Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

今日も愉快な二人の隊長

2008/03/20 15:54:02
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 幻想郷の紅い屋敷、紅魔館…
 今日も、一日平和な時間が繰り広げられる



「ふう……掃除も楽じゃないわね…」
 メイド長である十六夜咲夜がため息をつきながら部屋を掃除していた
 そんな時、部下のメイド妖精の一人が息を切らせて走ってきた
「パッ…メイド長!大変です!」
 息を切らせて走ってきたメイド妖精の苦労をねぎらうために
 その身体の周り中にナイフを投げて涼しくしてやる
「…落ち着いた?」
「はっ…はい…」
 トドメにナイフを構えて、笑顔を向けてやると
 妖精メイドがガタガタ震えて、頷いた

「で?一体何があったの?…仕事をサボるぐらいに重要な事?」
 しばらく落ち着かせると、妖精メイドに問いかける
 その言葉に妖精メイドが頷くと、呟くように答えた
「…報告します、門番長がパッドを使用しているとの情報がありました」
 その言葉に、咲夜が真剣な顔をしてその妖精メイドの肩を掴む
「詳しく話しなさい…」
「わ、分かりましたから!手を放して!痛いです!」
 そういわれて咲夜は力を入れすぎたことに気づき
 自分の気を落ち着けるために、一旦時を止めて
 自分の部屋に行き、某門番長にそっくりな人形と
 某お嬢様にそっくりな人形を抱きしめてから、
 紅茶を入れて優雅にティータイムを楽しみ
 再び妖精メイドの下に向かった 
 
「…さあ、貴方の持っている情報を全て吐いてもらうわ」
「は、はい!…この前、門番長が一人でお風呂に入っている時に、偶然私が通りかかって
 写真を収めようかと思っていたら、門番長の服が目に入りまして、その中に…」
「パッドが?」
 咲夜がその妖精メイドに問いかけると、少しぎこちなく、妖精メイドが頷く
「は、はい…多分…ただ、その後すぐに門番長が上がってきましたから、すぐにカメラを…」
「後で、それを提出しなさい…次の人事異動のときに優遇するから」
「いえ、門番長に破壊されました」
「……まあ、いいわ…でも、それが完全にパッドだという証拠もないわね」
 咲夜がそう伝えると、妖精メイドが首をふった
「もう一つ、情報があります」
「…聞かせてもらうわ」
「……数日前に門番長が香霖堂にこっそりと出入りしているとの情報があり
 それを確認するために、香霖堂に我々メイド隊の工作隊がもぐりこみました……あ、これ経費です」
 妖精メイドが咲夜に領収書を手渡す
「……こっそり、お菓子を買い行ったのね…まあいいわ、情報のための必要経費として落としてあげる」
 その言葉を聞いて、少しだけガッツポーズを見せる妖精メイド
「で?何か情報でも?」
「あ、はい!…香霖堂の店主にお菓子を食べながら聞き込みをしていたら、いくつかの情報が得られました…ええーと」
 妖精メイドがポケットから、一枚の紙を取り出す
「まず、門番長はかなり前からあのお店に通っている事…
 そして門番長はそれを誰にも見られずに行なっている事…最後に…」
 妖精メイドがあたりを見渡すと、呟いた

「……香霖堂の購入履歴を覗いたら…商品名…パッドって書いてありました」
「でかしたわ!」
 その言葉を聞いた咲夜は、その妖精メイドの肩に手を当ててほえた
「良くやったわ!私はこれからその情報が正しいか真実を見てくるわ」
「あの…私達は?」
「休んでなさい!今日は貴方に臨時休暇あげるわ」
 咲夜はそう答えると、一目散に門番長の居る場所に向かった


「……わ~い」
 後に残された妖精メイドはしばらく経ってから喜んだ



「…今日も良い天気ですね~…」
 紅魔館の門の前で、一人の女性が背伸びをしていた
「ふぁ~~あ…ふう…たった一人の男に情けない…」
 白黒の魔法使いもここ最近来ないので、思わず図書館においてあった本の中に書かれていた
 弱い者のために、部下を叱る事の出来る敵役の台詞を言ってみた
「…幻想郷に男って…一人ぐらいですかね?」
 自問自答していたときに
「美鈴!」
 後ろから誰かに声をかけられた、聞き覚えがある声に振り向くとそこには
「あれ?咲夜さん?なんでここに?」
 美鈴にとっての、上司であり、親友であり、妹分であった時もあり
 たまに夜の夜食になる、メイド長の十六夜咲夜の姿があった
「…一つ違うのが入っているわよ?美鈴」
「あれ?本当ですね…まあ、それは置いといて…どうしたんですか?咲夜さん」

 基本的に、メイド長である十六夜咲夜は屋敷の中に居る
 そして、門番長である紅美鈴は門の前に居る
 二人が一緒に居る時間はあんまり長くは無い
 そして、咲夜がここに居るという事は何かあるときである

「……大切な話があるからちょっとこっちに来て」
「…?はあ…いいですけど」
 その場に居た門番隊にその場を任せると、美鈴は咲夜の後に続いた


「……ここでいいわね…」
「いや、ここでいいって、私の部屋じゃないですか」
 咲夜に連れてこられたのは自分の部屋、しかもいつの間にか作っていた合鍵を使って
「さて、貴方に聞きたいことがあるんだけど…」
「聞きたいことがあるのは分かりますけど、まずはその合鍵返してください」
 美鈴がそう伝えると、案外簡単に咲夜は鍵を返してくれた
「…あれ?抵抗しないんですか?」
「ええ、後108つは予備があるから」
「それも後から回収しに行きます」
「そ、そんな!夜な夜な時を止めて、美鈴の布団にこっそりと入り込む楽しみを奪うというの?」
「そんな事してたんですか…」
 

 結局鍵は全て美鈴に回収されました

「でっ?話ってなんですか?」
「…ええ、美鈴に嘘偽り無く教えてもらいたい事があるの……」
 唐突に真剣なまなざしになった咲夜の顔を見て、美鈴も気を引き締める
「…なんでしょう……」
 美鈴が呼吸を整えてそう答えると咲夜は静かに伝えた

「…美鈴…貴方…パッド使ってるって本当?」
「ど、何処でその秘密を!?」
 嘘か本当かは、美鈴のその動きを見てわかった
「……本当みたいね…」
 咲夜が同じ友を見るような目で優しく答える
 美鈴は、うつむきながら首を縦に振った
「…はい……」

 まさかに事であった、幻想郷に響く紅魔館門番長がパッドを使って居るという事は
「…咲夜さん…この事を皆に知らせるんですか?」
 美鈴が泣きそうな顔でそう伝える
「誰が外の人に教えるものですか」
 だが、咲夜は真剣なまなざしで美鈴にはっきりと伝えた
「えっ?」
 驚く美鈴に対して、咲夜は優しいまなざしで見つめて抱きしめた
「……美鈴…貴方も…私の仲間よ」
 
 紅魔館の中において、咲夜の最大の敵であった美鈴
 仕事、周りの信頼……その全てにおいて咲夜は完璧を望んだ
 それが自ら仕える紅魔館の主、レミリア・スカーレットに対する忠誠の証であった
 だが、完璧であるはずの彼女が勝てないもの…それが美鈴の胸であった
 
 勝つために努力をした事もあった、腕立て伏せをした事もあった
 牛乳を頑張って飲んだこともあった、怪しげな薬を飲んでみたこともあった
 だが、運命がそれに対して微笑む事は無かった
 故に、彼女は悪魔の誘いに乗ったのだ…

「貴方も…詰めていたのね…」
 その胸に……『パッド』という名前の毒を忍ばせたのだ
「…咲夜さん……」
 美鈴が嬉しそうに咲夜に抱きついた

「……見せてもらえるかしら…貴方のパッドを…」
 咲夜が美鈴にそう伝えると、美鈴は少し躊躇した後
「…はい……」
 そう伝えた、そして、美鈴は咲夜の前で恥ずかしそうにして
 その身体に忍ばせていたパッドを取り出した




「はい、肩パッドです」
「えっ!?」
「……いや、私どうしても咲夜さんみたいにカッコイイ訳じゃないから
 何とかして、部下の皆に威厳を出そうとしていて、
 結構前から肩のところにパッドを入れていたんです…
 でも、咲夜さんも肩に……あの…咲夜さん?」
 美鈴がそこまで話すと、目の前にいた咲夜の肩が震えているのに気がついた
「こ、この…」
「ど、どうしたんですか?」
 恐る恐るたずねると


「この!ベコ乳が~~~っ!!!」
 咲夜が泣きながら美鈴に掴みかかってきた
「ちょ、咲夜さん!?痛い痛いですって!」
 美鈴が痛がるのを気にせずに、泣きながら美鈴の胸を掴む
「ぐっ!やっぱり本物だわ!……パッドって聞いて私と同じ胸パッドだと思ったのに!
 仲間だと思ったのに!美鈴も本当はあんまり胸が無いと思っていたのに!」
 そこまで言うと、咲夜は泣き出した
「うわ~ん!美鈴のバカー!」
 
 咲夜がそう叫ぶと、部屋から出ようとして
(がんっ!)
「へぶっ!?」
 鍵を閉めていた事を忘れていたために、顔面からドアにダイブした
 そして、その隙に美鈴に近づかれる
「…咲夜さん……」
「……」

 もう逃げれないと判断したので、咲夜はその場に座り込むといじけた
「…なによ……笑いたかったら笑うといいわ…」
 咲夜はもう全てが終わったと感じていた
 自分が隠していた秘密を洗いざらい話してしまったのだ
 明日になれば、きっと紅魔館中にその話が広がるであろう
(ああ、今日中に幻想郷から消える準備しなきゃ…)
 咲夜がそう思って居ると

「咲夜さん……(ポスン)」
「えっ…?」
 美鈴が泣いている咲夜を優しく抱きしめた 
 そして、幻想郷にその名がとどろく胸に咲夜を抱き寄せると
 その頭を撫で始めた
「……落ち着くまで抱きしめてあげますから…落ち着いてください」
「…(こくん)」

 滅多にできる事ではないので、約20分ぐらい美鈴の胸に顔を突っ込んで
 思いっきりスリスリする咲夜の姿が見られた

「…落ち着きましたか?」
「……ええ…」
 美鈴が咲夜にお茶を手渡すと、咲夜が座って居る椅子の目の前に座った
「では、私から咲夜さんに話さなければいけないことがあります」
「……何かしら?」
 美鈴の胸を堪能した咲夜がそう伝えると、美鈴が呟いた

「私の胸が、ここまで大きくなるまでどれだけ時間がかかったと思います?」
 その言葉を聞いて、咲夜が考え込んで
「え~と……一、二…二十年ぐらい?」
 その言葉を聞いた美鈴が首を振ると、咲夜に指を一本出した
「…十年ね…」
「千年です…」
「……はっ!?」
 桁が違う事に咲夜の思考が追いつかなくなる
 十年、二十年ならまだ分かるが、まさかの千年…美鈴はそこまで長生きしていたのだ


「私も少しは胸について悩む事はありました…でも大きくなって失ったものもあります」
「……」
 咲夜が美鈴の話を黙って聞いていると、美鈴は座っていた
 椅子から立ち上がるり何かを咲夜に手渡した

「……もうほとんど残っていない、私の昔の写真です…」
「こ、これは!?」
 
 渡された写真に写っているのは、小さい頃と思われる美鈴の姿であった
「ゴシックロリータ!?」
 ゴスロリ衣装を着た美鈴の小さい頃の……
「…もうこのような服を着ることは出来なくなりました…」
 美鈴が昔を懐かしむようにそう告げると、改めて咲夜を見つめる
「肩は凝る、周りから変な目で見られる、身体に合う服が無い
 嫉妬の目で見られる、魔理沙のマスタースパークに焼かれる…
 咲夜さん…そんな思いしてまで胸を大きくしたいですか?」
 その言葉を聞いて、咲夜は悩む…
 胸がある物には、無いものの苦労は分からないが
 逆に胸が無いものには、ある物の苦労は分からなかったのだ

「……咲夜さん…大きければいいってものではないでしょう?」
「………そうね…私が間違っていたわ…」
 美鈴の話を最後まで聞いた咲夜の顔は、まるで憑き物が落ちたかのように穏やかであった


「……美鈴…」
 美鈴の部屋からでようとした咲夜が背中を向けて美鈴の名前を呼んだ
「なんですか?咲夜さん…」
「ありがとう……」
 咲夜がそう伝えると、美鈴はその背中に笑いながら答えた
「……気にしないでください…」
 

 こうして、門番長パッド騒動は終わりを迎えた







「パチュリー様、一時的に幼女になる薬ってありますか?」
「……一体何に使うの?咲夜…」
「美鈴に飲ませて、目の前でゴスロリ美鈴を見ようかと…お嬢様に許可は取ってあります」
「……その場に私も呼びなさいよ?」
 
 ……すぐに次の騒動が起こる予感があったが…
 紅魔館の中の人達はみんな愉快な家族です
 それでは、来週の咲夜さんは?
 
 う~ レミリャだよ?
 ちょっと怖い夢見ちゃったから、めーりんの所に行こうとしたんだ
 そしたらフリャンも怖い夢見たんだって、だから一緒に行く事になったの
 そしたらね?咲夜も一緒に来てくれたから皆で一緒に寝る事にしたんだ
 それでね~、ジャンケンで寝る場所決める事にしたんだけど
 結局、咲夜がめーりんの胸を枕にして、私が咲夜の右手に抱きついて
 フリャンが咲夜の左手に抱きついて寝る事になったんだ…
 う~…そろそろ眠くなってきたから、おやすみなさい…

 次週 咲夜最高の環境で眠る
    パチュリー近接格闘『本型』を学ぶ
    小悪魔、パチュリーの膝枕で寝る
               の三本です

 来週もまた、見てくださいね?
 ジャンケン…ポ(ザ・ワールド!)
 うふ、うふふふっ…
        

(注意)次の作品は未定です
脇役
コメント



1.名無し妖怪削除
咲夜最高の環境で眠る、で笑わせていただきました。
「……その場に私も呼びなさいよ?」
2.欠片の屑削除
定番のネタですが調理が上手いので思いっきり笑わせて頂きましたw
ガッツポーズとかお菓子とか、細かいネタ一つ一つに手を抜かない姿勢は尊敬します。
3.#15削除
なるほど、「パッド」って胸だけとは限りませんよねww
これは一本とられましたw
4.名無し妖怪削除
その写真をよこせ!
いや、よこすまでなくてもうpするんだ!急げスネーク!
5.名無し妖怪削除
……せんねん
長いな、あの胸には歴史が詰まっていたのか
6.イスピン削除
相変わらずの全力投球振りに笑いました。
美鈴のゴスロリ写真だと!?1000年近く前に写真があったってことに驚きだ!(もっとも、東方シリーズはは今からもっと未来の話という説もありますが)
7.名無し妖怪削除
さあ、あとがきをもっと詳しく書く作業に戻るんだ!!
8.名無し妖怪削除
1000年前のだったら絵画とかの方が良かったかと・・・
ゴスロリめーりん・・・我慢できないww

誰か書いてくれw
9.時空や空間を翔る程度の能力削除
作るな作るな怪しい薬をwwwwwwwwww