※少しシュール?
ふと疑問に思った。
特に理由はない。でも一度気になるとなかなか忘れることはできない。
だから考えて見ることにした。
疑問に思ったのは蓬莱の薬について。
薬っていうくらいだから、師匠に教えてもらって作っている薬と同じカテゴリーで括ることができるよね。
難易度の差は比べものにならないだろうけど。
薬は怪我や病気を治療するためのもの。塗ったり、飲んだり、注射したりするもの。
妹紅さんは服用したと言ってたから飲み薬だと思う。
ここでひっかかる。
蓬莱の薬の効果は不老不死。
飲み薬は体内にあるときのみ効果が得られる、と思うんだけど。
飲んで体内に吸収されて、いつまでも体内に存在し続ける薬というのはきいたことはない。
薬の効果はいつかきれるもの。永遠に効果の続く薬なんかあったらうちは商売あがったりだ。
蓬莱の薬も、薬と名がついているから同じなはず、たぶん。
でも効果はきれることなく続いている。それは姫様や妹紅さんをみればわかる。
蓬莱の薬とはなんのか?
効果はすでにわかっているからいいとして、その在り方に私は疑問を抱いたのだ。
考えていくつか推論ができた。
一つ目。
すごく持続性の高い薬で効果がきれる頃になると、再び服用しているのではないか?
この場合、薬を作ることのできる師匠と別行動していた妹紅さんが長生きしたことが疑問となってくる。
師匠が人間に渡した薬が一つだけではなく、たくさんあったとしたら今まで生きてきた理由となりえそうだけど。
今度は薬の消費期限の問題がでてくる。
断言するには弱いので、この考えは廃棄。
二つ目。
薬の効果は不老不死ではなく。肉体を変質させるのではないか?
変質した結果、副作用として不老不死を得た。そして穢れを生み出すようになってしまったのではないか?
しかしこの場合だと、肉体が欠損した場合に不都合がでてきそう。
髪の毛一本でも残ればそこから復活するらしいけど、実際そんな状況になって復活して、再生した体は変質した当時のままでいられるだろうか?
肉体は日々変化している。爪が伸び、髪が伸び、古い皮膚は垢となる。歳月が経てば体はすっかり変わってしまっている。
そんな状況で、変質したままでいられるのだろうか?
三つ目。
師匠がすごくて、本当に永続する薬を作ってしまった。
短いけれども納得できてしまいそうではある。
四つ目。
薬と名はついているけど、本当は別の何か。
これは漠然としすぎて考えようがない。
三つ目が最有力候補?
ほかにも不思議な点はある。禁忌とされていた理由だ。
穢れを生み出すからっていうのは弱い気がする。
永遠に生きて穢れを生み出すからって、王族を処刑したり追放したりするだろうか?
何かほかに理由があるのかもしれない。
「ウドンゲ……こんなこと考えていたのね」
ウドンゲの部屋で永琳が、ウドンゲの書いたレポートを見ていた。
ウドンゲに少し用事があったのだが、部屋にはいなかったのだ。
部屋から出て行こうとしたとき、机の上のレポートが気になり立ち読みしているのが、今の状況。
永琳の表情は苦いものだ。
輝夜を罪人とした薬のことが書かれているのだから無理もない。
ほんの少しだけ感心したようなものも浮かんではいたが、すぐに消えた。
だが苦い表情の理由はそれだけではなかった。
「残念ながら三つ目は大はずれね。
近いのは二つ目かしら。
こんな予測までできるなんて、あの子も成長しているのね」
褒めてはいるが表情は苦いまま。
そのまま自室へと戻る。用事はあったが誰かに会うような気分ではなくなった。
自室の椅子に座り、俯き目を閉じる。思うのは覚えておきたくないこと。
できれば忘れたいが、忘れてはいけないこと。
すなわち蓬莱の薬の効果について。
蓬莱の薬はたしかに肉体を変質させる。それは長く生きるために変化するのだ。もとのままだと脳などに異常をきたす。
そして変化するのは肉体だけではなく、精神的にも。これは長寿化に対応するため必要だからだ。
さらに変化は魂にまで及ぶ。
問題となるのは魂の変化だ。この部分が禁忌となった原因だ。
この部分がなければ、永遠の命を得る薬とはなりえない。ただ寿命が延びる薬で終っていただろう。
魂の変化で起こる禁忌、それは御魂喰いとなること。
死者の魂を喰らうことによって魂を持続させる。自らの意思で止めることはできず、魂に欠損ができると自動的に補う。
喰われた魂は転生することができず消え行くのみ。
これが禁忌の秘薬と呼ばれた由縁だ。
同胞の安息を妨げ、さらには消滅させるのだから禁忌と呼ばれて当然だ。
このことは永琳しか知らないし、ほかの誰かに知らせるつもりもない。輝夜が御魂喰いのことを知らないのは、理解し作った者とただ飲んだ者の差。
知らせてどうなることでもない。すでに飲んでしまっているのだから。
これ以上の苦しみを輝夜と妹紅に背負わせるつもりはなかった。
怖くもあった。なんてものを作り出したのだと責めを受けることが。
永琳はこの薬を作りだした自分こそが罪人だと自嘲する。
永琳の気分に合わせるかのように、太陽が雲に遮られ部屋が暗くなる。それ以上の暗い笑みを浮かべ永琳は人知れず謝る。
輝夜と妹紅に罪を犯し続けさせていることを。それを打ち明けないことを。
ふと疑問に思った。
特に理由はない。でも一度気になるとなかなか忘れることはできない。
だから考えて見ることにした。
疑問に思ったのは蓬莱の薬について。
薬っていうくらいだから、師匠に教えてもらって作っている薬と同じカテゴリーで括ることができるよね。
難易度の差は比べものにならないだろうけど。
薬は怪我や病気を治療するためのもの。塗ったり、飲んだり、注射したりするもの。
妹紅さんは服用したと言ってたから飲み薬だと思う。
ここでひっかかる。
蓬莱の薬の効果は不老不死。
飲み薬は体内にあるときのみ効果が得られる、と思うんだけど。
飲んで体内に吸収されて、いつまでも体内に存在し続ける薬というのはきいたことはない。
薬の効果はいつかきれるもの。永遠に効果の続く薬なんかあったらうちは商売あがったりだ。
蓬莱の薬も、薬と名がついているから同じなはず、たぶん。
でも効果はきれることなく続いている。それは姫様や妹紅さんをみればわかる。
蓬莱の薬とはなんのか?
効果はすでにわかっているからいいとして、その在り方に私は疑問を抱いたのだ。
考えていくつか推論ができた。
一つ目。
すごく持続性の高い薬で効果がきれる頃になると、再び服用しているのではないか?
この場合、薬を作ることのできる師匠と別行動していた妹紅さんが長生きしたことが疑問となってくる。
師匠が人間に渡した薬が一つだけではなく、たくさんあったとしたら今まで生きてきた理由となりえそうだけど。
今度は薬の消費期限の問題がでてくる。
断言するには弱いので、この考えは廃棄。
二つ目。
薬の効果は不老不死ではなく。肉体を変質させるのではないか?
変質した結果、副作用として不老不死を得た。そして穢れを生み出すようになってしまったのではないか?
しかしこの場合だと、肉体が欠損した場合に不都合がでてきそう。
髪の毛一本でも残ればそこから復活するらしいけど、実際そんな状況になって復活して、再生した体は変質した当時のままでいられるだろうか?
肉体は日々変化している。爪が伸び、髪が伸び、古い皮膚は垢となる。歳月が経てば体はすっかり変わってしまっている。
そんな状況で、変質したままでいられるのだろうか?
三つ目。
師匠がすごくて、本当に永続する薬を作ってしまった。
短いけれども納得できてしまいそうではある。
四つ目。
薬と名はついているけど、本当は別の何か。
これは漠然としすぎて考えようがない。
三つ目が最有力候補?
ほかにも不思議な点はある。禁忌とされていた理由だ。
穢れを生み出すからっていうのは弱い気がする。
永遠に生きて穢れを生み出すからって、王族を処刑したり追放したりするだろうか?
何かほかに理由があるのかもしれない。
「ウドンゲ……こんなこと考えていたのね」
ウドンゲの部屋で永琳が、ウドンゲの書いたレポートを見ていた。
ウドンゲに少し用事があったのだが、部屋にはいなかったのだ。
部屋から出て行こうとしたとき、机の上のレポートが気になり立ち読みしているのが、今の状況。
永琳の表情は苦いものだ。
輝夜を罪人とした薬のことが書かれているのだから無理もない。
ほんの少しだけ感心したようなものも浮かんではいたが、すぐに消えた。
だが苦い表情の理由はそれだけではなかった。
「残念ながら三つ目は大はずれね。
近いのは二つ目かしら。
こんな予測までできるなんて、あの子も成長しているのね」
褒めてはいるが表情は苦いまま。
そのまま自室へと戻る。用事はあったが誰かに会うような気分ではなくなった。
自室の椅子に座り、俯き目を閉じる。思うのは覚えておきたくないこと。
できれば忘れたいが、忘れてはいけないこと。
すなわち蓬莱の薬の効果について。
蓬莱の薬はたしかに肉体を変質させる。それは長く生きるために変化するのだ。もとのままだと脳などに異常をきたす。
そして変化するのは肉体だけではなく、精神的にも。これは長寿化に対応するため必要だからだ。
さらに変化は魂にまで及ぶ。
問題となるのは魂の変化だ。この部分が禁忌となった原因だ。
この部分がなければ、永遠の命を得る薬とはなりえない。ただ寿命が延びる薬で終っていただろう。
魂の変化で起こる禁忌、それは御魂喰いとなること。
死者の魂を喰らうことによって魂を持続させる。自らの意思で止めることはできず、魂に欠損ができると自動的に補う。
喰われた魂は転生することができず消え行くのみ。
これが禁忌の秘薬と呼ばれた由縁だ。
同胞の安息を妨げ、さらには消滅させるのだから禁忌と呼ばれて当然だ。
このことは永琳しか知らないし、ほかの誰かに知らせるつもりもない。輝夜が御魂喰いのことを知らないのは、理解し作った者とただ飲んだ者の差。
知らせてどうなることでもない。すでに飲んでしまっているのだから。
これ以上の苦しみを輝夜と妹紅に背負わせるつもりはなかった。
怖くもあった。なんてものを作り出したのだと責めを受けることが。
永琳はこの薬を作りだした自分こそが罪人だと自嘲する。
永琳の気分に合わせるかのように、太陽が雲に遮られ部屋が暗くなる。それ以上の暗い笑みを浮かべ永琳は人知れず謝る。
輝夜と妹紅に罪を犯し続けさせていることを。それを打ち明けないことを。
これが正しいなら蓬莱人が幽々子の天敵ってのも解る気が……
能力で殺せないから天敵っていうのは少し弱い気がするし。