注:第一印象に振り回されてはいけません。
前回のあらすじ
( ゚∀゚)o彡゜めーりん!めーりん!
「無罪。」
( 罪)o彡゜おっp
「有罪!」
吾輩は毛玉の筈である。名前など無い筈である。
だのに何故、自分は知り得ない知識を持っているのか?
何故、自分はこれほどまでに弱く、そして強いのか?
毛玉にあるまじき知識量。弾幕を失う代わりに得た知識ならば、何故自分はその取引を行い、何時それは行われたのか?
このままではいけない。自分が毛玉であるならば、頭が良くてはいけないのだ。
頭の良い毛玉とは、夕日が沈む朝の様なもの。
それが在ると言うことは、世界をねじ曲げ破壊し得る法則が存在することと同義。
己を否定する事も不可能。毛玉は難題を解いてはならぬ。
己を肯定する事も不可能。毛玉は幻想を砕いてはならぬ。
ならば、一体何を選ぶか?
何を以て、これを証明へと至らしめるか?
「分からなかったら人に聞く!」
よしそうしよう。ありがとう黒猫さん。
「ん?わたしは猫じゃないよ?」
目を開けると、空はどこまでも蒼く、雲とは違う白が目についた。
毛玉とは違う柔らかさを持っていそうな、風に吹かれて揺れる耳。
視線を下に向けると、一人の小さな妖怪兎と目があった。
時は少し遡る。
迷いの竹林を抜けた先、兎と蓬莱人の住むところ、永遠亭。
「姫様ー!」
しあわせ兎(宇詐欺ではない)が廊下を走る。
その手の中には小さな薬、兎を追いかけ兎が走る。
それまた追いかけ兎が走る、
それを追いかけ
『ウサー!』
大行進。
「あら、勢揃いして一体どうしたの?」
因幡軍団を迎えて言うのは、姫様こと蓬莱山輝夜。
「姫様、薬が出来ましたー!」
「早く一緒に出掛けましょう!」
『ウサ!』
兎が背伸びして差し出したのは、永琳特製の栄養薬。
長年運動をしていない姫様じゃ、自分達と一緒に遊べない。
姫様が居ないと姫様が寂しい。
姫様が寂しいのはみんなイヤ。
ならどうしようと兎は悩む。百人寄っても大丈夫。
その内思い出したのは、幻想郷最強の魔法の言葉!
『分からなかったら人に聞く!』
友達の言葉に励まされ?永琳様に聞きに行く。
「それで師匠がもの凄くやる気になっちゃってね、蓬莱人によく効く薬を作るために8日も徹夜して作ったのよ。」
自分の隣に座って、師匠とやらの事を楽しそうに語っているのは、鈴仙と言う名の妖怪兎である。
初対面の自分を見て、流石に最初は毛玉とは思わず驚いた様だが、すぐに自分を引っ張って遊ぶ宇詐欺を蹴っ飛ばし、自分の残機が減る前に助けてくれた。
ちなみに、最初に自分に声をかけてきた兎は、向こうの方で姫様と呼ばれている黒髪美人に抱えられて御満悦の様子。
その隣に控える銀髪の麗人も(こちらが『師匠』らしい、なるほど帽子に十字が見える)、足元にまとわり付いたり転がったり、腕に捕まる順番を決めるべくじゃんけん勝負したりしている小さな兎を、暖かな表情で相手している。
「完成した時に『ヤゴコロ印の薬効はー!』って叫び出した時は驚いたけどね。師匠が倒れたら、みんなお出掛けどころじゃないのに。」
そして自分の隣には、洗濯バサミを弄びながら、楽しそうに話を続ける鈴仙が居る。
なんでも、鈴仙には生物の『波長』が分かるらしく、こちらの感じていることを大雑把ながらも把握できるのだそうだ。
洗濯バサミを外してもらった事もあり、自分としては頷いたり跳ねたりするばかりではなく、まるで美鈴さんと話しているような快適さを感じる。
やはり話とは双方向でなくてはならない。
そんな些末なことを考える以上に、鈴仙の話はとても面白い。
永遠亭と言う場所はそんなに笑いの絶えない家なのか、それとも鈴仙自身が話上手なのか。
「それで姫様ったら、『新難題・仔兎達の綺麗な瞳……解法は1つ、明日は遠足よ!』ってね。廊下が揺れるくらい、みんな喜んでたの。」
多分、両方なのだろう。
その頃、紅の門。
「隊長!大規模な進撃部隊を確認、こちらに接近しています!」
「よし、待機中の門番隊も全員起こして、詰め所の倉庫を空にするまで突撃してきなさい!」
「美鈴隊長は!?」
「陽動の可能性も有るわ。私はここに残る。……急ぎなさい!」
「隊、長……。」
「泣いてる場合か!隊長なら、ウチらが帰ってくるまで、いや何時まででも待っててくれるんよ!」
「でも!」
「隊長を信じろ!アタシ達に出来るのは、信じて突撃するだけだ!」
「弁当隊、行きます!」
「遅れんなよ、茶菓子隊出撃っ!」
「ちぃっ、水分が足りねえ!支援兵ーーっ!!」
激動の門番隊は、隊長に似てとても優秀である。
前回のあらすじ
( ゚∀゚)o彡゜めーりん!めーりん!
「無罪。」
( 罪)o彡゜おっp
「有罪!」
吾輩は毛玉の筈である。名前など無い筈である。
だのに何故、自分は知り得ない知識を持っているのか?
何故、自分はこれほどまでに弱く、そして強いのか?
毛玉にあるまじき知識量。弾幕を失う代わりに得た知識ならば、何故自分はその取引を行い、何時それは行われたのか?
このままではいけない。自分が毛玉であるならば、頭が良くてはいけないのだ。
頭の良い毛玉とは、夕日が沈む朝の様なもの。
それが在ると言うことは、世界をねじ曲げ破壊し得る法則が存在することと同義。
己を否定する事も不可能。毛玉は難題を解いてはならぬ。
己を肯定する事も不可能。毛玉は幻想を砕いてはならぬ。
ならば、一体何を選ぶか?
何を以て、これを証明へと至らしめるか?
「分からなかったら人に聞く!」
よしそうしよう。ありがとう黒猫さん。
「ん?わたしは猫じゃないよ?」
目を開けると、空はどこまでも蒼く、雲とは違う白が目についた。
毛玉とは違う柔らかさを持っていそうな、風に吹かれて揺れる耳。
視線を下に向けると、一人の小さな妖怪兎と目があった。
時は少し遡る。
迷いの竹林を抜けた先、兎と蓬莱人の住むところ、永遠亭。
「姫様ー!」
しあわせ兎(宇詐欺ではない)が廊下を走る。
その手の中には小さな薬、兎を追いかけ兎が走る。
それまた追いかけ兎が走る、
それを追いかけ
『ウサー!』
大行進。
「あら、勢揃いして一体どうしたの?」
因幡軍団を迎えて言うのは、姫様こと蓬莱山輝夜。
「姫様、薬が出来ましたー!」
「早く一緒に出掛けましょう!」
『ウサ!』
兎が背伸びして差し出したのは、永琳特製の栄養薬。
長年運動をしていない姫様じゃ、自分達と一緒に遊べない。
姫様が居ないと姫様が寂しい。
姫様が寂しいのはみんなイヤ。
ならどうしようと兎は悩む。百人寄っても大丈夫。
その内思い出したのは、幻想郷最強の魔法の言葉!
『分からなかったら人に聞く!』
友達の言葉に励まされ?永琳様に聞きに行く。
「それで師匠がもの凄くやる気になっちゃってね、蓬莱人によく効く薬を作るために8日も徹夜して作ったのよ。」
自分の隣に座って、師匠とやらの事を楽しそうに語っているのは、鈴仙と言う名の妖怪兎である。
初対面の自分を見て、流石に最初は毛玉とは思わず驚いた様だが、すぐに自分を引っ張って遊ぶ宇詐欺を蹴っ飛ばし、自分の残機が減る前に助けてくれた。
ちなみに、最初に自分に声をかけてきた兎は、向こうの方で姫様と呼ばれている黒髪美人に抱えられて御満悦の様子。
その隣に控える銀髪の麗人も(こちらが『師匠』らしい、なるほど帽子に十字が見える)、足元にまとわり付いたり転がったり、腕に捕まる順番を決めるべくじゃんけん勝負したりしている小さな兎を、暖かな表情で相手している。
「完成した時に『ヤゴコロ印の薬効はー!』って叫び出した時は驚いたけどね。師匠が倒れたら、みんなお出掛けどころじゃないのに。」
そして自分の隣には、洗濯バサミを弄びながら、楽しそうに話を続ける鈴仙が居る。
なんでも、鈴仙には生物の『波長』が分かるらしく、こちらの感じていることを大雑把ながらも把握できるのだそうだ。
洗濯バサミを外してもらった事もあり、自分としては頷いたり跳ねたりするばかりではなく、まるで美鈴さんと話しているような快適さを感じる。
やはり話とは双方向でなくてはならない。
そんな些末なことを考える以上に、鈴仙の話はとても面白い。
永遠亭と言う場所はそんなに笑いの絶えない家なのか、それとも鈴仙自身が話上手なのか。
「それで姫様ったら、『新難題・仔兎達の綺麗な瞳……解法は1つ、明日は遠足よ!』ってね。廊下が揺れるくらい、みんな喜んでたの。」
多分、両方なのだろう。
その頃、紅の門。
「隊長!大規模な進撃部隊を確認、こちらに接近しています!」
「よし、待機中の門番隊も全員起こして、詰め所の倉庫を空にするまで突撃してきなさい!」
「美鈴隊長は!?」
「陽動の可能性も有るわ。私はここに残る。……急ぎなさい!」
「隊、長……。」
「泣いてる場合か!隊長なら、ウチらが帰ってくるまで、いや何時まででも待っててくれるんよ!」
「でも!」
「隊長を信じろ!アタシ達に出来るのは、信じて突撃するだけだ!」
「弁当隊、行きます!」
「遅れんなよ、茶菓子隊出撃っ!」
「ちぃっ、水分が足りねえ!支援兵ーーっ!!」
激動の門番隊は、隊長に似てとても優秀である。
前回から引き続いてのハイクオリティ、嫉妬しちゃう!
ちと残念
アットホーム永遠亭に久々に癒されたぜ
誤字を発見したと思うので書いておきます
× 姫様が居ないと姫様が寂しい → ○ 姫様が居ないとみんなが寂しい
即行でWIZ連想した。>1さんとは気が合いそうだ。
弾幕が使えない代わりに特別頭いいようだし、紅魔館で働いている毛玉はこいつ一匹だけなのかな。