Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ニャンニャンニャニャン

2008/02/10 07:31:47
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すきま妖怪の式の式である、化け猫、橙。

今、橙は、妖怪の山の麓に広がる森を歩いています。

「あれ~?ここどこ?」

どうやら道に迷ったみたい。

「わからなかったら人に聞く!…て、誰もいないよ~」

今日は空を飛ばない、という変なルールを作り、散歩に出た橙ですが、

蝶や鳥などを追いかけているうちに、ここにたどり着いてしまいました。

不安で、空を飛ぶ、という解決方法も思い浮かばないみたいです。

「あ、川だ。よかった~。

 川に沿っていけば、森から出られるだよね?」

ほっと一安心。川に沿って歩いていきます。

ただ、問題は川を上る方向へ、進んでしまっていることです。

人の話は、ちゃんと最後まで聞かないといけません。

橙は、そのままどんどん進んで行きました。



「ふっふっふ、やっと光学迷彩スーツの修理が終わったわ」

谷カッパ、河城にとり。

彼女は、とある人間達に壊されてしまった、光学迷彩スーツの修理をしていました。

どうやら、無事に修理が完了したようです。

「後は試すだけね。

 …ふっふっふ、この機会に透過度を上げたり、あれやこれや機能を追加して、今から楽しみだわ~!」

新しいおもちゃを手に入れた子供のように、ウキウキワクワクが止まらないって顔をしています。

危ないです。

「さ~て、川のほうで実験!実験!と、あれ?」

にとりが川に向かうと、小さな人影がこちらに向かってきます。

「妖怪の山に入ってくるなんて、物好きだな~。

 そうだ!迷彩スーツを試してみよう!!」

そう決めると、にとりはスーツの機能を作動させ、ゆっくり目標に近づいていきました。



「あれ~?どんどん森が深く?なんで~?」

進めど進めど、いっこうに森から出ません。

それどころか、橙は奥に進んでいる気がしてきました。

それでも、足を止めることなく、進んでいきます。

「うにゃ~、藍様~」

もう、不安と心細さが頂点になりそうなときでした。


「ばあ!!」

「にゃああああああああああ!!!???」

発動!!『翔符 飛翔韋駄天』!!

‘ドカカカカカカカカ!!’53HIT COMBO!!

にとり DOMN!!


スーツの調子を確認していた、にとりが不意に現れた!

橙は、これ以上ない、という感じで驚き、スペルカードの発動と同時に飛び去った!

哀れ、にとりは、至近距離からスペルカードをまともに食らい、修理した光学迷彩スーツを、再び壊されました。

そしてそのまま、川に落ち、流されていきました。




「こちらも異常はなしっと」

滝のあたりで、いつものように見回りをしている、白狼天狗の犬走椛。

「にとり殿は最近、将棋に付き合ってくれないでござるなあ」

暇つぶしの方法を考えながら、見回りを続けます。

「おろ?あれは何でござろうか?」

そろそろ見回りも切り上げようかというとき、くるくる回ってこちらに近づいてくる物を見つけました。

「もしや、侵入者でござろうか!?」

椛は、そのくるくる回る物へ近づき、警告します。

「そこなあやしい奴!!止まるでござる!!止まらぬとって、わあああ!?」

‘ドーン!!’

椛にぶつかり、ようやくくるくる回っていた物は止まりました。

「いたたたた。ひどい目に遭ったでござる」

「うわーーーん!!らんさまーーー!!」

止まった物は、子供の化け猫でした。わんわん泣いています。

「子供?どうしてこんなところに?

 どうしたでごさる?なんで泣いてるでござるか?」

おろおろ。そんな感じで椛は問いかけます。

「うわーーーん!!らんさまーーー!!」

「落ち着くででござるよ~。名前は?」

「うわーーーん!!うわーーーん!!」

「泣きやむでござるよ~。おうちはどこでござるか?」

「らんさまーーー!!うわーーーーん!!」

名前を聞いても、おうちを聞いてもわかりません。

「どうしよう?困ったでござる…」

しばらくあやし続けますが、全然落ち着いてくれません。

どれくらいか時間が経ったとき、ふと、名案を思いつきました。

「こうなったら…。

 ワオーーーーーーーン!!ワオーーーーーーーン!!」

椛は遠吠えで、応援を呼びました。

「呼ばれて飛び出て、文ちゃん参上!

 椛ちゃん、子守ご苦労様」

「へ、文様?知っていたのでござるか?」

「そうですよ。この子はマヨイガの黒猫、すきま妖怪の式の式、橙ちゃんです。

 そして、あちらは橙ちゃんの主、八雲藍さん」

どうやら、文は、橙の保護者を連れて来ていたようです。

幻想郷最速は、あなどれない。

「わーーーん!らんさまーーー!」

「橙。もう大丈夫だよ。よしよし」

橙を抱きしめ、藍は落ち着かせます。橙は、藍に抱きしめられ、安心したようです。

「よかったでござるな」

「そうですね。‘カシャ、カシャ’」

ほっと安心し、胸をなで下ろす椛と、感動的なシーンを写真に納める文。

と、椛がふと、疑問を口にします。

「ところで文様。なんであんなにタイミングよく来てくれたのでござろうか?保護者まで連れて」

「それはですね、橙ちゃんが森に入ってから、見ていた(撮っていた)からですよ。

 椛ちゃんにぶつかったところで、藍さんを呼びに行ったんです」

「ほう、そうか。それでは、橙の困る顔などを写真に納めていたのだな」

「ええ、結構いい写真が撮れまし…た…?」

「写真を撮っている暇があったら、すぐに呼びに来ないか!!」

『式輝 狐狸妖怪レーザー』!!!

既に椛は、橙を連れて退避してました。



「いろいろ騒がせてすまなかったな」

倒れている文を尻目に、藍は椛に礼を言いました。

なお、橙を撮った写真のフィルムは没収済みです。

「いえ、無事でなによりでござる」

「ほら、橙もお礼を言いなさい」

「うん!ありがとう!お姉ちゃん!」

すっかり元気になり、笑顔で橙が礼を言います。

「いえいえ、どういたしましてでござる」

椛も笑顔で返します。

が、いつまでも妖怪の山に置いておくわけには行きません。

「申し訳ないでござるが、ここはよそ者を嫌う土地柄でごされば…」

「おおう。そうか。お世話になりました」

「またね。犬のお姉ちゃん!」

と、去っていく二人が見えなくなる頃に、苦笑しながら呟きました。

「またね、でござるか。妖怪の山にはあまり入って来てほしくは無いのでござるけどなぁ」

そして、

「それと…、拙者は犬ではござらーーーーーん!!!」

と、遠吠えが聞こえました。






‘ぷかー’

「お、霊夢。カッパが川を流れているぜ」

「ほっておきなさい。いつものことでしょ」

「それもそうだな」

その後、にとりは5kmくらい流されてから、一緒に流れていた雛が、連れて帰りました。
つまり、犬のみまわりさn(ののの「犬ではござらーーーーーん!!」
ぺ天使B
コメント



1.時空や空間を翔る程度の能力削除
河童の川流れwwwwwww
あはれにとり・・・

絵本に出てくる内容ですね。
2.名無し妖怪削除
これはなんとも心温まる話。実験や撮影など欲のある者がその報いを受けるところも童話っぽいです。
関係ないけど「拙者」「ござらん」で流浪人某を思い出してしまったw
3.欠片の屑削除
そうか、犬のお巡りさんが泣(鳴)いたのはそういう理由からでしたか。
…ん、遠吠え?
「だから拙者は犬ではござらーーーーーん!!!」
4.名無し妖怪削除
申し訳ないけど、椛はわんことしか認識出来ない。
5.テト削除
自分も「おろっ」で伝説の人斬りを幻視した
6.名無し妖怪削除
うまいこといっt(ののの

自分も某流浪人を思い出しました。が、案外キャラに合ってる気もします。
7.名前が無い程度の能力削除
これはどこぞの人外に好かれる程度の能力を持つ某GS見習いの弟子ですね
結構メジャーだと思うんだけど(´・ω・`)