Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

走れ美鈴 

2008/02/12 08:04:42
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 門の前に来た鳥の話の設定を
 そのまま使わせてもらっております。
 
 あしからず




















 



 人と妖怪が楽しむ屋台、夜雀の八目鰻のお店
「……仕込みはこんな物でいいかな」
 そこは、妖怪の夜雀が焼き鳥撲滅を唱えるために
 気まぐれで作り上げた屋台であったが
「今日もお客さん来てくれるかな?」
 いつの間にやらそこに来る人達の前で、歌を歌うのが楽しみになっていた
 そして、経営や他の鳥達の相談を一人でこなしていた……今までは

「ミスチ~、鰻捕まえてきましたよ」
 今ではミスチーの命の恩人であり、大切な人
(妖怪?)と一緒にお店を切り盛りしていた
 その人物は……
「うん!ありがと……美鈴」
「気にしないでいいですよ」

 元紅魔館の門番であった、紅美鈴であった
 美鈴は、平和な幻想郷で頼りにされない門番よりも
 自分のための泣いてくれたミスチーのために
 自分の人生であった、門番を辞めてミスチーと一緒になったのだ

 美鈴が来てから、この夜雀の屋台もさらに明るくなった
 なにせ、美鈴の気を使う能力は伊達じゃない
 屋台にやってきた者に対しての気配りは完璧であった 

「でも、お客さんやけに増えましたね」
「ちんちん!……美鈴のおかげだよ」
「そ、そんなこと無いですよ……ミスチーの鰻が美味しいからですよ」
 まあ、良く考えれば確かなことである
 可愛い女の子達二人がお店を切り盛りしていて
 なおかつ、鰻が美味しい……そんでもって
 気配りもキッチリで来ているお店…
 妖怪でなくても、もう一度行きたくなるものである

「片付けが終わったから、少し休もうか?」
「うん!」
 ミスチーが頷くと、美鈴に真正面から抱きついた
「うわっ?……もう、びっくりしたじゃないですか」
「えへへっ……」
 美鈴は少し驚いたが、飛び込んできたミスチーに少し注意しただけで
 そのまま抱きしめて、ミスチーの首筋を撫でる
 ミスチーも美鈴に抱きついたままゴロゴロする
「む~…ふかふか…」
「全く……仕方ないですね…」
 そんな事言いながらも、美鈴は嬉しそうにしていた。
 夜雀の屋台では、そのような風景がたまに見られた
(ここでも……平和ですね)
 美鈴はミスチーの首筋を撫でながらそう思っていた…
 そんなある日……


「え~っと……他に必要なものは…」
 美鈴が鰻を取りに行っている間に
 ミスチーは屋台の準備をしていた……
 基本的に、鰻や他の料理の材料を集める仕事は美鈴が担当している。 
 今までは、ミスチーが行なっていたが一人で準備と材料集めをこなすのは
 限界があった、そして美鈴の方がその辺の材料を集めるのはうまかった

 本人曰く
「紅魔館の門番は、サバイバル技術が無いと生きていけないんですよ?」
 との事である
 
 というわけで、ミスチーが仕込みをしようとしていた時
「……見つけたわ」
「えっ!?」

 仕込みをしているミスチーの後ろから何者かが現れた
 そして……
「妖夢~!今日の晩御飯は夜雀お願いね!」

 夜雀の悲鳴が辺り中に響いた……

 





「……さて?鰻はこのぐらいで良いでしょうね」
 美鈴は、いつもの川辺で鰻を取っていた
 ちなみに、魚籠の中は一杯である……
 美鈴がミスチーの元に返ろうとしていた時であった
 突然、美鈴の頭のなかに夜雀の悲鳴が聞こえてきた
「はっ!ミスチー!?」
 美鈴は大急ぎで、ミスチーが待っている屋台に向かって走り出した
(ミスチー!……無事でいてください!)


「こ、これは……」
 美鈴が屋台に着いた時には、すでにミスチーの姿はなかった
 そして、一生懸命逃げようとしたせいか、そこら中にミスチー
 のものと思われる、羽が散らばっていた
「…お、遅かった…ミスチー……」
 美鈴が、地面に膝を着いていると、美鈴の周りに
 大量の鳥が集まってきた
「……これは…」
 美鈴の周りに集まった鳥達は、全て見覚えがあった
「皆…?」
 美鈴が紅魔館に居たときに餌を与えていた鳥達であった
 その鳥達が空中で集まり始めた
 そして、空中で大きな文字を描いた
 その文字は……
 
「   @    」

「冥界の底無し大魔神か!」
 美鈴はその文字を見ると、冥界に向かって全力で走り出した
 
 注意してほしいのは、美鈴が完全に怒った事である
 本来怒った時は、周りの物が見えにくくなり
 その隙は危険である……だが拳法家である美鈴は、
 逆に冷静になった。それは長年の拳法と紅魔館という
 場所のおかげである……
 故にわざと飛ばず、走った。
 鍛錬を積んでいる美鈴の場合だと
 そちらの方がスピードが出るからである

 こうして美鈴の、妖々夢千里行が始まったのである    





(まだ……まだ間に合うはず!)
 冥界白玉楼へと方向へ、美鈴は全力で走っていた
 そして、向かってくる毛玉達や妖精達を美鈴は……
 その拳と体術で、全ての弾幕を弾き、かき消し、捌くと
 打ってきた毛玉を睨みつけて
「邪魔です!」
 そう言って、ただ真っ直ぐ進むだけで吹き飛ばしていった


 冥界白玉楼へ一直線に進むために
 まずは、雪原を走り抜けた
 
「あたいとレティの遊び場で好き勝手な事はさせな…」
「フライング!レッグラリアーット!」
 目の前に現れた、憎めない⑨を蹴り飛ばす

「よくもチルノちゃんを!」
「九龍城落下(ガウロンセンドロップ)!」
 怒りに燃える冬の忘れ物を、肩車をして飛び上がり
 空中で反転、そのまま地面に串刺しにした 


 雪原を走り抜けると、偶然マヨヒガに来てしまった
 

「藍様の代わりに!私がマヨヒガを守る!食らえ、飛翔韋駄天!」
 真正面から高速縦回転して突っ込んできた
 猫又の女の子を、本気で腹筋を固めて弾き返すと
「ジャッジガントレット!」
 思いっきり地面に殴りつけた  



 そのまま走りぬけて、森に出ると
 目の前にいたアリスに


「近道はあっち」
「ありがとうございます」
 近道を聞いた……
「三ボス同盟の絆は!」
「時折何よりも固い!」
 二人は握手するとそう答えた





 教えてもらった近道を飛ぶ
 そして、冥界へと続く大きな結界の前で

「丁度良かった…」
「せっかくここに来たのなら」
「一曲聴いて行ってYO~!」 
 虹川三姉妹が曲を披露してくれるらしい
 本来なら、コンサート会場か宴会でしか聞けないから
 聞きたかったが、今はミスチーを助けるのが先である
 丁重に断ると
「「「ブーブー!」」」
 苦情が来たので
「逆に私の歌を聞け!」
 そのへんに落ちていたアコーディオンを使って
 約3分間の無呼吸演奏をした
 もちろん、曲は明治17年の上海アリスだ。
 三人とも拍手してくれたので
 そのまま冥界の入り口である結界を超える事にした   
  





「後はこの階段を駆け上がれば!」
 美鈴が全力で、階段を駆け上がる
 飛べば良いと思う方もいると思うが
「修行に比べればこのぐらい!」
 階段ならば、空を飛ぶよりも駆け登る方が
 美鈴にとっては早いのである。 
 
 高速で階段を駆け上がると
「この先には行かせません!」
 冥界の庭師である、魂魄妖夢が待っていた
「妖夢さん!退いて下さい!」
 美鈴が先を急ごうとすると
「だ、駄目ですって、食事をしようとしている
 幽々子様に近づいたら、食べられてしまいます!」
「(まだミスチーは生きている!?)それでも!待っている人がいます!」
 その言葉を聞いた妖夢は、無言で刀を構えると美鈴を睨む
「……これ以上進むのなら…切ります!」
「仕方ありません……」
  
 美鈴が一歩踏み出すと同時に妖夢が全力で切りかかる
「人鬼……未来永劫斬!」
 妖夢の持っている技の中で最も早い攻撃
 美鈴はその攻撃に対して、無防備に立ち尽くす
(とった!)
 妖夢が勝利を確信する、そして美鈴の身体に
 刀が触れたと思った瞬間…
(すっ…)
「えっ!?」
 刀が美鈴の身体をすり抜けた……
 その上、止まれなかったせいで
「あ~~っ!?」
 美鈴の後ろにあった階段を滑り落ちていった
 
(ごめん!後で謝ります!)
 階段を落ちていった妖夢の方を向いて
 美鈴は心の中で謝罪をすると
「……無に転じて生を拾う…無想転生の極意です」
 そう告げてから、ミスチーの居るはずの白玉楼に向かった










(先ほど、食事を…と言ってました、早く見つけないと)
 屋敷の中に入った美鈴は、目を瞑ると
 屋敷の中にある気を探り始めた
 しばらくの間、ミスチーの気を探り
「見つけました!まだ生きてます!」
 美鈴はその方行に向かって走り出した







「……どうやって食べようかしら?」
「ひっ!?」
 その頃、幽々子は台所でミスチーをどう食べるか考えていた
「……炙る?…」
「や、ヤダ」
「……焼く?…」
「や、焼いても美味しくないよ!」
「……鍋?…」
「だ、出汁!出汁がないよ!」

 しばらくの間、幽々子が考え込み
「どちらにしろ、妖夢がいないと料理が出来ないから」
(ホッ……)
 ミスチーは、とりあえずもう少しだけ
 生きれると思ってホッとした時だった 
「踊り食いに決定ね♪」
「い、嫌~!!!」
 ミスチーの声が屋敷に響いた




「はっ!?ミスチーの悲鳴!」
 美鈴は、その方行に向かって
「チェストー!」
 壁をぶち抜いて進む事にした
「この壁でラスト!」
 そして、最後の壁をぶち抜いて美鈴が見た光景は
 

「いただきま~す!」
「嫌~~~!」
 ミスチーの服は脱がされ、下着だけの状態になっていました
 そして、今にもミスチーを食べようとしている幽々子の姿が
 その光景を見た美鈴は……

「チェスト!」
「げふっ!?」

 真っ先に幽々子にボディに攻撃を加えて吹き飛ばすと
 急いで、ミスチーの傍に駆け寄った
「め、美鈴?……ひっく…怖かったよ…怖かったよ~!」
 肩を震わせて美鈴に抱きつくミスチー
(いかに妖怪といえど…まだ子供…それをこんな目に…) 
 美鈴はその肩を軽く抱いてやると
「……もう大丈夫ですよ」
 そう安心させてやった。
 

「……残念だけど…」
「!?」
 先ほどの一撃で、吹き飛ばされた幽々子が起き上がる
「私から食べ物を奪うなんて事は…誰もできないわ!」
 幽々子はそう告げると二人を見つめて呟いた
「……二人とも…今日の私の晩御飯ね」
 その言葉を聞いて、美鈴は宣言した
「すでに貴方の負けです」
 その宣言を聞いた幽々子が呆れる
「たかが三ボスの一撃如きで、私を倒せると……!?」
 幽々子が美鈴とミスチーに捕食するために
 一歩前に足を踏み出した瞬間に、身体の異変に気がつく

「いっ、いたたっ?」
 幽々子が、お腹を押さえて苦しみだす
(ど、どういうこと!?たとえ如何なる料理を食しても
 けして、痛む事がなかった私のお腹が…?)
 予想外の事に、幽々子が驚く
(いかに、強いといえど三ボスの一撃でそう簡単に
 倒れるほど、私は柔ではないはずなのに!?)
 

 倒れこむ幽々子にたいして美鈴が告げる
「始めの一撃で、貴方の体の秘穴である
『中関』『中極』『天枢』の三箇所を突きました…」
 美鈴が、淡々と幽々子に対して今の腹痛の原因を告げる
「そしてこの秘穴は、身体の陽の気を高める事の
 出来る秘穴でもあります……」
「それが…どうしたって言うの?」
 
「いかに強いといえど、貴方は幽霊……性質は陰です
 ならば貴方の身体に、強力な陽の力を叩き込んだらどうなります?」
「!?」
 その言葉に幽々子の顔が歪む
 陰の気に陽の気を当てると、その二つは互いに消し去りあう
 人間ならば身体が健康になるだけだが、
 幽霊である幽々子にとっては、それは致命的である
「……少なくとも、当分の間はその苦しみを味わってもらいます」
 美鈴はそう告げると、ミスチーを連れて表に逃げ出した 






「しっかり抱きついていてください!」
「うん!」
 ミスチーを抱いて、一気に冥界から離脱する美鈴 
 冥界の結界を超え、夜の森を飛び、マヨヒガを抜け、雪原を駆け抜ける。
 
「……ここまでこれば安心ですね」
 美鈴とミスチーは、二人の寝床まで戻ってきた
 ミスチーは美鈴に抱きついたままだった
「もう大丈夫…ここまで追ってくる事は無いと思うから」
 美鈴は、ミスチーを安心させるように声をかけた
 それでも、ミスチーは美鈴に抱きついたまま
 泣いていた……
 美鈴は何も言わずに、ミスチーを抱き寄せると
 そのまま落ち着くまで抱きしめてやった
 
 しばらくして、ミスチーが美鈴に抱きついたまま
 話し始めた……
「あのね……もう駄目かと思ってた…」
「うんうん…」
 涙ながらに喋るミスチーに相槌を入れる美鈴
「それでね……食べられる前に、もう一度だけ
 美鈴に会いたいって思ったんだ」
 美鈴は、何もいわずにミスチーの頭を撫でた
「だからね……美鈴が助けに来てくれた時は、夢を見てるのかと思ったんだよ?」
 美鈴はその言葉に、優しく答えた
「始めに、ミスチーが言ってくれたじゃないですか」
「?」
「『私を守って』…って」
「!」
 紅魔館で門番をしていて、美鈴は自分が要らないもの
 だと思っていた時に、ミスチーがかけた言葉だった。
 その言葉のおかげで今の美鈴があるのだ
 その言葉を聞いたミスチーは、目を潤ませて
「ありがと…守ってくれて……」
 そう呟いてから美鈴の頬に口付けをした
 








 一方、美鈴に経絡破穴を突かれた幽々子
「やっと、お腹の痛みが取れたわ…」
「幽々子様大丈夫ですか?」
「もう!妖夢が負けるから夜雀に逃げられたじゃない!」
「も、申し訳ありません」
「それよりもお腹が減ったから晩御飯まだ?」
「い、今から急いで作ります!」
「やっぱり半人前ね」」
「みょん(涙)」

 妖夢が料理を作って、幽々子の前に持ってきた
「お、遅れました」
「妖夢おそーい!」
 幽々子がそう良いながら、料理を口に入れた瞬間であった

「うぐっ!?」
「幽々子様!?」
 幽々子の身体が、料理を受け付けなかった
 異常事態であった、今まで如何なる時も御代わりを言う事はあれど
 けして、料理を残す事すらなかったはずなのに
「た、食べれない……?」
「!?」

 その言葉を聞いて、妖夢は真っ先に医者を呼びにいった
 大急ぎで、永遠邸の薬剤師である八意永琳を連れてくると
 幽々子の異常事態を説明した
「幽々子様が!あの幽々子様が!料理を食べれないと」
「な、なんですって!?興味深いわ」
「ちょ、二人とも酷い!?」
 大急ぎで、その場で原因を調べ始める
 でた結論が… 

「……分かったわ」
「げ、原因は!?幽々子様の御身体は!?」
 妖夢が、永琳に詰め寄る。
 永琳は、慌てる妖夢を落ち着かせると説明を開始した
「原因は単純……体内に陽の気が半端じゃないほど充満してるわ」
「そ、それでは……」
「それを何とかすれば、元に戻ると思うわ」
 その言葉を聞いて、幽々子と妖夢が胸を撫で下ろす
 つまりは、陽の気を晴らす事が出来れば
 この状態を治す事ができるからである
「で?陽の気を晴らすにはどうすればいいの?」
 幽々子が、永琳に問いかける

「時間をかけるしかないわね」
「「えっ!?」」
「薬で気を調節しようとしたら、凄い副作用でるし
 加減が出来ないの、だから自然治癒力で治すしかないわね」
 永琳の言葉に、幽々子と妖夢が固まる
「おまけに、かなりの暴飲暴食をしてたみたいだから
 治るのに、随分時間がかかるみたいね」
 しばらく固まっていた妖夢が、永琳に質問する
「ど、どのぐらいの……時間ですか?」
「そうね…少なくとも……」
 永琳は、しばらく考えてから

「一ヶ月はこのままね」
 
 白玉楼から大きな悲鳴が響く事になった
 美鈴×ミスチーのお話、第二弾です
 今回は……幽々子様を悪役にしてしまいました(反省)
 うん、悪いとは思っている……あとタイトルについて
 実はタイトルの案は何個か出ていました
 走れ美鈴以外にも
 美鈴千里行とか、門番妖々夢とか……

 でも、結局誰かを助けるために走るからこれでいいかな?
 という所に落ち着きました。

 では、いつもの後日談

 あれから一週間…
 冥界の姫が食べれなくなったという話は、即座に幻想郷を駆け巡った
「幻想郷の危機が迫る!?」とか「子供が出来た!」等という噂も出たが
 当の本人は……

「……食べれない…」
 半端じゃないぐらい衰弱していた
 もう死んで居るのだから、これ以上死ぬ事は無いが
 逆に言い方をすれば、死ぬよりも辛い苦しみを味わっているのだ
「…妖夢も……最近どこかに行ってるし」
 妖夢は、始めの内は何か今の状態の幽々子に食べてもらえるものが無いかと
 色々工夫していたが、そのどれも食べる事が出来なかった
 そして、三日ほど前から幽々子が眠っている時に
 妖夢は何かをしているようだった
(ああ、夜雀を食べようなんてするんじゃなかったわ…)
 今の幽々子には後悔しかない

「幽々子様……」
 その時、寝たきりになっている幽々子に妖夢が声をかけてきた
「妖夢……」
「食事を……持ってきました」
 妖夢が持ってきたのはお粥であった
 幽々子はそれをみて、悲しそうに首を振った
「ごめんなさい……食べれそうにないわ」
 この状態になってから、食べたものは全て戻してしまった
 今の幽々子は、栄養剤を血管注射して何とかしているのだ
「……せめて一口だけでも」
「…一口だけ…貰うわ」
 だが、妖夢はなにやら強引だった
 幽々子も、無理を承知でそのお粥を口に入れた
 また戻すのかと思っていたが
「……食べ…れる…?」
 前のような気持ち悪さはなかった
 その様子を見ていた妖夢が、安心した
「よかった……御代わりも用意してあります」
「ええ、もう少しだけ食べる事にするわ」
 長らく、何も食べなかった事で余り多くは食べれなかったが  
 お茶碗一杯分を食べる事が出来た
「おいしいわ……でも、なんで食べれたのかしら?」
 幽々子が食べれた事に疑問をもつと
「その質問に答えますね」
 妖夢の後ろから誰かが現れた
「貴方は!?」
「幽々子様落ち着いてください!」
 その場にいたのは、幽々子を今の状態にした張本人
「お邪魔してます」
 紅美鈴であった
「一体何の用かしら……」
 幽々子が美鈴を睨みつける
「謝りに来たんですよ…」
 美鈴がそう言うと、その後ろからまた誰かが現れる
「ね?ミスチー」
「うん」
 その場にいたのは、ミスチーであった
 驚く幽々子を尻目に美鈴は話を続ける
「後、妖夢さんに頼まれてそのお粥を作りに来たんですよ」
「め、美鈴さん!それ言わないって言ったじゃないですか!」
 妖夢が驚いているのを無視して、話を続ける美鈴
「妖夢さんに感謝してくださいね……そのお粥の出汁は
 陰の性質を持つ薬草と、動物や魚の骨を灰汁がでなくなるまで
 三日間は煮込む必要がありましたから」
 その言葉を聞いて、幽々子は気がついた
 丁度三日前から妖夢が、居なくなっていたのは
 それを作るためであった事を。
「それと、ミスチーからも言いたい事があるそうですから」
 美鈴がそう言うと、ミスチーは寝込んでいる幽々子の前に出る
「…た、食べられるのは嫌だけど…良くなったら…今度は屋台に鰻を食べに来てよ…」
 そう告げると美鈴とミスチーは幽々子に礼をして帰って行った

 しばらくしてから
「……妖夢…」
「はい!なんですか?幽々子様」
 幽々子は妖夢を呼びだすと、そのまま抱きしめる
「ゆ、幽々子様!?」
 妖夢が慌てるが、幽々子は妖夢を抱きしめたまま
「ありがとう…」
 そう告げた……
「幽々子様……」
「また食べれるようになったら、一緒に夜雀に屋台に食べに行きましょう?」
「……はい!」  

 
 しばらくして、夜雀の屋台に新たな常連客が出来たそうな

 お終い
脇役
コメント



1.nama-hane削除
美鈴がラーメ○マンの技を使っても違和感を感じないのは何故でしょう。ww
それにしてもこれは良い夫婦。2人の関係はニヤニヤものですよ。
2.イスピン削除
これはいい妖々夢Extra(episode)むしろPhantasmなのかも

さりげなく門番時代に知り合ったと思われるアリスとの友情とさりげなく多芸(アコーディオンとかサバイバルとか)な美鈴が良かったです。
では私も、ニヤニヤ
3.名無し妖怪削除
文脈みた感じでは
×夢想転生
○無想転生
だと思うんですが……わざとだったらごめんなさい。
4.名無し妖怪削除
ちぇえええええええええええええん!
アコーディオンと明治十七年の上海アリスで某漫才を思い出した。
5.名無し妖怪削除
ちぇえええええええええええええん!
アコーディオンと明治十七年の上海アリスで某漫才を思い出した。
6.名無し妖怪削除
ほっこりしました
美鈴は大切な人を守る為なら、いくらでも強くなれると思うんだ
7.欠片の屑削除
レティが地面に突き刺さって、ストーンヘンジ状態になっているのを想像して笑ってしまいましたw
>三ボス同盟 他は慧音やにとりか、絆の強さはなんとなく納得出来てしまう。
みすちー、ここで八つめの歌を歌わないとw
悪人観、別に気にしなくていいんじゃないでしょうか?
大体、本家での初登場時のラスボス様達って、みんな主役に対しての悪役でしたよ?その後主役にもなってるし。
役の幅が広いってコトは、逆に素晴らしいことだと思います。ここは一つ名女優の名演技って感じで。
8.名無し妖怪削除
多分、真面目というか全編ギャグではない作品だからなんだと思いますが、気なってしまいました。脇役さん自身解っていらっしゃるようですが……
幽々子のこの手のネタって調理が難しいんですよね……やりすぎると不快感持つ人多いし。
9.幻想入りまで一万歩削除
ゴメンナサイ、鳥文字のところで爆笑しちゃいました。
脇役さんとこの美鈴って実は北斗○拳伝承者だろ・・・なんてねw
10.回転魔削除
うわーい!メーちん続いたんだZE
ゆゆちゃん破裂しちゃうかと思ってびっくりしたんだZE
11.名無し妖怪削除
これはいいめーりん×みすちー
珍しいカップリングだけど結構ハマってますねぇ

めーりんが消えた紅魔館が気にならなくも無いなw
続編を待望してますぜ
12.名無し妖怪削除
アリスのとこで吹いたww
13.名無し妖怪削除
前の作品で酷評?した名無しです。
勘違いしてるかもしれませんが、悪役と悪く(ぞんざいに)扱うとでは違いますよ。
前の作品では、他キャラに対する悪意がみられました。
とりあえずいつものように美鈴に罵声を浴びせとけば話の展開がしやすいなあ、という。
氏にそうした意図がなくても。
今回のは別にそういったのは感じられず、とても楽しめました。

-----真面目ここまで-----

最初のごろごろしてる情景が目に浮かんでやばかったですハイ
ミスチーうらやましいぞコンチクショウ
あと、「@」でテラフイタwww
14.名前が無い程度の能力削除
普段はリオレイアの原種
でも大切な人を傷つけられると最大サイズの激昂ラージャンと化す
そんな貴方のめーりんが大好きです