またも勢いだけです。
※ ※ ※
とある日の幻想郷のとある場所。
手に願書を持った、たくさんの人や妖怪が、ある場所へ向かっていた。
その場所へ向かっている人達は、これから始まる試験に向けて、希望に満ちた顔をしている。
人々の頭の中には、ある人物が浮かんでいた。
『……あの人みたいになれたら……』
人々は、歩きながらその場所へ力強く歩みを進めていた。
※ ※ ※
到着した人は、持っていた願書を受付に提出した後で、広い講堂に集められる。
周りを見ると、人間妖怪に問わず、ここに自分の夢を求めて来た者がたくさん居る。
どの顔も緊張している。
こんなにたくさんの人や妖怪がいるにも関わらず、誰一人の話し声もしない。
広い講堂の中には、緊張感とたくさんの息使いしか聞こえなかった。
前に見える壇上の横にある時計が、カチッと音を立てて午前9:00を指す。
同時にポーンとチャイムが鳴る。
会場を照らしていた照明がゆっくりと落ちていき、会場にざわめきが起こる。
「始まるのか!!」
そんなざわめきが会場のあちらこちらで聞こえてきた。
その時、壇上にいくつものスポットライトの光が集まる。
その光が指した先には……
マイクが置いてある壇があった。
が、人影はない。
会場のざわめきは、さらに大きくなった。
「れでぃ~す あんど じぇんとるめ~ん」
気の抜けた声が会場に響く。
「なんだなんだ!」
会場のざわめきがどよめきに変る。
そして、壇を照らしていたスポットライトが、舞台のそでの方に集まった。
そして、その光の円の中に一人の女性の姿が見えてきた。
その女性は、そでの方から壇に向かって両手を前に組み、ゆっくりと歩いていった。
「おお、あのお方は!」
「あれが伝説の!!」
「鍵山様……お美しい!!」
そう、壇上を歩いているのは、厄神の「鍵山 雛」
そして、ここは、「宗教法人 厄神専門学校」
ここは、厄神を教育、育成、輩出する為の専門機関。
そして、今日はこの学校の入学試験の日。
だから、たくさんの厄神志願の人や妖怪が、この場所に集まってきていた。
会場の目が壇上の雛に集中する。
壇上の中央に来た雛は、セットしてあったマイクを軽く叩く。
「ボン、ボン」という音が会場内に響く。
そして、スタンドからマイクを取り外して右手で持つ。
コホン! と軽く咳払い。
そして目を瞑り、大きく深呼吸。
一時の間を置いて、雛は目を開けてマイクに向かってしゃべり始めた。
「みんな~!! 厄ってる~!!」
アイドルさながらの黄色い声で雛は会場に向かって叫んだ。
「いぇ~い!!」
その声に反応した会場から、レスポンスが起きた。
みんな声にあわせて右手を高々と掲げているわ。
「今日は、厄神専門学校の入学試験だけど、みんな厄神になりたいかぁ~!!」
雛は、マイクを持った右手を会場に突き向ける。
「おー!!」
またも会場内から、揃ったレスポンス。
今度はなぜかハンドタオルが宙を舞う。
「いい返事ね! じゃあ自己紹介するわよ!
私が東方支部幻想郷担当の厄神の『鍵山 雛』よ!
今日の試験責任者でもあるわ!
今日の試験は私のスペシャルチョイス!
果たして何人が厄神としてデビューできるかしら!!
みんな頑張ってね~!!」
「うぉぉぉぉっ!!」
会場内が歓声で揺れる。
「それじゃあ、今から試験を始めるわよ~!!」
マイクを持つ手の小指だけを伸ばした雛は、シャウトするかのように叫ぶ。
その声にあわせて、壇上の雛の後ろの幕があく。
その幕の後ろは、雛が居る所を境に大きく「○」と「×」が書かれていた。
会場内にどよめきが湧き上がる。
「じゃあ、第一問行くわよ!! 制限時間は30秒! 正解と思われる方に時間内に集まってね!」
そう言い、雛は胸元から問題用紙を出し、第一問を出題した。
「第一問!」
会場内に緊張が走る。
「『げんそうきょう』これを漢字で書くと『幻想卿』である」
雛が問題を言い終わったのと同時に、この問題が書かれた紙が壇上に表示される。
同時に会場内に「チッチッチッ」という、音が響き始めた。
なぜか知らないけど、この音を聞くと焦り始めるのよ。
「さあ、決めたかしら?」
「それで本当にいいのかしら?」
「もうすぐ時間よ!!」
雛は壇上から会場内にいる人を煽る。
急いでその方向へ移動する受験者……
役に立たない参考書を必死に見る受験者……
人がたくさんいる方へ行く受験者……
大勢の人が思い思いの行動をしているのが、壇上にいる雛には全部見えていた。
「5、4,3,2,1 ハイ! 時間よ!!」
「チーン」という音と共に、会場の真ん中に綱が引かれ、会場内にいた人はその綱を境に
見事に二つに分けられた。
「さあ、記念すべき第一問よ、悔いはないかしら?」
未だに雛のマイクを持つ手の小指はピンと立ったまま。
「○の方に行った人~!! 悔いはないかしら?」
「おぉ~~!!」
「×の方に行った人~!! 正解という自信はあるかしら?」
「うぉぉ~~!!」
会場内が興奮に包まれる。
「それじゃ正解を発表するわ。 気持ちの整理はついたかしら?」
雛のマイクを持つ角度がドンドン上がっていく。
そして、またも胸元から一枚の紙を出す。
それを勿体つけながらゆっくりと開いていく……
「それじゃ、正解の発表よ!!」
会場が一瞬で静寂に包まれる。
天に向かって祈る人。
周りにいる人と固まって、自分達が正解であると信じている人達。
自分が間違えるはずがない! という自信たっぷりの表情の人……
ぺラ……ぺラ……ぺラ……
雛は、持っている正解の書かれた紙をゆっくりと開く。
そしてすべてが開き終わった時、その紙に書かれた答えを見て、ニヤリと顔がにやける。
「それじゃ、正解をいうわよ……」
会場内に「ゴクリ」とつばを飲み込む音があちらこちらで聞こえる。
「正解は……」
「『×』よ~~~!!!」
そういいながら、雛は中央に大きく「×」と書かれた紙を会場内に向ける。
「やった!!!」
という歓喜の声と、
「え~!!!」
という失意の声が会場内に響き渡る。
「じゃあ、○へ行った人! どうもお疲れ様でした!! また来年ね!」
そう言いながら、雛は○へ行った人達に向かって、手を振る。
「はい、お帰りはこちらです」と、バイトで来ていた毛玉たちが脱落者を出口へと案内していく……
「くそぉ! 引っ掛けかよ!!」
「あ、『卿』の字が違うじゃないか!!」
「よく問題を見れば簡単なじゃないか!! ちくしょ~!!」
○の方へ行った人達から、そんな悔しい声があちらこちらからあがっていた。
数分後。
脱落した人達が会場から姿を消す。
会場に残ったのは、最初にいた人数の約半分。
「さあ、次よ!! 第二問!!」
……
………
…………
そんな感じで第10問まで終わる。
会場に残っている人は、約40人ほど。
残っている人のほとんどは、「厄神になって、鍵山様の様になりたい!!」という強い思いが表情から見て取れる。
「第一関門、突破おめでとう~!」
雛のその言葉によって、会場にいた残った人達は、自分達が合格である事を認識した。
「やった!! かあさん!! 私、突破したよ!!」
「この為に、博麗神社に奮発して500円もお賽銭を入れたんだ!!」
「こっちは守矢神社に500円だぞ!!」
そんな歓喜の声が聞こえてきた。
「さあ、まだ試験は始まったばかりよ! 次は、会場を変えて試験を行うわよ!」
そうである。
こんな簡単に、目の前にいる憧れの鍵山様の様な厄神になれるはずがない。
さらに難しい試験を潜り抜け、その勝利の先に、あのお方がいらっしゃる……
そう思った残った人達は、新たな気持ちで第二試験へと挑んでいくのだった。
※ ※ ※
【第二試験場】
「今年の志願者は優秀ね、去年なんてこの場に5人しか残らなかったわ」
普通の教室の様な所の教壇に立った雛は、第一次試験突破者に白い歯を見せながら、笑っていた。
周りが全員ライバル……
そういう思いが、教室内に緊迫した空気を作り出す。
「さ、筆記用具はあるかしら? なければ貸し出しますね」
鉛筆……または筆と、消しゴム。
それぞれの筆記用具を確認した受験者は、「いつでもいいですよ」という表情になる。
「じゃあ、第二試験……始めるわよ!」
雛は、先頭の机にいる人に答案用紙を配る。
その答案用紙は、前の人から後ろの人へとリレーして行く……
「全員にいきわたったかしら? あ、まだ裏返しにしておいてね。
合図が鳴ったら、ひっくり返して始めてね」
雛は不正がない様に、教室全体を見渡していてる。
「ポーン」とチャイムが鳴り響いた。
「さ、じゃあ始めて!!」
教室内に「ガサガサ」と紙を裏返しにする音が静かに響く。
「じゃあ、ちょっとだけ、みんなが解いている問題を紹介するわ」
そう言いながら雛は小声で問題をひっそりと読みあげる。
一体誰に紹介するのかは分からないが、なんでか「恒例」という言葉が雛の頭をよぎる。
「問題…… EXTRAモードのさらに上のファンタズマモードがある作品は、『永夜抄』である。 ○か×か?」
「問題…… ハードモードにしても、スペルカードの名前もカットインもない中ボスキャラがいます。 フルネームで書いてください」
「問題…… 『風見 幽香』、『八意 永琳』、『橙』 この中で、自機になった事があるキャラは誰?」
と、こんな問題が50問続いた。
「はい、そろそろ終了の時間よ! 名前とか書き忘れとかないか確認してね。
名前がないと0点よ!」
「はい、あと5分!」
静かな教室の中に、時計の秒針の「カチッ……カチッ」という音だけが静かに響く。
「ポーン」 チャイムが鳴った。
「はい、時間よ! 筆記用具を置いて!」
※ ※
「あ~、終わった!」
「難しい!!」
そんな声が今まで静寂だった教室から聞こえてきた。
「じゃあ、今から急いで採点してくるわ。 それまでここで待っていてね」
そういいながら、雛は集めた答案用紙を持って、教室を出て行った。
※ ※ ※
「なあ、さっきの問題って、厄神になるのに必要なのか?」
「もっと技術的な事を問題にすると思ったんだけど……」
ちょっと不満げな声が教室内にあった。
「そうそう! 聞いた? ここ数年この入学試験の合格者って居ないらしいのよ」
「本当?」
「だから、唯一の合格者の鍵山様が厄神として一人でいつも厄を集めているのよ」
「そんなに入学試験の問題って難しいんだ……」
噂?とも思える話もチラホラと聞こえてくる。
1時間後。
「お待たせ~、やっと採点が終わったわ!!」
と、勢い良くドアを開けて雛が教室に入ってきた。
「みんな、なかなか優秀ね! 先生うれしいわ!」
その声を聞いた受験者達は、笑顔になる。
「それじゃ、第二次試験の合格発表をするわ。
じゃあ、こっちの席の人から呼ばれた順に隣の教室へ来てね。
私はそこで待っているわ!!」
そう言い、雛は隣の教室に行ってしまった。
※ ※
「受験番号①の方、隣の教室へどうぞ!!」
受験の呼び出しのバイトで雇われていたにとりが、教室にいる受験番号①の人を呼び出す。
ちなみに、バイト料は1時間きゅうり一箱(24本入)。
にとりが受験番号①の人と一緒に隣の教室へ行く為に廊下を歩く。
……なんか、その隣の教室の入り口に、何かゲートがあるんですが……
「これ? 私が作ったのよ! すごいでしょ!」
自慢げに手を腰に当てて話すにとり。
そのゲートの前に雛がいた。
「さあ、一番の方! 覚悟を決めたら、このゲートの下に立ってください!
合格ならファンファーレが! 不合格ならブザーが鳴ります!」
なんかのクイズ番組かよ……と、受験番号①の人が思っていたが、
憧れの鍵山 雛の前では、それがすべて真実に聞こえてくる。
「えいっ!」
目を瞑り、ゲートの下に立つ。
……
………
「ピンポンピンポンピンポン!!」
この音は……合格?
「おめでとう!! 合格よ!!」
そういい雛は受験番号①の人に握手をする。
そして、なぜか花で作られた輪が首にかけられる。
ああ、憧れの人と私が握手している……この手は絶対に洗うものか!
そう思いながら、合格した受験番号①の人は合格者の教室へ入っていった。
………
………
「ブ、ブーッ」
「あ~っ、残念、不合格よ! お帰りはあちらよ、受験番号⑨の人!」
「ちくしょー! アタシは絶対に合格だと思ったのに!!」
「だって、名前が『さるの』だったら無理よ。 『チルノ』だったらよかったのにね。
まあ、それでも不合格には変りないんだけど~」
「……」
……
………
こうして全員の合否が判明した。
約40人いた受験者がこの試験で15人に減っていた。
この中から、第二の鍵山 雛が生まれるのか!
そんな期待が受験者の中に高まってきていた。
「さあ、次が最後の試験になるわ。
この試験に合格したら、実技に入るわ。
厄神としての基本実技と厄の扱い方を私がマンツーマンで教えるわ!
でも、去年も、おととしも……ううん、私が合格してから今まで、この試験を合格した人はいないの……
今年は合格者が出るかしら? 楽しみにしてるわ!!」
受験者の頭の中は「鍵山 雛によるマンツーマンの実技」で一杯だった。
※ ※
「さあ、第3試験は…… コレよ」
と、雛は各受験者の机の上に紙コップを2つ置いて回る。
一つのコップには「A」と、
もう一つのコップには「B」と書かれていた。
その紙コップの中は……
薄いピンク色の液体が同じ量入っていた。
その液体からは、ほのかに甘い匂いが漂っている。
「じゃあ、第3試験の説明をするわ……」
受験者はゴクリと息を呑む。
「この試験は……」
「厄神の神聖なる飲み物として名高いヤ○ルトを味覚だけで当てる事よ!!」
教室内に、何かヘンな空気が漂った。
うん、間違いなく、ヘンな空気だった。
「当たり前だけど、それを決めた理由も書いてね」
どこの美食倶楽部の試験なんだ?と思っている受験者は多かった……
けど、これも立派な試験のひとつ。
しかも噂ではあるが、この試験は鍵山様が合格して以来、だれも合格者がいない試験。
やはり、よほど難しいのだろう……
「じゃあ、そろそる始めるわ…… みんな頑張ってね!」
そう言いながら、各机に「A」と「B」と書かれた紙を配る。
「それじゃ! はじめ!!」
受験者は、恐る恐る紙コップを持ち、少しずつ口に含みながら、味を確認していく。
匂いを嗅ぐ者もいれば、指を入れて粘り気を調べる者もいた。
時間が過ぎる。
もうヤケになって答えを書いている人もいる。
未だに、決定打がなく頭を抱えている人もいる。
鉛筆を転がして運に任せている人もいた。
その光景を見て、雛は不安になっていた。
「今年も……いないのかしら?」と。
そして、また「ポーン」とテストの時間終了を告げるチャイムが鳴る。
「じゃあ、解答用紙を集めるわ」
雛は不正がない様に受験生の座っている机を順序良く周り、答案用紙を集める。
すべての答案用紙を集め終わり、教壇でその答案用紙をチェックする。
……
………
真剣な顔の雛。
問題はふざけていると思うけど、その真剣な顔つきの雛を見て、受験者達の緊張も高まってくる。
数分後。
「ハァ……」と重たい溜息を雛はついていた。
教壇に手を付いて、目を瞑り、何かを考えている様な姿勢になる雛。
それを見て、さらに緊張の高まる受験者。
そして、雛は重たそうに口を開いた。
「残念ね…… 全員不合格よ……」
どよめきが教室を襲う。
ほぼ2拓じゃないか!
ヤ○ルトとピル○ルの違いだけでしょう!!
15人も受験者がいるんだから、あてずっぽうでも1人位は合格していてもいいんじゃないか!!
そんな思いが受験者の中で生まれていた。
が、次に言った雛の言葉で全員が納得してしまった。
「確かにヤ○ルトを味覚だけで当ててと言ったわ……
でもね、誰もこの中に『ヤ○ルトがある』なんて言っていないわ!!」
「なんだってぇ~!!」
受験者の中から声が上がる。
「もう…… こんな問題は、私からしたらサービス問題みたいなものよ。
この位分からないと、厄神としてやっていけないわよ」
ハァ……と溜息を付いていた雛に一人の受験生が聞いてみた。
「じゃあ、Aは一体なんなのですか?」
雛はAの紙コップの中の液体を少しだけ飲む。
「私も詳しい答えは知らされてないの。けどこの味は『ピ○クル』よ」と、即答。
そう言い紙コップの「A」と書かれていた所に貼ってあったシールを取る。
その下は間違いなく「ピルク○」と書かれていた。
「これは、ヤ○ルトとは違い、少しだけ甘みが強いのよ。
それとヤ○ルトに比べて、粘度が少しだけ高いのよ。
味と飲み口だけですぐに分かるものよ」
教室内から「おおっ!」と声が上がる。
そして、問題の「B」の紙コップへ。
雛は、Bの紙コップの中の液体を少しだけ飲む。
口に含んだかと思ったら、少し顔をしかめてしまった。
「やっぱりね…… これは……」
受験生達も息を呑む。
「これは…… 『○ックル』よ! 間違いないわ!」と、これまた即答。
そう言い、Bと書かれていた所のシールを取る。
そのシールの下には確かに『ビック○』と文字が書かれていた。
またも「おおっ!!」と声が上がる。
「これは、すぐに分かるでしょう。
ビンに入っている事が多いから、容量が大きいので必然的に味が薄いのよ。
それに比例して、甘みも少しだけ薄いのよ」
即答で答える雛には、ものすごい説得力があった。
「じゃあ、特別よ。 本物の味を教えてあげるわ」
と言いながら、指を「パチン」と鳴らすと、ドアを開けて射命丸がヤ○ルトを持ってあらわれた。
「はい、どうぞ~! ついでに文々。新聞もどうですか~?」と、便乗商売していたが、見なかった事に。
全員にヤ○ルトが行きわたったのを見て「さ、本物の味を堪能して頂戴!」と受験生達に言って見る。
ゴクゴク……
「どう? やっぱり本物の味は一味違うでしょう!!」
しかし口には出さなかったが、受験生のほとんどが同じ事を思った。
「こんなの分かるの、アンタだけだよ!」と。
※ ※ ※
全員不合格となって、誰もいなくなった教室で雛は一人悲しみに暮れていた。
「また今年も……私一人で厄を集めるのか……」と。
※ ※ ※
とある日の幻想郷のとある場所。
手に願書を持った、たくさんの人や妖怪が、ある場所へ向かっていた。
その場所へ向かっている人達は、これから始まる試験に向けて、希望に満ちた顔をしている。
人々の頭の中には、ある人物が浮かんでいた。
『……あの人みたいになれたら……』
人々は、歩きながらその場所へ力強く歩みを進めていた。
※ ※ ※
到着した人は、持っていた願書を受付に提出した後で、広い講堂に集められる。
周りを見ると、人間妖怪に問わず、ここに自分の夢を求めて来た者がたくさん居る。
どの顔も緊張している。
こんなにたくさんの人や妖怪がいるにも関わらず、誰一人の話し声もしない。
広い講堂の中には、緊張感とたくさんの息使いしか聞こえなかった。
前に見える壇上の横にある時計が、カチッと音を立てて午前9:00を指す。
同時にポーンとチャイムが鳴る。
会場を照らしていた照明がゆっくりと落ちていき、会場にざわめきが起こる。
「始まるのか!!」
そんなざわめきが会場のあちらこちらで聞こえてきた。
その時、壇上にいくつものスポットライトの光が集まる。
その光が指した先には……
マイクが置いてある壇があった。
が、人影はない。
会場のざわめきは、さらに大きくなった。
「れでぃ~す あんど じぇんとるめ~ん」
気の抜けた声が会場に響く。
「なんだなんだ!」
会場のざわめきがどよめきに変る。
そして、壇を照らしていたスポットライトが、舞台のそでの方に集まった。
そして、その光の円の中に一人の女性の姿が見えてきた。
その女性は、そでの方から壇に向かって両手を前に組み、ゆっくりと歩いていった。
「おお、あのお方は!」
「あれが伝説の!!」
「鍵山様……お美しい!!」
そう、壇上を歩いているのは、厄神の「鍵山 雛」
そして、ここは、「宗教法人 厄神専門学校」
ここは、厄神を教育、育成、輩出する為の専門機関。
そして、今日はこの学校の入学試験の日。
だから、たくさんの厄神志願の人や妖怪が、この場所に集まってきていた。
会場の目が壇上の雛に集中する。
壇上の中央に来た雛は、セットしてあったマイクを軽く叩く。
「ボン、ボン」という音が会場内に響く。
そして、スタンドからマイクを取り外して右手で持つ。
コホン! と軽く咳払い。
そして目を瞑り、大きく深呼吸。
一時の間を置いて、雛は目を開けてマイクに向かってしゃべり始めた。
「みんな~!! 厄ってる~!!」
アイドルさながらの黄色い声で雛は会場に向かって叫んだ。
「いぇ~い!!」
その声に反応した会場から、レスポンスが起きた。
みんな声にあわせて右手を高々と掲げているわ。
「今日は、厄神専門学校の入学試験だけど、みんな厄神になりたいかぁ~!!」
雛は、マイクを持った右手を会場に突き向ける。
「おー!!」
またも会場内から、揃ったレスポンス。
今度はなぜかハンドタオルが宙を舞う。
「いい返事ね! じゃあ自己紹介するわよ!
私が東方支部幻想郷担当の厄神の『鍵山 雛』よ!
今日の試験責任者でもあるわ!
今日の試験は私のスペシャルチョイス!
果たして何人が厄神としてデビューできるかしら!!
みんな頑張ってね~!!」
「うぉぉぉぉっ!!」
会場内が歓声で揺れる。
「それじゃあ、今から試験を始めるわよ~!!」
マイクを持つ手の小指だけを伸ばした雛は、シャウトするかのように叫ぶ。
その声にあわせて、壇上の雛の後ろの幕があく。
その幕の後ろは、雛が居る所を境に大きく「○」と「×」が書かれていた。
会場内にどよめきが湧き上がる。
「じゃあ、第一問行くわよ!! 制限時間は30秒! 正解と思われる方に時間内に集まってね!」
そう言い、雛は胸元から問題用紙を出し、第一問を出題した。
「第一問!」
会場内に緊張が走る。
「『げんそうきょう』これを漢字で書くと『幻想卿』である」
雛が問題を言い終わったのと同時に、この問題が書かれた紙が壇上に表示される。
同時に会場内に「チッチッチッ」という、音が響き始めた。
なぜか知らないけど、この音を聞くと焦り始めるのよ。
「さあ、決めたかしら?」
「それで本当にいいのかしら?」
「もうすぐ時間よ!!」
雛は壇上から会場内にいる人を煽る。
急いでその方向へ移動する受験者……
役に立たない参考書を必死に見る受験者……
人がたくさんいる方へ行く受験者……
大勢の人が思い思いの行動をしているのが、壇上にいる雛には全部見えていた。
「5、4,3,2,1 ハイ! 時間よ!!」
「チーン」という音と共に、会場の真ん中に綱が引かれ、会場内にいた人はその綱を境に
見事に二つに分けられた。
「さあ、記念すべき第一問よ、悔いはないかしら?」
未だに雛のマイクを持つ手の小指はピンと立ったまま。
「○の方に行った人~!! 悔いはないかしら?」
「おぉ~~!!」
「×の方に行った人~!! 正解という自信はあるかしら?」
「うぉぉ~~!!」
会場内が興奮に包まれる。
「それじゃ正解を発表するわ。 気持ちの整理はついたかしら?」
雛のマイクを持つ角度がドンドン上がっていく。
そして、またも胸元から一枚の紙を出す。
それを勿体つけながらゆっくりと開いていく……
「それじゃ、正解の発表よ!!」
会場が一瞬で静寂に包まれる。
天に向かって祈る人。
周りにいる人と固まって、自分達が正解であると信じている人達。
自分が間違えるはずがない! という自信たっぷりの表情の人……
ぺラ……ぺラ……ぺラ……
雛は、持っている正解の書かれた紙をゆっくりと開く。
そしてすべてが開き終わった時、その紙に書かれた答えを見て、ニヤリと顔がにやける。
「それじゃ、正解をいうわよ……」
会場内に「ゴクリ」とつばを飲み込む音があちらこちらで聞こえる。
「正解は……」
「『×』よ~~~!!!」
そういいながら、雛は中央に大きく「×」と書かれた紙を会場内に向ける。
「やった!!!」
という歓喜の声と、
「え~!!!」
という失意の声が会場内に響き渡る。
「じゃあ、○へ行った人! どうもお疲れ様でした!! また来年ね!」
そう言いながら、雛は○へ行った人達に向かって、手を振る。
「はい、お帰りはこちらです」と、バイトで来ていた毛玉たちが脱落者を出口へと案内していく……
「くそぉ! 引っ掛けかよ!!」
「あ、『卿』の字が違うじゃないか!!」
「よく問題を見れば簡単なじゃないか!! ちくしょ~!!」
○の方へ行った人達から、そんな悔しい声があちらこちらからあがっていた。
数分後。
脱落した人達が会場から姿を消す。
会場に残ったのは、最初にいた人数の約半分。
「さあ、次よ!! 第二問!!」
……
………
…………
そんな感じで第10問まで終わる。
会場に残っている人は、約40人ほど。
残っている人のほとんどは、「厄神になって、鍵山様の様になりたい!!」という強い思いが表情から見て取れる。
「第一関門、突破おめでとう~!」
雛のその言葉によって、会場にいた残った人達は、自分達が合格である事を認識した。
「やった!! かあさん!! 私、突破したよ!!」
「この為に、博麗神社に奮発して500円もお賽銭を入れたんだ!!」
「こっちは守矢神社に500円だぞ!!」
そんな歓喜の声が聞こえてきた。
「さあ、まだ試験は始まったばかりよ! 次は、会場を変えて試験を行うわよ!」
そうである。
こんな簡単に、目の前にいる憧れの鍵山様の様な厄神になれるはずがない。
さらに難しい試験を潜り抜け、その勝利の先に、あのお方がいらっしゃる……
そう思った残った人達は、新たな気持ちで第二試験へと挑んでいくのだった。
※ ※ ※
【第二試験場】
「今年の志願者は優秀ね、去年なんてこの場に5人しか残らなかったわ」
普通の教室の様な所の教壇に立った雛は、第一次試験突破者に白い歯を見せながら、笑っていた。
周りが全員ライバル……
そういう思いが、教室内に緊迫した空気を作り出す。
「さ、筆記用具はあるかしら? なければ貸し出しますね」
鉛筆……または筆と、消しゴム。
それぞれの筆記用具を確認した受験者は、「いつでもいいですよ」という表情になる。
「じゃあ、第二試験……始めるわよ!」
雛は、先頭の机にいる人に答案用紙を配る。
その答案用紙は、前の人から後ろの人へとリレーして行く……
「全員にいきわたったかしら? あ、まだ裏返しにしておいてね。
合図が鳴ったら、ひっくり返して始めてね」
雛は不正がない様に、教室全体を見渡していてる。
「ポーン」とチャイムが鳴り響いた。
「さ、じゃあ始めて!!」
教室内に「ガサガサ」と紙を裏返しにする音が静かに響く。
「じゃあ、ちょっとだけ、みんなが解いている問題を紹介するわ」
そう言いながら雛は小声で問題をひっそりと読みあげる。
一体誰に紹介するのかは分からないが、なんでか「恒例」という言葉が雛の頭をよぎる。
「問題…… EXTRAモードのさらに上のファンタズマモードがある作品は、『永夜抄』である。 ○か×か?」
「問題…… ハードモードにしても、スペルカードの名前もカットインもない中ボスキャラがいます。 フルネームで書いてください」
「問題…… 『風見 幽香』、『八意 永琳』、『橙』 この中で、自機になった事があるキャラは誰?」
と、こんな問題が50問続いた。
「はい、そろそろ終了の時間よ! 名前とか書き忘れとかないか確認してね。
名前がないと0点よ!」
「はい、あと5分!」
静かな教室の中に、時計の秒針の「カチッ……カチッ」という音だけが静かに響く。
「ポーン」 チャイムが鳴った。
「はい、時間よ! 筆記用具を置いて!」
※ ※
「あ~、終わった!」
「難しい!!」
そんな声が今まで静寂だった教室から聞こえてきた。
「じゃあ、今から急いで採点してくるわ。 それまでここで待っていてね」
そういいながら、雛は集めた答案用紙を持って、教室を出て行った。
※ ※ ※
「なあ、さっきの問題って、厄神になるのに必要なのか?」
「もっと技術的な事を問題にすると思ったんだけど……」
ちょっと不満げな声が教室内にあった。
「そうそう! 聞いた? ここ数年この入学試験の合格者って居ないらしいのよ」
「本当?」
「だから、唯一の合格者の鍵山様が厄神として一人でいつも厄を集めているのよ」
「そんなに入学試験の問題って難しいんだ……」
噂?とも思える話もチラホラと聞こえてくる。
1時間後。
「お待たせ~、やっと採点が終わったわ!!」
と、勢い良くドアを開けて雛が教室に入ってきた。
「みんな、なかなか優秀ね! 先生うれしいわ!」
その声を聞いた受験者達は、笑顔になる。
「それじゃ、第二次試験の合格発表をするわ。
じゃあ、こっちの席の人から呼ばれた順に隣の教室へ来てね。
私はそこで待っているわ!!」
そう言い、雛は隣の教室に行ってしまった。
※ ※
「受験番号①の方、隣の教室へどうぞ!!」
受験の呼び出しのバイトで雇われていたにとりが、教室にいる受験番号①の人を呼び出す。
ちなみに、バイト料は1時間きゅうり一箱(24本入)。
にとりが受験番号①の人と一緒に隣の教室へ行く為に廊下を歩く。
……なんか、その隣の教室の入り口に、何かゲートがあるんですが……
「これ? 私が作ったのよ! すごいでしょ!」
自慢げに手を腰に当てて話すにとり。
そのゲートの前に雛がいた。
「さあ、一番の方! 覚悟を決めたら、このゲートの下に立ってください!
合格ならファンファーレが! 不合格ならブザーが鳴ります!」
なんかのクイズ番組かよ……と、受験番号①の人が思っていたが、
憧れの鍵山 雛の前では、それがすべて真実に聞こえてくる。
「えいっ!」
目を瞑り、ゲートの下に立つ。
……
………
「ピンポンピンポンピンポン!!」
この音は……合格?
「おめでとう!! 合格よ!!」
そういい雛は受験番号①の人に握手をする。
そして、なぜか花で作られた輪が首にかけられる。
ああ、憧れの人と私が握手している……この手は絶対に洗うものか!
そう思いながら、合格した受験番号①の人は合格者の教室へ入っていった。
………
………
「ブ、ブーッ」
「あ~っ、残念、不合格よ! お帰りはあちらよ、受験番号⑨の人!」
「ちくしょー! アタシは絶対に合格だと思ったのに!!」
「だって、名前が『さるの』だったら無理よ。 『チルノ』だったらよかったのにね。
まあ、それでも不合格には変りないんだけど~」
「……」
……
………
こうして全員の合否が判明した。
約40人いた受験者がこの試験で15人に減っていた。
この中から、第二の鍵山 雛が生まれるのか!
そんな期待が受験者の中に高まってきていた。
「さあ、次が最後の試験になるわ。
この試験に合格したら、実技に入るわ。
厄神としての基本実技と厄の扱い方を私がマンツーマンで教えるわ!
でも、去年も、おととしも……ううん、私が合格してから今まで、この試験を合格した人はいないの……
今年は合格者が出るかしら? 楽しみにしてるわ!!」
受験者の頭の中は「鍵山 雛によるマンツーマンの実技」で一杯だった。
※ ※
「さあ、第3試験は…… コレよ」
と、雛は各受験者の机の上に紙コップを2つ置いて回る。
一つのコップには「A」と、
もう一つのコップには「B」と書かれていた。
その紙コップの中は……
薄いピンク色の液体が同じ量入っていた。
その液体からは、ほのかに甘い匂いが漂っている。
「じゃあ、第3試験の説明をするわ……」
受験者はゴクリと息を呑む。
「この試験は……」
「厄神の神聖なる飲み物として名高いヤ○ルトを味覚だけで当てる事よ!!」
教室内に、何かヘンな空気が漂った。
うん、間違いなく、ヘンな空気だった。
「当たり前だけど、それを決めた理由も書いてね」
どこの美食倶楽部の試験なんだ?と思っている受験者は多かった……
けど、これも立派な試験のひとつ。
しかも噂ではあるが、この試験は鍵山様が合格して以来、だれも合格者がいない試験。
やはり、よほど難しいのだろう……
「じゃあ、そろそる始めるわ…… みんな頑張ってね!」
そう言いながら、各机に「A」と「B」と書かれた紙を配る。
「それじゃ! はじめ!!」
受験者は、恐る恐る紙コップを持ち、少しずつ口に含みながら、味を確認していく。
匂いを嗅ぐ者もいれば、指を入れて粘り気を調べる者もいた。
時間が過ぎる。
もうヤケになって答えを書いている人もいる。
未だに、決定打がなく頭を抱えている人もいる。
鉛筆を転がして運に任せている人もいた。
その光景を見て、雛は不安になっていた。
「今年も……いないのかしら?」と。
そして、また「ポーン」とテストの時間終了を告げるチャイムが鳴る。
「じゃあ、解答用紙を集めるわ」
雛は不正がない様に受験生の座っている机を順序良く周り、答案用紙を集める。
すべての答案用紙を集め終わり、教壇でその答案用紙をチェックする。
……
………
真剣な顔の雛。
問題はふざけていると思うけど、その真剣な顔つきの雛を見て、受験者達の緊張も高まってくる。
数分後。
「ハァ……」と重たい溜息を雛はついていた。
教壇に手を付いて、目を瞑り、何かを考えている様な姿勢になる雛。
それを見て、さらに緊張の高まる受験者。
そして、雛は重たそうに口を開いた。
「残念ね…… 全員不合格よ……」
どよめきが教室を襲う。
ほぼ2拓じゃないか!
ヤ○ルトとピル○ルの違いだけでしょう!!
15人も受験者がいるんだから、あてずっぽうでも1人位は合格していてもいいんじゃないか!!
そんな思いが受験者の中で生まれていた。
が、次に言った雛の言葉で全員が納得してしまった。
「確かにヤ○ルトを味覚だけで当ててと言ったわ……
でもね、誰もこの中に『ヤ○ルトがある』なんて言っていないわ!!」
「なんだってぇ~!!」
受験者の中から声が上がる。
「もう…… こんな問題は、私からしたらサービス問題みたいなものよ。
この位分からないと、厄神としてやっていけないわよ」
ハァ……と溜息を付いていた雛に一人の受験生が聞いてみた。
「じゃあ、Aは一体なんなのですか?」
雛はAの紙コップの中の液体を少しだけ飲む。
「私も詳しい答えは知らされてないの。けどこの味は『ピ○クル』よ」と、即答。
そう言い紙コップの「A」と書かれていた所に貼ってあったシールを取る。
その下は間違いなく「ピルク○」と書かれていた。
「これは、ヤ○ルトとは違い、少しだけ甘みが強いのよ。
それとヤ○ルトに比べて、粘度が少しだけ高いのよ。
味と飲み口だけですぐに分かるものよ」
教室内から「おおっ!」と声が上がる。
そして、問題の「B」の紙コップへ。
雛は、Bの紙コップの中の液体を少しだけ飲む。
口に含んだかと思ったら、少し顔をしかめてしまった。
「やっぱりね…… これは……」
受験生達も息を呑む。
「これは…… 『○ックル』よ! 間違いないわ!」と、これまた即答。
そう言い、Bと書かれていた所のシールを取る。
そのシールの下には確かに『ビック○』と文字が書かれていた。
またも「おおっ!!」と声が上がる。
「これは、すぐに分かるでしょう。
ビンに入っている事が多いから、容量が大きいので必然的に味が薄いのよ。
それに比例して、甘みも少しだけ薄いのよ」
即答で答える雛には、ものすごい説得力があった。
「じゃあ、特別よ。 本物の味を教えてあげるわ」
と言いながら、指を「パチン」と鳴らすと、ドアを開けて射命丸がヤ○ルトを持ってあらわれた。
「はい、どうぞ~! ついでに文々。新聞もどうですか~?」と、便乗商売していたが、見なかった事に。
全員にヤ○ルトが行きわたったのを見て「さ、本物の味を堪能して頂戴!」と受験生達に言って見る。
ゴクゴク……
「どう? やっぱり本物の味は一味違うでしょう!!」
しかし口には出さなかったが、受験生のほとんどが同じ事を思った。
「こんなの分かるの、アンタだけだよ!」と。
※ ※ ※
全員不合格となって、誰もいなくなった教室で雛は一人悲しみに暮れていた。
「また今年も……私一人で厄を集めるのか……」と。
おおよそ0%位w
ってか、宗教法人てww 礼拝する施設が無いのにww
つーか分かるかそんな味の差www
読んでも笑い事満載です。
本当にありがとう御座いましたwwwwwwww
しかし・・・
チルノが第二関門に出てたのにびっくり。
あれは結構味が違うから判っちゃいますかね?