Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

チルノちゃんは馬鹿じゃない

2008/04/14 07:50:16
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「チルノちゃんは馬鹿じゃない!!」

何時もの様に人間妖怪妖精幽霊魑魅魍魎が跋扈する博霊神社の大宴会。
普段は大声なんか出さない人物(?)の声が響き渡った。
透き通る様なエメラルドグリーンの髪に一対の羽、ブルーのワンピースが眩しい大妖精
幼さの残る顔を紅くして、魔理沙を見る目は少し涙目だ。

「あ~、でもアイツが馬鹿なのは皆知ってる事だゼ?」

魔理沙の方も泣かせてしまったのはバツが悪かったのか、ちょっと気まずい。
しかし、主張は変えないらしい。

そもそもの経緯は幻想郷縁起についての話題が出た時、その場にいた人妖が

「自分はこうじゃない!」
「コイツは本当はこんな感じなんだぜ」
「お前だって違うじゃないか!」

等と口々に言い始めたのだ。
その場にいた阿求が「改定しなければ…」とブツブツつぶやき
文が「スクープだ…スクープですよぉぉ!」と血走った目でメモを取る。

そんな折、チルノの項目を見た全員が「⑨だしな…」と納得したのを
ただ1人「チルノちゃんは馬鹿じゃないですよ」と反論した大妖精を魔理沙がからかったのだ。

「まぁまぁ、少し落ち着くんだな」

幻想郷では数少ない常識人である慧音が大妖精をなぐさめる。

「慧音さんはチルノちゃんの事をどう思ってますか?」

涙目のまま大妖精が慧音に尋ねる。慧音は少し困った表情をして

「いや、素直で良い子だと思うぞ?ただ…多少馬…もとい、物知らずな所があるから勉強をだな…」

「そうなんです!!チルノちゃんは馬鹿じゃないんです!!物知らずなんです!!」

慧音の言葉の途中で大妖精が叫ぶ。

「それを馬鹿って言うんじゃないのか?」

「違います!馬鹿と物知らずは違うんです!物知らずっていうのは、知らないだけで頭は悪くないんです!!」

魔理沙のツッコミに即座に反論する大妖精。しかし、皆は納得がいかない。

「判りました。チルノちゃんが馬鹿じゃないって証明してあげます!!」

そう言い残すと大妖精はチルノの方へ走って行った。
その場にいた皆がチルノを見ると、ルーミアと「春だ花見だカキ氷一気食い大会」を開催しているらしい。
…どう見ても⑨です。本当にありがとうございました。
チルノの所に着いた大妖精が何やら言いながら、チルノの手を引いて戻ってくる。

大妖精はその場に居る皆をちらりと見ると、チルノに話掛けた。

「ねぇ、チルノちゃん。今からクイズを出すから答えてね?」

「良いよ。アタイに答えられないクイズは無いわ!ドンときなさい!!」

無い胸を張り自信満々に言うチルノ。
「その自信はドコから来るんだ」と皆が心の中で突っ込む。

「じゃあ行くよ?…慧音さんの寺子屋に通っている子供たちが、慧音さんに日頃のお礼にお花と果物をプレゼント
する事にしました。寺子屋には男の子が19人、女の子が12人いたので、男の子は1人3個の果物を、女の子は
1人7本のお花を集める事にしました。皆がそれぞれを持ち寄ると2人の男の子が2個しか果物を集められません
でした。しかし、籠いっぱいの果物が集まったので皆は早速慧音さんの家に向かう事にしました。
 さて子供達が慧音さんの家に向かっていると、ちょうど弾幕勝負をしている妹紅さんと輝夜さんに出会いました。
子供達はあわてて逃げようとしたのですが、運悪く流れ弾が果物とお花を入れていた籠に当たってしまいました。
籠の中を見てみると、果物は13個、お花は集めた数のちょうど半分が燃えてしまっていました。
 さすがに悪いと思った妹紅さんと輝夜さんは、2人で代わりのお花と果物を集めて来てくれました。
妹紅さんは20個の果物を、輝夜さんは55本のお花を持って来ました。
 子供達は2人にお礼を言うと慧音さんの家に向かいます。しかし向かっている途中で「誰が慧音さんにプレゼント
を渡すか?」で喧嘩になってしまいました。そこで子供達で同じ数づつ分けて持ち、皆で順番に慧音さんに渡す事に
したのです。
 …さて子供達1人1人は、いくつの果物とお花を手に持っているでしょう?」

「2個の果物と3本のお花。でも、それだとお花が4本余っちゃうよね?皆どうしたのかな?」

即答するチルノ。
さっきまでの喧騒が嘘の様に静まり返る境内。

「え…ちょっと待ってよ、19人が3個の果物で57でしょ…それに、57-2だから…」

あわてて計算を始めた霊夢に

「間違いない。チルノの答えが正解だ」

と、信じられないという顔で返す慧音。誰もが驚愕の表情を浮かべている。

「信じられないぜ!おい!チルノ!!12×7+24-11はいくつだ?」

こちらも驚愕の表情を浮かべた魔理沙がチルノに問題を出す。
すると、チルノは魔理沙を見て言い放つ。

「…たまにアンタみたいな事を言うヤツがいるけどさ、一体「かける」とか「ひく」って何なのさ?」

…再び訪れる沈黙。

かろうじて慧音が大妖精に問いかける。

「まさか、チルノは計算が出来ないのでは無くて、数記号を知らないのか?」





「だから言ったじゃないですか。チルノちゃんは物知らずだけど、馬鹿じゃないって」






初めまして、ぐれと申します。
初めて書いたSSの様なモノでは御座いますが、少しでも楽しんで頂けたなら嬉しいです。

とりあえずテーマは
「チルノかわいいよチルノ」
という思いの丈をぶつけてみました。
ぐれ
コメント



1.脇役削除
OK…確かにチルノは馬鹿じゃない
ただ幼いんだ…
2.名無し妖怪削除
馬鹿じゃないにしても頭良すぎだろwww
まさになんとかは紙一重だw
3.名無し妖怪削除
おうとも、チルノはかわいい。良いもの知らずっぷりだ。

……ああやっと計算が合った。夜中に良い脳トレになったわい
4.名無し妖怪削除
頭良過ぎだとは思いますが、面白かったです。
初投稿だそうで、また新しい書き手さんが来てくれてうれしいです。
次回作も期待しています。
5.名無し妖怪削除
物知らない奴も大概馬鹿って呼ばれるけどな
6.名無し妖怪削除
なるほど。本能的に頭を使えるけれど式に当て嵌められないと言う事ですかな。流石。
7.名無し妖怪削除
なるほど、知らないだけなのか…

教えてやりなよ大妖精。
8.名無し妖怪削除
線形代数が得意な⑨を想像して吹いた。
9.欠片の屑削除
落語のようでものすごく上手いお話、ありがとうございました。
ところで「春だ花見だカキ氷一気食い大会」って何?
こっちのが気になるw
10.名無し妖怪削除
想像力はありそうだ。話を聞いて、それを頭の中でイメージとして作り出せば
あとは子供たちが持っている果物と花を数えればいいだけ
暗算よりさらに高等な能力を強いられるけどな!
11.名無し妖怪削除
まさに、やればできる子!
誰か教えてやって、とも言いたいが、そのままの君でいて
12.時空や空間を翔る程度の能力削除
おぉ~!!としか言わざるを得ない!!!
思わず拍手したぜ。
13.名無し妖怪削除
必死で弁護する大ちゃんかわいいよ大ちゃん
14.名無し妖怪削除
冷静に考えてみれば、幻想卿では数式よりも実用算数の方が、適してはいるんだよね。
学歴ほとんど意味ないし。
15.名無し妖怪削除
お見事。たしかに計算式なんてのは学校で習って成立しますからね。
化学で難解な化学式見させられるより、実験など見た方が分かりますからね。
16.名無し妖怪削除
なるほど、型に当てはまらないタイプだということですね。

楽しく読ませていただきました。
17.名無し妖怪削除
確かにチルノもすごいんだが、大ちゃんの暗記力のほうがすげえww

楽しかったです。
18.名無し幼怪削除
あらためて慧音先生の頭の良さを認識しました
しかしチルノもいいが大ちゃんもいいがルーミアが一番愛らしいなぁw
19.名無し妖怪削除
果物:((17*3)+(2*2)-13+20)/31 = (55+4-13+20)/31 = 62/31 = 2
花:(12*7/2+55)/31 = (42+55)/31 = 97/31 = 3…4
こんだけの計算を同時に即答できんのか・・・
⑨恐るべし・・・
20.名無し妖怪削除
うわ、下の式ちとミスった・・・orz

訂正
果物:((17*3)+(2*2)-13+20)/31 = (51+4-13+20)/31 = 62/31 = 2
21.名無し妖怪削除
一緒に勉強するより一緒に「春だ花見だカキ氷一気食い大会」参加したいなw
22.ノギノ削除
なんかで見たな・・・。553年前の11月13日が何曜日だったかを瞬時に答えられるが、2桁の足し算すら出来ない子供が実際にいるらしい。
23.名前が無い程度の能力削除
この発想はなかった。

チルノすげえええええ!!
24.euclid削除
おぉ……おぉ……なんというレインマン……!!
25.名前が無い程度の能力削除
すげぇ、チルノすげぇ。
26.名前が無い程度の能力削除
なんというサヴァン症候群......
現実でも簡単な数式すら解けないが、一瞬で複雑な暗算が出来る人は居るらしい。
27.名前が無い程度の能力削除
頭の回転が速いのと勉強ができるのとは違う。で、チルノは頭の回転が速い方というわけだ。
世間一般で頭が良いって言われるのは、頭の回転が速い方なんだよね。