午前中の仕事を終え、お昼ご飯を食べ終わったレミリアは予定表を開く。
一番最初に書いてあったのはパチュリーの紅茶を入れることだった。
どうも予定表を見る限り、咲夜は誰がどの時間に飲み物やお菓子を欲しがるのか把握してるらしい。自分の従者ながら改めて驚かされる。
図書館に紅茶のセットの乗ったワゴンを押しながら図書館に入る。あまり日の入らない造りになっている紅魔館だが、この部屋はその中でもかなり暗い。
自分はあまり気にしていなかったが、人間には結構辛く先が見えづらい。
少し苦戦しながらも部屋の主、パチュリーの所へ向かう。
「パチェ・・パチュリー様紅茶はいかがでしょうか」
「ん・・、頂くわ」
本から顔を離さずに返答するパチュリー。レミリアもいつもの事なのであまり気にせずに紅茶を入れる。その紅茶をパチュリーがコクっと少し飲んでから表情を曇らせる。
「咲夜、あなた風邪でもひいてるの?」
「え?」
急にパチュリーが本を置きレミリアに向き合って言った。
「紅茶の味がいつもと違うわ。それにどこか動きがぎこちないわよ?」
「え、え~っと・・・」
思わぬパチュリーの洞察力に思わず言葉を曇らせてしまう。そんな様子のレミリアにパチュリーはさらに疑問をぶつける。
「それに図書館に入ってきてからここに来るまでの時間がいつもと比べて遅いし、ワゴンの音を立ててるし」
「うう・・」
「本当に風邪って訳でもないでしょ?顔も赤くないし」
「むむむ・・・」
普段あまり回りに興味が無いように見えたのに、まさかここまで咲夜のことを見ていたとは思っても見なかった。
「で、どうしたのかしら?」
「はぁ、まさかこんなにもパチェが鋭いとは思ってもいなかったわ。そんなに私の動きが悪かったかしらねえ・・・」
「悪いも何もいつもとくらべ・・・・・、パチェ・・?」
「あら?正体がもう気がつかれてると思ったのに、それは違ったみたいね」
「そんな・・・まさか・・、レミィ!?」
普段はジトーっとして半目なパチュリーが、目を白黒させて驚く。
「ちょ、ちょっとまって!え、え~っと・・消極的に人を判断する方ほ・・ごほ!げほ!げほげほ!」
「ちょ!落ち着いてパチェ!」
~少女説明中~
「・・・っと言うわけよ」
「はあ・・・」
そのあと咳き込んだパチュリーを落ち着かせて現状を説明する。一番重要なその姿になってしまった元凶は、パチュリーも八雲紫でなっとくした。
「でも、パチェがあそこまで鋭いとは思わなかったわ」
「なに言ってるのよレミィ。魔法使いにとって観察力は重要な力よ?」
「そうなの?」
「ええ、相手の動作を観察すればそれから先の動作を読むことが出来る。ただでさえ体力的に不利な私には一番重要な能力でもあるわ。」
「へぇ~」
「恐らく魔理沙やアリスも一緒だと思うわ」
「なるほどねぇ・・。でも私の正体は見抜けなかったみたいね」
「・・・・悪かったわね」
「あはは、謝るからそんなジト目でみないでよ。それよりパチェ、なにか手伝うことあるんでしょ?予定表には此処で夕方近くまでお手伝いと書いてあるのよ」
「・・・・ああ、そういえば咲夜にお願いしてたんだっけ」
「うん。で、なんなの?」
「図書館の本整理よ」
パチュリーはニコリと笑って言った。
「ほ・・・本の整理・・?ここの・・・・?」
「そうよ」
「そ、それは小悪魔の仕事じゃないの?
「こぁは今魔界に里帰り中よ。だから咲夜にお願いしたの」
「うう・・」
紅魔館の中の大図書館に存在する本はどこからか、いつのまに増えてたりする。そのため定期的に図書整理をしたりする。その整理方法や整理順などを把握しているのが子悪魔だ。数多の本が集うために、中には危険な本が存在する。最近では魔理沙が幻獣関係を調べようと本を開いたらその本が噛み付いてきた事件があった。
このあと魔理沙が机の上に避難し、下で降りてくるの待っていた本に、靴を下に落とすフェイントを掛けて捕獲しベルトでグルグル巻きにした。
こうゆう事件がしょっちゅう起こるので、進んで本に近づくものは少ない。その近づかないようにしている内の一人であるレミリア。
彼女も本の被害を受けたことがある。禁書とかかれた地域の本を面白がって開いてみたところ、顔だけの幽霊みたいなのが本から出てきて物凄い絶叫を上げて、レミリアをおどろかせた。
「出来ればそれは遠慮したいかな~~~って・・・」
「あら、だめよレミィ・・・・。いえ咲夜、手伝いなさい」
ビシっと指を突きつけてレミリアに命令するパチュリー。先ほど少しからかわれたのを此処で取り返すらしい。かなり悪い笑顔だ。
「むぅ・・・覚えてなさいよ・・・。パチェ」
「あら、咲夜は私のことをパチェとは言わないわ。パチュリー様と呼ぶわよ?」
「う~~!。・・・わかりましたパチュリー様」
「よろしい」
悔しそうに顔をゆがめるレミリアをニヤニヤとパチュリーは笑いながら頷く。
「じゃあ、早速はじめましょう。とりあえずあそこに積まれている本を片さなきゃいけないのよ」
パチュリーが別の机のところを指差す。そこには100冊程の本が積まれていた。
「こ、こんなに・・・・」
「あら?、魔理沙が勝手に持って行った本の方が多いわよ?」
「魔理沙も魔理沙でどれだけ持ってっているのよ・・・。にしても多いわよ」
「大丈夫、私も手伝うから。じゃあ早速だけど此れがこぁが置いていった図書館見取り図ね」
パチュリーから渡された紙には本棚が、ローマ字でA~Zまで区別されていてジャンルまで分けられているものだった。
「こんな便利なものがあったのね。最初っからいってよ」
「そうね、でもこれは里帰りするこぁに二日間ほど徹夜させて書いてもらったものだから最近出来たものなのよ」
「あら、それじゃあしょうがないわね」
ふたりでクスクスと笑いあう。ちなみに子悪魔は、その見取り図かいてるときも普段している仕事もこなしていた。里帰り当日にはフラフラだったそうな。
「それじゃあよろしくね」
「わかりましたわ、パチュリー様」
「あら、頑張ってね」
本の山に向かい、とりあえずジャンル分けすることにする。見取り図を見る限り、大体にして魔法書か雑学かその他の三つ程みたいだ。
「え~っと・・?。基本呪文書集・・・、これは魔法書ね。なになに、雪男とゆっくり一年?狼男との大いなる雪歩き・・・、著者はギルデロイ・ロックハート・・・・これは雑学かしらね・・」
一時間ほど掛けて本の仕分を終わらす。あとはコレを本棚にもって行くだけだ。
本を持ち棚に向かおうとすると、今まで自分の机で本を読んでいたパチュリーが声を掛けてきた。
「言っておくけど、本棚に本を入れるときが一番危険よ?。ほかの本をつめて入れるのだから、きおつけてね?」
「大丈夫よ、なんたって瀟洒なメイドだもの」
「そう、がんばってね」
いきなり十数冊を持ち、重そうにヨタヨタと歩く自分の友人を見つめこの先起こるであろう未来を予想し、本に目を戻す。
うわわ、あーーーー!バサバサダサドサドサドサ!
うー・・・、やっちゃった・・・・って本が!本が噛み付いてくる!
いた、いたい!やめて!助けてパチェ-――――――――――――――!!!!!
数分後、予想してた通りの結果に一つため息を漏らし現場に向かう。
そこには複数の本に噛み付かれ、地面に転がりながらも抵抗する自分の友人がいた。
「た、助けてパチェ!本のくせに牙があるのよこいつ等!いたいいたいいたい!!」
「ふう・・・、しょうがないわね。日符・ロイヤルフレ・・・」
「ストーーーーーーーーーーーーーーップ!!。死ぬ!私しんじゃうから!!火力ありすぎるわよ!!」
「冗談よ。・・っえい」
指先から淡い光を出し、本に向かって打ち出す。その光に当たった本はたちまち静かになる。
「た、たすかったわパチェ」
「どういたしまして。でもあれくらい何とかなったんじゃないの?」
「自分の体とは勝手が違うから、上手く力が出せないのよ・・・・」
「そうなの・・・。段々興味がわいてきたわね、今の状態のレミィに。是非研究させてもらえないかしら?」
「・・・・・どう研究するつもりよ?」
「おもに~~、解剖とか?」
「全力でお断りするわ!!」
それから数時間掛けてほんの整理を終わらしたレミリア。結構満身創痍状態。
「お疲れ様、レミィ」
「おのれぇ・・・・、本どもめ・・・。この私を何度も襲いやがって・・・!」
「・・・・・・・・くす」
「む、なによ?パチェ」
あれから本を持って本棚に向かうたびに何度も撃退されたレミリア。噛まれたり、落ちてきて頭を強打したり、小指に落ちてきたりとダメージフルコースだ。
パチュリーにしてみれば、レミリアの珍しい行動+咲夜の珍プレーを一度に見れて二度美味しかった。
「なんでもないわ。それより次は何をする予定なの?レミィ」
「え~っと、門番ダーツ?何これ?」
「・・・・多分美鈴の仕事しているかのチェックじゃないかしら?」
「ああ、なるほどね。そういえば美鈴はいつも寝ているものね。それで門番ダーツか・・」
「で、やるの?」
「もちろん、郷に入ったら郷に従えってね」
「そう、じゃあいってらっしゃい」
「うん、またねパチェ」
レミリアが出て行ったあとにパチュリーは自分の机に戻り本を読み始める。
(明日辺り元になってなかったら隙間妖怪に喧嘩売りに行く羽目になりそうねえ・・・)
ふぅ、っとため息一つつき本に意識を落とした。
「案の定寝てるわね」
門に入ってみたところ、予想通り美鈴は寝ていた。立ったまま寝れるなんてもはや芸術の域に達している。
「え~っと、そいやっ!」
ヒュっとナイフを美鈴にめがけて投げるレミリア、だがやはり体が違うせいか勝手がいかず帽子を飛ばすだけだった。
「ひう!」
「あら、起きたかしら?」
流石に当たらなくても、帽子を飛ばされればおきる美鈴。おまけに間の前に咲夜の姿があれば尚更起きる。
「す、すすすすすいません!咲夜さ・・・・・ん?」
「?」
謝っている途中で急に怪訝な顔になる美鈴。
「あの、間違ってたらすいません・・・。もしかしてお嬢様ですか・・・?」
「!?」
美鈴は一発で見抜いた。
「何故・・、そう思ったの?」
「い、いえ、見た目は咲夜さんですけどお嬢様の気を感じたもので・・」
「ああ、・・・・なるほど」
そういえば美鈴は、気を使う程度の能力だった。それなら分かるのかもしれない。
「やっぱり、お嬢様なんですね。それはパチュリー様の魔法ですか?」
「違うわ、これはね・・・」
レミリアは美鈴にも今までのいきさつを話す。
「・・・なるほど、そうでしたか」
「ええ」
「でも、私になんて教えてもいいんですか?こんな事を」
「あなただから大丈夫なのよ。でも確かにフランとかにバレたら面倒なことになりそうね」
レミリアからの信頼にぱあっと顔を輝かせたあとに、美鈴は急にまじめな顔になる。
「面倒・・・・ですか?」
「ええ、正直言って他人の体では上手く力を出せないわ。今フランに知られたら手がつけられないわ」
「・・・!、それは大変ですね・・。でも妹様はまだ眠ってらっしゃいますし大丈夫ですよ」
「そうね」
ぱあぁと輝くような美鈴の笑顔に、頭に描いてた問題が薄れていった。
「さて、それじゃあ次の仕事に・・・・、!!??」
「どうしたんですか?お嬢さ・・・、!!」
二人は同時に紅魔館をの方を向く。
「今の気配、フランね・・」
「そうみたいです、お目覚めになられたようですね」
「少し嫌な予感がするわね、美鈴。一緒に来てもらえないかしら?」
「あ、はい!」
ふたりは慌ててフランの部屋まで駆けていった。
一番最初に書いてあったのはパチュリーの紅茶を入れることだった。
どうも予定表を見る限り、咲夜は誰がどの時間に飲み物やお菓子を欲しがるのか把握してるらしい。自分の従者ながら改めて驚かされる。
図書館に紅茶のセットの乗ったワゴンを押しながら図書館に入る。あまり日の入らない造りになっている紅魔館だが、この部屋はその中でもかなり暗い。
自分はあまり気にしていなかったが、人間には結構辛く先が見えづらい。
少し苦戦しながらも部屋の主、パチュリーの所へ向かう。
「パチェ・・パチュリー様紅茶はいかがでしょうか」
「ん・・、頂くわ」
本から顔を離さずに返答するパチュリー。レミリアもいつもの事なのであまり気にせずに紅茶を入れる。その紅茶をパチュリーがコクっと少し飲んでから表情を曇らせる。
「咲夜、あなた風邪でもひいてるの?」
「え?」
急にパチュリーが本を置きレミリアに向き合って言った。
「紅茶の味がいつもと違うわ。それにどこか動きがぎこちないわよ?」
「え、え~っと・・・」
思わぬパチュリーの洞察力に思わず言葉を曇らせてしまう。そんな様子のレミリアにパチュリーはさらに疑問をぶつける。
「それに図書館に入ってきてからここに来るまでの時間がいつもと比べて遅いし、ワゴンの音を立ててるし」
「うう・・」
「本当に風邪って訳でもないでしょ?顔も赤くないし」
「むむむ・・・」
普段あまり回りに興味が無いように見えたのに、まさかここまで咲夜のことを見ていたとは思っても見なかった。
「で、どうしたのかしら?」
「はぁ、まさかこんなにもパチェが鋭いとは思ってもいなかったわ。そんなに私の動きが悪かったかしらねえ・・・」
「悪いも何もいつもとくらべ・・・・・、パチェ・・?」
「あら?正体がもう気がつかれてると思ったのに、それは違ったみたいね」
「そんな・・・まさか・・、レミィ!?」
普段はジトーっとして半目なパチュリーが、目を白黒させて驚く。
「ちょ、ちょっとまって!え、え~っと・・消極的に人を判断する方ほ・・ごほ!げほ!げほげほ!」
「ちょ!落ち着いてパチェ!」
~少女説明中~
「・・・っと言うわけよ」
「はあ・・・」
そのあと咳き込んだパチュリーを落ち着かせて現状を説明する。一番重要なその姿になってしまった元凶は、パチュリーも八雲紫でなっとくした。
「でも、パチェがあそこまで鋭いとは思わなかったわ」
「なに言ってるのよレミィ。魔法使いにとって観察力は重要な力よ?」
「そうなの?」
「ええ、相手の動作を観察すればそれから先の動作を読むことが出来る。ただでさえ体力的に不利な私には一番重要な能力でもあるわ。」
「へぇ~」
「恐らく魔理沙やアリスも一緒だと思うわ」
「なるほどねぇ・・。でも私の正体は見抜けなかったみたいね」
「・・・・悪かったわね」
「あはは、謝るからそんなジト目でみないでよ。それよりパチェ、なにか手伝うことあるんでしょ?予定表には此処で夕方近くまでお手伝いと書いてあるのよ」
「・・・・ああ、そういえば咲夜にお願いしてたんだっけ」
「うん。で、なんなの?」
「図書館の本整理よ」
パチュリーはニコリと笑って言った。
「ほ・・・本の整理・・?ここの・・・・?」
「そうよ」
「そ、それは小悪魔の仕事じゃないの?
「こぁは今魔界に里帰り中よ。だから咲夜にお願いしたの」
「うう・・」
紅魔館の中の大図書館に存在する本はどこからか、いつのまに増えてたりする。そのため定期的に図書整理をしたりする。その整理方法や整理順などを把握しているのが子悪魔だ。数多の本が集うために、中には危険な本が存在する。最近では魔理沙が幻獣関係を調べようと本を開いたらその本が噛み付いてきた事件があった。
このあと魔理沙が机の上に避難し、下で降りてくるの待っていた本に、靴を下に落とすフェイントを掛けて捕獲しベルトでグルグル巻きにした。
こうゆう事件がしょっちゅう起こるので、進んで本に近づくものは少ない。その近づかないようにしている内の一人であるレミリア。
彼女も本の被害を受けたことがある。禁書とかかれた地域の本を面白がって開いてみたところ、顔だけの幽霊みたいなのが本から出てきて物凄い絶叫を上げて、レミリアをおどろかせた。
「出来ればそれは遠慮したいかな~~~って・・・」
「あら、だめよレミィ・・・・。いえ咲夜、手伝いなさい」
ビシっと指を突きつけてレミリアに命令するパチュリー。先ほど少しからかわれたのを此処で取り返すらしい。かなり悪い笑顔だ。
「むぅ・・・覚えてなさいよ・・・。パチェ」
「あら、咲夜は私のことをパチェとは言わないわ。パチュリー様と呼ぶわよ?」
「う~~!。・・・わかりましたパチュリー様」
「よろしい」
悔しそうに顔をゆがめるレミリアをニヤニヤとパチュリーは笑いながら頷く。
「じゃあ、早速はじめましょう。とりあえずあそこに積まれている本を片さなきゃいけないのよ」
パチュリーが別の机のところを指差す。そこには100冊程の本が積まれていた。
「こ、こんなに・・・・」
「あら?、魔理沙が勝手に持って行った本の方が多いわよ?」
「魔理沙も魔理沙でどれだけ持ってっているのよ・・・。にしても多いわよ」
「大丈夫、私も手伝うから。じゃあ早速だけど此れがこぁが置いていった図書館見取り図ね」
パチュリーから渡された紙には本棚が、ローマ字でA~Zまで区別されていてジャンルまで分けられているものだった。
「こんな便利なものがあったのね。最初っからいってよ」
「そうね、でもこれは里帰りするこぁに二日間ほど徹夜させて書いてもらったものだから最近出来たものなのよ」
「あら、それじゃあしょうがないわね」
ふたりでクスクスと笑いあう。ちなみに子悪魔は、その見取り図かいてるときも普段している仕事もこなしていた。里帰り当日にはフラフラだったそうな。
「それじゃあよろしくね」
「わかりましたわ、パチュリー様」
「あら、頑張ってね」
本の山に向かい、とりあえずジャンル分けすることにする。見取り図を見る限り、大体にして魔法書か雑学かその他の三つ程みたいだ。
「え~っと・・?。基本呪文書集・・・、これは魔法書ね。なになに、雪男とゆっくり一年?狼男との大いなる雪歩き・・・、著者はギルデロイ・ロックハート・・・・これは雑学かしらね・・」
一時間ほど掛けて本の仕分を終わらす。あとはコレを本棚にもって行くだけだ。
本を持ち棚に向かおうとすると、今まで自分の机で本を読んでいたパチュリーが声を掛けてきた。
「言っておくけど、本棚に本を入れるときが一番危険よ?。ほかの本をつめて入れるのだから、きおつけてね?」
「大丈夫よ、なんたって瀟洒なメイドだもの」
「そう、がんばってね」
いきなり十数冊を持ち、重そうにヨタヨタと歩く自分の友人を見つめこの先起こるであろう未来を予想し、本に目を戻す。
うわわ、あーーーー!バサバサダサドサドサドサ!
うー・・・、やっちゃった・・・・って本が!本が噛み付いてくる!
いた、いたい!やめて!助けてパチェ-――――――――――――――!!!!!
数分後、予想してた通りの結果に一つため息を漏らし現場に向かう。
そこには複数の本に噛み付かれ、地面に転がりながらも抵抗する自分の友人がいた。
「た、助けてパチェ!本のくせに牙があるのよこいつ等!いたいいたいいたい!!」
「ふう・・・、しょうがないわね。日符・ロイヤルフレ・・・」
「ストーーーーーーーーーーーーーーップ!!。死ぬ!私しんじゃうから!!火力ありすぎるわよ!!」
「冗談よ。・・っえい」
指先から淡い光を出し、本に向かって打ち出す。その光に当たった本はたちまち静かになる。
「た、たすかったわパチェ」
「どういたしまして。でもあれくらい何とかなったんじゃないの?」
「自分の体とは勝手が違うから、上手く力が出せないのよ・・・・」
「そうなの・・・。段々興味がわいてきたわね、今の状態のレミィに。是非研究させてもらえないかしら?」
「・・・・・どう研究するつもりよ?」
「おもに~~、解剖とか?」
「全力でお断りするわ!!」
それから数時間掛けてほんの整理を終わらしたレミリア。結構満身創痍状態。
「お疲れ様、レミィ」
「おのれぇ・・・・、本どもめ・・・。この私を何度も襲いやがって・・・!」
「・・・・・・・・くす」
「む、なによ?パチェ」
あれから本を持って本棚に向かうたびに何度も撃退されたレミリア。噛まれたり、落ちてきて頭を強打したり、小指に落ちてきたりとダメージフルコースだ。
パチュリーにしてみれば、レミリアの珍しい行動+咲夜の珍プレーを一度に見れて二度美味しかった。
「なんでもないわ。それより次は何をする予定なの?レミィ」
「え~っと、門番ダーツ?何これ?」
「・・・・多分美鈴の仕事しているかのチェックじゃないかしら?」
「ああ、なるほどね。そういえば美鈴はいつも寝ているものね。それで門番ダーツか・・」
「で、やるの?」
「もちろん、郷に入ったら郷に従えってね」
「そう、じゃあいってらっしゃい」
「うん、またねパチェ」
レミリアが出て行ったあとにパチュリーは自分の机に戻り本を読み始める。
(明日辺り元になってなかったら隙間妖怪に喧嘩売りに行く羽目になりそうねえ・・・)
ふぅ、っとため息一つつき本に意識を落とした。
「案の定寝てるわね」
門に入ってみたところ、予想通り美鈴は寝ていた。立ったまま寝れるなんてもはや芸術の域に達している。
「え~っと、そいやっ!」
ヒュっとナイフを美鈴にめがけて投げるレミリア、だがやはり体が違うせいか勝手がいかず帽子を飛ばすだけだった。
「ひう!」
「あら、起きたかしら?」
流石に当たらなくても、帽子を飛ばされればおきる美鈴。おまけに間の前に咲夜の姿があれば尚更起きる。
「す、すすすすすいません!咲夜さ・・・・・ん?」
「?」
謝っている途中で急に怪訝な顔になる美鈴。
「あの、間違ってたらすいません・・・。もしかしてお嬢様ですか・・・?」
「!?」
美鈴は一発で見抜いた。
「何故・・、そう思ったの?」
「い、いえ、見た目は咲夜さんですけどお嬢様の気を感じたもので・・」
「ああ、・・・・なるほど」
そういえば美鈴は、気を使う程度の能力だった。それなら分かるのかもしれない。
「やっぱり、お嬢様なんですね。それはパチュリー様の魔法ですか?」
「違うわ、これはね・・・」
レミリアは美鈴にも今までのいきさつを話す。
「・・・なるほど、そうでしたか」
「ええ」
「でも、私になんて教えてもいいんですか?こんな事を」
「あなただから大丈夫なのよ。でも確かにフランとかにバレたら面倒なことになりそうね」
レミリアからの信頼にぱあっと顔を輝かせたあとに、美鈴は急にまじめな顔になる。
「面倒・・・・ですか?」
「ええ、正直言って他人の体では上手く力を出せないわ。今フランに知られたら手がつけられないわ」
「・・・!、それは大変ですね・・。でも妹様はまだ眠ってらっしゃいますし大丈夫ですよ」
「そうね」
ぱあぁと輝くような美鈴の笑顔に、頭に描いてた問題が薄れていった。
「さて、それじゃあ次の仕事に・・・・、!!??」
「どうしたんですか?お嬢さ・・・、!!」
二人は同時に紅魔館をの方を向く。
「今の気配、フランね・・」
「そうみたいです、お目覚めになられたようですね」
「少し嫌な予感がするわね、美鈴。一緒に来てもらえないかしら?」
「あ、はい!」
ふたりは慌ててフランの部屋まで駆けていった。
今頃、咲夜お嬢様は独りでお楽しみですかそうですか
4行目:造りなっている→造りになっている
5行目:見えずらい→見えづらい
6行目:パチュリーのの所→パチュリーの所
本整理を頼まれる3行前:ジチ目→ジト目
「整理順などを把握しているのがこ悪魔だ」→小悪魔
「ちなみに子悪魔は、その見取り図かいてるときも」→小悪魔
「ほかの本をつめて入れるのだから、きおつけてね?」→きをつけてね
「数時間掛けてほんの整理を」→「本の整理を」の方が読みやすいです。
「間の前に咲夜の姿があれば」→目の前に
パソコンの誤変換やタイプミスと戦うのは大変かと思いますが、レミリアの奮闘ぶりが楽しいので続きを期待しています。
ロックハートの本は幻想郷行きですか。
しかしお嬢様正体バレまくりですね。
ご指摘本当にありがとうございました。