Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

雛vs衣玖 テンを賭けた戦い

2008/06/12 00:23:50
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  緋想天のネタバレがあります



















 天人の騒動のが治まり、二度も壊れた博麗神社もすっかりと元通りになった。
 そして、それを記念に今夜もまた神社では宴会が開かれていた。
 
 

「ふぅっ……」 
 鍵山雛はこの日も宴の席の端で一人静かに飲んでいた。厄神である彼女は、自分に集まる厄が周りに飛び散り被害がおよばないように、宴会の中心から離れていた。
 とはいえ、いつもにも増して賑やかな宴会に少々飲みすぎたのか、雛の顔はいつもより赤かった。
「大丈夫ですか? どうぞ、お水です」
 そこへ、ふわりと空を泳ぐように緋色の衣を纏った少女――永江衣玖、が現れ、雛へと水の入ったコップを手渡した。
「まあ、ありがとうございます」
 雛は衣玖から受け取った水を一気の飲み干すと一息つき、改めて頭を下げた。
「本当にありがとうございます。今日は少し飲みすぎてしまいまして」
「いえいえ、少し辛そうにしていらしたので、でもお役に立てて何よりです」
 衣玖は微笑みながら頭を振った。よく見ると彼女の頬もほんのりと朱に染まっていた。
「あ、申し遅れました。私、厄神の鍵山雛と申します」
「私は竜宮の使い、永江衣玖といいます」
 二人は互いに自己紹介をした。
 だが、その瞬間二人の空気が変わった。重い……否、刺々しい雰囲気が両者の間に流れる。
「へぇ~あなたが、噂の永江衣玖ですか。奇抜なポーズとドリルで最近有名らしいですねぇ。ドリルだなんて誰に断って使ってるのかしら」
「あらあら、ただくるくるくるくる回転するしか能の無い厄神様に文句を言われる筋合いはありませんわ。自分が先に有名になったからって、勘違いもいいですわね」
 慇懃無礼な態度と言葉で互いに睨み合う。
「ふん、いい気になってる新参者には教育が必要なようね」
「そっちこそ、先輩風を吹かすのはよしてくださいな」
 二人は対峙し間合いを取ると構えた。

「「ドリルは私のモノよ!!」」

 二人は同時に叫ぶとともに衝突した。
 自らを回転させながら雛が蹴りを放つと、衣玖は衣を腕に纏わせドリル状にし突き出した。
「くっ……」
「うっ……」
 蹴りと突きが衝突し火花を散らす。
 突然始まった二人の戦いに気付いた周囲が騒ぎだし、あっという間に二人を取り囲みはやしたてた。
「ふふん、あいさつ代わりの一撃で顔をしかめるなんて、大したことないようね」
「あら、あなたこそ、膝が震えていらっしゃるんじゃなくて?」
 再び距離をとった二人は相手を挑発するように睨みあった。
「まあいいわ。この私の最強の技をくらっても同じ口がきけるかしら?」
「あなたこそ、足腰が壊れても知りませんわよ」
 二人は構えをとると、集中し力を貯めていく。
「くらいなさい、厄神超絶回転蹴!」
「うけなさい、ドラゴンスパイラルチャージ!」
 先ほどより、倍速で回転しながら二人はぶつかり合った。
 飛び散る火花に周囲から歓声がおこる。
「やあああああああああああああああああああああああっ!」
「はあああああああああああああああああああああああっ!」
 二人はさらに回転速度をあげていった。
 同時に観客のボルテージも上がっていった。
「あんたたち、めでたい宴の席で何やってんのよ!」
 突然響き渡った叫び声に観客が二つに分かれる。そこには、天人こと比那名居天子が仁王立ちしていた。
 しかし、二人は天子の声など気にせず力比べを続けている。
「やめなさいっていってんのよ! あーもう、やめろやコラッ!!」
 天子は酔いでふらつきながらも腰を落として構えた。
「つらぬけ! 回転突要石!」
 天子の目の前に現れた円錐状の二つの要石を殴った。要石は高速回転しながらそれぞれ雛と衣玖へと向かっていき、命中し、二人を吹き飛ばした。
「「きゃああああああああああああああっ!」」
 雛と衣玖は悲鳴をあげながら倒れ伏した。
「うっ、やったわね」
「総領娘様……」
 二人はゆっくりと立ち上がる。
「まったく。変なことでケンカするじゃないわよ」
 天子は二人を睨みつけた。
「くっ、この場は引いてあげるわ。でも、真のドリル使いはあなた達じゃなくてこの厄神であることを覚えておきなさい!」
 雛は苦虫を噛み潰したような顔をしながら飛び去って行った。
「総領娘様……まさかあなたもドリル使いだったとは思いませんでした。負けませんよ、正統なドリル使いは私ですから」
 衣玖は天子を一瞥すると、空高く飛び上がっていった。
「え? ちょっと、何言ってんのよ? ドリルとかどういうことよ?」
 喧嘩の仲裁に入っただけのつもりだった天子は、いつの間にやら自分も巻き込まれていることに混乱していた。


 これが、のちに幻想郷の裏歴史に名を残すこととなる『幻想郷ドリル事変』の始まりであった。
 はたして、最後に勝つのは……

 雛か?

 衣玖か?

 天子か?

 転を掴むのは一体誰なのだろうか!?






     〈続かない〉 
 変な電波を受信したので書いてしまいました。
 続きは無いので期待しないでください。
天人 昴
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
これが後に起こる笑事変「転幻咄叭狗恋等岸」の始まりであった。
2.からなくらな削除
天子もタケノコドリル以外に、くるくる回りますよね
3.名前が無い程度の能力削除
ドリルは漢のロマンだ!女には譲れんよ!
4.名前が無い程度の能力削除
お前のドリルは天を貫くドリルなんですね、わかります
5.名前が無い程度の能力削除
幽々子様の垂直飛翔にはかなうまい
6.名前が無い程度の能力削除
雛参戦決定と聞いて飛んできました。
7.名前が無い程度の能力削除
まさにドリドリ
8.名前が無い程度の能力削除
勘違いもいいですわね→いいところですわね では?