x×y=xyである
xに早苗、yに霊夢を代入した時の攻めはどちらかを(オンバシラドーン
私は、所謂井の中の蛙だった。
自分の崇拝する神を信じ、ただそれを失いたくない一心で幻想郷にやって来た。
不安は勿論在った。だけど、それ以上に私は自信を持っていた。
現人神の力。奇跡を起こす力。
外の世界では妖怪と戦う機会なんてあるわけがない。
自分の力の指標なんてどこにもなかったにも関わらず、
自分に敵うやつなんて居ない。そんな根拠の無い自信が私を動かしていた。
だけど、それは間違い。
幻想郷では私より強い妖怪なんて数え切れない程存在するし、
何より、彼女に自分の無力さを思い知らされた。
自分の力を信じて此処までやってきた私は、彼女に初っ端から叩きのめされた。
奇跡を起こす力は私の心の支えだった。でも、それはもうない。
今の私をつき動かしているのは、敬愛する神への思い。
そして、彼女に支配された心の片隅。
かつて私の心を支えていた過剰な自信は崩れ去り、代わりに彼女が住み着いた。
「うわー」
真っ暗な自室のベッドに仰向けになり、私は天井に呟いた。
「好きなんだ・・・・・・」
気がついたら、彼女に恋していた。
「また来たの」
ぶっきらぼうに霊夢は言った。
「えと、分社建てて貰ったんで、お礼金を」
「いらっしゃい早苗。まあ奥に上がって頂戴。今お茶とお菓子用意するわね」
解かりやすい。丸解かりな態度が益々可愛らしい。
手土産、もとい上納金持ってきただけでここまで態度が変わるとは。
「そうですか。では遠慮なく」
だからこそ、もどかしい。
私は、彼女にとって金銭にも劣る存在なのか。
違うだろ。
霊夢はそんな人じゃない。
金銭で心を売るような人間だったら、とっくに私はお金で霊夢の愛を買っていただろう。
そんなもので手に入るわけが無いからこそ、欲しい。彼女が。
「お待たせ」
程なくして盆にお茶とお菓子を載せて霊夢が戻って来た。
「あ、有難う御座います」
誰が見ても、今の霊夢はご機嫌だった。
初めて通された客間。勝手知ったる自宅と違って、変に緊張してしまう。
「こちら、分社の件の・・・・・・ほんの気持ちですが」
私は懐から封筒を取り出して霊夢に手渡した。
「ありがと。わざわざ悪いわね」
いや、わざわざって・・・・・・自分からお礼金取立てに行くのもどうかと思う。
「まあゆっくりしていってね。特に何も無いけど」
そう言うと霊夢は自虐的に力なく笑った。
傍らにその封筒を置くと、自分で淹れたお茶をすすり始めた。
どうしよう。
本気でどうしよう。
口実作って会いに来たはいいけど、何から切り出せばいいのか全然頭になかった。
いや、それ以前になんの心の準備もしていなかった。
今まではただ、霊夢に会えれば、それで満足だった。
でも、このままではいけない。
どうにかして、この関係を壊したい。だけど、どうすれば。
「静かな場所ですね・・・・・・」
ああもう何言ってるの私。そんな切り出し方しても後が続かないに決まってるでしょうが。
「そう?いつものことだから気にしなかったわ」
だけど、と霊夢は続ける。
「宴会の時とかは賑やかすぎるから、これくらいが丁度いいんだと思うけどね」
縁側の向こうを見つめて彼女は寂しげに言った。
その横顔が、何故か少し悲しそうに見えて
「いつも、こうやって過ごしてるんですか」
「まあ、ね。誰かが遊びに来ることもあるし、誰も来ない日もあるわ」
「寂しく、ないですか」
「寂しくなんて。だってーーーー」
私の方を向いて、霊夢が口を開いた。
「今は貴方が来てくれたじゃない」
声にならなかった。
嬉しかった。その一言が。
変なものが、胸の奥からこみ上げてきた。
やばい、泣く。
「うぐっ・・・・・・」
「ちょっ、どうしたの早苗? 私何か変なこと言った?」
違う。そうじゃない。
っていうか何で泣いてるのか自分でも解からない。
「ひぐっ・・・・・・何でもっないですっ・・・・・・・」
「ああもう」
突然泣きじゃくる私を、霊夢は正面から抱きしめてくれた。
「大丈夫」
そう言いながら、私の背中をさすってくれた。
霊夢の紅白の巫女服を涙で濡らした。
何もかも解からなくなって、夢中で霊夢に抱きついて咽び泣いた。
「落ち着いた?」
しばらくして、嗚咽を繰り返す私を抱きしめながら霊夢は言った。
「・・・・・・はい」
よしよし、とばかりに頭を撫でてくる。
赤ちゃんにでもなった気分だ。
「何で泣いたのか、聞いてもいい?」
「ぐすっ・・・・・・ダメです・・・・・・」
霊夢の表情は見えなかったが、そう、とだけ彼女は返事をした。
だって、言ったらきっと彼女は困るだろうから。
こんな、一方的な気持ちをぶつけて、霊夢に拒絶されるのが怖かった。
でも、もう怖くない。
これだけ彼女の前でみっともなく泣いたんだ。何を恐れることがある。
ふ、と霊夢が私の体から離れた。
「ぁ・・・・・・」
イヤだ 離れたくない。
霊夢の体温が遠ざかる。
霊夢が、欲しい。
「んぅ・・・・・・・・・」
私は遠ざかる霊夢の体を引き寄せ、その唇を自分の唇で塞いだ。
言葉で伝えられない癖に、大胆になれたのはきっと、貴方の優しさせい。
◇
世の中には、予期しないことがいくつもある。
そう、本当に予想外だった。
あの時、勢いだけで霊夢にキスしたけれど、まさか
受け入れてくれるなんて・・・・・・
◇
帰る頃には、すっかり日も暮れて、空が茜色に衣替えしていた。
「またね、早苗」
『さよなら』じゃなくて『またね』
そう言って霊夢は見送ってくれた。
「それじゃあ、また」
もう、寂しくなんかない。
空を飛び、後ろへ飛んでゆく景色を眺めながら私は思った。
もう、何も怖くない。愛する人が応えてくれたのだから。
嬉しさのせいか、それとも先ほどの行為を思い出したせいか、
顔がニヤけてしまって元に戻らない。
「どうしよう・・・・・・」
随分遅くなってしまった。
お礼金渡すだけでこんなに遅くなるはずは無い。
神奈子様になんて言おう。きっと心配しているだろう。
ニヤけた顔で言い訳を考えながら、私は妖怪の山へと飛んだ。
天狗やら河童に今の自分の顔を見られたら確実に気味悪がられる。
そして、顔を見られないように、うつむき加減で自分の神社へと帰還したのだった。
xに早苗、yに霊夢を代入した時の攻めはどちらかを(オンバシラドーン
私は、所謂井の中の蛙だった。
自分の崇拝する神を信じ、ただそれを失いたくない一心で幻想郷にやって来た。
不安は勿論在った。だけど、それ以上に私は自信を持っていた。
現人神の力。奇跡を起こす力。
外の世界では妖怪と戦う機会なんてあるわけがない。
自分の力の指標なんてどこにもなかったにも関わらず、
自分に敵うやつなんて居ない。そんな根拠の無い自信が私を動かしていた。
だけど、それは間違い。
幻想郷では私より強い妖怪なんて数え切れない程存在するし、
何より、彼女に自分の無力さを思い知らされた。
自分の力を信じて此処までやってきた私は、彼女に初っ端から叩きのめされた。
奇跡を起こす力は私の心の支えだった。でも、それはもうない。
今の私をつき動かしているのは、敬愛する神への思い。
そして、彼女に支配された心の片隅。
かつて私の心を支えていた過剰な自信は崩れ去り、代わりに彼女が住み着いた。
「うわー」
真っ暗な自室のベッドに仰向けになり、私は天井に呟いた。
「好きなんだ・・・・・・」
気がついたら、彼女に恋していた。
「また来たの」
ぶっきらぼうに霊夢は言った。
「えと、分社建てて貰ったんで、お礼金を」
「いらっしゃい早苗。まあ奥に上がって頂戴。今お茶とお菓子用意するわね」
解かりやすい。丸解かりな態度が益々可愛らしい。
手土産、もとい上納金持ってきただけでここまで態度が変わるとは。
「そうですか。では遠慮なく」
だからこそ、もどかしい。
私は、彼女にとって金銭にも劣る存在なのか。
違うだろ。
霊夢はそんな人じゃない。
金銭で心を売るような人間だったら、とっくに私はお金で霊夢の愛を買っていただろう。
そんなもので手に入るわけが無いからこそ、欲しい。彼女が。
「お待たせ」
程なくして盆にお茶とお菓子を載せて霊夢が戻って来た。
「あ、有難う御座います」
誰が見ても、今の霊夢はご機嫌だった。
初めて通された客間。勝手知ったる自宅と違って、変に緊張してしまう。
「こちら、分社の件の・・・・・・ほんの気持ちですが」
私は懐から封筒を取り出して霊夢に手渡した。
「ありがと。わざわざ悪いわね」
いや、わざわざって・・・・・・自分からお礼金取立てに行くのもどうかと思う。
「まあゆっくりしていってね。特に何も無いけど」
そう言うと霊夢は自虐的に力なく笑った。
傍らにその封筒を置くと、自分で淹れたお茶をすすり始めた。
どうしよう。
本気でどうしよう。
口実作って会いに来たはいいけど、何から切り出せばいいのか全然頭になかった。
いや、それ以前になんの心の準備もしていなかった。
今まではただ、霊夢に会えれば、それで満足だった。
でも、このままではいけない。
どうにかして、この関係を壊したい。だけど、どうすれば。
「静かな場所ですね・・・・・・」
ああもう何言ってるの私。そんな切り出し方しても後が続かないに決まってるでしょうが。
「そう?いつものことだから気にしなかったわ」
だけど、と霊夢は続ける。
「宴会の時とかは賑やかすぎるから、これくらいが丁度いいんだと思うけどね」
縁側の向こうを見つめて彼女は寂しげに言った。
その横顔が、何故か少し悲しそうに見えて
「いつも、こうやって過ごしてるんですか」
「まあ、ね。誰かが遊びに来ることもあるし、誰も来ない日もあるわ」
「寂しく、ないですか」
「寂しくなんて。だってーーーー」
私の方を向いて、霊夢が口を開いた。
「今は貴方が来てくれたじゃない」
声にならなかった。
嬉しかった。その一言が。
変なものが、胸の奥からこみ上げてきた。
やばい、泣く。
「うぐっ・・・・・・」
「ちょっ、どうしたの早苗? 私何か変なこと言った?」
違う。そうじゃない。
っていうか何で泣いてるのか自分でも解からない。
「ひぐっ・・・・・・何でもっないですっ・・・・・・・」
「ああもう」
突然泣きじゃくる私を、霊夢は正面から抱きしめてくれた。
「大丈夫」
そう言いながら、私の背中をさすってくれた。
霊夢の紅白の巫女服を涙で濡らした。
何もかも解からなくなって、夢中で霊夢に抱きついて咽び泣いた。
「落ち着いた?」
しばらくして、嗚咽を繰り返す私を抱きしめながら霊夢は言った。
「・・・・・・はい」
よしよし、とばかりに頭を撫でてくる。
赤ちゃんにでもなった気分だ。
「何で泣いたのか、聞いてもいい?」
「ぐすっ・・・・・・ダメです・・・・・・」
霊夢の表情は見えなかったが、そう、とだけ彼女は返事をした。
だって、言ったらきっと彼女は困るだろうから。
こんな、一方的な気持ちをぶつけて、霊夢に拒絶されるのが怖かった。
でも、もう怖くない。
これだけ彼女の前でみっともなく泣いたんだ。何を恐れることがある。
ふ、と霊夢が私の体から離れた。
「ぁ・・・・・・」
イヤだ 離れたくない。
霊夢の体温が遠ざかる。
霊夢が、欲しい。
「んぅ・・・・・・・・・」
私は遠ざかる霊夢の体を引き寄せ、その唇を自分の唇で塞いだ。
言葉で伝えられない癖に、大胆になれたのはきっと、貴方の優しさせい。
◇
世の中には、予期しないことがいくつもある。
そう、本当に予想外だった。
あの時、勢いだけで霊夢にキスしたけれど、まさか
受け入れてくれるなんて・・・・・・
◇
帰る頃には、すっかり日も暮れて、空が茜色に衣替えしていた。
「またね、早苗」
『さよなら』じゃなくて『またね』
そう言って霊夢は見送ってくれた。
「それじゃあ、また」
もう、寂しくなんかない。
空を飛び、後ろへ飛んでゆく景色を眺めながら私は思った。
もう、何も怖くない。愛する人が応えてくれたのだから。
嬉しさのせいか、それとも先ほどの行為を思い出したせいか、
顔がニヤけてしまって元に戻らない。
「どうしよう・・・・・・」
随分遅くなってしまった。
お礼金渡すだけでこんなに遅くなるはずは無い。
神奈子様になんて言おう。きっと心配しているだろう。
ニヤけた顔で言い訳を考えながら、私は妖怪の山へと飛んだ。
天狗やら河童に今の自分の顔を見られたら確実に気味悪がられる。
そして、顔を見られないように、うつむき加減で自分の神社へと帰還したのだった。
早苗さんは大人しそうな顔して攻め攻め
霊夢は普段強気だけど実は被虐心が強い
だと思ってる
これしか言えません
もうね最高!
>今は貴方が来てくれたじゃない
ここでぐっときました
さて、樹海に行って来るか
早苗攻めの霊夢受けがおいらの絶対正義なんだ
みんな!おらの空気を読んでくれ!!
この続きを詳しく!!
てか、早苗~!!
さて、これから飛行機で本州行くか。
なぜ?
決まってる!樹海に行くからだ!
巫女ップルはいいねェ~
早速、樹海に行かなければ
先に樹海で待ってるぜ!
さて・・・私も樹海に行くとしますか・・・
場所は富士が良いのかな~・・・
これはもう手遅れだな。良い意味で