【前書き】
季節感ゼロですw。
というか、真逆ですw。
しかも、軽いお話です。
自分で書いていても、なんでこんな時期に?と思っています。
が、とりあえず思い浮かんだので書いてみました。
プチ創想話24の「厄神様の平凡?な日常」の続き物と思っていただければ、幸いです。
もし、お読みでない方がいらっしゃれば、先にそちらをお読みいただいたほうがよろしいかと思います。
今回も、ご承知の様に雛のお話です。
前回の「大切なお守り」と同じ様に、雛目線で書いていきます。
名も無きオリキャラ?も、またも出ますので、読まれる方の脳内補完で設定していただければと・・・
では、マッタリとお読みください。
※ ※ ※
「フゥ・・・暑いわね・・・・・」
私は、夏の夕方の暑さに少しやられそうになり、家の近くにある池にいた。
ブーツを脱いで、スカートを少し巻くって、池のほとりにある大きな石に腰掛けて、
足を池の中に入れていた。
「フゥ・・冷たくって気持ちいいわ・・・」
足をゆっくり動かしながら、水面をチャポチャポとかき回す。
波紋が綺麗に水面に広がり、一層涼しさが増す。
フッと池の底を見ると、この頃ここに参拝?に来てくれる里の人間が投げ入れて行ったと思える
賽銭がたくさん池の底に沈んでいるのが見える。
波紋でよくは分からないけど、夏の夕方頃の日差しを受けてキラキラ光る賽銭は結構な量があるわね。
「やっぱり、今度賽銭箱でも置こうかしら?」
フッとそんな気になっていた。
「ガサガサ・・・・」
突然、池の後ろの森から人間がやってくる音が聞こえたきた。
「ん?こんな時間に・・・誰かしら?」
とりあえず、私は辺りを急いで片付けて池の後ろにある大木の後ろに隠れる。
しばらくすると、足音と共に、数人の声が聞こえてきた。
声からすると・・・多分子供・・・男の子ね。
いち・・・にい・・・さん・・・・ 6人いるわね。
その6人の子供は、池のほとりにやってきた。
親分格?と思える子供が手に何かを持っている。
・・・何か筒の様な物ね・・・
池にお祈りに来た訳でもないし・・・一体何をしにきたのかしら?
そして、そのまま様子を見ていると・・・
その親分格の子供が、池のほとりにあった一本の木に、その筒を縛り付けた。
「いいか! ここにつけるからな!」
「うん、分かった!」
6人の子供がその筒の場所を確認し終わると、そのまま来た方向へ帰っていった。
・・・一体何かしら?・・・
私は気になって、子供達の気配が消えたのを確認してから池のほとりに戻って、その筒を確認してみる。
筒を覗くと・・・中に一本の棒?の様な物が入っていた。
その棒には、子供の書いた字で「一番」と書かれていた。
・・・・え?これは一体何なの?・・・・
いまだにコレが何をするものなのか分からない私は、子供達の後を追ってみた。
幸い、すぐにさっきの子供達は見つかった。
森の入り口の所で座って話し込んでいるのをすぐに発見できたから。
私は、子供達が話し込んでいる場所のそばにある大木の上から、子供達の会話を聞いてみる。
・・・フムフム・・・なるほどね・・・ようやく理解したわ・・・・
あの子供達は、今晩ここで肝試しをやるみたいね。
2人1組になって、さっき池に置いていった筒の棒をどの組が一番早く取れるのかを競争するみたい。
今、さいころで組決めと、森に入る場所を決めているわ・・・・
・・・・なんか見ているコッチもワクワクしてきたわ・・・・
子供達の楽しそうな姿を見ていると、こっちもそんな気分になる。
あ、全部決まったみたいね。
組ごとに自分達が森に入る場所を確認しているわ。
へぇ・・・あそこと・・・あそこと・・それからあそこね。
おおまかにその場所を把握した私は、ちょっとだけ悪戯心が芽生えてきた。
「フフフッ・・・じゃあ、おねえさんが君達の肝試しにちょっとだけ演出しちゃおうかな?」
思わず、顔がにやける。
夕刻を告げる半鐘が聞こえてくると、「じゃあ、今晩ここに集合な!」と言って子供達は里に帰っていった。
私は、木の上で浮かび上がってくる悪戯を想像しては、顔をにやけさせていた。
「じゃあ、私も準備しようかしら? ウフフッ」
私はワクワクしながら、森の奥へと帰っていった。
※ ※ ※
その日の晩。
すでに里の明かりもほとんど消えてほぼ真っ暗な状態。
私は森の入り口の木の天辺に居た。
夜空に浮かび上がる月を見上げる。
「良い月ね・・・明日は満月ね・・・」
少しだけ欠けた月だが、月明かりは今から始まる私の小さな悪戯には最適な明るさを発していた。
里の方から、小さな明かりがこちらに向かってくるのが見えた。
数は6つ・・・あの子供達ね。
その小さな明かりは序々に集まり、森の入り口に集まった。
「よし・・・みんな集まったか!」
親分格の子供が小声で全員に話す。
「おう!」、「は~い!」
それに周りも返事をする。
子供達は、手に提灯や鉱石ランプを持ち準備万端。
「じゃあ、コッチも始めようかしら?」
私は、今日の会場となる場所に結界を張る。
こうしておけば、森の中にいる人間を食べてしまう妖怪は、この中に入ってこれない。
「ウフフ・・安心して楽しんで行ってね・・・・・」
ダメだわ・・・顔のにやけが止まらない・・・・
そうしていると、子供達がさっきさいころで決めた組に分かれ、自分の組が森に入る場所へと
移動していった。
「始まるわ・・・楽しみね・・・」
すべての準備が整ったのを確認して、「じゃあ、始めるぞ!!」と親分格の子供が声を出した。
周りの子供が暗闇の中で、持っていた明かりを振り、準備OKの合図を親分格の子供に送る。
「じゃあ、始めるぞ!」
そういって、親分格の子供は大きく手を叩いた。
それが開始の合図。
それを聞いた子供達は、一斉に森の中に入っていった。
※ ※ ※
「さあ、始まったわ・・・」
子供達が全員森に入ったのを確認した私は、森の入り口に厄を張り巡らせる。
ただでさえ暗い森が、さらに暗くなる。
多分、今子供達が振り向いても、すでにその先にある里の光や月明かりすら見えない位に真っ暗なはず。
そして、厄の塊をたくさんの小さな火の玉の形にして、森の中に散布する。
「フフッ・・途中棄権は認めないわよ~・・・」
木の上から、ゆっくりと・・慎重に池に向かって進んでいく子供達の姿を見て、
私の顔はドンドンにやけていった。
「さて・・・じゃあそろそろ本番行こうかな?」
私は、火の玉の形をした厄を操って、子供達の近くに飛ばす。
ポゥと淡い紫色で発光している火の玉厄が子供達の周りで飛び交う。
「うわっ!!」
「ギャア!!」
「なんだコレ!!」
あちこちで悲鳴と叫びが聞こえる。
「ウフフ・・・いい声ねぇ~・・・」
その叫び声を聞きながら、私はさらに調子に乗る。
「それそれ~!! アハハッ!」
火の玉の形だけでは飽き足らず、厄の塊を怪物の形にしたりして、子供達を驚かす。
「ギャァァァ~!!」
さっきよりもいい悲鳴だわ~・・・
私の顔のにやけが止まらないわ・・・
数人の子供が森の外に引き返そうとしていたけど、森の入り口に張り巡らせた厄の壁を見て、
さらに恐怖に怯えているわ。
そうしていると、引き返すのを諦めた子供達は恐怖に怯え走りながら池に向かっていった。
池に行けば、もしかしたら里の人が言っていた様に、女神様が居て助けてくれるかもしれない・・・と思って。
脇目も振らず走って来たすべての子供達が池のほとりに必死の形相で集合していた。
池の辺りは上空が開けているので、明るい月明かりでお互いの顔をみて、少しは安心しているみたいね。
もう、筒とか棒とかの事は頭の中にはないみたい。
見ていると子供達は、池に向かって必死に祈りはじめた。
「女神様・・・助けてください・・・」とつぶやき、恐怖でガタガタ震えている体で。
「ウフフッ、残念ね~、里の人の言っていた女神様って、わ・た・し!」
そして最後の仕上げ!と言わんばかりに、私はさっきまで森の中に散布していた厄をすべて集め
自分の体の周りに漂わせる。
真っ黒い・・ドス黒い厄の塊と化した私は、池で必死に祈っている子供達の前・・・
池の水面の上の空中で静止した。
『さあ・・その目を開けて前を見てごらんなさい・・・』
お祈りが終わって子供達が目を開けた光景を想像して、私の顔は一段とにやける。
そして、お祈りが終わった子供が目を開けて前を見る。
・・・・あ・・あれ?・・・・・
目を開けていった子供から順番に、白目を剥いて倒れて行っているわ・・・・
・・・やり過ぎた・・・かしら・・・?・・・・
6人全員が池のほとりで気絶している姿を見た私は、しまった!と思い始めた。
「・・・やり過ぎよね・・・やっぱり・・・・」
私は首をすくめながら、ちょっぴり反省した。
※ ※ ※
少しだけ罪の意識が出てきた私は、家から人数分のタオルと虫除けを持ってきた。
タオルを子供のお腹の部分にかけて、お腹が冷えない様にする。
いくら夏の暑さとはいえ、池のほとりは結構涼しい。
子供達が持っていた提灯や鉱石ランプも、丁寧に子供達の横に置いておく。
虫除けも、数ヶ所炊いて子供達が蚊に喰われない様にする。
「やっぱり、やり過ぎよ・・・ね?・・・」
結界を解いて、気絶した子供達を見ながら、池のほとりの石に腰掛けて、足を池に入れて涼みながら私は思っていた。
「いいわ・・朝まで私がここで見張ってあげるわ。 朝になれば参拝してくる人も来るだろうし・・・」
そう言い、子供達の寝顔を見ながら子供達から厄を抜き取り、私は池で涼みながら夜を明かした。
※ ※ ※
早朝。
薄日が差しこんで来た森の外から声が聞こえてきた。
「あ、そろそろ参拝の人間が来る時間ね」
私は最後に忘れ物がないかを確認して、池から離れる。
池のほとりには、気絶した子供が6人、お腹にタオルをかけられた状態で横になっている。
「おねえちゃん、ちょっとやりすぎちゃったみたいね・・・ごめんなさいね」
クスッと微笑みながら、そうつぶやいて、木の陰に隠れる。
しばらくして、早朝に池に参拝に来た人達の姿が見えた。
その人達は、池のほとりで気絶している子供を見るなり慌てて駆け寄り、子供達を起こしていた。
「おい! 大丈夫か!!」と言いながら、軽く頬を叩きながら子供達を起こす。
「う・・うう~ん・・・・」
子供達は目を覚ます。
朝の明るい光に目が慣れていないので、まだハッキリと周りが見えていないが、
段々と見えてきた光景に子供達は昨晩の事を思い出す。
そして、起こしてくれた大人達を見て、涙目になり大人達に抱きついた。
「怖かったよ~!!」といいながら。
木の陰からその光景を見た私は、なぜか悪戯心がまた沸いて来た。
「ダメよ・・・でも・・・我慢出来ないわ!!」
我慢できない私は、その子供達が抱きついている大人達の後ろにコッソリと立って、
厄を展開した。
まだ、昨日の恐怖に怯えていた子供にとっては、最悪の光景だったかも・・・ね?
自分達が気を失う寸前に見た物が、また目の前にいる・・・
大人達に抱きついていた子供達がその光景を見て、叫び、また気を失った。
私の姿が見えていない大人達は、突然の子供の叫び声にビックリしていた。
私は、悪いなぁ~と思いながらも顔をにやつかせながらその場を急いで立ち去る。
「だって、我慢できなかったんだもんっ!」と言いながら・・・
池のほとりでは、抱きつかれながら気を失った子供達に大人達が困っていた。
そして、子供達を抱えて大人達は里へ帰っていった。
※ ※ ※
その夜。
夏の夜の暑さに耐えられなかった私は、池のほとりで涼んでいた。
「それにしても、昨晩は楽しかったわ・・」と、その光景を思い出して一人でクスッと笑っていた。
上を見ると、大きく綺麗な満月があった。
「いい月ね・・・」
その時、森の方から怒声がした。
「こらぁ!!厄神~!!どこだぁ!!」と・・・
私は、「ん?」と思いながら、その方向を見る。
そこには・・・・
怒りに身を震わせて、こちらを鋭い眼光でにらむ一人の女性・・・いや・・・「ハクタク」がいた。
「そこに居たかぁ・・・厄神っ!」
私は、身の危険を感じた。
けど、私はこのハクタク・・・慧音に対しては何もやっていないわ!
なんで怒っているの??
けど、次の台詞で私は納得した。
「お前かぁ!! 私の生徒を苛めた奴は!!」
あ・・昨日の6人・・・寺子屋の生徒だったのね・・・・
「まったく・・・あの6人の様子がおかしいから記憶を調べたら・・・
大変だったんだぞ! どうしてくれる!!」
そういうと、慧音は頭に生えた角をこちらに向けて突進してきた。
「嫌ぁぁ!!!」 私は、なりふりかまわずに必死に逃げた。
※ ※ ※
その夜。
美しい満月をバックに厄神とハクタクの追いかけゴッコが始まった。
時折、怒号や悲鳴や弾幕も交えた追いかけゴッコだった。
その様子をひとり見つめる女性が・・・
ただ、変な格好ではあったが・・・
うつぶせで倒れ、腰だけを少し浮かせた格好・・・なにか腰のあたりにダメージを受けている様だ。
その女性の名前は、「藤原 妹紅」
満月で気の立っていた慧音にすでに「Caved!」された後だった。
お尻に手を当て、痛みに耐えながら、妹紅はその光景を見てつぶやいた。
「がんばれ~・・・厄神~・・・・そいつは痛いぞぉ~・・・・」と。
夜明けまで、あと少し・・・
それまで、厄神とハクタクの追いかけゴッコは続く・・・・
最後に痛いしっぺ返しwwwww
さぁ~、リアル鬼ごっこ始まりだぁ~。
追伸
霊夢を絶対に池に近づけないように
パクリ要素あり!
後の鬼ごっこも、楽しそうで何よりですw
そして、もこー!?な、何故に!?
でも、妹紅の名前まちがってるよー・・・
厄神様はcaved!されるのかな?
・・やっちゃいましたねw。
ありがとうございます。 訂正しておきました。
>欠片の屑様
前回が前回なだけに、ちょっと方向を変えてみたのですが・・・
あ、妹紅は・・・やはり慧音とペアでないとw。
>時空や空間の翔る程度の能力様
「パクリ要素」とは・・・?
「作品的に類似している作品が過去にあった」のでしょうか?
それとも、「賽銭→霊夢がパクル」なのでしょうか??
いや・・この後の展開みたいな事も少し考えていたので、
それによっては、作業の方向転換をしないといけないかなぁ?と
思いまして・・・
もしよろしかったら、教えてください。
そらけーねさん怒るわなw
おてんばな雛もかわいいぜ
>賽銭箱
霊夢が見たら、まず激怒したあと、中身見て愕然とするだろうな…
そんな雛が大好きです