由にも通じるのだ。
話は数日前まで遡る。
実家に帰った彼が、兄の所有物である、初版求聞史記を読んでいるときのことであった。
「あったあった、八雲紫の項目、やっぱいいなぁ紫ちゅっちゅ」
うわぁこいつ東方厨かよキメェな。
そう言いたげな兄の目線を華麗にスルーし、一文一文嘗め回すように設定を読んでいく。
自分も持っているのに。
「お・・・・・・? 物語にも・・・・・・介入できる・・・・・・だと?」
何度も読んでいたはずなのに、彼はようやくその記述に気づいた。
それは以前読んだときにはまだ、SSを書いてから日が浅いということもあったのだろう。
いずれにせよ、彼は気づいてしまったのだ。
悪魔の計画が始動した。
『紫をSS内でひどい目にあわせたら、お仕置きしてもらえるんじゃね?』
狂気の沙汰だ。
彼のSSでは大抵紫はいいとこ取り、基本的にママゆかりんか、かっこいいゆかりんとして描かれる。
ギャグキャラやババアキャラで書くのは彼のプライドが許さなかった。
しかし、紫に会いたいという純粋な気持ち(主に劣情)が彼を狂わせた。
書いたことのないネチョを書くためにイカロを読んだ。
フランス書院を立ち読みし、前屈みで歩いた。
さあ下準備は完璧だ。
あとは紫をえらいひどい目にあわせるだけだ。
しかし、問題が発生した。
「紫をいじめるなんて・・・・・・そんなことできねえよぉ・・・・・・」
デスクに突っ伏しておいおい泣く。
金閣寺の一枚天井並の新難題「大好きなキャラクターをいじめる」
基本的にM属性の持ち主の彼にとっては、いじめるよりは踏まれたい。
幼少のときより、好きな女の子には悪戯をし、最後にビンタをくらってその恋路は完成した。
思えばこのときから、人生転落真っ逆さまな気もするが、この際何も気にしない。
「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」
いきなり悟った。
もちろん生きるということは紫に抱きつくことであり、死ぬというのはこのまま作業を挫折し、永久にその機会を失うことである。
そんなことを問題にする辺り、シェイクスピアに刺されてもおかしくはない。
しかし、シェイクスピアの場合は空間を割ることなんてできないので何も問題はなかった。
「紫可愛いよぱfjpふぁあうぇfqg」
否、彼の脳内は問題である。
既にSSを書く手は止まり、メモ帳にはほんの一言だけが書かれているのみ。
この有様で一体どうやってお仕置きしてもらえると言うのだろうか。
仮に紫が彼の奇行を見ていたとしても、次の瞬間には目を背けるに違いない。
シカトこそが彼に対する一番の仕置きだと思うのは勘違いだろうか?
「よし、靴下ネタだ。使い古されてるけどこれがボディーブローのように効いてくるはずだ」
結局、使い古されたネタもとい使い古された靴下に走る某SS書き。
とりあえず藍と霖之助辺りを店で絡ませてーっと・・・・・・。
「よっしゃ! 人目に触れるように創想話に公開だ!」
これが後の、『死亡遊戯』であるが、物語に介入された気配も無く
個人的なコンタクトも、未だない。
しかし、彼は満足気である。
「ふふ・・・・・・スルーか、こうでなくっちゃな」
彼の(無謀な)挑戦は、これからも続く。
<続かない>
もしかするとスルーじゃなくて放置プレイ
創想話に投稿された、あなたの作品はほとんど読んでるし。
だがわたしは一向にかまわんッッ!
今でも、あの笑いが甦るwww
いやん
>>12
それはだめ
っておいwwwwwwwwwwwww
>彼の(無謀な)挑戦は、これからも続く。
続きを楽しみにしt…
><続かない>
そんな!