「残念、それは私の胸です」
今すぐにでもその手を胴と離そうか? という視線が送られる。
疑問系なのにどう考えてもこちらに決定権がない。
「そ、そうですね。ポケットならまだ膨らみようもありますしねっ」
心の底から焦った者が事態をどうにかすることはできない。どうにでもなってしまうが関の山。
待ってください。少しばかり待ってください。ただ四季様にちょっと話しておきたいことがあったから向かっていこうとしたときによろけてしまいとっさに手を伸ばした先に貴女の胸部が待ち受けていただけのことなんです。
ですから落ち着いてください。深呼吸。深呼吸。ひっひっふー。何を産もうというのかね。
見ると眼前のお方の表情が先ほどは能面だったのに対し般若へと変貌を遂げている。
ひぃっ、Bボタンキャンセル! もしくは逐電。
しかし まわりこまれた !
「それで、小町。 あなたは一体私に何を言いたかったのですか?」
こめかみがぴくぴくと痙攣している。さすがは楽園の最高裁判長。満ち溢れる殺意を理性で押さえ込んでいる。
ここは正直に答えよう。慈悲には誠意で応えれば万事上手くいく。そんな予感。
「ええ、それなんですけど、四季様。『ケーキ入刀』と『映姫乳頭』ってなんだか似てますよね」
「それはステキな発見ですね。ところで小町、今すぐ死んでいいですよ」
死亡許可っ!?
「今ならもれなく二階級特進ですよ。良かったですね」
いやっほーぅ殉死最高ーっ! と喜べるほどマゾくないです。これで歓喜する奴はどれだけ被虐趣味なんだって話ですよ。
でも言うとまた怖いからやめておこう。雄弁は銀、沈黙は金。
「いいですか、小町。あなたにはどうにも相手を思いやる気持ちが欠けています。こういう言葉があるのを知っていますか。沈黙は金、雄弁は罰金」
初めて知りました。なんという新発見。
「というわけでこれは罰金です」
悔悟の棒で頭を叩かれる。
「きゃんっ」
「・・・」
「きゃんっ」
「・・・・・・」
「きゃんっ・・って何度叩く気ですかっ」
「・・・あなたは随分と可愛く鳴きますね」
「えっ、いや、そんなことは、きゃんっ」
まずい。四季様の目が輝いている。
いつ、可聴域を超えた悲鳴を聞かせて・・とか言われてもおかしくない。というか頭おかしい。
「小町、先ほどの話の続きですが言葉は無「きゃんっ」闇矢鱈に使うものではありません。言葉とはそ「きゃんっ」れだけで意味のあるものなの「きゃんっ」です。あなたのその鳴き、いえ、泣き声もあなたの性質を表しているものな「きゃんっ」のです」
何か真面目な話をしつつも叩いてる。
というか泣き声が性質を表しているってあらゆる人類をたった四つに区分するという血液型占いもびっくりの理論ですね。
「疑っているようですね。しかし、これは本当のことですよ。
現に以前、巫女に職務怠慢の罰を与えようとして叩いたときに、ちゃりーん、という音がしましたからね。よく巫女を表していると思いませんか」
叩くとコインの音ってどこのブロックだよ。赤色の配管工もいずれ幻想郷に来るんですかそうですか。
兄さん、僕もそっちに行くよー。弟よ、お前は既に入っている。
なんだってー。
「黒白の魔法使いや半人半霊など言うに及ばず。土着神はメメタァと鳴きますし、夜雀はてーれってれーという効果音が。皆々、その者の性質をよく表しているでしょう?」
道行く人全員叩いているのかこの人。
どこぞの庭師もびっくりの通り魔っぷりだよ。叩けばわかる、とかそんな感じ。わかんねー。
話題がどんどん知りたくもない方向に進むので転換を試みる。今のあたいはチャンレジブル。
「では四季様はどのような泣き声になるのですか」
「む、それは試したことがありませんね。自分を叩くなんて考えもしませんでした」
それはそうです。知ってたら自傷癖に定評のある閻魔様になってしまいますよ。
それでも閻魔なら・・・閻魔ならきっと叩いてくれる・・・っ。
「では、叩いてみましょうか」
つるん ぺたん
鳴った。なんか鳴った。
つるーんって。
ぺたーんって。
腹筋と顔面の筋肉が震える。必死で笑うのを我慢するがこれほどの苦行は地獄にもそうないと思う。
「小町」
四季様がこの世のものとは思えない声で呼ぶ。
正直、顔を直視する勇気がない。
「あなたのような脂肪の塊を何と言うか知っていますか。虚乳というんですよ。虚乳」
危ない。というか厄い。
ちらりと見た四季様は死んだ目で、全ての脂肪の塊はモザイク加工するべき、とか言ってる。まじ怖い。
「そしてわたしのように無駄のない胸を何と言うか覚えておきなさい。品のある乳、つまり品乳です」
これぞ自然界の頂点を許される曲線っ、とか叫んでる四季様。
かつてこれほど仕事に戻りたいと思ったことがあっただろうか、と回想するあたい。
地獄は笑顔と容赦のない、明るく楽しい職場です。
そして映姫様の鳴き声でおもいっきり笑ったw
貧乳は希少価値っていう諺もありますし、現実逃避なさらなくても
というか腹筋返せwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ふ、腹筋がw
……イイ事聴いたぜ。フフ…
>兄さん、僕もそっちに行くよー。弟よ、お前は既に入っている。
>なんだってー。
ここで,盛大に吹いて,四季様の屁理屈で撃沈
ひでぇwwwと思いつつも納得できる現実。
なんだってー。
やはり私もここで不覚にも吹きました。
そしてやっぱり私もタイトルに釣らr(ry
『うまいっ』のが前提なのかー!食うのが前提なのかー!
そして後書きで崩壊ww
よっく憶えておきます!えーき様!!
というか、メメタァでジョジョ顔のケロちゃんが……
背面からぶん殴られるケロちゃん…ノーダメージだけど
山田くん、映姫さまに座布団一枚差し上げt(ギルティ・オア・ノットギルティ