夜空には月が浮かんでいる。
それはもう見事な満月だった。
「なあ、霊夢。外の世界では月に行った人間がいるんだって?」
「そりゃ行けるわよ。だって見えてるじゃない」
「そうか……そうだなー」
境内には風が吹いた。
見上げたそこに見えるのは赤く円い象徴。
それはもう見事な満月だった。
「ねえ、パチェ。月に行く計画は進んでるの?」
「大体は完成しているわ。あとは推進力の問題」
「一番重要なところね」
館は紅く鈍い光を放っている。
黒よりも黒い紫の天に在る青い球。
それはもう見事な満月だった。
「月は見えざるものを照らし出す。その逆も然り」
「何ですか、それは」
「さあね。それよりも何か食べましょうよ」
静かな夜の音がした。
宙に乗ってギラギラと光る黄色い月輪。
それはもう見事な満月だった。
「ふうん、今日はひさびさにいい月だね」
「そこで一つ。月を砕いて下さいませんか? 取材をしたいのです」
「んー? また今度ね。それよりも月見酒にしない?」
地上に彩が一つ咲く。
○
何も無く浮ぶ月。
それはいつも衣で包まれている。
「人間は非常識を捨てた。でも幻想の民は不思議ね。今も昔も変わる事無く同じものを求めている」
「故に美しい、ですか?」
「いえ、全然美しくない、でも愉快なのよ」
月から兎が覗いている気がした。
それはもう見事な満月だった。
「なあ、霊夢。外の世界では月に行った人間がいるんだって?」
「そりゃ行けるわよ。だって見えてるじゃない」
「そうか……そうだなー」
境内には風が吹いた。
見上げたそこに見えるのは赤く円い象徴。
それはもう見事な満月だった。
「ねえ、パチェ。月に行く計画は進んでるの?」
「大体は完成しているわ。あとは推進力の問題」
「一番重要なところね」
館は紅く鈍い光を放っている。
黒よりも黒い紫の天に在る青い球。
それはもう見事な満月だった。
「月は見えざるものを照らし出す。その逆も然り」
「何ですか、それは」
「さあね。それよりも何か食べましょうよ」
静かな夜の音がした。
宙に乗ってギラギラと光る黄色い月輪。
それはもう見事な満月だった。
「ふうん、今日はひさびさにいい月だね」
「そこで一つ。月を砕いて下さいませんか? 取材をしたいのです」
「んー? また今度ね。それよりも月見酒にしない?」
地上に彩が一つ咲く。
○
何も無く浮ぶ月。
それはいつも衣で包まれている。
「人間は非常識を捨てた。でも幻想の民は不思議ね。今も昔も変わる事無く同じものを求めている」
「故に美しい、ですか?」
「いえ、全然美しくない、でも愉快なのよ」
月から兎が覗いている気がした。
いや、これはもしかして偽の方でしょうか
なるほど。大禁呪と言えなくも無い。