極端なオリ設定、映姫寄りです。短くてすいません。
―絶対的な裁判
幻想郷はいつになくざわつき始めていた。
理由はここ数日、ある方が幻想郷にくることが多くなったからだ。
通称、閻魔様。
そのためか、多くの妖怪がその姿を隠していた。
彼女のお説教がいかに長いかを分かっているためだ。
まぁ、ただ一人を除いては。
その妖怪は優雅に日傘をさしながら歩いていた。
スキマ妖怪だのとひどい言われようだが、実際のところは幻想郷屈指の実力者。
「ああ、これはこれは、閻魔様じゃない。どうかしたのかしら?」
日傘を肩にあてながら、言葉を放った。
「ええ、貴方に用があるんです。」
と、その刹那、あたりが白に包まれたような気がする。
「・・・、ここはどこかしら?」
「裁判所です。裁判を始めるんですから。」
そう映姫は言い放った。
「ふぅん、おもしろいことするじゃない。」
八雲紫はそう言うと、妖気をあらわにし、殺気をこめた眼で映姫を見た。
しかし、次の瞬間に足が竦んでいるのは紫の方だった。
何故ならば、紫以上の妖気と殺気を持った裁判長がたたずんでいたのだから。
八雲紫。種族:妖怪
四季映姫。種族:閻魔
種族の違いというのは実力の違いでもある。妖精、人間、妖怪。
例外的に人間にも確かな力を持つものがいたりもする。
それは紅魔館のメイド長であったり、厄介な魔法使いであったりする。
どうやら、閻魔というのはあらゆるものを裁く立場として実力も確かなものらしい。
彼女の能力は「白黒はっきりつける程度の能力」
この能力は簡単にいえば、「すべてを覆せる能力」である。
例えば物の存在を一方的に否定したり、一方的に確定できたりできる。
しかも彼女がルールなのでその決定は彼女が
YESといえばYES
NOといえばNO
なのだ。
それはある種、この世界で絶対的な力を持つ。
例えば、紫が境界を操るとしよう。しかし、四季映姫はその「能力自体」を否定することができてしまう。
つまり逃げ出そうとしても逃げることはできないということ。おそらく、既に能力を発動されていてスキマを開くことはできない。
もっといえば、妖怪の存在さえ否定して存在を消すことすらできてしまうのだから恐ろしい。
「貴女、今まで本気の妖気をだして幻想郷へ来たことはないみたいね。」
背中にいやな汗をかいているのがわかる。しかし、ここで下手に出るわけにはいかなかった。
「ええ。そうしたら誰も私の前に出てきてくれないでしょうから。」
「けれど、不意打ちでもされたらどうするのかしらね。」
「・・・・・・。」
「・・・・そうね、貴方なら例え幻想郷の実力者が数人束になって不意打ちしても負けないでしょうね。」
すると、話の流れを切って映姫が口を開いた。
「では、開廷します。」
いやな気分だった。
裁判長が持った鏡が私に当たった途端、私の行ったことが全て明るみに出た。
アレが噂の「浄玻璃の鏡」というやつらしい。
その間、彼女はなにかメモしながらその光景を見張っていた。
「八雲紫。あなたはその強大な能力で数多の妖怪や人に迷惑をかけてきたのね。」
「何を言っているのかしら。人を襲うのは妖怪として問題ないはずだし、妖怪とは戯れただけよ。」
自分以上の力を持っているものと相対しても、紫は引く気配を見せない。
「そうね。あなたが妖怪という観点から見れば問題がないとも考えられます。」
「じゃあ、もう帰していただける?」
「貴女、自分の立場がお分かりになられていないようですね。」
すさまじい殺気のこもった眼に射抜かれる。
「私は今、『私がその観点を考慮すれば』という仮定の上で話をしています。」
「考慮すれば もなにも、事実じゃないの。」
「けどね。ここの裁判長は私。
そんなことを考慮しないで、永遠に冥界の牢獄に幽閉してもいいのよ?」
どうやら、完全に立場というモノが違うらしい。
彼女は閻魔。
全てを裁き、善悪を決定する神である。
神故に、強大な力を持っているし、時には妖怪を裁く必要もあるので強大な力を持っている。
映姫は言い放った。
「そう、貴方は少し自分勝手すぎる。」
「今の貴女に言えた言葉かしらね。」
「あら、即決で地獄に落とされたいのかしら?」
「・・・・・。」
そのあと、くどくどくどくどと説教がはじまった。
もともと、紫を呼んだのは裁判という名を借りて裁くのではなく説教をするため。
結局、私が解放されたのはそれから数時間後のこと。
その後、幻想郷で彼女に逆らえるものはいなくなった。
ああ、氷の妖精が逆らっていたかしらね。
「閻魔・・・ね・・。」
「紫さま~夕餉の支度が整いました」
「はいは~い」
今日も幻想郷は平和です。
終わり―
―絶対的な裁判
幻想郷はいつになくざわつき始めていた。
理由はここ数日、ある方が幻想郷にくることが多くなったからだ。
通称、閻魔様。
そのためか、多くの妖怪がその姿を隠していた。
彼女のお説教がいかに長いかを分かっているためだ。
まぁ、ただ一人を除いては。
その妖怪は優雅に日傘をさしながら歩いていた。
スキマ妖怪だのとひどい言われようだが、実際のところは幻想郷屈指の実力者。
「ああ、これはこれは、閻魔様じゃない。どうかしたのかしら?」
日傘を肩にあてながら、言葉を放った。
「ええ、貴方に用があるんです。」
と、その刹那、あたりが白に包まれたような気がする。
「・・・、ここはどこかしら?」
「裁判所です。裁判を始めるんですから。」
そう映姫は言い放った。
「ふぅん、おもしろいことするじゃない。」
八雲紫はそう言うと、妖気をあらわにし、殺気をこめた眼で映姫を見た。
しかし、次の瞬間に足が竦んでいるのは紫の方だった。
何故ならば、紫以上の妖気と殺気を持った裁判長がたたずんでいたのだから。
八雲紫。種族:妖怪
四季映姫。種族:閻魔
種族の違いというのは実力の違いでもある。妖精、人間、妖怪。
例外的に人間にも確かな力を持つものがいたりもする。
それは紅魔館のメイド長であったり、厄介な魔法使いであったりする。
どうやら、閻魔というのはあらゆるものを裁く立場として実力も確かなものらしい。
彼女の能力は「白黒はっきりつける程度の能力」
この能力は簡単にいえば、「すべてを覆せる能力」である。
例えば物の存在を一方的に否定したり、一方的に確定できたりできる。
しかも彼女がルールなのでその決定は彼女が
YESといえばYES
NOといえばNO
なのだ。
それはある種、この世界で絶対的な力を持つ。
例えば、紫が境界を操るとしよう。しかし、四季映姫はその「能力自体」を否定することができてしまう。
つまり逃げ出そうとしても逃げることはできないということ。おそらく、既に能力を発動されていてスキマを開くことはできない。
もっといえば、妖怪の存在さえ否定して存在を消すことすらできてしまうのだから恐ろしい。
「貴女、今まで本気の妖気をだして幻想郷へ来たことはないみたいね。」
背中にいやな汗をかいているのがわかる。しかし、ここで下手に出るわけにはいかなかった。
「ええ。そうしたら誰も私の前に出てきてくれないでしょうから。」
「けれど、不意打ちでもされたらどうするのかしらね。」
「・・・・・・。」
「・・・・そうね、貴方なら例え幻想郷の実力者が数人束になって不意打ちしても負けないでしょうね。」
すると、話の流れを切って映姫が口を開いた。
「では、開廷します。」
いやな気分だった。
裁判長が持った鏡が私に当たった途端、私の行ったことが全て明るみに出た。
アレが噂の「浄玻璃の鏡」というやつらしい。
その間、彼女はなにかメモしながらその光景を見張っていた。
「八雲紫。あなたはその強大な能力で数多の妖怪や人に迷惑をかけてきたのね。」
「何を言っているのかしら。人を襲うのは妖怪として問題ないはずだし、妖怪とは戯れただけよ。」
自分以上の力を持っているものと相対しても、紫は引く気配を見せない。
「そうね。あなたが妖怪という観点から見れば問題がないとも考えられます。」
「じゃあ、もう帰していただける?」
「貴女、自分の立場がお分かりになられていないようですね。」
すさまじい殺気のこもった眼に射抜かれる。
「私は今、『私がその観点を考慮すれば』という仮定の上で話をしています。」
「考慮すれば もなにも、事実じゃないの。」
「けどね。ここの裁判長は私。
そんなことを考慮しないで、永遠に冥界の牢獄に幽閉してもいいのよ?」
どうやら、完全に立場というモノが違うらしい。
彼女は閻魔。
全てを裁き、善悪を決定する神である。
神故に、強大な力を持っているし、時には妖怪を裁く必要もあるので強大な力を持っている。
映姫は言い放った。
「そう、貴方は少し自分勝手すぎる。」
「今の貴女に言えた言葉かしらね。」
「あら、即決で地獄に落とされたいのかしら?」
「・・・・・。」
そのあと、くどくどくどくどと説教がはじまった。
もともと、紫を呼んだのは裁判という名を借りて裁くのではなく説教をするため。
結局、私が解放されたのはそれから数時間後のこと。
その後、幻想郷で彼女に逆らえるものはいなくなった。
ああ、氷の妖精が逆らっていたかしらね。
「閻魔・・・ね・・。」
「紫さま~夕餉の支度が整いました」
「はいは~い」
今日も幻想郷は平和です。
終わり―
幻想郷は結界で区切られているとはいえ外と同じ世界だから閻魔が裁くのは判るんだけど、
アリスはそもそも所属する世界自体が違うし、神綺様が作った世界だから閻魔が出しゃばるとも思えないし……
……まさかアリスが花映塚に出られなかったのはそれが原因!?
緊迫するゆかりんが可愛いから許す!!