Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

土とか食ってみようかな

2008/03/06 08:31:54
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「土とか、食ってみようかな」
「…は?」

 それは麗らかな小春日和。そろそろ木々も蕾を結ぶ、そんな季節。香霖堂には客が訪れていた。…そう、客なのである。ちゃんとお金…とは行かないが、対価を払っていく客なのである。そんな良心的な客人――鬼なのだが――が妙な事を言い出したのだ。対価を払われたりしている側の霖之助は、驚くしかないだろう。そして、そんな客のそんな言を無視するわけには行かず、尋ねてみた。

「な、何を言い出すんだい萃香。酒が恋しくて脳味噌が…」
「いや、違うんだ霖之助。ちょっと前にあった人気投票の結果が振るわなかったんだ。聞いたところによると、風神録では新キャラが結構な人を喜ばせたんだってな。私にはそういう…インパクト? がないなぁ、って」
「いや、だからってこんな所で土を食べても僕以外誰にも気付かれないよ」

 そう、悲しいかな、店には萃香と霖之助以外は、なりを潜めた閑古鳥しかいなかった。

「というか、引くけれど」
「くそう、やっぱり巫女とかじゃないと幻想郷的インパクトは残せないのか。萃香無念」

 目尻を潤ませながら遠いところを見始めた萃香。

「そういえば、巫女の服というのはあるよ」
「本当か。ようし、何処だ」
「そこの箪笥の中だよ」
「わかった、任せろ」

 霖之助が何を任せればいいのか、と問う前に萃香は店の奥に消えていく。そして暫く、その手の趣味の人には涎物の衣擦れ音をさせた後、つかつかと戻ってきた。

「緑じゃねーかッ!」
「緑ですけど!?」

 半人半妖の変人香霖堂店主に幻想郷にはいないはずの鬼が緑色の巫女服を着てヘッドバントをかます、というなんとも珍しくもどうしようもない光景を見せ付けられた、店の片隅に居を構える蜘蛛はどう反応すればいいのだろうか。あまりの衝撃にうっかり敬語になる店主も見ものかもしれない。

「何だよあの蛙みたいな色の巫女服は! 私が○ルイージだとでも言うのか、紅いの持ってこんかい!」
「そんな無茶な。いいじゃないか、似合ってるんだから。それに隠せていないよ、それ」
「な!? ななな、なんだとこらぁ、やるかぁ!」
「なんでそうなる!」

 そのまま鯖折へと移行した赤鬼を見つつ、嗚呼、この客に対する評価を変えなければ、と思う霖之助だった。カメラのシャッターが下りる音と共に堕ちていく視界と意識は、遠く白玉楼へと旅支度を始めたのだった。




次の日の『文々。新聞』の一面は「香霖堂店主、酒飲み鬼と熱愛発覚!?」となったと言う。



初めまして、なんだか生臭い名前の書いてる人です。何かを書くのは初めてであります。初めてなのにパロディネタをメインの私の脳味噌はどうなっているんでしょうか。シロアリでもいそうですね、探せば。
実はキャラも大して掴めておりません。言い訳がましいですね。いい訳であります。
ただ、霖之助と萃香の掛け合いが書きたかったんです。今はもう・・・後悔しか残ってないよ・・・。
さて、もう来ることもないと思うと名残惜しいですね。
誤字等の報告をお待ちしております。
それでは。

3/6 ちょっと修正&萃香に照れさせてみた。
生植木
コメント



1.名無し妖怪削除
萃香の巫女姿(隠せてないver)!?
見てえーっ!
2.名無し妖怪削除
紅いのもってこんかいwwwwwww
3.さねかずら削除
大丈夫、ワ○イージだったらちゃんと伏せたことになる!
だから緑巫女萃香は早苗さんの偽物だ!アレ?
4.削除
むしろ緑の巫女服なんてレアものどこで手に入れたよ、こーりんw
5.名無し妖怪削除
巫女萃香は某絵師の萃香でイメージ出来てるので普通に幻視できたぜ
6.名無し妖怪削除
ハリス噴いたw
7.☆月柳☆削除
萃香の鯖折り……なんか妙な姿が浮かんできたわww
8.名無しー削除
インパクトwwwwwwwwwww海苔に乗るといいよwwwwwwwwwwww
9.名無し妖怪削除
そういえば、土から作ったペーストをフランス料理に、堂々と入れてるシェフがいるらしい。案外食えんのかも。
10.名無し妖怪削除
早苗さんは青巫女だから、紅、青に続く第三の巫女という事に……
ところで何を隠せてないのか具体的に詳細を事細やかにですね――あれ、こんな時間に誰か来たようだ
11.名無し妖怪削除
↓隠せていないのは伏字の事では?
ってか緑巫女とか、どんだけーwww
12.名無し妖怪削除
まあ緑の巫女服ってそれなりに見かけるものさ
太宰府天満宮でちょこちょこ見るし
ボクは断然赤が好きだけどね!