しとしとぴっちゃんしとぴっちゃん。
空から雨粒落ちてきて、それを見つめる鬼一人。
寝転び足をぶらぶらと揺らしてみつめる空の雲。
睨んで雲が晴れるなら、とっくに晴れている頃だ。
「やまないかねぇ?」
「そのセリフ何度目よ?」
萃香が縁側でうつぶせに寝転び、その隣に湯のみを持った霊夢がいる。
朝から降り続く雨を萃香はずっと見ていた。
「何度目だっけ?」
「いい加減諦めなさい。たぶんやまないわよ」
たぶんとは言いながらどこか確信を持っている。
勘の鋭い霊夢が言うのだから、信憑性がある。
「せっかくの宴会が~」
「五日前にもやったんだからいいじゃないの」
「五日も前なんだよ!」
二人の感性に違いがあることがよくわかる。
「騒ぎたい~」
べたぁーと五体を放置して、心の底からの心情を漏らす。
そこまで騒ぎたいのなら天候をどうにかすればいい。幻想郷にはどうにかできる人材が幾人もいる。
でも萃香がそうしようと動く気配はない。
自然に起きていることを無理に動かせば、どんな影響がでるかわかったものじゃない。
もしかするとそのせいで異変が起こるかもしれない。
そうすると霊夢が動いて、原因である萃香たちを退治するだろう。
霊夢と対立するのは、面倒なので動けなかった。
「やまないかねぇ?」
萃香にできることは、自然にやんでくれることを祈ることだけだった。
「雨音をBGMにしてのんびりするのもいいじゃない。
これはこれで趣きがあるでしょ?」
「聞き飽きたよ。朝からずっとだし」
「もっと落ち着きなさい。
やめやめってばかりで、聞こうとはしてなかったでしょうに」
「うぅ~。
どこいくのさ?」
立ち上がる霊夢を寝転んだまま見て聞く。
「ちょっと早いけど夕飯の準備をしようと思ってね」
「ふーん」
立ち去る霊夢を見送って萃香は一度起き上がり、今度は仰向けに寝転ぶ。
視界に入るのは、天井と灰色の雲。耳に入るのは地を打つ水音。
何もすることのない萃香は、なんとはなしにそれを見て聞いている。
暇なこともあり瞼がしだいに閉じてきて、くーすーと萃香の寝息も雨音に混じり始めた。
一度、様子を見に霊夢が縁側に来たときも、萃香はまだ眠っていた。
寝顔は笑っていて、寝言も楽しげだ。
それを見て霊夢は苦笑している。
「宴会を開いて騒ぐ夢とはね、呆れたわ」
起こさないように小さく呟くと、タオルを萃香にかけて静かに去る。
楽しい夢ならば起こすこともないだろうと。
「晩酌くらいは付き合ってあげますか」
つまみにおかずを一品増やすことを決めて、料理の続きに戻る。
夢の宴会は料理ができあがるまで続けられる。
夕飯時、明日は晴れるという霊夢のお墨付きをもらえて萃香は上機嫌に酔う。
明日の宴会は楽しいものになると予想して。
空から雨粒落ちてきて、それを見つめる鬼一人。
寝転び足をぶらぶらと揺らしてみつめる空の雲。
睨んで雲が晴れるなら、とっくに晴れている頃だ。
「やまないかねぇ?」
「そのセリフ何度目よ?」
萃香が縁側でうつぶせに寝転び、その隣に湯のみを持った霊夢がいる。
朝から降り続く雨を萃香はずっと見ていた。
「何度目だっけ?」
「いい加減諦めなさい。たぶんやまないわよ」
たぶんとは言いながらどこか確信を持っている。
勘の鋭い霊夢が言うのだから、信憑性がある。
「せっかくの宴会が~」
「五日前にもやったんだからいいじゃないの」
「五日も前なんだよ!」
二人の感性に違いがあることがよくわかる。
「騒ぎたい~」
べたぁーと五体を放置して、心の底からの心情を漏らす。
そこまで騒ぎたいのなら天候をどうにかすればいい。幻想郷にはどうにかできる人材が幾人もいる。
でも萃香がそうしようと動く気配はない。
自然に起きていることを無理に動かせば、どんな影響がでるかわかったものじゃない。
もしかするとそのせいで異変が起こるかもしれない。
そうすると霊夢が動いて、原因である萃香たちを退治するだろう。
霊夢と対立するのは、面倒なので動けなかった。
「やまないかねぇ?」
萃香にできることは、自然にやんでくれることを祈ることだけだった。
「雨音をBGMにしてのんびりするのもいいじゃない。
これはこれで趣きがあるでしょ?」
「聞き飽きたよ。朝からずっとだし」
「もっと落ち着きなさい。
やめやめってばかりで、聞こうとはしてなかったでしょうに」
「うぅ~。
どこいくのさ?」
立ち上がる霊夢を寝転んだまま見て聞く。
「ちょっと早いけど夕飯の準備をしようと思ってね」
「ふーん」
立ち去る霊夢を見送って萃香は一度起き上がり、今度は仰向けに寝転ぶ。
視界に入るのは、天井と灰色の雲。耳に入るのは地を打つ水音。
何もすることのない萃香は、なんとはなしにそれを見て聞いている。
暇なこともあり瞼がしだいに閉じてきて、くーすーと萃香の寝息も雨音に混じり始めた。
一度、様子を見に霊夢が縁側に来たときも、萃香はまだ眠っていた。
寝顔は笑っていて、寝言も楽しげだ。
それを見て霊夢は苦笑している。
「宴会を開いて騒ぐ夢とはね、呆れたわ」
起こさないように小さく呟くと、タオルを萃香にかけて静かに去る。
楽しい夢ならば起こすこともないだろうと。
「晩酌くらいは付き合ってあげますか」
つまみにおかずを一品増やすことを決めて、料理の続きに戻る。
夢の宴会は料理ができあがるまで続けられる。
夕飯時、明日は晴れるという霊夢のお墨付きをもらえて萃香は上機嫌に酔う。
明日の宴会は楽しいものになると予想して。
やまないかなあ。