Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

藍さまは、今日も親ばかなようです

2008/02/24 10:37:01
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「ふははははー。博麗大結界を乱すため、博麗霊夢は掌握したー。あとはぐーたらスキマの八雲紫のみだー」
「えへへへー。諭吉様の逆ハーレムだぁー」
「ソイヤッサソイヤッサソイヤッサ」
「げぇっ!ゆかりん!」
「ふふふ、私は最強の僕を手に入れたのよ! さあ、いきなさい!!」
「あっががっがが」



※本編にはなんら関係なく、以下もキャラ崩壊につき注意









最近、愛しの橙の様子がおかしい


ここ数週間ほどからだろうか
私が見ていないときにふらっとどこかへ出かけていき
そして同じように、気づかぬうちにいつのまにか帰ってきていたりする
しかも大抵帰ってきたときには、目の下に濃い隈を作り、手先には小さな怪我
そしてそのまま、ろくに会話もせず熟睡してしまう始末
・・・これが世に言う、第二次反抗期とかいう現象なのだろうか



否、そんなことは断じてない。というか認めない
大体、第一次反抗期もなかったのに第二次に移行するなどと言語道断
ましてや我が橙が、反抗期など迎えるはずもない


と、いうことで、なんとか帰ってきたところを見計らって声をかけてみる事にした


「橙。最近帰りが遅いがどうしたんだ?」
「りゃっ、藍様?! い、いえべつに、なんでも・・・」
「・・・最近帰りも遅いし、ご飯もあまり食べてないじゃないか」
「そ、そんなことないですよ? ほら、今日もお魚ちゃんと食べました!」
「いつもの半分しか食べてないじゃないか。大体、橙はいつもは骨まで綺麗にしてるだろう」
「え・・う・・・・・・」
「あまり寝てもいない様だし、そんなことだから食欲もなくなってしまうんだぞ?」
「・・・・・・・・・・」
「折角用意されてる食事なんだ。多少抜いても体に影響は出ないとはいえ、出されたものはきちんと・・・」
「・・・・・ぅ・・・・・っ」
「・・・・橙?」




「ひぅ・・・っ、ぅっ・・・うわあああああん!! る、りゃんざばのばかあああ!!!!」
「??!!?」



握りこぶしの両手で目を覆い、号泣しながら走り去っていく橙
そしてそれを呆然と見送る私


・・・・・・私が・・・私が橙を・・・・・あのラブリーで愛くるしい橙を泣かした・・・・?


「う・・あ・・うあああああああ!!!」


「とりあえず喧しいわよ」

『生まれてなんかこなきゃよかった』と叫ぶヒロインばりに泣いていた私を
紫様がスパコンと愛用の傘でおたたきになる

「ゆ、ゆがりざまぁ・・・・」
「・・・あなた、一応私の式なんだから、もう少しシャンとなさい。ちょっと泣かれた位でなんですか」
「で、でもぉ・・・・」


だって、あの橙が

てててっと走ってきたら思わず捏ね繰り回したくなるほど可愛い橙が

揺れる尻尾を見ていたら思わずあまがみしたくなるほど可愛い橙が

ご飯をおいしそうに食べてるときの両頬がぷっくりしててつつきたいぐらい可愛い橙が

一緒に湯浴みしてたら思わず背筋に唾液たらしそうになるぐらい可愛い橙が

「だいだい」ってするのも気が引けて「ちぇん」で単語登録するほど可愛い橙が・・・・


「病気ね」
「橙が・・・橙がぁ・・・」
「あーよしよし。泣かない泣かない」

半ば退行気味の私を、紫様はそっと抱きしめてくださる
普段は割と破天荒的な方だが、こういうときはしっかり主としての品格を持っているから困る



「どうせまたしばらくしたら帰ってくるでしょうし、大人しく様子を見るのね」
「う゛・・・・」
「あなたも、仮にもこの八雲紫の式でしょう。もう少し大きく構えてなさい」
「・・・・・・・」
「返事は?」
「・・・はい・・・」
「よろしい」
そういうと、紫様は私から離れて
「それじゃあ、少し出かけてくるから。夕食はおいといて頂戴」
「・・・・かしこまりました」

悠々とスキマに消える様子を、鼻をすすりながら見送る
きっとまた、紅白の巫女としっぽり過ごすつもりなんだろう

でも紫様、夜な夜な荒い息して、スキマから神社の様子を覗くのはおやめください
その様子を橙が見ていたとき、体をまさぐる手の動きをどう言い訳すればいいのやら
若返りマッサージってことでいいですか?





そうして数刻後、薄目を開けて寝たふりをしていると
橙がふらふらと帰ってきて、こてんとその場で眠り込んでしまった

「おやおや・・・」

呆れたように身を起こし、そっと橙の傍による
涙をぬぐった後はあるが、だいぶ泣いたのだろう、頬が少しはれぼったくなっている
目じりにもまだ少し涙がにじんでいるままだ

ああまったくこんな格好でも橙は本当に可愛くて正直思わずプリンセス天狐Illusion


「んぅ・・・」
「っ?!」

邪念を感じ取られたのか、慌てて身を引く
が、ただの寝言だったらしく、またすやすやと寝息を立てている

「・・・まったく」

布団代わりに、自慢の尻尾を上にのっけてやる
布団をもってくるよりもこちらのほうが早い
それにあまりたいそれた事もいえないが、少なくともそこらの寝具よりは相当上等なはずだ

「本当に心配をかけさせて・・・」

すっとしゃがみこみ、髪を少しかきあげ額を撫でてやる
少々情けないが、こうしていると微笑がこぼれるのを止められなかった・・・







夜も明けて日が昇り
そろそろこちらもうつらうつらしてきた頃に

「みぃ・・・・・むっ」

ふぁさふぁさと尻尾が顔に当たって少しぐずる橙
まずい、少しかまいすぎたか?

「ん・・・・あむ」

・・・ちょ、ちょっと橙、それは私の尻尾だ! 決してレモンとかそういうものではない
だからそんな先を加えて吸ったりするな!!
ああそんなちゅぱちゅぱなど淫らな音をたてるんじゃあない!

ら、らめぇ・・・もっと吸って

「あふ・・・あ・・・藍様・・・・」
「や、やぁ・・・起きたのか」

紅潮させていた頬を瞬時にさまし答える

「え・・・あ、ご、ごめんなさい!! その・・・ちょっと汚してしまって・・・」
「まぁ、寝ぼけていたのなら仕方ないだろう。気にするな」

寧ろもっと吸ってくれ

「それで橙、少しは落ち着いたかい?」
「あ・・・はい。ごめんなさい・・勝手に飛び出して」
「いいんだ。まぁ言い過ぎた私も悪い」

項垂れる橙に、思わず息が荒くなりそうになるのを必死で抑える
落ち着け私。数字の魔術師といわれた私だぞ?
こんなときは素数を数えるんだ。 123456・・・

「・・・藍さま?」
「んんぐぅ??!」
じーっと上目遣いで眺めてくる橙に鼻血を拭きそうになり
なんとか外に出さず口の中へ逆流させる。しょっぺえ
「まだ怒ってますか・・・?」
「あ、いや。怒ってなどいないよ。元々気を回しすぎたこちらも悪かったんだし」
「よかったー」
「それじゃあ橙、今日は一緒におふr」
「それじゃあ、また行ってきまーす!!」
「あっ・・・・」


手を伸ばそうとする私を完璧といえるまでに無視し
とてもいい笑顔で橙は出て行った
橙が・・・・私がとても可愛がっている橙が・・・・
橙で調べれば関連検索で「藍 橙」とでるほどまで愛情を注いだ橙が・・・・!!


「う・・あ・・うあああああああ!!!」


「だから喧しいっていってるでしょうが」
「おふぅっ!!」

昼ドラのヒロイン並みにむせび泣いていると
紫様が今度は靴を脱いで、思い切り背中を蹴り飛ばしてきた
なんて柔らかい感触・・・っ!  も、もっと右上

「お、お休みだったのでは・・・?」
「あなたがそんなんじゃ、気がかりで寝てられないわよ」
「う・・・」
「だから放っておきなさいといってるでしょうに」
「し、しかし・・・」
「・・・全く、部下のメンタルケアも社長の仕事かしらね」


紫様は、はふぅと息をつくと一つスキマを作り出し

「ほら、行くわよ」
「行くとは?」
「橙の行き先に決まってるじゃない。大方の検討はついてるんだから」
「え?! いや、しかし、そんな勝手に先回りというのは・・・」
「可愛い雄猫が待っていたとしても?」
「行くぞ靴下」
「はひゃぅん?!」

紫様は部下の言葉攻めには弱かった









「本当にこんなところに?」
「ええ。まぁ向かった方角から見てね」

少し不安になりきょろきょろと周りを見回す
ここは森の中の一軒家
かの人形遣い、アリス・マーガトロイドの自宅前である

「それにしてもなんでこんなところに橙が・・・っ! まさかアリスが夜な夜な橙を調教に・・・!」
「あなたもなかなか想像力逞しいわね」

これみよがしにため息をつかれるも、こちらとしては気が気でない
「っ! しっ、来たわよ」
「えっ?」

問答無用で口に手を当てられ、近くの茂みに身を隠したと同じに
橙がぴょんぴょんと跳ねるようにアリス邸のドアを開けた

「こんばんはー」
「いらっしゃい。待ってたわよ」

待ってたわよだとぉ?!
おのれ人形遣い、私の橙をたぶらかしてくれたなぁ?!
貴様など一人でおままごとセットでもつくっているがいいわ!!

「いいから落ち着きなさい」

紫様に諭されて、ひょこっと窓から中の様子を覗き見る

「・・・で、調子はどう?」
「うん! ほら、見てみてー」
「あら、もうあとは整えるだけじゃない。この分ならもうすぐ終わりそうね」
「うん! あれ、アリスは?」
「私もそろそろ終わりかしらね。それじゃあ、今日は一気にがんばりましょうか」
「はーい!」

橙が嬉々とした様子で手を上げる
それにしても・・・なにをしているんだ?
なにやら机の上に小さいものを置いているが・・・
ん? あれって・・・


「それにしてもよくここまで作ったわね。私に頼めばちゃんと完成したのをあげたのに」
「うー・・・でも、ちゃんと私がはじめから作ったのをあげたかったから」
「・・・そうね。大好きな人には、ちゃんと自分で作ったものをあげたいものね」
「え、えへへ・・・そうかなー」
「あ、ほら、手元が狂い始めてるわよ。そこ、ほつれ始めてる」
「あっ、わっ、わわっ?!」
「ふふ・・・私もそろそろ仕上げようかしらね」




「・・・この間、橙に相談されたのよ。『藍様が欲しいものってなんでしょうかねー?』って
 あの子はいつも忙しそうだから、もう一人あの子が増えたら助かるんじゃないかしら、って
 冗談交じりで教えたのだけれど、まさかあんな事を考えるなんておうふぁ?!」


泣いた

私は泣いた

顔を真っ赤にして、涙をはらはらと流しながら泣いた
橙・・・お前は私のためにそこまで・・・!
あとごめんねアリス。勝手に疑って

「紫様! 今からちょっと橙を抱きしめに行ってきます!」
「なっ?! ちょっ、待ちなさい!」
「ええい離してください紫様! 橙が! 橙がぁ!!」
「だから、あの子はあなたに渡すまで内緒にしときたくて黙ってたんでしょうが!
 あなたがぶち壊してどうするの!?」
「ええい離せようじょしゅう!うおお今すぐ抱きしめるうぅ!!」
「らめえぇぇ!一つ文字とっただけで犯罪性増してらめえぇ!」


・・・喚く私を、紫様は半ば恍惚とした表情で無理やりスキマへ運んで行ったのだった






「あ、あの、藍様!!」
「ん?どうした橙」

翌日
橙は後ろ手に何かを隠し、もじもじしながら私に声をかけてきた
私のほうはというと今すぐにでも抱きつきたい心境であったが
伊達に長生きはしていない。必死の忍耐力で完璧なまでの微笑を保っていた

「あの・・・えっと・・・」
「ん?」
「その・・・これっ!」

中学生の告白もかくや、といった様子で
少し不恰好なラッピングが施された箱を一つ差し出した

「これは?」
「あの・・・藍様、いつもいろいろ大変なお仕事なさっているし、いっぱいお世話になってるから!」
「ふむ・・・労いの贈り物、といったところかな。でも、いいのかい? 私なんかがもらって」
「はい! 藍様にもらって欲しくて、がんばりました!」

満面の笑み
これはヤバイ。お前の笑顔で私がヤバイ

「ありがとう。・・・今、開けてもいいの?」
「はい!」

ラッピングにも苦労したのだろう
少し位置がずれているリボンを丁寧に解き、包み紙シールを慎重にはずした


「・・・これは」




中から出てきたのは、藍の姿を模した人形
尤も、それはあの人形遣いが作るような人形ではなく、ぬいぐるみのようなものだったが



大体食膳の箸程度の背丈だろうか
中には綿のようなものが詰めてあり、きちんと帽子をかぶっている
大変だったろうに、糸で口を、小さな南京玉で目を飾ってある
服も凝ったもので、わざわざ本体を作ってから上に着せたようだ
そして、苦労のあとがにじみ出ているような尻尾



全く・・・お前という奴は・・・


二本、足りてないじゃないか・・・・・・馬鹿・・っ!



「ら、らんさま?!」

ぽろぽろと泣き出してしまった私は、耐え切れなくなって橙を抱きしめた
七本しかない尾だったが、それはよくみれば確かに見事だった
一本一本、きちんと細かいところも縫われていて質感も柔らかく
確かにこれは、いつも触れている者でないと作れないだろう

「・・・ありがとう・・・私は、嬉しいよ・・・・っ!」
「・・・えへへ・・」


頬をぽりぽりかいて、照れくさそうに笑う橙

二本足りてなかろうが、なに
橙がいれば二本足して万事解決さ
数字の魔術師にしてはお粗末な理論だが、そんな事はどうでもいい
私は・・・私には、お前がいなければ駄目なのだから



しかし、困った
泣き止めない
どうにか涙を引っ込めようにも、奥から奥からあふれ出してくる

「藍様・・・?」

心配した様子で泣き顔を覗き込んでくる橙
ああ、その指先の怪我も、これを作るためにこさえたのだろう
まったく、本当にお前はどこまでも愛しい

「ひゃぅっ!?」

思わず傷だらけの指を口に含み、身じろぎする橙

「じっとしてなさい。気休めだろうが、少しは癒えるだろう」
「あ、あう・・・・」

居たたまれないのか、橙は真っ赤になってそっぽをむいたり、俯いたりしている
どうせなら、もうこのまま・・・・





「・・・そろそろいいかしら?」
「ひゃぃ?!」

せっかくいい感じになってきたのに
我らが紫様が後ろから声をかけてきた

「ゆ、紫様・・・・」
「橙、渡せてよかったわね。それで早速なのだけれど、ちょっと部屋のお掃除してきてくれるかしら?」
「は、はい!!」

たたたっと走ってく橙を見送った後、紫様を恨みがましそうな目で睨むと

「・・そんな目で睨まないでくれるかしら?一応助け舟を出したつもりなのだけれど」
「助け舟?」
「いくら流されやすい状態だったからといって、性急になるのはおやめなさい
 あの子だってあなたのことは信頼しているけれど、無知な子に急に迫るのはよくないわ」
「・・・・・・・」
「事に及ぶなら、もう少し冷静になって、お互いちゃんと落ち着いてからなさい
 あまりがっついても、力が先走ってやな思い出を残すだけよ」
「・・・わかりました」

言われてる事はもっともなので、神妙な顔で頷く
本人はしょっちゅう神社の巫女などにセクハラまがいのことをしているが

「時間なら腐るほどあるんだから、別に焦る事は何もないはずよ?」

ふにゃっとした笑顔で言われて、ようやくこちらも相好を崩す
・・・本当にこういうときは、主としての品格を持っているから、困る


まぁ、確かに焦る事はない

「藍様ー!ちりとりってどこにしまいましたっけー?」
「ああ、そういえば奥にしまっていたな。ちょっと待っていろ!」
「はーい!」

ぺこりと紫様に一礼し、ぱたぱたと駆けていく










そう、焦る事はないのだ



この愛情は、きっと何百年経とうと、変わる事はないのだから・・・・




マヨヒガの掃除は箒と塵取りでいいのか悩みつつ
妖々夢の咲夜さんはマジでマブい


寝る前に誤字修正。ありがとうございました
この誤字はあまりにも酷い
樽合歓
コメント



1.名無し妖怪削除
>部下の言葉攻めに弱かった
他の全てかすむくらい吹いたわwww
2.名無し妖怪削除
マッサージする紫・・・ゴクリ
誤字か俺の勘違いか
>「はい! 紫様にもらって欲しくて、がんばりました!」
藍様 じゃないかなこれ。勘違いなら申しわけない
3.名無し妖怪削除
だから藍橙は和むんだ
4.名無し妖怪削除
>紫様が今度は靴を脱いで、思い切り背中を蹴り飛ばしてきた
何気に手加減しとるw
ちょっと蹴られて来ます
5.名無し妖怪削除
ようじょしゅうってwww
藍様、いい感じで暴走してますなw
6.Docter DD削除
>こんなときは素数を数えるんだ。 123456・・・
藍wそれ素数ちゃう!自然数や!
7.名無し妖怪削除
>「だいだい」ってするのも気が引けて「ちぇん」で単語登録
俺もこれやってるわwwwwwww
8.名無し妖怪削除
「行くぞ靴下」wwwwwwwwwwwwwwwww
9.名無し妖怪削除
尻尾吸っちゃらめぇぇwwwwwwwwwww
10.名無し妖怪削除
藍さまの鉄の理性を決壊寸前まで追い込むとは・・・w
いつも自覚がないから橙はかわいいんだよ
ところで続きはあっちですか?
11.三文字削除
藍様色々とらめええええww
だいだいで橙と変換している自分はちょっと蹴られてきます。
言葉攻めに弱いゆかりんにときめいたww
12.名無し妖怪削除
ようじょしゅうのどの文字を抜いたら危険度が増すのか考え中…どれだろう。
Mなゆかりんもいいなあ。靴下www
13.名無し妖怪削除
やっぱり橙も大人になったら二人のようになってしまうのだろうか……ww
社長>ボーダー商事ですかww

↓の人へ しょうじょしゅう→ようじょしゅう(危険度アップ)ですよ多分