夕方、仕事も終わり、帰る準備をしていると、小町がやってきた。
「四季様、頼まれていたバレンタインのチョコレート、買ってきましたよ」
どうやら頼んでいた物を、持ってきてくれたようだ。
「ありがとうございます。小町」
「しかし、意外だな~。
あたいは、四季様がこんなイベントに興味があるなんて、知りませんでしたよ」
「失礼ですね、小町。これでも、私も女性の端くれですよ」
「あはは~、違いない」
別にいいではないか。私にそんな趣味があっても。
「ところで四季様。どうして私に買いに行かせたんですか?」
「このところ、真面目に働いてくれていたおかげで忙しかったので、買いに行く暇が無かったことと、
私はこのような事のセンスがないので、小町に頼んだ方がいいと思ったからです」
これは嘘ではない。が、全ての理由ではない。
「へ~、あたいも、そんなセンスがあるわけではないんだけどなぁ。
で、四季様。どなたに渡すんですか?本命ですよね?
あ、言いたくなければ、別にいいですよ」
きた!私は即答する。
「こ、小町です!」
「へっ!? …あたいですか!?本命を!?」
小町が驚いて聞き返す。顔が熱い。おそらく真っ赤だろう。顔。
「そうです!小町にあげるんです!」
そう、小町にチョコを買いに行かせたのは、小町にチョコを渡せるように自分を追い込むため。
おそらく、自分が買いに行けば、結局、渡せずじまいになり、泣きながら自分でチョコを食べてしまいそうだったから。
事実、去年はそうだったから。チョコの記憶なのに、にがかった。
そして、バレンタインに興味が無い小町も、ついでとして、義理でも私にチョコを買ってくれるはず!
が、しかし。
「まいったなぁ、こんな事なら、チョコ買ってくればよかった」
「え゛!!」
な、そんな!?わたしの完璧な策が!!
「え、って四季様?」
そう、小町は悪くない。悪いのは、勝手に期待をしていた、私なのだから。
「え!?え!?えぇぇ!?四季様!?」
けど、好きな人から、もらえない…。あ、涙が…。
「し、四季様、そんなにチョコ、欲しかったんですか!?」
当たり前じゃない。ああ、視界がにじんでる…。
「し、四季様、泣かないで!?…そうだ!」
ああ、小町の顔も、よく見えない。泣き止みたいのに、涙、止めたいのに。
と、小町の顔が近づいてくる?
私の顔と、小町の顔の距離がゼロになったとき、唇に柔らかい感触が…。
そして、チョコの味…。
「落ち着きましたか、四季様?」
「はい、けど、まだドキドキしてます」
「それはあたいも、です」
小町の顔も、真っ赤になっている。
「今年はこれで勘弁してください。四季様。来年は必ず」
そういう小町に、私は宣言する。
「小町、あなたは有罪です」
「え、許してくださいよ~。突然だったことは…」
「黙りなさい!」
「はい」
シュンとする小町。
「罪状は、窃盗罪」
「窃盗罪?あたい何か盗みましたか?」
「ええ、私の心と、唇です」
ここまで言うと、小町は確かに、と苦笑しながら頷いた。
「では、その罪を償うために、あたいはどうすればいいですか?閻魔様?」
「あなたにできる善行は、ホワイトデーに私を満足させることです」
「四季様、頼まれていたバレンタインのチョコレート、買ってきましたよ」
どうやら頼んでいた物を、持ってきてくれたようだ。
「ありがとうございます。小町」
「しかし、意外だな~。
あたいは、四季様がこんなイベントに興味があるなんて、知りませんでしたよ」
「失礼ですね、小町。これでも、私も女性の端くれですよ」
「あはは~、違いない」
別にいいではないか。私にそんな趣味があっても。
「ところで四季様。どうして私に買いに行かせたんですか?」
「このところ、真面目に働いてくれていたおかげで忙しかったので、買いに行く暇が無かったことと、
私はこのような事のセンスがないので、小町に頼んだ方がいいと思ったからです」
これは嘘ではない。が、全ての理由ではない。
「へ~、あたいも、そんなセンスがあるわけではないんだけどなぁ。
で、四季様。どなたに渡すんですか?本命ですよね?
あ、言いたくなければ、別にいいですよ」
きた!私は即答する。
「こ、小町です!」
「へっ!? …あたいですか!?本命を!?」
小町が驚いて聞き返す。顔が熱い。おそらく真っ赤だろう。顔。
「そうです!小町にあげるんです!」
そう、小町にチョコを買いに行かせたのは、小町にチョコを渡せるように自分を追い込むため。
おそらく、自分が買いに行けば、結局、渡せずじまいになり、泣きながら自分でチョコを食べてしまいそうだったから。
事実、去年はそうだったから。チョコの記憶なのに、にがかった。
そして、バレンタインに興味が無い小町も、ついでとして、義理でも私にチョコを買ってくれるはず!
が、しかし。
「まいったなぁ、こんな事なら、チョコ買ってくればよかった」
「え゛!!」
な、そんな!?わたしの完璧な策が!!
「え、って四季様?」
そう、小町は悪くない。悪いのは、勝手に期待をしていた、私なのだから。
「え!?え!?えぇぇ!?四季様!?」
けど、好きな人から、もらえない…。あ、涙が…。
「し、四季様、そんなにチョコ、欲しかったんですか!?」
当たり前じゃない。ああ、視界がにじんでる…。
「し、四季様、泣かないで!?…そうだ!」
ああ、小町の顔も、よく見えない。泣き止みたいのに、涙、止めたいのに。
と、小町の顔が近づいてくる?
私の顔と、小町の顔の距離がゼロになったとき、唇に柔らかい感触が…。
そして、チョコの味…。
「落ち着きましたか、四季様?」
「はい、けど、まだドキドキしてます」
「それはあたいも、です」
小町の顔も、真っ赤になっている。
「今年はこれで勘弁してください。四季様。来年は必ず」
そういう小町に、私は宣言する。
「小町、あなたは有罪です」
「え、許してくださいよ~。突然だったことは…」
「黙りなさい!」
「はい」
シュンとする小町。
「罪状は、窃盗罪」
「窃盗罪?あたい何か盗みましたか?」
「ええ、私の心と、唇です」
ここまで言うと、小町は確かに、と苦笑しながら頷いた。
「では、その罪を償うために、あたいはどうすればいいですか?閻魔様?」
「あなたにできる善行は、ホワイトデーに私を満足させることです」
いやー甘い!こんな有罪ならぜひもらいたい物だ
えーき様と小町のカップリングはドキドキせざるをえないですな。
初心な映姫様っていいよね