Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

小悪魔に白い羽

2008/02/25 16:01:54
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 どうも…紅魔館にあるヴウル魔法図書館で
 司書をしている、小悪魔です……
「あれ?」
 朝起きたら……背中の羽が…
「こ……こあぁぁ~~!?」
 白くなっていました…… 

「た、大変です!」
 悪魔としての黒い羽は、とても重要な意味を持つ
 この黒い羽によって、悪魔として認められるからだ
「と、とりあえず……パチュリー様の所に行かなきゃ…」




 羽が白くなっても、仕事はあります
 自分の契約者にして、仕える主である
 図書館長の前に向かう

「……おはよう…こあ…えっ!?」
 いつものように、椅子の上に座ったまま
 本を読んでいる図書館長のパチュリー・ノーレッジが
 小悪魔の方を向いて固まる
「パチュリー様~……」
 小悪魔が涙目でパチュリーの方を向くと

「萌え!」
 パチュリーが全力で親指を突き出してきました
「萌えじゃないですよ!大変なんですから」
 小悪魔が怒るが、パチュリーは親指を突き出したまま褒める
「いいじゃない、似合うわよ?」
「え?そ、そうですか?」
 パチュリーに褒められて照れる小悪魔
「でも、これじゃあ小悪魔といえないわね」
 パチュリーに呟きに、小悪魔が真剣な顔をする
「そ、そうでした!このままだと、私魔界に帰らなければなりません」
「魔界に帰る?どの位?」
 パチュリーが軽い気持ちで小悪魔に聞くと
「……多分戻ってこれないかも知れません…」
「えっ!?」  
 思わぬ話にパチュリーも驚いた   

「羽が白くなったという事は、悪魔の証明が無くなったという事です
 その場合、魔界召還法32条によって、魔界に戻った後裁判が…」
 真剣な顔でそう告げる小悪魔に対して、パチュリーがうろたえる
「ま、まって……裁判って何があるの!?」
「……分かりません」
 小悪魔が悲しそうにそう答える
 その姿を見た、パチュリーが椅子から起き上がる
 そして、図書館の中を歩き出す
「……こあ…」
「…はい?」
 パチュリーが小悪魔の方を向く
「……何か方法が無いか探すわよ」
「えっ?……」
「貴方は消えたいの?」
 パチュリーのその言葉を聞いた小悪魔は全力で首を横にふる
「そうでしょ?……何より情報が無いわ、まずは調べましょう」
「はい!」 
 
 ここは、世界のあらゆる知識が集まる場所、ここに無い情報は無い
 小悪魔とパチュリーは何か情報が無いかを調べまわった
 そして、ある記載が目に止まった

「見つけたわ……」
 パチュリーのその言葉に、小悪魔がよってくる
 その文章を二人が読み始める

『何らかの要因により、悪魔の羽が別のものに変わる事は
 ごくごくまれな事也……またその例によっては魔界の神による
 裁きが下される……』

「魔界の……神?」
 パチュリーが不思議がっていると、その傍で小悪魔が震え始める
「こあ?どうしたの?」
「ま、魔界神……自らの裁きですか?…」
 とりあえず震えている小悪魔を、パチュリーは落ち着かせる為に
 後ろから抱きしめる……
「あっ……」
「…大丈夫?……」
 後ろから抱きしめられた事で、小悪魔も震えが納まる
「…すいませんでした」
「いいのよ…それより、魔界神って?」
 パチュリーにそう言われ、少しずつ話をする小悪魔

「文字どうり、魔界の神です…本来なら私のような名も無い
 小悪魔にとっては、一生に一度会えるかどうかの人です」
「……」
 パチュリーはその言葉を無言で聞き続ける
「魔界という世界の全てを収め、その御姿、魔力、
 そしてカリスマは、その場に居るものが動けなくなると聞いています」
「なるほど…」
 そこまで聞いたパチュリーが、更に考え始める

「ねえ…こあ…仮に魔界に帰らない事は出来ないの?」
 案の一つは、このまま帰らない事だ
 この紅魔館に居れば、裁きを受ける事も無いだろう
「いえ、駄目です……強制帰還魔法がかかりますから」
 魔界と、小悪魔を繋いでる大きな鎖みたいなものであった
 それにより、小悪魔は小悪魔としていられるので
 切る事は出来ないのである

「だったら、その神を倒す事は?」
 案の二つ目、神を打ち倒せば、小悪魔は裁きにかけられない
「駄目です!それしちゃうと、魔界と幻想郷の戦になっちゃいます!」
「むう……」
 流石にそれは不味い、紅魔館だけならまだいいが
 幻想郷となると、博麗の巫女や隙間妖怪が出てくる
 そうなると、こちらが攻撃されるだろう

 その他の案も全て考えたが、全てがどうする事も出来なかった
「こあ……強制帰還されるまで、どれだけ時間あるかしら?」
「えーっと……多分この羽が白くなったのが昨日と考えたら
 ……今日と明日…二日間ぐらいだと思います」
「…駄目…時間がなさすぎる……」
 いかに動かない大魔法図書館であるパチュリー・ノーレッジ
 でも、どうしようも無いときもあります
 パチュリーが己が無力である事を悔やんでいると
 しばらく黙っていた、小悪魔が口を開いた
  
「どうしても、魔界に戻らないといけないみたいです」
「まだ…まだ何か方法があるはずよ!」
 パチュリーの言葉に、首を横に振る小悪魔
「大丈夫ですよ…きっとすぐに戻ってこれます」
 その言葉が嘘であることは、誰の目にも明らかだった
 パチュリーにもその嘘が分かっていた
 だが、小悪魔は自分に心配をかけさせまいとする
 気持ちが分かっていたので
「そう……」
 パチュリーはそれ以上言えなかった



 小悪魔が魔界に一旦帰ることになったという事で
 紅魔館内で小さなパーティーが開かれた
 館の主である、レミリア・スカーレット
 その妹である、フランドール・スカーレット
 メイド長である、十六夜咲夜
 門番長である、紅美鈴
 そして、図書館長であるパチュリー・ノーレッジ
 紅魔館のトップのみによって開かれた小さなパーティー
 そして、いつ帰ってくるのかとたずねてきた
 それに対して、小悪魔は近いうちにすぐ帰ると答えて
 その小さなパーティーは幕を閉じた

「パチュリー様…一つ我侭聞いてもらえますか?」
 パーティーが終わり図書館に戻ると
 小悪魔がそう告げてきた
「なにかしら?」
 パチュリーが小悪魔に命令した事は良くあるが
 小悪魔が、お願いしてくる事は今までなかった
「あのですね……」
 小悪魔のお願いに、パチュリーはOKを出す事にした






「パチュリー様、用意できました」
「ええ、今行くわ」
 図書館の中は本来なら、飲食禁止
 だけど今日は少しだけ特別
「それでは……」
「乾杯ね」

 グラスとグラスが軽くぶつかる音が図書館に響く
「……そういえば、貴方と飲むのは初めてね…こあ…」
「えへへっ…一度パチュリー様と飲んで見たかったんですよ」
 小悪魔が頼んだお願いは、今日一晩パチュリーと
 ゆっくり話がしたいとのことだった
「そういえば、覚えてますか?私が始めて呼び出された時の事」
「ええ、大掛かりな魔法陣を組んでどんな悪魔が
 出てくるかと思ったら、小さな女の子ですもの」
「あ~酷い!私だってもっと凄い事頼まれるのかと思ったのに、図書館の司書ですよ?」
 ………
「パチュリー様ももっと可愛い服着ればいいんですよ」
「いきなりそんな事言われてもね…」
「可愛い服きて、一緒に遊びに行きたかったのに…」

 ………
 お酒を飲みながら、他愛も無い昔話に花を咲かせる
 そして、気がつけばすでにかなり遅い時間になっていて
 もうそろそろお開きの時間が近づいているのが分かった
「……ああ、でも魔界に行く前に一つだけ心配な事がありますね…」
 唐突に、小悪魔がそう呟く
「心配な事?……何かしら?」
 パチュリーが小悪魔に問かけると
 小悪魔は、少しだけ笑いながら答える
「パチュリー様一人だけで、この図書館に来る白黒相手に出来るか心配です」
 白黒…この魔法図書館にやってくる泥棒…
 霧雨魔理沙の事だ、パチュリーと小悪魔が一緒になって
 撃退に当たる事が多いが、それでも本を盗んでいく困り者であった
「……それが心配?…呆れた、もっと大変な事かと思ったのに」
 パチュリーはそう答えたが、内心凄く嬉しかった
 小悪魔は自分がどうなるか分からない状態なのに
 それでも、自分の事を心配してくれたからだ……

「……では、パチュリー様…そろそろ眠りましょうか」
 小悪魔が先ほどまで飲んでいたお酒を片付けると立ち上がる
 パチュリーも椅子から立ち上がると、小悪魔に一言告げた
「こあ……申し訳ないけど、寝室に行っててくれる?」
「えっ?…あっ、はいわかりました、でもパチュリー様は?」
「…ちょっとだけ読みたい本があるのよ…すぐに行くから」
 パチュリーはそう告げると、図書館の奥に向かった
 小悪魔も、少しだけ変な感じがしたが言われた通りに寝室に向かった




「……居るんでしょ?」
 小悪魔が寝室に向かったのを確認したパチュリーが
 低い声でそう告げる、すると
「ばれてたか…」
 本棚の奥から、人影が現れた
「……入り口に帽子が置いてあったわ」
「おっといけない…後で本と一緒に回収しておかなきゃな」
 パチュリーの目の前に現れたのは、白黒こと
 霧雨魔理沙であった……
「帽子は返すけど、本は置いていってもらうわ」
「それは困るぜ…丁度面白そうな本が見つかったんだ…貸してもらうぜ?」 
 二人は無言で対峙する
 そして、戦いが始まるかと思ったその時

「少し待って……」
「お?諦めて私に本を貸してくれるのか?」
 パチュリーが待ったをかけた
「……勘違いしないで、ここだと回りに迷惑になるだけ
 だから場所を変えるの(小悪魔にばれると迷惑がかかっちゃう)」
「まあ、私はかまわないぜ?」
 二人は移動を開始した 




「……ここなら、誰にも迷惑がかからないわね」
 パチュリーが魔理沙を招いた所は
 紅魔館の地下室……かつてフランドール・スカーレットが
 閉じ込められていた所だった
 今は、フランドール・スカーレットは姉の部屋の隣で
 眠っている事だろう
「へへっ……それなら…」
「ええ…コテンパンにしてあげるわ…」
 二人が戦う構えを見せる

「さくっと奪っていくぜ!七曜の魔法使い!」
「魔法の森に熨斗つけて返してあげるわ!白黒の魔法使い!」
 そして、戦いが始まった





「……パチュリー様遅いな…」
 寝室でパチュリーを待っている小悪魔は
 いつまで経ってもこない、自分の主を待っていた
「……もうそろそろ日にちが変わりそうな時間なのに…」
 不思議そうに思いながらも、小悪魔は寝室で待ち続けていた




「サイレントセレナ!」
 パチュリーがスペルカードを宣言すると
 その周りから、大量の弾幕が放たれる
「甘いぜ!」
 だが、その弾幕も魔理沙にはあたらない
 放たれる大量の弾幕のギリギリの隙間を器用に避け続ける
 そして、魔理沙に弾幕があたらないでスペルカードの効果が切れる

 すでに、かなり長い間二人は戦っていた
 パチュリーも己の持っているスペルカードのほとんどを使用していた
「くっ!…ロイヤルフレア!」 
 魔力によって生み出される、太陽を模した弾幕をパチュリーが宣言する
「おっと、これは危ないぜ」
 パチュリーの切り札の一つであるスペルカードを見た魔理沙も
 自分のスペルカードを取り出して宣言する
「くらえ!スターダストレヴァリエ!」
 大量の星のような弾幕が放たれて
 パチュリーの出した弾幕とぶつかりお互いが相殺していく    
 そして、ほぼ同時にスペルブレイクをする

(まさかロイヤルフレアまで破られるなんて……)
 すでにパチュリーの体力は限界であった
 本来ならば、ここまで全力で戦うはずは無かった
 だが、ある理由からこの場で魔理沙を倒さなければいけなかった
 故にパチュリーは最後のスペルカードを宣言しようとした
「賢者の!…」 
 だが、それよりも一足早く魔理沙が八卦炉を構えて
「食らえ!マスタースパーク!」
 幻想郷にその名が響く一撃をパチュリーに放つ
「!?」
 そして、パチュリーはその光の渦の中に巻き込まれた





「いくらなんでも遅すぎます!」
 すでに日にちも変わり、時間もかなりすぎていた
 寝室でパチュリーを待っていた小悪魔であったが
 これ以上は無理と判断して図書館にパチュリーを探しに行こうとした時
(ズズズズッ……)
「!?」
 地面が少しだけ揺れた、静かにしていないと分からないほどのものであったが
 小悪魔が心配するには、十分すぎるほどであった
「パチュリー様!」
 小悪魔は、全力で寝室から移動を開始した






「ごほごほっ!…」
 あのマスタースパークの一撃を受けてパチュリーは、倒れていた
 本来なら、スペルカードに使うはずの魔力を全て防御に回して
 何とか、マスタースパークの光の渦から生き残る事に成功したのだ
「へへっ…約束どうり、本は借りていくぜ?」
 倒れたパチュリーの前に、箒から降りた魔理沙が立っていた
 そして、大量の本を袋に詰めていた
「ごほっ…ごほっ…まちな…さい…」
 身体が弱いせいで、もう立ち上がる力も残ってなかったが
 それでも、パチュリーは魔理沙を止めようとしていた
 流石に、このまま置いておいたら不味いと思った魔理沙が
「あ~……とりあえず、小悪魔に居場所ぐらいは教えとくぜ?」 
 そう伝えて倒れているパチュリーに、背中を向けた
(こあ……くま…?)
 呼吸が苦しい中で、その言葉をきいたパチュリーが
 ボロボロの身体を押して立ち上がる 
 そして、後ろを向いている魔理沙に向かって飛び掛った
 




「も~う!最後になるかもしれないって時まで、心配かけさせるんですから!」
 小悪魔は、地下に向かって移動をしていた
 初めは、図書館の方に向かって移動をしていたが
 だが、魔力の残滓が地下からもれている事に気がついた
 小悪魔は、パチュリーが地下に居ると気がつき
 全力で地下に向かって移動したのだ
(でも、なんで地下に?)
 小悪魔は疑問に思いながらも魔力の出所をたどり
 パチュリーが居る所に向かった




「うっ、うわっ!?」
 突然後ろから飛び掛られた魔理沙が思わず
 バランスを崩しそうになるがなんとか、踏みとどまる
「くっ!だが、これで倒れる魔理沙様じゃないぜ!」
 パチュリーを背負ったまま立ち上がる魔理沙
「……ええっ…ごほっ!…立ち上がられるのも…計算済みよ…」
 だが、パチュリーはそのまま立ち上がられた状態から
 両足を魔理沙の腰に絡め、そして魔理沙の両腕を
 後ろから掴み思いっきり引き上げた
 その姿は、あたかも天空に飛翔する鷹の如し

「パチェスペシャル!ごほっ!ごほっ!」
「いだだだだっ!?」
 思わぬ痛みから、悲鳴を上げる魔理沙
「本を……返し…ごほっ!ごほっ!…なさい!げほっ!」
 技をかけているパチュリー自身もボロボロであった
 それを見抜いた魔理沙が何とか、逃げ出そうとする 
 だが、パチュリーは呼吸が更に苦しくなっても
 魔理沙にかけた関節技を外そうとはしなかった
「貴方を……一人で追い返さないと…(コヒュー)」
 すでに、呼吸もうまく出来ないような有様だったが
 パチュリーは渾身の力を振り絞り、魔理沙の腕を締め上げる
「小悪魔が…(コヒュー)安心して…魔界に行けないのよ!」
「いたたたた!わ、わかった、悪かった!本を返すから!」
 魔理沙がそう答えると、パチュリーから力が抜けた
 そして、二人とも倒れる…


「パチュリー様!?」
 その時、何者かが魔理沙とパチュリーの前に現れた
 その隙に、魔理沙が箒を持ってその場から逃げだした
 持って行くはずだった本を入れた袋を置いて……
「あ~…小悪魔、パチュリーよろしくな、今日は私の負けだといっておいてくれ」
「ま、まってください!」
 小悪魔が話すよりも先に、魔理沙は逃げていった     
 小悪魔は、追いかけようとしたが
「はっ!?パチュリー様!」
 それよりも、目の前で倒れているパチュリーのほうが今は先決だった
「しっかりしてください!」
「(コヒュー)こ…あ…?ごほっ!ごほっ!」
 小悪魔に気がついたパチュリーが、何とか話をしようとするが
 呼吸が乱れて咳き込む
「無理しないでください!」
 小悪魔はパチュリーを背負うと、急いで寝室にむかった
 
「(ぜい…ぜい)…こあ…」
「なんですか?パチュリー様…」
 パチュリーを背負いながら、地下から図書館まで
 移動している最中に、背負っているパチュリーが
 小さく呟いた
「魔理沙…ごほっ…私一人で追い払えるから……
 ごほっ!ごほっ!これで……心配…無いよね?」
 パチュリーが魔理沙を倒そうとした、理由だった
 小悪魔が、心配だと言ったその一言のために
 パチュリーは魔理沙と戦ったのだ
 小悪魔は、それに対して何も答えれなかった
 喋れば言葉以外に、目から熱いものがこぼれそうだったからだ

 寝室のベッドまで、パチュリーを運んだ小悪魔は
 横になったパチュリーの枕元で、涙を流した








「……はっ!?」
 次にパチュリーが目を覚ますと
 そこには、すでに小悪魔の姿は無かった
 咲夜から聞いた話だと、パチュリーは丸一日眠っていたらしい
 その間小悪魔は、パチュリーの身の回りの事を全て
 終えてから、魔界に帰って行ったそうな

「……こあ…」
 咲夜から、その話を聞いてから、再びベッドに戻ると
 パチュリーは再び眠り、そして傍に小悪魔が居ない事を思い出して
「むきゅう……」
 少しだけ…泣いた



 それからしばらく経った
 図書館の中に、一人で座り本を読むパチュリー
 そして、本を読むのを一旦止めて、図書館の中を見渡した
「……思っている以上に…図書館って広いのね…」
 一言呟くとパチュリーは再び本を読み始めた


(ねえ?こあ……貴方が居なくなってから、この図書館も
 随分広いものだと感じるようになったわ…。
 でも……貴方が帰ってくるまで待つから…早く戻ってきてね?こあ…)

 
 
「……あれ…?なんで…涙が…」
 小悪魔のことを、思い出せば思い出すほど目から涙がこぼれそうになる
「ひっく……こあ…早く……帰ってきてよ…」
 
 貴方が見たら驚くように可愛い服探してきて

「…可愛い服も……魔理沙や咲夜に見立ててもらって…用意したのに…」
 
 私の事、忘れないでよ……

「こあ……」
 パチュリーが机の上に突っ伏す
(駄目…もう泣きそう…)
 その時、後ろから誰かがやってきた
 パチュリーは、机に突っ伏したまま話しかける
「……今日は誰とも会うつもりは無いわ…」
 いつものように、白黒がやってきたと思った
 パチュリーはやる気の無い返事をした
「……」
 だけど、やってきた相手は何も言わずに
 パチュリーの傍にやってくると、耳元で呟いた

「パチュリー様…帰ってきました」
「!?」
 急いで振り向くパチュリー、そこにいたのは
 白い羽の……赤髪の天使が一人立っていました
 そして、パチュリーに抱きつく
「クラスチェンジで小悪魔から、天使に変わりました…でも小悪魔です」
 そう伝えてきた 

 泣き出す前に抱きしめて! 



 
 小悪魔はパチュリーが抱きしめる、
 及び、パチュリーは小悪魔が抱きしめる
 脇役大辞典にそう書いてあります!

 本当は、小悪魔とパチュリーののんびり話しをしようとしたのに…なんでこんなんなっちゃったカナ?
 いかん…スランプだ…OTL




おまけ

魔界神「やっほ~、アリスちゃん元気?」
アリス「お母さん!?何で幻想郷に居るの?」
魔界神「ちょっと野暮用でねぇ……ある子がクラスチェンジしてワンランク上になったのよ」
アリス「クラスチェンジ?」
魔界神「ええ、でも天使になるなんて初めて見たわ…あんな条件厳しいのに」
アリス「…どんな条件なの?」
魔界神「ん?え~とね……悪魔なのに、悪戯をほとんどしないで、好きな人が出来た時に羽が白く染まるの 
    それ以前に、クラスチェンジできる事が凄いのよ?…さて、久しぶりにアリスちゃんの手料理♪」
アリス「はいはい…上海、蓬莱、作るの手伝って」

 終われ
脇役
コメント



1.名無し妖怪削除
〇ラえもん、はツッコんでいいところですか?いや俺は好きですけどこういう話www
2.Docter DD削除
たしか悪魔は堕落した天使。
ということは素敵な小悪魔が天使になれるってのも矛盾がないような気がしました。

まぁ、そんなの関係なくパチェもこぁも可愛いですw
3.名無し妖怪削除
ヴウル魔法図書館 に一致する日本語のページ 2 件中 1 - 2 件目 (0.18 秒)
4.名無し妖怪削除
パロスペシャルwww
最後の技が格闘技……体弱いのに超人の技使って無茶すんなw
心配させまいとする心意気やよし、といった感じですきです
5.名無し妖怪削除
頭の羽は?
1.た
6.名無し妖怪削除
1.ただたんに消えた。2.環っかに。3.考えて無い。4.それ以外。
さあ、どれだっ!!
と打とうとしてミスったorz
7.名無し妖怪削除
つっこみたいところはもう既に他の方が言われていたので、とりあえず一言。
こあ×パチェ萌え!!!
8.ぺ天使B削除
頭の羽について、

5.実は取り外しができる。

が、いいな~。
9.卯月由羽削除
テラド○えもんwwww
そしてラストにニヤついた
10.名無し妖怪削除
6.黒いまま付きっぱなし。現実は非情である。
11.脇役削除
「こあ……頭の羽は?」
「はい!天使になった時に色が白くなりました」

 答え……ついているけど白くなったでした

楽しんでくれたら本望です
12.ななーし削除
ドラえ×んの所は笑ってもいいんですかだめなんすか…どっちなんですかorz
でもこれはいいものだ。
13.幻想入りまで一万歩削除
ああすいません、『脇役大辞典』を取り扱いの書店はここでしょうか?
三冊ほどほしいのですが(食べるよう、保存用、布教用に)・・・

いや~クラスチェンジですか、確かにこの手の行事はしかるべき場所に行かないとできないって相場が決まってますよね。
魔界出身のアリスもクラスチェンジできるのかな?
14.名無し妖怪削除
ド○えもんのせいで素直に感動できなかったじゃないかww
よかったです。
15.欠片の屑削除
こぁー!!
ドラ展開も含めて、可愛いよぅ…w
16.名無し妖怪削除
最後は「drizzly rain」の歌詞ですか?
ドラ展開よかったです。
17.nama-hane削除
○ラえもん展開の部分で鳥肌、涙が溜まって泣きスタンバイOKだったというのに・・・
パチェスペシャルがぁああ!!!wwww
18.時空や空間を翔る程度の能力削除
悪魔の館に天使が舞い降りた。
笑顔もきっと天使の微笑みでしょうね~。
19.名前が有ったらいいな削除
ド○えもんネタの中にさりげなくJOJOネタがあって吹いたw
20.ウェスカー削除
○ラえもん+JOJO第一部序盤てwww
つかラストでニヤけてた
21.青狸削除
これ○ラえもんじゃん!ド○えもん第6巻の最後の話じゃん!!

パチュリー頑張ってる間
俺ずっとニヤニヤしてたよww