※この作品は、この作品集にある、拙作「彼岸のバレンタイン」の続きとなっております。
夕方、仕事も終わり、帰る準備をしていると、小町がやってきた。
「四季様、準備はできていますよ~」
「準備ですか?」
はて、何か小町に頼んでいたのであろうか?
「ひどいなぁ、自分で言っておいて」
「え?なにか命じていましたっけ?」
う~ん、心当たりがない。
「四季様…、もしかして、今日が何日かご存じない?」
今日? 今日は…
「何日でしたっけ?小町」
「はぁ、やっぱり。今日は3月14日ですよ」
3月14日…? …あ!
「ホワイトデー…」
「そうですよ。バレンタインの時に、ホワイトデーに満足させること!って…」
「そうでした!それで、どんなことをしてくれるの?」
「まあまあ、あわてないで。あたいの家まで行きましょう」
「家?
…小町、まさか仕事さぼってまで、準備はしてませんよね?
「HAHAHA!やだなぁ四季様。ソンナコトハシテイマセンヨ?」
目をそらしながら言っても、説得力が皆無なのに。
「…説教は明日にしましょう」
「うう、お手柔らかにお願いします。
さあ、とりあえず向かいましょう」
「そうですね」
そう言って、私たちは小町の家に向かった。
「…案外、片付いているんですね」
「それはちょっとショックな言い方です」
小町の家は、(普段の仕事態度と比べ)意外ときれいだった。
「で、小町。何をしてくれるの?
「四季様を満足させる方法を考えてたんですが、あたいは洒落たことなんて思いつかないし…
工夫しようとしても失敗するだけだから、あたいの手料理でも振る舞おうかなって」
「小町の手料理ですか!」
正直、びっくりである。めんどくさがりな小町が、料理を作れるなんて!!
「四季様、それはあたいの料理が食べられる事の喜びの驚きですか?
それとも、あたいが料理を作れることの純粋な驚きですか?」
「う!!」
「四季様は嘘をつけないから、その反応でわかりますけど…」
み、見抜かれている。
「まあいいや。あたいの料理の腕、見せてあげますんで、四季様は待っていてください。
ある程度できあがってますんで、すぐできますけどね」
そう言って、小町は台所に向かった。
手持ちぶさたになった私は、興味深く小町の生活空間を観察する。
と、一冊のノートが目に入り、手に取ってみる。
「DEATH N●TE?」
全力で見なかったことにした。
「ごちそうさまでした」
「お粗末様でした」
小町の手料理を食べ終え、お茶を飲みながら一息。
意外と、小町は料理がうまかった。
「小町、とてもおいしかったですよ」
「いやあ、そう言ってもらえるとうれしいですね」
照れながらも本当にうれしそうに、小町が言う。
と、小町がきれいに包装された箱を取り出した。
「小町?これは?」
「えと、プレゼントです。まあ、料理だけじゃ物足りないかなって」
「あけていいですか?」
「どうぞ、あけてください」
箱をあけると、
「人形?それも、私と小町の…」
「自作ですから、うまくできてないですけどね」
そんなことはない。二人の特徴をうまくてデフォルメされた、かわいい人形だ。
「…ッ、小町。ありがとうございます」
「ほら、泣くことないじゃないですか」
涙をぬぐってくれる、小町の指。感謝の気持ちを込めつつ、小町の顔を見上げると、
「…小町?なんだか、いたずらっ子のような顔をしていますよ?」
「四季様、満足していただけましたか?バレンタインデーの償いになりましたか?」
「もちろんよ!!」
「そうですか。それはよかった。
そういえば四季様、あたいはバレンタインのお返しを用意したわけですが、四季様は、あたいに何かしていただけるんですか?」
「え゛!!でも、あれは、私が…」
「あ~あ、ひどいなぁ。あたいはちゃんと用意したのに。
泣いちゃいそうだなぁ~」
「え、あ、その、ご、ごめんなさい…」
「ところで、ここに取り出したるは、何の変哲もないキャンディー」
「え?」
「ホワイトデーの定番キャンディー。
四季様、あたいに食べさせてください」
「え?えっ?ええっ!?
もしかして、私に、バレンタインデーのあなたをまねしろと!?しかもキャンディーで!!??」
「あたいは~、別に~、方法を~、指定~、してませんよ~」
うわ、めっちゃ楽しそう。
「さあ、四季様。ご自分の気持ちに白黒つけてください!」
そう言われて、私がとった選択は…
夕方、仕事も終わり、帰る準備をしていると、小町がやってきた。
「四季様、準備はできていますよ~」
「準備ですか?」
はて、何か小町に頼んでいたのであろうか?
「ひどいなぁ、自分で言っておいて」
「え?なにか命じていましたっけ?」
う~ん、心当たりがない。
「四季様…、もしかして、今日が何日かご存じない?」
今日? 今日は…
「何日でしたっけ?小町」
「はぁ、やっぱり。今日は3月14日ですよ」
3月14日…? …あ!
「ホワイトデー…」
「そうですよ。バレンタインの時に、ホワイトデーに満足させること!って…」
「そうでした!それで、どんなことをしてくれるの?」
「まあまあ、あわてないで。あたいの家まで行きましょう」
「家?
…小町、まさか仕事さぼってまで、準備はしてませんよね?
「HAHAHA!やだなぁ四季様。ソンナコトハシテイマセンヨ?」
目をそらしながら言っても、説得力が皆無なのに。
「…説教は明日にしましょう」
「うう、お手柔らかにお願いします。
さあ、とりあえず向かいましょう」
「そうですね」
そう言って、私たちは小町の家に向かった。
「…案外、片付いているんですね」
「それはちょっとショックな言い方です」
小町の家は、(普段の仕事態度と比べ)意外ときれいだった。
「で、小町。何をしてくれるの?
「四季様を満足させる方法を考えてたんですが、あたいは洒落たことなんて思いつかないし…
工夫しようとしても失敗するだけだから、あたいの手料理でも振る舞おうかなって」
「小町の手料理ですか!」
正直、びっくりである。めんどくさがりな小町が、料理を作れるなんて!!
「四季様、それはあたいの料理が食べられる事の喜びの驚きですか?
それとも、あたいが料理を作れることの純粋な驚きですか?」
「う!!」
「四季様は嘘をつけないから、その反応でわかりますけど…」
み、見抜かれている。
「まあいいや。あたいの料理の腕、見せてあげますんで、四季様は待っていてください。
ある程度できあがってますんで、すぐできますけどね」
そう言って、小町は台所に向かった。
手持ちぶさたになった私は、興味深く小町の生活空間を観察する。
と、一冊のノートが目に入り、手に取ってみる。
「DEATH N●TE?」
全力で見なかったことにした。
「ごちそうさまでした」
「お粗末様でした」
小町の手料理を食べ終え、お茶を飲みながら一息。
意外と、小町は料理がうまかった。
「小町、とてもおいしかったですよ」
「いやあ、そう言ってもらえるとうれしいですね」
照れながらも本当にうれしそうに、小町が言う。
と、小町がきれいに包装された箱を取り出した。
「小町?これは?」
「えと、プレゼントです。まあ、料理だけじゃ物足りないかなって」
「あけていいですか?」
「どうぞ、あけてください」
箱をあけると、
「人形?それも、私と小町の…」
「自作ですから、うまくできてないですけどね」
そんなことはない。二人の特徴をうまくてデフォルメされた、かわいい人形だ。
「…ッ、小町。ありがとうございます」
「ほら、泣くことないじゃないですか」
涙をぬぐってくれる、小町の指。感謝の気持ちを込めつつ、小町の顔を見上げると、
「…小町?なんだか、いたずらっ子のような顔をしていますよ?」
「四季様、満足していただけましたか?バレンタインデーの償いになりましたか?」
「もちろんよ!!」
「そうですか。それはよかった。
そういえば四季様、あたいはバレンタインのお返しを用意したわけですが、四季様は、あたいに何かしていただけるんですか?」
「え゛!!でも、あれは、私が…」
「あ~あ、ひどいなぁ。あたいはちゃんと用意したのに。
泣いちゃいそうだなぁ~」
「え、あ、その、ご、ごめんなさい…」
「ところで、ここに取り出したるは、何の変哲もないキャンディー」
「え?」
「ホワイトデーの定番キャンディー。
四季様、あたいに食べさせてください」
「え?えっ?ええっ!?
もしかして、私に、バレンタインデーのあなたをまねしろと!?しかもキャンディーで!!??」
「あたいは~、別に~、方法を~、指定~、してませんよ~」
うわ、めっちゃ楽しそう。
「さあ、四季様。ご自分の気持ちに白黒つけてください!」
そう言われて、私がとった選択は…
終盤とあとがきは某所の月型、志貴×シオンSSのパロですか?