Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

いっしょう

2008/02/18 10:06:19
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森の中に、香霖堂と呼ばれる中々つぶれない古道具屋がある。
いずことも知れない場所からやってきた道具が並んで、静かに時を刻んでいた。
どこか色彩に乏しい印象を受けるその道具屋に、お客が一人、訪れている。
正確にはその客は人ではない。なぜなら、少女の頭から角が生えていたからだ。

「だから、お酒を少し分けなさいよ」

少女の身振り手振りを混ぜた交渉。店主である森近霖之助のすぐそばを
ものすごい音をたてながら錘が通過していった。

「そうは仰いますが、基本は等価交換となっておりまして」
「そんな道理は無理してひっこめてよ。霊夢みたくツケで」
「駄目です」

しばらく悩んで、少女は瓢箪を取り出した。その瓢箪は、ちゃぷんと音を立てている。

「じゃあじゃあ、この中の秘蔵の酒と交換で」
「……まあ、いいでしょう。いくらでも出るとはいえ、鬼のお酒は珍しいですからね」
「え、なんで瓢箪の秘密を知ってるの!」
「秘密です」

お酒があるならそれを飲めば良いだろう、と思う霖之助だった。
だが余計なことは商売でも人生でも、理解してる範疇なら言わないほうが良い。
残念なながら既に余計なことを言っている自覚は、無かったが。

「で、いくら出せばそのお酒、くれるの」
「珍しいお酒ですから、そうですね……『一升』いただきましょう」
「い、『一生』?!大きく出たな」

目を大きく見開き、胸に手を押さえながら後ろに下がる鬼の少女。
何をどうを勘違いしているのか、ほんのり顔が赤い。

「無理に、とは言わないよ。ゆっくり考えてくれ」
「……うん。その、ちょっと考えさせて」

無理難題を出したつもりは無いのだけど、と考える霖之助。
その言葉の真意に気づくのは、はたしてどちらだというのか。

答えを知るのは店と、古道具と、机の上に置かれている甘味果実酒。
かも、しれない。
ポートワインを飲む機会があったので、つい書いてしまいました。
甘いお話と、か書けるといいですよね。
ぽんこつたぬき
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コメント



1.脇役削除
うわ、スイカの勘違いww
でも可愛いから許す!
2.名無し妖怪削除
萃香かわいいよ萃香
でも萃夢想の萃香はなぜか好きになれない・・・
3.ラシカ削除
続きに期待……ハァハァ
4.時空や空間を翔る程度の能力削除
日本語って難しいねwwww
5.欠片の屑削除
この幼な妻候補の萃香は、非常に可愛いw
6.幻想入りまで一万歩削除
やーヴぁい、これは『キタ』ね。勘違いのスイカがかわいいなーチクショーww
7.名無し妖怪削除
これはちょっとヤられたかもわからんね
8.名無し妖怪削除
うん、日本語って難しいですね。
9.名無し妖怪削除
やばい。俺ちょっとニヤニヤしてる。
10.名無し妖怪削除
これはよいにやにや
物語通り王道に弱い鬼娘かわいいよ鬼娘
11.名無し妖怪削除
キタコレ! 勘違いラブコメ!!
しかも萃香のキャラに合う可愛いらしさが上手く書けてる・・・。良作だねっ!
12.名無し妖怪削除
萃香かわいい!…が、意外とインテリな萃香はこんな間違いするとは思えない気もする