あらすじ
「さよなら」と書いた毛ガニ
「今日はエイプリルフールですね」
「ぶんぶん、エイプリルフールってなーに?」
陽射しもぽかぽかとあたたかくなったうららかな小春日和。
およめのチルノを前に、ブン屋がぽつりと呟いた。
「ああ、今日は一日、うそをついてもいい日なんですよ」
「え? でもウソをついたらあの閻魔に怒られちゃうよ?」
つつましやかな一軒家のダイニングでおよめさんとすごす時間。
椅子の上で足をぷらぷらさせる可愛い氷精の姿を愛でる至福の時。
上機嫌の天狗はひとさし指を一本立てて説明した。
「今日だけはきっと閻魔様も見逃してくれますよ」
「ふーん、そうなんだ。じゃあ、今からウソついてもいい?」
「もちろんですよ」
そんなやりとりに思わずこぼれてしまう微笑みも次の瞬間には粉々に打ち砕かれた。
「ん、えっとね、ぶんぶんなんて、だーいきらい♪」
チルノが「えへへ♪」とはにかんだときには既にブン屋は窓をぶち破り博麗神社まで到達。
最速記録のレコードを塗り替えつつ我が身を賽銭箱に叩き込んで「生きててよかった!」と咆哮した。
駆けつけた巫女のレッグラリアートに蹴り飛ばされるところまでの一部始終はお供の鴉に撮影させており
その写真を使って書いた翌日の朝刊は幻想郷のエイプリルフールに新しい歴史を刻んだ。
とまあ、そんなわけでエイプリルフールには巷で「大好きな人に大嫌い」とウソをつく風習が出来上がってしまった。
迷惑なのは神社の巫女さんである。流石に鴉天狗には劣るものの、どいつもこいつも大した速度で賽銭箱に向かってダイブしにくる。
いかにタフでハードボイルドを信条にしている巫女さんでも、やれ八雲の某だとか蓬莱山の某だとかスカーレット某だとか
普通のシューターが難儀して辿り着くところにいるような連中のダイブを捌いていては身が保たない。
修行不足とは言え、今代の巫女さんも博麗の巫女。妖怪相手の近接戦闘にも手抜かりはない。
やれ博零式防衛術だとかハクレイ航空相撲とか博麗の業千年の歴史に敗北の二文字はない。
ないが、使っているのは華も恥らう乙女である。体力にも限界がある。
「ダメだわ、埒があかない……!」
幻想郷の大騒ぎに感化されてわけも分からず飛び込んでくる妖精の群れ。
それちぎっては投げちぎっては投げ孤軍奮闘することしばし。
頤を伝う汗を拭い、一段落ついたところで巫女さんは戦況の膠着化についに根を上げた。
これはもう、状況の抜本的な解決を図るしかない!
そう決意し、彼女は自発的にこの桃色の異変を解決しようと空に翔け出した。
向かうはうそつきの天敵。
四季映姫ヤマザナドゥの暮らす三途の河のほとりに佇む愛に溢れた一軒家である。
立ちふさがる妖精を掻き分け掻き分け、道中で飛び込んでくる人妖諸々を捌いて落として極めて捻って一時間。
三途の河の一軒家を前にして、博麗の巫女さんは河のほとりで見詰め合う死神と閻魔様を発見する。
「……………あの」
「……………あの」
「…………あ、映姫様からどうぞ」
「…………あ、小町からどうぞ」
「……………ええっと」
「……………はい」
「……………その、映姫様なんて、世界で一番、きら」
「……………………」
「きら、きらいで―――!」
「そこまでよっ!!」
「きゃん!?」
「ああ、小町ー!?」
渾身の台詞を前にして死神、鮮やかに天に舞う。
向かう先は三途の河、どぱーんと小気味のいい音と共に着水する。
残されたのは投げの残心を決めた一人の巫女さんと閻魔様が一人。
「………映姫」
「は、はい!」
「―――言い残すことがあるなら聞いておくわ」
抗議の声すら出させてもらえない巫女さんの迫力。
「閻魔様なのにウソを看過してどうするの!」と叱責すらもない。
他ならぬ閻魔様自身がウソをつかれる側だったのだから言い訳のしようもない。
「え、閻魔だって女の子です!」、そんな甘い乙女心が許される展開はもう過ぎていた。
「――――あの」
「ええ」
「―――同性とは言え、小町以外には見られたくないので……ぱんつが見えないように投げてください」
「流石閻魔様、自分の罪を認めて潔く裁かれるその覚悟、立派だわ―――でも仕事しろ」
三途河
映姫ぶち込む みんな死ね
詠み人 博麗霊夢
「……ちょっと血なまぐさいかしら」
三途河
映姫ぶち込む 水の音
詠み人 博麗霊夢
すぱぁーん、と軽やかに閻魔様も舞う幻想郷は乙女の華咲く桃源郷。
後日博麗の巫女さんにより、エイプリルフールに禁止令が一項目加わったのは言うまでもない。
時として閻魔様をも凌ぐ巫女さんの毎日は、そう暢気なものでもない。
「さよなら」と書いた毛ガニ
「今日はエイプリルフールですね」
「ぶんぶん、エイプリルフールってなーに?」
陽射しもぽかぽかとあたたかくなったうららかな小春日和。
およめのチルノを前に、ブン屋がぽつりと呟いた。
「ああ、今日は一日、うそをついてもいい日なんですよ」
「え? でもウソをついたらあの閻魔に怒られちゃうよ?」
つつましやかな一軒家のダイニングでおよめさんとすごす時間。
椅子の上で足をぷらぷらさせる可愛い氷精の姿を愛でる至福の時。
上機嫌の天狗はひとさし指を一本立てて説明した。
「今日だけはきっと閻魔様も見逃してくれますよ」
「ふーん、そうなんだ。じゃあ、今からウソついてもいい?」
「もちろんですよ」
そんなやりとりに思わずこぼれてしまう微笑みも次の瞬間には粉々に打ち砕かれた。
「ん、えっとね、ぶんぶんなんて、だーいきらい♪」
チルノが「えへへ♪」とはにかんだときには既にブン屋は窓をぶち破り博麗神社まで到達。
最速記録のレコードを塗り替えつつ我が身を賽銭箱に叩き込んで「生きててよかった!」と咆哮した。
駆けつけた巫女のレッグラリアートに蹴り飛ばされるところまでの一部始終はお供の鴉に撮影させており
その写真を使って書いた翌日の朝刊は幻想郷のエイプリルフールに新しい歴史を刻んだ。
とまあ、そんなわけでエイプリルフールには巷で「大好きな人に大嫌い」とウソをつく風習が出来上がってしまった。
迷惑なのは神社の巫女さんである。流石に鴉天狗には劣るものの、どいつもこいつも大した速度で賽銭箱に向かってダイブしにくる。
いかにタフでハードボイルドを信条にしている巫女さんでも、やれ八雲の某だとか蓬莱山の某だとかスカーレット某だとか
普通のシューターが難儀して辿り着くところにいるような連中のダイブを捌いていては身が保たない。
修行不足とは言え、今代の巫女さんも博麗の巫女。妖怪相手の近接戦闘にも手抜かりはない。
やれ博零式防衛術だとかハクレイ航空相撲とか博麗の業千年の歴史に敗北の二文字はない。
ないが、使っているのは華も恥らう乙女である。体力にも限界がある。
「ダメだわ、埒があかない……!」
幻想郷の大騒ぎに感化されてわけも分からず飛び込んでくる妖精の群れ。
それちぎっては投げちぎっては投げ孤軍奮闘することしばし。
頤を伝う汗を拭い、一段落ついたところで巫女さんは戦況の膠着化についに根を上げた。
これはもう、状況の抜本的な解決を図るしかない!
そう決意し、彼女は自発的にこの桃色の異変を解決しようと空に翔け出した。
向かうはうそつきの天敵。
四季映姫ヤマザナドゥの暮らす三途の河のほとりに佇む愛に溢れた一軒家である。
立ちふさがる妖精を掻き分け掻き分け、道中で飛び込んでくる人妖諸々を捌いて落として極めて捻って一時間。
三途の河の一軒家を前にして、博麗の巫女さんは河のほとりで見詰め合う死神と閻魔様を発見する。
「……………あの」
「……………あの」
「…………あ、映姫様からどうぞ」
「…………あ、小町からどうぞ」
「……………ええっと」
「……………はい」
「……………その、映姫様なんて、世界で一番、きら」
「……………………」
「きら、きらいで―――!」
「そこまでよっ!!」
「きゃん!?」
「ああ、小町ー!?」
渾身の台詞を前にして死神、鮮やかに天に舞う。
向かう先は三途の河、どぱーんと小気味のいい音と共に着水する。
残されたのは投げの残心を決めた一人の巫女さんと閻魔様が一人。
「………映姫」
「は、はい!」
「―――言い残すことがあるなら聞いておくわ」
抗議の声すら出させてもらえない巫女さんの迫力。
「閻魔様なのにウソを看過してどうするの!」と叱責すらもない。
他ならぬ閻魔様自身がウソをつかれる側だったのだから言い訳のしようもない。
「え、閻魔だって女の子です!」、そんな甘い乙女心が許される展開はもう過ぎていた。
「――――あの」
「ええ」
「―――同性とは言え、小町以外には見られたくないので……ぱんつが見えないように投げてください」
「流石閻魔様、自分の罪を認めて潔く裁かれるその覚悟、立派だわ―――でも仕事しろ」
三途河
映姫ぶち込む みんな死ね
詠み人 博麗霊夢
「……ちょっと血なまぐさいかしら」
三途河
映姫ぶち込む 水の音
詠み人 博麗霊夢
すぱぁーん、と軽やかに閻魔様も舞う幻想郷は乙女の華咲く桃源郷。
後日博麗の巫女さんにより、エイプリルフールに禁止令が一項目加わったのは言うまでもない。
時として閻魔様をも凌ぐ巫女さんの毎日は、そう暢気なものでもない。
うおお――すごい破壊力!!
チルノの天然ノロケが最高です!
そして八雲の某だとか蓬莱山の某だとかスカーレット某だとかは誰に言われたんでしょうね?w
きっと幻想郷時間では間に合ってますよ。
萌え転げたっ!
とか言いつつ霊夢に吹いた
そいえばじょにーずさんの博麗さんは珍しくカポーじゃなくてオンリーですねぃ。
小町っちゃんの台詞で気になった箇所が一つあったので。
「世界一番」→「世界で一番」じゃないかな~と。間違ってなかったら本当に申し訳ありません。
>「さよなら」と書いた毛ガニ
懐かしいぃぃぃぃwwww!!!!
霊夢ぶっちゃけすぎ腹痛ェwww
>博零式防衛術
東方に迎撃の用意あり!ですか!
蓬莱山:焼鳥屋
スカーレット:妹
かな
チルノ凄いよ