永琳がふと目を覚ますと、そこは一面の鈴蘭畑であった。
あまりの毒々しさに世界の法則が乱れたのか、空を見上げると西から昇った太陽が東に沈む、という反抗的なアクションを繰り返している。
美しい羽をはためかせているはずの蝶たちは凄まじい速さで匍匐前進を繰り返しており、足元を見ると目がチカチカする。
周囲が明るくなったり暗くなったり、忙しなく明滅しておりどうにも落ち着かない。
地平の果てまで埋め尽くしそうな鈴蘭の海の向こうに、人影がちらついている。
永琳はその正体を確かめるべく、人影のもとへと足を進めた。
「あら、誰かと思えばあなたたちだったのね。三人揃って何をしているの?」
「あっ、師匠」
人影の正体は鈴仙、てゐ、そしてメディスンの三人だった。
一体何をしているのか、手を繋いで輪を作り、同じテンポで腕を上げ下げしている。
「ちょうど良かった……ねえ、鈴仙、てゐ。新しいスペルを見てもらおうよ!」
はて、新しいスペルとは何だろうか。
「面白そうね……是非とも見せてもらいたいわ」
永琳がそう答えるやいなや、三人は繋いだ手を高々と掲げて叫んだ。
「三神合体!」
周囲は眩い光に包まれた――
永琳が目を開けると、そこには見たことの無い少女が佇んでいた。
訝しむ永琳。
「あら、三人はどこへ……あなたは誰なの?」
「わたしはメディウサ。狂気と幸運、そして“毒物劇物取扱責任者”の資格をも手にした、新世代の弾幕少女よ!」
「……メディウサ? メデューサじゃなくて?」
「今よっ……くらえ、外道照身毒物光線!」
「きゃあっ!?」
メディウサと名乗った怪しい少女の瞳から、紫色の光線がでろでろと放たれる。
どこから突っ込むべきか思案していた永琳は、その光を全身に浴びてしまった。
「汝の正体見たり……薬物超人・八意永琳!」
「ばぁれたかぁ~!」
ついつい相手をしてしまう永琳。
幻想郷へ移り住んで妙な連中と知り合ってから、おかしなノリに毒されてしまったのだろうか。
「……って、何なのソレは。まあ少しは意外性があったけど……今度の宴会で皆に見せたら? きっとウケると思うわ」
「ふふふ……今のは序の口よ。あなたは既にわたしの術中に嵌っている!」
「えっ?」
メディウサが指差すのに釣られて、自分の足元に目をやった永琳は驚いた。
なんと、爪先から徐々に石化しているではないか。
「これはいったい……」
「驚くのはまだ早いわ。そこを見て御覧なさい」
永琳が少し先に目を凝らすと、群生している鈴蘭の間に何かが落ちている。
「あっ、二千円札」
「それだけじゃないわ。ほら、あなたの後ろ……そっちには地域振興券が落ちてるわよ」
「えっ?」
思わず振り返ろうとした永琳だったが、足が石化し始めているせいで上手く身動きが取れずに転んでしまった。
「いたた……ちょっと、もう元に戻してよ」
「良かったわね、お札を拾うだなんてそうそうあることじゃないわよ」
「この状況で言われても、なんだか嬉しくないわ……」
「毒視線とともに幸運を授ける。これが幻想郷ニューエイジの力よ!」
勝ち誇ったようにそう言うと、メディウサはさっさと飛び去ってしまった。
「はーっはっはっは! 見たか、6面ボスにも匹敵するこの力……我が世の春が来たーっ!」
「ちょっと、もしもし? 足を元に戻してってばー! もしもーし!」
東方花映塚 Phantasm Stage
Boss:メディウサ・メランコリゐん・イナバ
挑戦者:八意 永琳
次はノーコンティニューでのクリアを目指そう!
リプレイを保存しますか?
名前言いにくっw
ダイヤモンドアイ?
などと突っ込みどころ満載で楽しゅうございました
っていうか2千円札もう幻想郷入りしてたんかw
誰か描いて欲しいくらいだ
なんとも精神的にきつい攻撃w霊夢とかにやったら発狂しそうw
地域振興券とか懐かし過ぎる負の遺産ww
相手してくれるえーりんいいなぁ