Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

満ち月

2008/05/12 21:44:35
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 夜空には月が浮かんでいる。

 それはもう見事な満月だった。

「なあ、霊夢。外の世界では月に行った人間がいるんだって?」

「そりゃ行けるわよ。だって見えてるじゃない」

「そうか……そうだなー」

 境内には風が吹いた。




 見上げたそこに見えるのは赤く円い象徴。

 それはもう見事な満月だった。

「ねえ、パチェ。月に行く計画は進んでるの?」

「大体は完成しているわ。あとは推進力の問題」

「一番重要なところね」

 館は紅く鈍い光を放っている。




 黒よりも黒い紫の天に在る青い球。

 それはもう見事な満月だった。

「月は見えざるものを照らし出す。その逆も然り」

「何ですか、それは」

「さあね。それよりも何か食べましょうよ」

 静かな夜の音がした。




 宙に乗ってギラギラと光る黄色い月輪。

 それはもう見事な満月だった。

「ふうん、今日はひさびさにいい月だね」

「そこで一つ。月を砕いて下さいませんか? 取材をしたいのです」

「んー? また今度ね。それよりも月見酒にしない?」

 地上に彩が一つ咲く。




  ○




 何も無く浮ぶ月。

 それはいつも衣で包まれている。 

「人間は非常識を捨てた。でも幻想の民は不思議ね。今も昔も変わる事無く同じものを求めている」

「故に美しい、ですか?」

「いえ、全然美しくない、でも愉快なのよ」

 月から兎が覗いている気がした。






大禁呪「アポロ11」
南野
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
それぞれの目に映る満月ですね

いや、これはもしかして偽の方でしょうか

2.名前が無い程度の能力削除
月の儚い幻想は有人宇宙計画により否定された。

なるほど。大禁呪と言えなくも無い。