タイトルでぴんと来た方へ→この物語はそういう話です。
タイトルでぴんと来ない方へ→この物語は推理ものではありません。
オープニングテーマ・『愛しさと切なさと新参ホイホイ』
「探偵って格好いいんだよ。さいきょーのあたいと同じくらいに」
と聞いたのはついさっき。たまたま遊んでいたチルノが唐突に言った話だ。
なんでも、チルノのブラジャーが盗まれたらしいが、それを大妖精が見つけてくれたらしい。
そのときに大妖精が言った言葉。
「真実は、いつも一つ!」
という言葉に甚く感動したらしく、それ以来探偵にはまったらしい。
バーロー。探偵ってのはそんなに格好良くない。地味な聞き込みやら何やらで鮮やかさなど皆無だ。
なんて思いつつとりあえずはまってるあたり私も子供なのだろう。
私の格好は探偵の原点ともいえる格好。黄土色のチェック柄の服と帽子。それと口にくわえたこのパイプである。勿論中身はない。
さて、何か事件は起きないかなと永遠亭に戻ってみると、鈴仙ちゃんがこっちに慌てて走ってくるのが見えた。
因みに鈴仙ちゃんの格好は何時ものブレザーではなく、青色の服で薄着であった。しかも肌をかなり露出していて、寒そうなのだが。
私は『春だからか』ということで二重に納得した。
「ああ、てゐ。こんな所にいたの?」
「どこにいようが私の勝手じゃない。それよりも慌ててどうしたの?」
「ああ、そうそう。実は師匠のスクール水着が盗まれちゃったんだって!まったく。私の大好きな師匠のスクール水着を盗むなんて、許せないやつよ!」
憤慨してる鈴仙ちゃんを横目に私は一人思う。
なんで永琳さまはスクール水着なんて持っていたのだろう、と。
「とにかく、現場に行かないと。何にも分からないわよ」
「そうね、現場に行って、犯人の痕跡を見つけましょう!そして、お師匠様に頭ナデナデしてもらうのよ!」
「もうこれ見てる人は誰が犯人かわかってると思うけどね」
そんなかんじで私たちは永遠亭に急ぐのであった。
「お師匠さま!犯人探しに来ました!」
鈴仙ちゃんが勢いよく襖を開ける。あまりの大声に永琳様は一瞬ビクッとなったけど、すぐいつもの表情に戻って。
「あ、ああそうなの。それじゃぁよろしく頼むわね」
と。あ、でもやっぱり表情が引きつっていたように見えた。
さて、とりあえず犯行現場に行ってみると、ひどいくらいに荒らされていた。
印鑑と通帳が畳の上に落ちていたのだ。なんでこんなものがあるかはともかく。それよりももっと場違いなものがあったのだ。
「この人の形になっている線は……」
「誰かが死んだときに引いておく線よね……」
それが引いてあるのである。私は驚いてパイプを落としそうになった。……まぁ、こんないたずらをするのはここにいる兎くらいだろう、と思って私は捜査に乗り出した。
「それにしても、印鑑や通帳があるってことは、犯人はお金目当てじゃないのかしら?」
「いや、恐らくここが幻想郷であると気がついて不必要になったんだと思う」
私はそう推理した。というかこれ名前が永琳様じゃない人のものだ。
わたしは通帳を手にとって名前を見てみた。
「ひがしかぜたに……はやなえ?」
「それ、東風谷早苗(こちやさなえ)って読むんじゃない?」
鈴仙ちゃんに言われて、私は『へ~』と相槌を打っておく。どちらにしても聞きなれない名前だ。
私が思案していると、隣で鈴仙ちゃんが思い出したように声を上げた。
「どうしたの?」
「そういえば、お師匠様が『外から来た人から珍しいものをもらった』って言ってたわ。多分これがそうなんだと思うわ」
「なるほど。ということはこれはあまり関係ないのね」
私は通帳を元の場所に戻した。
……そこで、ふとあることに気がついた。
それに気がついた私は箪笥から何からいろいろなものの中身を物色し始めた。
隣で鈴仙ちゃんが何か言ってるが気にしないことにしよう。
暫くして、私は一つの結論に達した。
「さっきからどうしたのよ、てゐ。何か探しもの?」
「……ねぇ、鈴仙ちゃん。この部屋、大事なものがないのよ」
「大事なもの?」
「ええ。……永琳様の『下着』よ」
「……は?」
それを聞いた鈴仙ちゃんは目を点にして驚いていた。それからすぐに目を輝かせて『てゐもお師匠さま好きなのね!?』なんて素っ頓狂なことを言うからとりあえず一発殴っておいた。ぎりぎりぎり、ばっつーんと殴っておいた。
「つまりね、日常生活必需品の下着がない。これはつまりね、犯人は最初から永琳様の身に着けてるものを盗む『変態』だってことよ」
「ちょ、ちょっとてゐ!別にまだ変態と決まったわけじゃないじゃない!仮に変態だとしても、変態という名の紳士かもしれないじゃない!」
「それはない」
その場で鈴仙ちゃんとの口論をして、5分くらいたってから今度は犯人っぽい人を調べに出た。
一番怪しいのは……というか、二番目に怪しいのは、姫様である。
「というわけで、私のところに来たわけね」
「そういうわけです。永琳様によると、事件が起こったのは2時くらいだそうですから、その時間何をしてましたか?」
「二時くらいね……あ!その時間は丁度」
「ヴァイオリンを弾いていたわ」
『犯人はお前か!?』
「ちょ、何でこれだけで私が犯人なのよ」
「理由は簡単です。姫様がヴァイオリンを弾くはずがない、以上です」
「仮に弾けたとしても、その音色は『しぃずかちゃんの弾くヴァイオリン』くらいなので、弾くはずがありません。以上です」
「失礼ね!私のヴァイオリンの音色は『ジャイウワァンの歌う歌声』並みよ!」
『よけい駄目じゃないですか!?』
あの後、暫く押し問答が続いたが、姫様がとうとう泣き出して『助けてえーりん、因幡達が私のことをいじめるの~』とか言い出したために中止となった。
……まぁ問題はない。何故なら。
「犯人がわかったのだから」
* * *
「犯人がわかった?一体犯人は誰なの?……まさか、姫様?」
「いや、違うわ。何故なら、犯人は最初から『自分は犯人です』と自己主張していたの。それは姫様じゃないもの」
「自己主張?」
「ええ。ここで一旦、今回の事件を再確認するわよ」
1・事件があったのは午後2時
2・犯人は永琳様の下着やスク水を盗んだことより、極度の永琳様好きと見える
3・姫様のヴァイオリンはジャイウワァンの歌声並。
「いい?重要なのは2番よ」
「2番?お師匠様好きって所?それがどうしたの?」
「つまり、永琳様好きの人が、永琳様の服を盗んだら、普通着ると思わない?」
「そ、そういえば……」
私はそういって鈴仙ちゃんをみる。心なしか、鈴仙ちゃんは私から目をそらそうとする。
私は鋭い目で彼女を見る。
「で、出たわね、そのてゐの目!てゐはその目から別名『何その目こえぇ!』の異名を持つという。流石はてゐ。誰が犯人なのか完璧にわかったというのね。
さぁ、いったい、一体誰が犯人なの!?」
「犯人はあんただ!」
私は鈴仙ちゃんを指差していった。
「な……何をいってるのよ。大体、何で私が犯人なのよ。証拠は、証拠はあるの!?」
「一番最初から『えーりん』って書かれたスクール水着を着ていれば、だれだってあんたが犯人だってわかるわよ!」
「ほげげ~ばれてた~!」
「ばらいでか!!」
その後、警察(犬走椛)が来て鈴仙ちゃんを連れて行った。
そのときに私たちは最後の会話をした。
「でもてゐ。わかってるならなんで最初に言わなかったの?」
「バーロー。いきなり終わらせちまったら、楽しくねぇじゃねぇか」
「てゐ……」
そうして鈴仙ちゃんは私に背を向けた。そして最後にこういった。
「よく見破ったわね、てゐ。でもこれだけは覚えておいて。私もまた、スクール水着に踊らされた、哀れな犠牲者の一人に過ぎないってことを」
私はそれを聞いた当初『何を言ってるんだこいつは』と思ったが今は違う。
そう、彼女は、欲というプールに溺れちまった、哀れな犠牲者なのかもしれない……そう思う。
エンティングテーマ・『ハッピー・エンティング』
タイトルでぴんと来ない方へ→この物語は推理ものではありません。
オープニングテーマ・『愛しさと切なさと新参ホイホイ』
「探偵って格好いいんだよ。さいきょーのあたいと同じくらいに」
と聞いたのはついさっき。たまたま遊んでいたチルノが唐突に言った話だ。
なんでも、チルノのブラジャーが盗まれたらしいが、それを大妖精が見つけてくれたらしい。
そのときに大妖精が言った言葉。
「真実は、いつも一つ!」
という言葉に甚く感動したらしく、それ以来探偵にはまったらしい。
バーロー。探偵ってのはそんなに格好良くない。地味な聞き込みやら何やらで鮮やかさなど皆無だ。
なんて思いつつとりあえずはまってるあたり私も子供なのだろう。
私の格好は探偵の原点ともいえる格好。黄土色のチェック柄の服と帽子。それと口にくわえたこのパイプである。勿論中身はない。
さて、何か事件は起きないかなと永遠亭に戻ってみると、鈴仙ちゃんがこっちに慌てて走ってくるのが見えた。
因みに鈴仙ちゃんの格好は何時ものブレザーではなく、青色の服で薄着であった。しかも肌をかなり露出していて、寒そうなのだが。
私は『春だからか』ということで二重に納得した。
「ああ、てゐ。こんな所にいたの?」
「どこにいようが私の勝手じゃない。それよりも慌ててどうしたの?」
「ああ、そうそう。実は師匠のスクール水着が盗まれちゃったんだって!まったく。私の大好きな師匠のスクール水着を盗むなんて、許せないやつよ!」
憤慨してる鈴仙ちゃんを横目に私は一人思う。
なんで永琳さまはスクール水着なんて持っていたのだろう、と。
「とにかく、現場に行かないと。何にも分からないわよ」
「そうね、現場に行って、犯人の痕跡を見つけましょう!そして、お師匠様に頭ナデナデしてもらうのよ!」
「もうこれ見てる人は誰が犯人かわかってると思うけどね」
そんなかんじで私たちは永遠亭に急ぐのであった。
「お師匠さま!犯人探しに来ました!」
鈴仙ちゃんが勢いよく襖を開ける。あまりの大声に永琳様は一瞬ビクッとなったけど、すぐいつもの表情に戻って。
「あ、ああそうなの。それじゃぁよろしく頼むわね」
と。あ、でもやっぱり表情が引きつっていたように見えた。
さて、とりあえず犯行現場に行ってみると、ひどいくらいに荒らされていた。
印鑑と通帳が畳の上に落ちていたのだ。なんでこんなものがあるかはともかく。それよりももっと場違いなものがあったのだ。
「この人の形になっている線は……」
「誰かが死んだときに引いておく線よね……」
それが引いてあるのである。私は驚いてパイプを落としそうになった。……まぁ、こんないたずらをするのはここにいる兎くらいだろう、と思って私は捜査に乗り出した。
「それにしても、印鑑や通帳があるってことは、犯人はお金目当てじゃないのかしら?」
「いや、恐らくここが幻想郷であると気がついて不必要になったんだと思う」
私はそう推理した。というかこれ名前が永琳様じゃない人のものだ。
わたしは通帳を手にとって名前を見てみた。
「ひがしかぜたに……はやなえ?」
「それ、東風谷早苗(こちやさなえ)って読むんじゃない?」
鈴仙ちゃんに言われて、私は『へ~』と相槌を打っておく。どちらにしても聞きなれない名前だ。
私が思案していると、隣で鈴仙ちゃんが思い出したように声を上げた。
「どうしたの?」
「そういえば、お師匠様が『外から来た人から珍しいものをもらった』って言ってたわ。多分これがそうなんだと思うわ」
「なるほど。ということはこれはあまり関係ないのね」
私は通帳を元の場所に戻した。
……そこで、ふとあることに気がついた。
それに気がついた私は箪笥から何からいろいろなものの中身を物色し始めた。
隣で鈴仙ちゃんが何か言ってるが気にしないことにしよう。
暫くして、私は一つの結論に達した。
「さっきからどうしたのよ、てゐ。何か探しもの?」
「……ねぇ、鈴仙ちゃん。この部屋、大事なものがないのよ」
「大事なもの?」
「ええ。……永琳様の『下着』よ」
「……は?」
それを聞いた鈴仙ちゃんは目を点にして驚いていた。それからすぐに目を輝かせて『てゐもお師匠さま好きなのね!?』なんて素っ頓狂なことを言うからとりあえず一発殴っておいた。ぎりぎりぎり、ばっつーんと殴っておいた。
「つまりね、日常生活必需品の下着がない。これはつまりね、犯人は最初から永琳様の身に着けてるものを盗む『変態』だってことよ」
「ちょ、ちょっとてゐ!別にまだ変態と決まったわけじゃないじゃない!仮に変態だとしても、変態という名の紳士かもしれないじゃない!」
「それはない」
その場で鈴仙ちゃんとの口論をして、5分くらいたってから今度は犯人っぽい人を調べに出た。
一番怪しいのは……というか、二番目に怪しいのは、姫様である。
「というわけで、私のところに来たわけね」
「そういうわけです。永琳様によると、事件が起こったのは2時くらいだそうですから、その時間何をしてましたか?」
「二時くらいね……あ!その時間は丁度」
「ヴァイオリンを弾いていたわ」
『犯人はお前か!?』
「ちょ、何でこれだけで私が犯人なのよ」
「理由は簡単です。姫様がヴァイオリンを弾くはずがない、以上です」
「仮に弾けたとしても、その音色は『しぃずかちゃんの弾くヴァイオリン』くらいなので、弾くはずがありません。以上です」
「失礼ね!私のヴァイオリンの音色は『ジャイウワァンの歌う歌声』並みよ!」
『よけい駄目じゃないですか!?』
あの後、暫く押し問答が続いたが、姫様がとうとう泣き出して『助けてえーりん、因幡達が私のことをいじめるの~』とか言い出したために中止となった。
……まぁ問題はない。何故なら。
「犯人がわかったのだから」
* * *
「犯人がわかった?一体犯人は誰なの?……まさか、姫様?」
「いや、違うわ。何故なら、犯人は最初から『自分は犯人です』と自己主張していたの。それは姫様じゃないもの」
「自己主張?」
「ええ。ここで一旦、今回の事件を再確認するわよ」
1・事件があったのは午後2時
2・犯人は永琳様の下着やスク水を盗んだことより、極度の永琳様好きと見える
3・姫様のヴァイオリンはジャイウワァンの歌声並。
「いい?重要なのは2番よ」
「2番?お師匠様好きって所?それがどうしたの?」
「つまり、永琳様好きの人が、永琳様の服を盗んだら、普通着ると思わない?」
「そ、そういえば……」
私はそういって鈴仙ちゃんをみる。心なしか、鈴仙ちゃんは私から目をそらそうとする。
私は鋭い目で彼女を見る。
「で、出たわね、そのてゐの目!てゐはその目から別名『何その目こえぇ!』の異名を持つという。流石はてゐ。誰が犯人なのか完璧にわかったというのね。
さぁ、いったい、一体誰が犯人なの!?」
「犯人はあんただ!」
私は鈴仙ちゃんを指差していった。
「な……何をいってるのよ。大体、何で私が犯人なのよ。証拠は、証拠はあるの!?」
「一番最初から『えーりん』って書かれたスクール水着を着ていれば、だれだってあんたが犯人だってわかるわよ!」
「ほげげ~ばれてた~!」
「ばらいでか!!」
その後、警察(犬走椛)が来て鈴仙ちゃんを連れて行った。
そのときに私たちは最後の会話をした。
「でもてゐ。わかってるならなんで最初に言わなかったの?」
「バーロー。いきなり終わらせちまったら、楽しくねぇじゃねぇか」
「てゐ……」
そうして鈴仙ちゃんは私に背を向けた。そして最後にこういった。
「よく見破ったわね、てゐ。でもこれだけは覚えておいて。私もまた、スクール水着に踊らされた、哀れな犠牲者の一人に過ぎないってことを」
私はそれを聞いた当初『何を言ってるんだこいつは』と思ったが今は違う。
そう、彼女は、欲というプールに溺れちまった、哀れな犠牲者なのかもしれない……そう思う。
エンティングテーマ・『ハッピー・エンティング』
>盛大吹いた名無しさん
展開が予想できる。それがビヨリズム!(ゐ
>ブラジャーに吹いた名無しさん
今度はそっちの話も書こうと思います。チルノ可愛いよチルノ
>欠片の屑さん
何気に私は姫様は可愛い系のキャラだと思っております。姫可愛いよ姫。
>師匠に突っ込んでる名無しさん
まぁ、そこらへんは永琳も空気を読んだということでしょう。困ったことに。
>まだ言ってる人がいた事に驚いてる名無しさん
実は私はネット知識でして、ちゃんとした根を持ってない情報を出して申し訳ありません。でも本心は新参ホイホイじゃないと思ってますよ。
それでは、感想ありがとうございました。
残された問題は一つ!チルノにブラジャーが必要かどうかだ!
>くまーな名無し様
ホイホイは本人に対して失礼だと思うのですよ。でも最後にクマーってつければきっとなんでも大丈夫なはず。……だめですか。
>タイトルでぴんとこなかった名無しさん
チルノブラジャーのほうは、実は大ちゃんだったりです。
でも紆余曲折あって返してあげたんだそうです。チルノにはブラは必要ですよ!(ゐ
では、感想ありがとうございました。