注:毛玉警報発令中。最近の弱はダメだと思っていたそこのあなた、ご注目。
吾輩は毛玉である。名前は無い。
「無い」と言う名では断じて無い。
遠足宴会からこっち、色々と事件が多かった。
そこで、今日は業務日誌をめくりながら、それを振り返ってみる事にした。
たまには過去を振り返るのも、紅魔館の毛玉には大切なお仕事だ。
~時間逆行中~
吾輩は毛玉である。名前はまだ無い。
自分には過去の記憶が無い。
覚えている限りで一番古い記憶は、遠足の時に大量の人や妖怪や妖精に囲まれている中、霊夢と言う名の巫女に抱えられていた、と言うものである。
毛玉の記憶力を頼りにされても困るのだが、紫色の服を着た体の弱そうな人(妖怪かも知れない)が「これだけは絶対に渡して頂戴」と霊夢に懇願していただけに、この業務日誌は大切なものなのだろう。
さて、早速開いてみよう。
な ん だ こ れ は ! ?
“練達の技”
九尾の狐の苦労は絶えない。
「紫様、また外の本を勝手に持ち込んで……しかも、どれもこれも幻想郷に来るには早すぎますよ。」
藍には理解できない構成の、奇妙な本があちらこちらに積み上げられていた。
どうも人間の全身を描いているようなのだが、どうやったらこんな姿勢を保てるのだろうか。
やってみた。
捻挫した。
挫折した。
“荒技”
「パチュリー様、あの業務日誌って、確か部外者に見られないように仕掛けがしてあるんですよね。何て名前でしたっけ?」
頭にこぶを作った小悪魔が聞くと、素っ気なくパチュリーは返答した。
「真理の扉。」
“災い”
あれ、どうしたんですか四季様?
確か今日は休みの日ですよね。それでちょっと食事に誘われていたとか聞いてましたけど。
もしかして、あの遠足だったんですか?いやー、あれは盛大でしたねー。
確か紅魔館の門番隊って、精進料理なのにものすごく美味しい食事が出る事が有名だったと思うんですけど、どうでした?
あたいも食べたかったんですけどね、ちょっと今日は仕事がしたい気分だったもんで。
……あ、いや、四季様が苦手とか嫌いとかじゃ断じてありませんよ絶対に!あたいがそんな事言うはずが無いでしょ四季様!?ほら、泣き止んで下さいってば、え、ちょっと待って下さいって!ああ泣かないで!ほらあたいの胸を借りてもいいですから、泣いちゃ駄目ですってば!ね!ね!?
ほら、紅魔館と言えば最近は毛玉が話題でしたよね!どんな感じだったか聞きたいんですけどって何でまたテンション下がっちゃうんですか四季様!四季様あぁぁ!?
“魅せ技”
『博麗神社:一日目
今日はこの博麗神社で生活する上での注意事項を聞いただけで、夕食の時間になってしまった。
流石に直感にずば抜けた霊夢と言えど、まさか毛玉の食生活には思い至らなかったようだ。
特に食事らしい食事をとる事は出来なかったが、一食くらい抜いたところで毛玉の生命に危機は訪れないので良しとする。』
「そーなのかー。」
前言撤回!
“合わせ技”
「私が6の目を無縁塚にしなかった理由?それを聞くためにこっちに来たって言うの?」
「そうだよ。まっとうな理由じゃなかったら、お前さんと地獄との距離を縮めてやるからね。」
物騒な事を口にする小町だが、ぐったりと肩を落として半分泣きそうな声で言われても説得力が無い。
「あの毛玉は、無縁塚にはもう行って来たじゃない。だったら一回休みくらいは道理でしょ?」
「そんなの数に入らないだろ!?」
愕然とする小町だが、霊夢は眉一つ動かさない。
「じゃあ、あなたは見てみたいって言うの?」
ここでいつまでも駄々をこねられても仕方が無いので、霊夢はさっさと小町を追い払う事にした。
「裁判所から急いで自分の部屋に帰って、毛玉に頬擦りする閻魔様。新聞の一面記事ね。」
「見たい!!」
即答。
れいむ は めのまえが まっくらになった!
“わざわざ”
『博麗神社:二日目
神社と言うのはその敷地が一つの聖域の様な物になっているのが普通であり、この博麗神社も例外では無いそうだ。
この聖域は穢れを祓うためのものであり、鳥居を潜らずに神社に入る事は本来誰にも出来ず、鳥居を介しても神社に入れない邪な存在も数多い筈なのだが、博麗神社はそうでも無いようだ。
ほぼ全ての来客(参拝者はあんまり居ない)は、鳥居を潜って来ているようだが、例えば上空から神社に入ろうとしたものはどうなるのかと言うと。』
「今日こそあたいの勝ちよ、霊夢ー!!」
出迎えに 巫女のサマソが 待ってるぞ
毛玉
“業”
「あなたもこっちへ来てしまったのね。」
どこからか分からないが、声がする。
「いいえ、あなたはこっちへ、もっと早く来るべきだったのよ。」
振り払えない、得体の知れない魅力を秘めた声が。
「さあ、手を出しなさい。」
彼女は従う。
抗う事が出来ない。
まるで、心を鷲掴みにされ、意識を書き換えられたかのように。
従わない、等と言う選択肢は、最初から存在しなかった。
二人分の声が、重なって彼女の全身に響き渡る。
『これが、あなたの求めるもの……。』
『妖忌の思い出アルバム~♪』
慧音の苦悩はまだまだ続く。
“神業”
『博麗神社:三日目
「カリスマって何だろね?」
伊吹萃香と言う名の鬼に聞かれたので、毛玉は記憶と共に取り戻した自分の知識を教えてみる事にした。
カリスマと言う単語は英語で“Charisma”と綴り、その原義はギリシア語での『神の賜物』。本来は超自然的超人間的な力をもつ資質の事を言い主にオカルトや魔術的なモノへ対する力を持っている或いは常人に測り切る事の出来ない奇妙な力を持っている者へ与えられる一種の敬称とも言うべき語である。また日本ではこの音は狩魔と読むことも出来ることからこれが魔を狩る即ち妖怪や妖精などへ対して強力な対抗手段もしくはそれに類するものを「ごめんもういいや。」
やはり話は双方向でなくてはならない。そう痛感する一日であった。
“小技”
今日も元気だ落ち葉が美味い。
吾輩は毛玉である。名前は無い。
「無い」と言う名では断じて無い。
遠足宴会からこっち、色々と事件が多かった。
そこで、今日は業務日誌をめくりながら、それを振り返ってみる事にした。
たまには過去を振り返るのも、紅魔館の毛玉には大切なお仕事だ。
~時間逆行中~
吾輩は毛玉である。名前はまだ無い。
自分には過去の記憶が無い。
覚えている限りで一番古い記憶は、遠足の時に大量の人や妖怪や妖精に囲まれている中、霊夢と言う名の巫女に抱えられていた、と言うものである。
毛玉の記憶力を頼りにされても困るのだが、紫色の服を着た体の弱そうな人(妖怪かも知れない)が「これだけは絶対に渡して頂戴」と霊夢に懇願していただけに、この業務日誌は大切なものなのだろう。
さて、早速開いてみよう。
な ん だ こ れ は ! ?
“練達の技”
九尾の狐の苦労は絶えない。
「紫様、また外の本を勝手に持ち込んで……しかも、どれもこれも幻想郷に来るには早すぎますよ。」
藍には理解できない構成の、奇妙な本があちらこちらに積み上げられていた。
どうも人間の全身を描いているようなのだが、どうやったらこんな姿勢を保てるのだろうか。
やってみた。
捻挫した。
挫折した。
“荒技”
「パチュリー様、あの業務日誌って、確か部外者に見られないように仕掛けがしてあるんですよね。何て名前でしたっけ?」
頭にこぶを作った小悪魔が聞くと、素っ気なくパチュリーは返答した。
「真理の扉。」
“災い”
あれ、どうしたんですか四季様?
確か今日は休みの日ですよね。それでちょっと食事に誘われていたとか聞いてましたけど。
もしかして、あの遠足だったんですか?いやー、あれは盛大でしたねー。
確か紅魔館の門番隊って、精進料理なのにものすごく美味しい食事が出る事が有名だったと思うんですけど、どうでした?
あたいも食べたかったんですけどね、ちょっと今日は仕事がしたい気分だったもんで。
……あ、いや、四季様が苦手とか嫌いとかじゃ断じてありませんよ絶対に!あたいがそんな事言うはずが無いでしょ四季様!?ほら、泣き止んで下さいってば、え、ちょっと待って下さいって!ああ泣かないで!ほらあたいの胸を借りてもいいですから、泣いちゃ駄目ですってば!ね!ね!?
ほら、紅魔館と言えば最近は毛玉が話題でしたよね!どんな感じだったか聞きたいんですけどって何でまたテンション下がっちゃうんですか四季様!四季様あぁぁ!?
“魅せ技”
『博麗神社:一日目
今日はこの博麗神社で生活する上での注意事項を聞いただけで、夕食の時間になってしまった。
流石に直感にずば抜けた霊夢と言えど、まさか毛玉の食生活には思い至らなかったようだ。
特に食事らしい食事をとる事は出来なかったが、一食くらい抜いたところで毛玉の生命に危機は訪れないので良しとする。』
「そーなのかー。」
前言撤回!
“合わせ技”
「私が6の目を無縁塚にしなかった理由?それを聞くためにこっちに来たって言うの?」
「そうだよ。まっとうな理由じゃなかったら、お前さんと地獄との距離を縮めてやるからね。」
物騒な事を口にする小町だが、ぐったりと肩を落として半分泣きそうな声で言われても説得力が無い。
「あの毛玉は、無縁塚にはもう行って来たじゃない。だったら一回休みくらいは道理でしょ?」
「そんなの数に入らないだろ!?」
愕然とする小町だが、霊夢は眉一つ動かさない。
「じゃあ、あなたは見てみたいって言うの?」
ここでいつまでも駄々をこねられても仕方が無いので、霊夢はさっさと小町を追い払う事にした。
「裁判所から急いで自分の部屋に帰って、毛玉に頬擦りする閻魔様。新聞の一面記事ね。」
「見たい!!」
即答。
れいむ は めのまえが まっくらになった!
“わざわざ”
『博麗神社:二日目
神社と言うのはその敷地が一つの聖域の様な物になっているのが普通であり、この博麗神社も例外では無いそうだ。
この聖域は穢れを祓うためのものであり、鳥居を潜らずに神社に入る事は本来誰にも出来ず、鳥居を介しても神社に入れない邪な存在も数多い筈なのだが、博麗神社はそうでも無いようだ。
ほぼ全ての来客(参拝者はあんまり居ない)は、鳥居を潜って来ているようだが、例えば上空から神社に入ろうとしたものはどうなるのかと言うと。』
「今日こそあたいの勝ちよ、霊夢ー!!」
出迎えに 巫女のサマソが 待ってるぞ
毛玉
“業”
「あなたもこっちへ来てしまったのね。」
どこからか分からないが、声がする。
「いいえ、あなたはこっちへ、もっと早く来るべきだったのよ。」
振り払えない、得体の知れない魅力を秘めた声が。
「さあ、手を出しなさい。」
彼女は従う。
抗う事が出来ない。
まるで、心を鷲掴みにされ、意識を書き換えられたかのように。
従わない、等と言う選択肢は、最初から存在しなかった。
二人分の声が、重なって彼女の全身に響き渡る。
『これが、あなたの求めるもの……。』
『妖忌の思い出アルバム~♪』
慧音の苦悩はまだまだ続く。
“神業”
『博麗神社:三日目
「カリスマって何だろね?」
伊吹萃香と言う名の鬼に聞かれたので、毛玉は記憶と共に取り戻した自分の知識を教えてみる事にした。
カリスマと言う単語は英語で“Charisma”と綴り、その原義はギリシア語での『神の賜物』。本来は超自然的超人間的な力をもつ資質の事を言い主にオカルトや魔術的なモノへ対する力を持っている或いは常人に測り切る事の出来ない奇妙な力を持っている者へ与えられる一種の敬称とも言うべき語である。また日本ではこの音は狩魔と読むことも出来ることからこれが魔を狩る即ち妖怪や妖精などへ対して強力な対抗手段もしくはそれに類するものを「ごめんもういいや。」
やはり話は双方向でなくてはならない。そう痛感する一日であった。
“小技”
今日も元気だ落ち葉が美味い。
いつもながらの存在感と味がいいですなぁ
進化してゾウリムシの生命力を超えるかも知れぬな…
毛玉は剣より強し。
「業」がよく分からないのが悔しい。
>見たい!!
当然でしょう。