Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

彼岸のバレンタイン

2008/02/15 06:28:51
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夕方、仕事も終わり、帰る準備をしていると、小町がやってきた。

「四季様、頼まれていたバレンタインのチョコレート、買ってきましたよ」

どうやら頼んでいた物を、持ってきてくれたようだ。

「ありがとうございます。小町」

「しかし、意外だな~。

 あたいは、四季様がこんなイベントに興味があるなんて、知りませんでしたよ」

「失礼ですね、小町。これでも、私も女性の端くれですよ」

「あはは~、違いない」

別にいいではないか。私にそんな趣味があっても。

「ところで四季様。どうして私に買いに行かせたんですか?」

「このところ、真面目に働いてくれていたおかげで忙しかったので、買いに行く暇が無かったことと、

 私はこのような事のセンスがないので、小町に頼んだ方がいいと思ったからです」

これは嘘ではない。が、全ての理由ではない。

「へ~、あたいも、そんなセンスがあるわけではないんだけどなぁ。

 で、四季様。どなたに渡すんですか?本命ですよね?

 あ、言いたくなければ、別にいいですよ」

きた!私は即答する。

「こ、小町です!」

「へっ!?  …あたいですか!?本命を!?」

小町が驚いて聞き返す。顔が熱い。おそらく真っ赤だろう。顔。

「そうです!小町にあげるんです!」

そう、小町にチョコを買いに行かせたのは、小町にチョコを渡せるように自分を追い込むため。

おそらく、自分が買いに行けば、結局、渡せずじまいになり、泣きながら自分でチョコを食べてしまいそうだったから。

事実、去年はそうだったから。チョコの記憶なのに、にがかった。

そして、バレンタインに興味が無い小町も、ついでとして、義理でも私にチョコを買ってくれるはず!

が、しかし。

「まいったなぁ、こんな事なら、チョコ買ってくればよかった」

「え゛!!」

な、そんな!?わたしの完璧な策が!!

「え、って四季様?」

そう、小町は悪くない。悪いのは、勝手に期待をしていた、私なのだから。

「え!?え!?えぇぇ!?四季様!?」

けど、好きな人から、もらえない…。あ、涙が…。

「し、四季様、そんなにチョコ、欲しかったんですか!?」

当たり前じゃない。ああ、視界がにじんでる…。

「し、四季様、泣かないで!?…そうだ!」

ああ、小町の顔も、よく見えない。泣き止みたいのに、涙、止めたいのに。

と、小町の顔が近づいてくる?

私の顔と、小町の顔の距離がゼロになったとき、唇に柔らかい感触が…。

そして、チョコの味…。






「落ち着きましたか、四季様?」

「はい、けど、まだドキドキしてます」

「それはあたいも、です」

小町の顔も、真っ赤になっている。

「今年はこれで勘弁してください。四季様。来年は必ず」

そういう小町に、私は宣言する。

「小町、あなたは有罪です」

「え、許してくださいよ~。突然だったことは…」

「黙りなさい!」

「はい」

シュンとする小町。

「罪状は、窃盗罪」

「窃盗罪?あたい何か盗みましたか?」

「ええ、私の心と、唇です」

ここまで言うと、小町は確かに、と苦笑しながら頷いた。

「では、その罪を償うために、あたいはどうすればいいですか?閻魔様?」

「あなたにできる善行は、ホワイトデーに私を満足させることです」
バレンタインと言うことで、一番に思いついたカップルでした。
ぺ天使B
コメント



1.脇役削除
……射命丸どの…居たんでしょ?…その現場の写真を私にも焼いてくれ…
いやー甘い!こんな有罪ならぜひもらいたい物だ
2.nama-hane削除
ニヤけました!ww
えーき様と小町のカップリングはドキドキせざるをえないですな。
3.名無し妖怪削除
小町!ちゃんと満足させたんだろうな!?
初心な映姫様っていいよね
4.名無し妖怪削除
とっつぁん?
5.名無し妖怪削除
いっいかん口から砂糖が!!