Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

赤髪の女性が屋敷の危機を救いに帰りました

2008/06/04 23:48:31
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 この作品は『赤い髪の二人が三途の河で会いました』の続編です
 よければ、そっちの方を見てから
 この作品を見てください
(じゃないと訳分からないから)
 では、覚悟を決めて地獄へどうぞ…

















 どうも、お久しぶりです…紅美鈴です

 いや~温泉っていいですね、疲れが癒えます

 はい?今私が何処に居るかって?

「地獄ですけど?なにか?」





 今まで、いろんな体験してきましたけど
 
 まさか、地獄が娯楽施設とは思っていませんでした

 針山地獄は、整体やマッサージのお店が一杯立ち並んでいて

 灼熱地獄は、温泉街になっていますからいろんな温泉が楽しめますし

 地獄の鬼達も、みなさんいい人達ばかりで…

「そういえば、この前萃香さんにも合いましたね…」
 私の姿見て、全力で驚いていましたけど…
 なんででしょうか?
「あ~美鈴さん…今いいですか?」
 目の前に現れたのは、地獄在住の赤鬼(役職)さん
「はいはい…また腰ですか?」
「はあ…すいません、いつもいつも…」
 赤鬼さんが私とであったのは、少し前
 地獄の温泉から上がって、牛乳を一気飲みしていた時に
 隣で腰を痛そうにしていたので、思わず指圧をしたのがきっかけだった

「でも、あの強固な腰のコリが一発で楽になった時はほんと、驚きでしたわ…」
「かなり、こってましたからね……」
 赤鬼さんの腰は酷い事で有名だったらしく、その後もいろんなところから
 私を頼って来てくれる人達(鬼とか、そのほかとか)が増えてしまった

「…はい、これでよし…」
「おおっ!捻っても痛くない…やっぱり美鈴さんの指圧は凄いな」
 目の前で、赤鬼さんが喜ぶ
「後は温泉に入って、しばらく養生してくださいね」
「はい…あ、そうだそうだ…美鈴さん、これ、幻想郷の方から来た新聞やけど見てください」
 赤鬼さんがそう言って、温泉に向かっていく
 今では、指圧に来た鬼の方々が、幻想郷の新聞を持ってきてくれたり
 たまに、面白い情報を持ってきてくれたりするので暇ではない
 あと、本当なら私も転生したりするはずなのだが…
 私が地獄に落とされた事を知った、あの赤髪の死神さんが

『回想…』
「映姫様の馬鹿!」
「な、なんですか?こm「何であの人が地獄行きなんですか!答えてください!?「えっ?
 あっ…あの?「胸が大きいからですか?見損ないましたよ!映姫様はそんな事で差別しない
 立派な閻魔様だと信じていたのに!…分かりました…今度から映姫様を冷たい目で見ます
 …仕事に行ってきます」なっ?ちょ、こ、小町!?」
『回想終了…』
  
 え~と…一悶着あったらしくて… 
 ま、まあとりあえず、地獄で今は生活しています
 でも、お嬢様とか咲夜さんとか妹様とかパチュリー様とか…

「元気にしてますかね…」
 私は、そう思いながらせっかくもらった新聞を見つめる
「え~と…文々。新聞っと…って、これ文さんの新聞じゃないですか」
 思わず笑いそうになるが、新聞の中身を見ていくと

「…これは…」
 私の顔から笑みが消えました
 新聞に書いてあった文字は

『紅魔館危機か?メイド長と図書館長ともに倒れる…』
『紅魔館の主、表に出なくなる』
『原因は門番の死亡による物か?』
 た、大変です…
「何とかしないと…」



 こうして、私はその事態を何とかしないといけないと考え始めた
「…のはいいのですが、まずは情報を得ないと…」
 とりあえず、仲が良い人の所に向かった

「というわけで、小町さ~ん!」
 三途の河までやってきて、声を出すと
 私に気がついた赤い髪の死神がやってきた
「おや?美鈴さんじゃないか…どうしたんだい?」
「はい、実は……」
 私は、早速新聞に書いてあった事を小町さんに話た
「…なるほど……」
 小町さんが考え込む
「わかった、情報屋を呼ぶ事にしよう」
「そんな人いるんですか?」
 私の声に、小町さんが頷くと
「ああ、少し待っていてくれ」
 そう言って、どこかに行こうとして…
「ああ、そうだ、今暇かい?」
「は、はい…そうですけど…?」
 私がそう答えると、小町さんが少し恥ずかしそうに伝えてきた
「あのさ…少しでいいんだ、もしよかったら映姫様の肩を押さえてやってくれないか?
 あのお方…仕事仕事でがちがちになっているから…」
 
 情報料としてなら安い物です、即座にOKを出しました


 小町さんと別れると、私は早速裁判所に向かった
「こんにちは~…四季映姫様おらっしゃいますか?」
 閻魔の休憩室を訪ねて、しばらくすると
「…どちら様ですか?」
 そこに居たのは、威厳に包まれた閻魔様…
「…すいません…いま少し…疲れていまして…」
 では無く、威厳によって、何とか立っている重病の女の子でした
 もう、これは放って置けません
「小町さんから頼まれてきました!すぐに肩からほぐしていきます!」
「えっ?小町から?…あっ!?ちょ、なにを…」

(閻魔…指圧中…)
「こ、これで…お、お終いです…」
「……ば、馬鹿な…周りから無理とされていた…私の肩が…」
 
 化け物みたいな肩でした…多分、あれは仕事のしすぎによる
 血行障害、それによる頭痛、及び腰痛…その他もろもろを全て
 気合だけでねじ伏せてきたのでしょう
 今は、全身に血液と気が急激にまわっているから、物凄くだるいと思います

「…このコリがほぐれたら、胸も大きくなりますよ?」
 倒れていた閻魔が全力で起き上がる
「それは、本当ですか?」 
 こ、怖いです!本当に怖いです…
「は、はい…え~と、栄養状態がよくなれば、まだ大きくなる可能性が…」
 
 この後、どれだけかに一度、私の所に緑の髪の女の子が
 肩をほぐしにやってくるようになりました…




「つ、疲れました…」
「いや~すまなかった…これが情報だ」
 閻魔の説教(愚痴とか可能性とか…)を聞いて疲れた私の前に
 小町さんが情報を書いてある紙を渡してくれた
「ありがとうございます、小町さん」
「いやいや…こっちも悪かった、映姫様の肩…硬かっただろう?」
 なんだかんだで、小町さんは自分の上司が好きみたいです
 

「では、早速…」
 今の自分の住処に帰った私は、早速紅魔館の情報を眺めた

 紅魔館メイド長
「まずは咲夜さんからですか…」
 私は、次のページをめくった

『門番長が居なくなってから、体調を崩し始める
 どうやら、自分のせいで門番長が死んでしまったと
 悔やんでいるのが原因みたいである
 それを忘れるために、仕事の量を増やした』
(…咲夜さん…)
 原因は誰のせいでもない、ただ、今回は私の運が悪かったのだ
 それでも、自分の事を気にしてくれた咲夜さんを何とかしてあげたかった

 図書館の主
「パチュリー様ですね…」
 咲夜さんのページを見終えて、私はパチュリー様のページを見る

『門番長の姿を消して以来、喘息がさらに悪化
 今では、寝たきりに近い状態になっている』
(ああ~パチュリー様の部屋の悪気!忘れてました!)
 図書館の空気を、何とかしていたのを
 私はすっかり忘れていた

 紅魔館の主
「お嬢様…なんで?」
 お嬢様が屋敷から出なくなったのは何でか…
 それだけは、考えても分からなかった

『…詳しい情報は分からない、ただ、門番長が居なくなった頃から
 屋敷に篭りがちになり、弾幕もしなくなったようだ』
(…お嬢様…)
 由々しき事態であった 
 常に楽しい事が好きだったはずのお嬢様が
 弾幕すらもしなくなった事は

 追記
『フランドールスカーレットは、再び地下に篭った
 命令でなく、己の意思で…』
(い、妹様まで!?)
 そんな!?せっかく魔理沙さんが救い出してくれたのに!


 総論
『紅魔館の門番長と呼ばれる者が居なくなった事により
 紅魔館の全ての人に影響が出ていると考えられる』 
「…何とかしないといけません」
 
 総論を見た私は、紅魔館の皆をなんとかするために
 その解決方法を考えた

 一日かかって、パチュリー様の喘息を何とかする方法を
 地獄の名物を使って考える…と同時に作業に入る
「…ふぅ…出来上がり…これでパチュリー様はよし…っと」

 二日目…妹様とお嬢様を何とかする方法を考え付く
「…これも、荒治療になるかもしれません…」

 三日目…咲夜さんには、実際に会って何とかするしかないと判断
「…なんとか…立ち直ってくれればいいのですが…」


 そして、全ての考えが浮かび上がった時
「あっ!?」
 大切な事に気がついた
「わ、私、地獄からでれないじゃないですか!」
 迂闊でした!…一番大切なことを忘れていました
 大体、地獄から簡単に出て行くことができれば
 さっさと、紅魔館に戻る事が出来るじゃないですか

「ど、どうしよう…」
 とりあえず、何か方法が無いかと考えながら
 歩いていると、いつの間にやら三途の河原へ…

「お~い!美鈴さん」
 自分の名前が呼ばれたので、振り向くと
「やっ!久しぶりだね…どうしたんだ?困った顔して」
 そこには赤髪の死神である、小町さんの姿が
「こ、小町さん…実は…」  
 小町さんなら、何か良い方法が見つかるかもと思って話してみる

「さすがに…地獄から現世にはちょっとな…」
「や、やっぱりそうですか…」
 流石に、無理があるみたい
(どうやら、別の方法を考えないといけないみたいですね)
「そうだ!」
 私がそう思っていると、小町さんが真剣な顔をして私を見つめた
「いいかい?…半日だけなら、なんとか現世に帰れると思う」
「ほ、本当ですか!?」
 驚く私に向かって、小町さんが首を縦に振る
「いいかい?今から、私のいう事を良く聞くんだ…」
 そして、小町さんが言う事を聞いた私は
「そ、そんなの無理ですよ!」
 その作戦の大胆さに驚いた
「いや、やれる…大丈夫さ、いざとなれば…まあ、何とかなる」
 小町さん自身も少し自信なさげだが
「とにかく、決行は明後日!それまでにあたいは何とか用意するから!」
「あっ!?」
 小町さんはそう言って、私の前から姿を消した
(…小町さん…ごめんなさい!感謝します)
 見えなくなった小町さんに私は感謝をした






 そして、作戦決行当日
「…では、小町さんこれを…」
「ああ、わかった」
 作戦をするための衣装を小町さんに手渡す
 そして、小町さんがそれを着ると
「へへっ…これなら大丈夫みたいだな」
「…あははっ、本当にそっくりですね」
 目の前に居るのは、私の服をきた小町さんの姿
 それは、外から見たら私そのままだった

「それじゃあ、行ってきな…あたいは今日は有休をとって
 幻想郷に行く予定になって居るから」

 小町さんが考えてくれた作戦…それは
 小町さんが私の変わりとなり、私が幻想郷に行くとの事だった
 無論、ばれたら小町さんにも罰が当たる
 だが、それでも私は紅魔館に行こうとしていた

「ありがとうございます!…それでは!」
「気にする事はないさ…さ、早くいきな!」
 そう言って、私が幻想郷に向かおうとしていたとき

「待ちなさい」
「「!?」」
 誰かが後ろから声をかけてきた
 小町さんと、私が冷や汗をかいて後ろを振り向くと
「…あの世の者が、現世に行く事は禁止されています」
 そこに居たのは、幻想郷の閻魔様
「「え、映姫(様)(さん)!?」」

 四季映姫・ヤマザナドゥの姿であった

「…全く、何をするかと思えば…死神が地獄に落ちた者を現世に向かわせるなんて…」
 作戦が完全に見抜かれていた事で、小町さんと私が完全に身動きが取れなくなる
「しかも、そのために何時もの十倍の仕事までして、私を喜ばせて…」
(えっ!?)
 思わず、小町さんの方を向く
(あ、あはは…)
 小町さんが頭をポリポリと書いて苦笑する
「…ですが許しません…」
((や、やっぱり?))

 閻魔様である、映姫さんが悔悟の棒を持って
(がすっ!)
「えっ?」
「きゃん!?」
 変装した、小町さんの頭を叩いた
「あ、あの…私は?」
 私が本物の美鈴のはずなのに、叩かれたのは小町さんこれは…
 きょとんとしている、私に向かって映姫さんがこう告げた

「なにをしているのです?小町…貴方は幻想郷に行くのでしょう?早く行きなさい」
「は、はい!」
 映姫さんが間違えていると気がついた私は、急いで幻想郷へと飛んでいった
(小町さん、映姫さん…ありがとうございます!)
 後ろにいる二人に感謝の言葉を述べて、私は幻想郷に…紅魔館へと向かった



「…さて、こま…こほん、美鈴…罰として肩を押してもらいますよ」
「映姫様…わざと間違えているのでしょう?」
「…何を言っているのです?美鈴…」
「…やっぱり映姫様はお優しいですね…」
「…今日だけですよ…」
「はい!」







「急げ!紅魔館へ!」
 久しぶりにやってきた幻想郷
 紅魔館の前にやってくる頃には、辺りはすっかり暗くなっていたが
 そっちの方が私には好都合です
(おっと、門の前には門番隊ですか…)
 
 門の近くで地面に降りると、私は自分の気配を消す
(…バレルと面倒な事になりますから)
 下手にいる事がばれると、小町さんにも、映姫さんにも迷惑がかかる
 そんなことはできない、
 できるだけ、急いで、そしてこっそりと皆に目的の物を渡さないと…

(作戦決行です…)
 勝手知ったる、紅魔館…
 気をさぐって、誰もいないのを確認してから
 
 まずは、パチュリー様が眠っていると言う、寝室に向かって移動する
(…おっと?図書館ルートは危険でしたね…)
 以前、迂闊に入り込んで、トラップに殺されそうになりましたからね
 さてさて、パチュリー様の気を探して…っと
「…発見ですね…」
 部屋の中に、パチュリー様が眠っている気配を感じて
 こっそりと、部屋の中に忍び込んだ




 私は、悔やんでいた…
 間違いといえこの手で焼き尽くしてしまったのだから…
(…だから…これは罰ね…)
 この屋敷で、一番明るい妖怪であったその門番を
 ほんの一瞬の手違いで、完全に消滅させてしまった…
 己の最高に近いスペルカードで…
 それ以来、私の喘息は悪化している…
(…美鈴…貴方が私を呼んでいるのね…)
「げほっ!ごほっ!…」
 口から血が出ている感覚がする…
 でも、それでいい…小悪魔を呼ぶ事も出来ない
(…今から…謝りに行くわ…だから…)
 お願い…レミィとフランを許してあげて…
(魔女の願いなんて…聞いてくれないわね…)
 私はそう思って、目を閉じた…
 ふと……喘息が楽になった
(ああ、これで…)
 そのまま、私は眠りについた


「危なかったですね…吐血した血が詰まる所でしたよ」
 本当に危なかったです、吐血した血を口から抜いて
 今は、小康状態を保っていますけど
 パチュリー様の気を改善しましたから
 しばらくは大丈夫でしょう…

「後は、これをパチュリー様につけてもらえば…っと」
 よし!紅美鈴の渾身の一品!
『地獄の特産品霊命木で作ったマスク』
 これをつければ、パチュリー様の喘息も大丈夫です!
 よし、手紙を置いて…っと
「次は、お嬢様と妹様のところですか…」
 私はまず地下に向かった




 
 …こんな力欲しくなかった…
 どんなものでも破壊する事のできる能力…
 そんなものがあっても、ちっとも嬉しくない
 それどころか…私は…
「めーりん…」
 大切な…甘える事を許してくれた人を…
「ひっぐ…ごめんなさい…」
 この手で、壊してしまった…
「ごめんなさい…」
 あの日から、私は再び地下に篭った…
「ごめんなさい」
 もう、外に出ても私を受け止めてくれたあの人はいない
「ごめんなさい!」
 だから……もう私は…


「フラン…」
 そんな時、私の目の前に現れてくれるのは
「お姉さま…」
 お姉さまだった
「…貴方は悪くないわ…」
 そんなことは無い、私が…お姉さま喧嘩しなければ
「悪いのは私…」
 お姉さまは悪くない…
「だから…一緒に寝ましょう?」
 うん…ごめんね…お姉さま…
「うん…お姉さま…」
 そして私は夢を見た 

 
「…眠ったわね…フラン…」
 この子が自分で地下に篭るといってから
 私は常にフランと一緒に眠っている…
 原因は明快…
「……許して…美鈴…」
 紅魔館の門番であった、紅美鈴…
 彼女が本当の不運で私達が殺してしまったからだ…
「私が…馬鹿だった…」
 彼女はこの紅魔館の太陽だった
 どれだけ、無茶をかけても、笑いながら許してくれた
 どれだけ、理不尽な思いをさせても、困った顔で許してくれた
 どれだけ…どれだけ…
「でも…もう謝れない…」
 謝る事など、誰も許してくれない…
(ごめんなさい…許してくれるとは思っていないけど…)
 それでも、私は謝る…そして、フランと一緒に眠りについた
 そして私は夢を見た…




「お嬢様まで…もう、こんな所で眠ったら風邪引くかもしれないのに…」
 地下室にたどり着くと、そこにはお嬢様と妹様が抱き合って眠っていた
(…御二人とも仲良しですね…)
 私がそう思って、二人に近づくと
「…めーりん…ごめんなさい…」
「美鈴…許してくれるとは…思ってないけど…ごめんなさい…」
 お嬢様も妹様も、夢の中で泣いていた
(許すもなにも…怒ってないのに…)
 私は、二人が起きないようにそっと抱きしめた
「…怒ってませんよ?…ごめんなさいなんて言わないでくださいね…」
 しばらく私が御二人の頭を撫でていると
「…めーりん…」
「…美鈴…」
 ようやく、笑顔になって眠ってくれました
「…さて、確かあっちの方に…」
 あ、ありましたありました…
 以前、妹様が眠っていたベッドが…
(床よりはマシです…)
 ベッドの上に二人を眠らせてから、布団をかぶせる
「これでよし…えっと、御二人に手紙を置いて…っと」
 さて、次は咲夜さんですね…
 あれ?帽子どこにいきました?…まあ時間が無いですからいいですね



 
 私事、十六夜咲夜は体を壊していました…
 でも、これは当然の報いです
 なぜなら私は、自分を育ててくれた親であり
 そして、困った話を聞いてくれる同僚であり
 何よりも分かっていると思っていた親友を
 この手で…殺してしまったのだから…
「………」
 今、私はうつろな目で天井を見ています
 何をする気力も起きない…
 お嬢様は、屋敷から出ることが少なくなった
 パチュリー様は喘息で倒れている
 妹様は、自ら地下に篭られた
 私は…
「…ごめんなさい…今…謝りに行くわ」
 生きるという意志が、本当に希薄になっていた
 だからだろう、意識が朦朧としているのに
「…ありがとう…迎えに…来てくれて…」
 殺してしまった親にして、同僚にして、親友が目の前に居るなんて
 都合のいい夢を見てしまった
 そんな夢、私は見る価値すらないというのに…

 

「咲夜さん?…ほっ…起きているかと思いましたけど…」
 どうやら、眠っているみたいですね…
 でも、これは重症です…生きるという気が全く希薄になっています
(でも、なんで?)
 …ん?なにか言ってますね…
「…りが…とう…美鈴…迎えに…来てくれた…」
(ま、まさか!死ぬ気ですか!?)
 そ、それはいけません!咲夜さんが死ぬなんてそんな…
(こ、こうなったら…)
「駄目です…死ぬなんて許しません」
 私は、眠っている咲夜さんに無理やり自分の妖気を入れる
(…咲夜さんは人間ですけど…今の生きる気が少ない咲夜さんなら
 私の妖気をうまい事入れてやれば…)
 無理やりでも生きてもらいますよ!
 そう簡単に死ぬ事は許しません!

「美鈴…連れて行って…くれないの?…」
「馬鹿なこと言わないでください!そんな事言ったら怒りますよ!?」
 …いけない…これ以上大声出したら、誰かに気がつかれます

「…咲夜さん…手紙置いておきますから、起きたら読んでくださいね」
 さて、全てのミッション終了
 後は、再び地獄に帰るだけです


(さて、最後ですから、門の前に…っと)
 長年立っていた門の前に立つと
(…またね) 
 私は門の前にある凹みの上で、震脚を決めて
 大急ぎで地獄に戻った



「こ、小町さ~ん!」
 三途の河原まで走ると、辺りに居ると思われる小町さんを探す
「た、助かった…は、早く変わってくれ」
 すると、そこには疲れ果てた小町さんの姿が
「ど、どうしたんですか?」
「え、映姫様の肩…あれ、鉄板じゃないのか…」
 
 私は、急いで映姫さんのもとに向かうと
「おや?何処に行っていたんですか?…早く肩ほぐしてください」
「分かりました!」
 大急ぎでその肩をほぐし始めた
(二人とも…ありがとうございました)
 感謝の意味を籠めて、全力で…





 それからしばらくたった…
 私は相変わらず地獄で温泉にはいったり
 鬼や閻魔、死神等を指圧している
「いや~助かりました…」
 何時もの常連になってしまった赤鬼さんが
「お、そうそう、はい、また幻想郷の新聞が来ましてね…」
 何時ものように、新聞を置いていってくれた

「さて?今日は…」
 見出しを見て、私は微笑んだ

『紅魔館、完全復活!』
『腑抜けた主達に門番がやってきた?』
『瀟洒なメイド長、更なるパワーアップ』

(よかった、これでこそ紅魔館です)
 私が微笑んでいると

「すいません、肩凝りお願いします」
「あ、はい!分かりました」
「…本当に胸が少し大きくなりました」
「そうでしょう」

 地獄からですけど、私はそれなりに元気にやってますよ?みなさん…




 お終い
 脇役ですよ~
 前作の『赤髪の二人が三途の河原で会いました』の続編です
 美鈴の扱いが余りにも酷いといわれた作品ですが
 実際には、美鈴に皆甘えていたわけですね…
 まあ、こんな感じで続編出させてもらいました
 8時位から一気に書き上げさせてもらいました
(テスト二日前なのになにやっているのやら…(笑))
 苦情は受け付けませんよ?
 ではまたノシ…

 最後の一行は自重のため消させてもらいました
 




 オマケ
 

「…?」
 朝、私が目を覚ますと、あれだけ酷かった喘息が楽になっていた
(…どうして?)
 不思議に思っていると、私の胸元に何かが置いてあった
「…マスク…?」
 不思議に思ったが、その傍に置いてあった手紙の名前を見て驚いた
「そ、そんな…」
 自分の手で殺してしまったはずのものからの手紙だったのだ
 驚きながらもその手紙を読む
『地獄の名産である「霊命木」を削ってマスクにしました
 これつけたら、喘息も楽になりますから、もう大丈夫ですよ?』
 あの子は、私を恨んでなんか無かった
 それどころか、私を心配してくれたのだ
 思わず涙がでる…魔女の涙なんて柄でもない…
 そして、彼女がくれたマスクをかぶる
「…これなら、呪文の詠唱も途切れることはないわ…」
 彼女がくれた、門御流マスクがあれば、あの白黒にも負けるはずが無い
(ありがとう!美鈴)


 
 私は夢を見た…くらい地下室に居て、眠っていると
 居なくなったはずのめーりんが、抱いてくれた夢を…
 夢でもうれしかった…ごめんなさいって謝る事が出来たから
 でも、美鈴は怒ってなかった…それどころか頭を撫でてくれた
「……夢?」
 懐かしい振動で目を覚ますと、やっぱり美鈴は居なかった
 残念だなと思っていたら
「あっ…」
 私の手に、めーりんの帽子があった
 思わずそれを抱きしめる…
 うん…これがあれば怖くない…もう一度
「地下からでよう!」
 
 


 フランと一緒に私は寝ていたはずだった
 そして、気がついたら夢を見ていた
 殺してしまった美鈴が私の前に現れる夢
(ああ、美鈴…許してくれるとは思っていない…でも謝らせて…)
 都合のいい夢だと思う…だが、夢の中で美鈴は怒っていなかった
「ごめんなさいなんていわなくてもいいですよ…」
 私にそう言って、頭を撫でてくれたのだ
 ああ、私勘違いをしていた…美鈴は許す許さない以前に
(私を…心配してくれていたのか…)
 死んでしまった者にまで心配させて…なにが紅魔館の主だ!
 そう思っていたら、懐かしい振動が来た
「美鈴!?」
 門の前で朝早くに来るはずの振動
 美鈴の震脚による振動で私は目が覚めた
「…夢か?」
 気分は晴れ晴れとしていた
 そして、私の手元に
「美鈴…」
 彼女の手紙が置いてあった
(…死んでまで、私達を心配するなんて…)
 何故か、私の目から熱い物が流れた




(ど~ん…)
 軽い振動で私はまどろみから目が覚めた
「…」
 そして、しばらくぶりの振動の意味をしばらく頭で考えて
「美鈴!?」
 一気に意識が覚醒した
「夢?」
 ついさっきまで、美鈴と会っていたような夢を見ていた
 私を連れに来たのかと思っていたが
「…また、貴方だけで帰っていったのね…」
 彼女は怒って、私を置いていってしまった
(ふぅ…)
 優しい夢を見たので、少し寂しかったが
「…あら?」
 ふと、テーブルの上に手紙が置いてあった
 その名前を見て、驚いた
「美鈴…」
 急いで手紙をの中身を見る

『咲夜さんへ…生きてください、貴方がいないと紅魔館が潰れます
 それと、私は地獄で楽しくやっています、咲夜さんがそう簡単に死なないように
 私の妖気を無理やり入れておきました
 怨むのなら、怨んでください…それでも咲夜さんには生きて欲しいのです』
「馬鹿…」
 自分のせいで死んでしまったのに、その相手に
 生きろですって?
「美鈴の馬鹿…」
 これじゃあ、簡単に死ねないじゃない…

 ふと、泣いていると、体が締め付けられているように感じたので
 着ているシャツを、脱いだ…
「あっ…」
 そこには、美鈴が私に託してくれたものが形であった
「…ありがとう…美鈴…貴方がくれた自信…確かに受け取ったわ」
 
脇役
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
最後の最後で笑ったわw
肩こり気合で押さえ込むって、映姫様すごいな
大変そうな仕事だから、肩こりもすごかったんだろうなぁ
2.名前が無い程度の能力削除
えーき様・・・結局めーりんを不当に地獄に送ったことは無視するのか・・・
ああ、天国に行ったら肩揉んでもらえないからか

2ランクも胸が上がったせいでPAD長といわれるんですね、わかります
3.芳乃奈々樹削除
あの…すごくしんみりして、あとがき読んで…。
最後の行で腹筋が!!

映姫様はすごく苦労してらっしゃるのですね…。鉄板てw
4.名前が無い程度の能力削除
まりさが紅魔館に来たらどうなるか
5.名前が無い程度の能力削除
最後の行で、全部台無しwww
6.名前が無い程度の能力削除
最後で台無しだww
7.名前ガの兎削除
最後の一文何やってんですかァーッwww
ふいた
8.名前が無い程度の能力削除
おまけの最後の一行自重しなさいwwww
折角いい話だと思っていたのにw
内容についてですがなぜか椿山課長の七日間が思い浮かんだ。
死んだ人が帰ってくるって設定が一緒なだけのはずなんだが・・・
9.名前が無い程度の能力削除
マスクって被るのかよ! モンゴルマンかよ!
笑ってしまった俺の負けです
10.イスピン削除
これでこそ脇役さんの書く美鈴、脇役さんの書く紅魔館、脇役さんの書く幻想郷w
11.名前が無い程度の能力削除
後書きでぶち壊しだー!w
最初の一撃を入れた魔理沙はどうしている事やら・・・
12.名前が無い程度の能力削除
ついにPAD長ではなく巨乳長になったんだね咲夜さんw
13.名前が無い程度の能力削除
ひどい話だなー