すきま妖怪の式の式である、化け猫、橙。
今、橙は、妖怪の山の麓に広がる森を歩いています。
「あれ~?ここどこ?」
どうやら道に迷ったみたい。
「わからなかったら人に聞く!…て、誰もいないよ~」
今日は空を飛ばない、という変なルールを作り、散歩に出た橙ですが、
蝶や鳥などを追いかけているうちに、ここにたどり着いてしまいました。
不安で、空を飛ぶ、という解決方法も思い浮かばないみたいです。
「あ、川だ。よかった~。
川に沿っていけば、森から出られるだよね?」
ほっと一安心。川に沿って歩いていきます。
ただ、問題は川を上る方向へ、進んでしまっていることです。
人の話は、ちゃんと最後まで聞かないといけません。
橙は、そのままどんどん進んで行きました。
「ふっふっふ、やっと光学迷彩スーツの修理が終わったわ」
谷カッパ、河城にとり。
彼女は、とある人間達に壊されてしまった、光学迷彩スーツの修理をしていました。
どうやら、無事に修理が完了したようです。
「後は試すだけね。
…ふっふっふ、この機会に透過度を上げたり、あれやこれや機能を追加して、今から楽しみだわ~!」
新しいおもちゃを手に入れた子供のように、ウキウキワクワクが止まらないって顔をしています。
危ないです。
「さ~て、川のほうで実験!実験!と、あれ?」
にとりが川に向かうと、小さな人影がこちらに向かってきます。
「妖怪の山に入ってくるなんて、物好きだな~。
そうだ!迷彩スーツを試してみよう!!」
そう決めると、にとりはスーツの機能を作動させ、ゆっくり目標に近づいていきました。
「あれ~?どんどん森が深く?なんで~?」
進めど進めど、いっこうに森から出ません。
それどころか、橙は奥に進んでいる気がしてきました。
それでも、足を止めることなく、進んでいきます。
「うにゃ~、藍様~」
もう、不安と心細さが頂点になりそうなときでした。
「ばあ!!」
「にゃああああああああああ!!!???」
発動!!『翔符 飛翔韋駄天』!!
‘ドカカカカカカカカ!!’53HIT COMBO!!
にとり DOMN!!
スーツの調子を確認していた、にとりが不意に現れた!
橙は、これ以上ない、という感じで驚き、スペルカードの発動と同時に飛び去った!
哀れ、にとりは、至近距離からスペルカードをまともに食らい、修理した光学迷彩スーツを、再び壊されました。
そしてそのまま、川に落ち、流されていきました。
「こちらも異常はなしっと」
滝のあたりで、いつものように見回りをしている、白狼天狗の犬走椛。
「にとり殿は最近、将棋に付き合ってくれないでござるなあ」
暇つぶしの方法を考えながら、見回りを続けます。
「おろ?あれは何でござろうか?」
そろそろ見回りも切り上げようかというとき、くるくる回ってこちらに近づいてくる物を見つけました。
「もしや、侵入者でござろうか!?」
椛は、そのくるくる回る物へ近づき、警告します。
「そこなあやしい奴!!止まるでござる!!止まらぬとって、わあああ!?」
‘ドーン!!’
椛にぶつかり、ようやくくるくる回っていた物は止まりました。
「いたたたた。ひどい目に遭ったでござる」
「うわーーーん!!らんさまーーー!!」
止まった物は、子供の化け猫でした。わんわん泣いています。
「子供?どうしてこんなところに?
どうしたでごさる?なんで泣いてるでござるか?」
おろおろ。そんな感じで椛は問いかけます。
「うわーーーん!!らんさまーーー!!」
「落ち着くででござるよ~。名前は?」
「うわーーーん!!うわーーーん!!」
「泣きやむでござるよ~。おうちはどこでござるか?」
「らんさまーーー!!うわーーーーん!!」
名前を聞いても、おうちを聞いてもわかりません。
「どうしよう?困ったでござる…」
しばらくあやし続けますが、全然落ち着いてくれません。
どれくらいか時間が経ったとき、ふと、名案を思いつきました。
「こうなったら…。
ワオーーーーーーーン!!ワオーーーーーーーン!!」
椛は遠吠えで、応援を呼びました。
「呼ばれて飛び出て、文ちゃん参上!
椛ちゃん、子守ご苦労様」
「へ、文様?知っていたのでござるか?」
「そうですよ。この子はマヨイガの黒猫、すきま妖怪の式の式、橙ちゃんです。
そして、あちらは橙ちゃんの主、八雲藍さん」
どうやら、文は、橙の保護者を連れて来ていたようです。
幻想郷最速は、あなどれない。
「わーーーん!らんさまーーー!」
「橙。もう大丈夫だよ。よしよし」
橙を抱きしめ、藍は落ち着かせます。橙は、藍に抱きしめられ、安心したようです。
「よかったでござるな」
「そうですね。‘カシャ、カシャ’」
ほっと安心し、胸をなで下ろす椛と、感動的なシーンを写真に納める文。
と、椛がふと、疑問を口にします。
「ところで文様。なんであんなにタイミングよく来てくれたのでござろうか?保護者まで連れて」
「それはですね、橙ちゃんが森に入ってから、見ていた(撮っていた)からですよ。
椛ちゃんにぶつかったところで、藍さんを呼びに行ったんです」
「ほう、そうか。それでは、橙の困る顔などを写真に納めていたのだな」
「ええ、結構いい写真が撮れまし…た…?」
「写真を撮っている暇があったら、すぐに呼びに来ないか!!」
『式輝 狐狸妖怪レーザー』!!!
既に椛は、橙を連れて退避してました。
「いろいろ騒がせてすまなかったな」
倒れている文を尻目に、藍は椛に礼を言いました。
なお、橙を撮った写真のフィルムは没収済みです。
「いえ、無事でなによりでござる」
「ほら、橙もお礼を言いなさい」
「うん!ありがとう!お姉ちゃん!」
すっかり元気になり、笑顔で橙が礼を言います。
「いえいえ、どういたしましてでござる」
椛も笑顔で返します。
が、いつまでも妖怪の山に置いておくわけには行きません。
「申し訳ないでござるが、ここはよそ者を嫌う土地柄でごされば…」
「おおう。そうか。お世話になりました」
「またね。犬のお姉ちゃん!」
と、去っていく二人が見えなくなる頃に、苦笑しながら呟きました。
「またね、でござるか。妖怪の山にはあまり入って来てほしくは無いのでござるけどなぁ」
そして、
「それと…、拙者は犬ではござらーーーーーん!!!」
と、遠吠えが聞こえました。
‘ぷかー’
「お、霊夢。カッパが川を流れているぜ」
「ほっておきなさい。いつものことでしょ」
「それもそうだな」
その後、にとりは5kmくらい流されてから、一緒に流れていた雛が、連れて帰りました。
今、橙は、妖怪の山の麓に広がる森を歩いています。
「あれ~?ここどこ?」
どうやら道に迷ったみたい。
「わからなかったら人に聞く!…て、誰もいないよ~」
今日は空を飛ばない、という変なルールを作り、散歩に出た橙ですが、
蝶や鳥などを追いかけているうちに、ここにたどり着いてしまいました。
不安で、空を飛ぶ、という解決方法も思い浮かばないみたいです。
「あ、川だ。よかった~。
川に沿っていけば、森から出られるだよね?」
ほっと一安心。川に沿って歩いていきます。
ただ、問題は川を上る方向へ、進んでしまっていることです。
人の話は、ちゃんと最後まで聞かないといけません。
橙は、そのままどんどん進んで行きました。
「ふっふっふ、やっと光学迷彩スーツの修理が終わったわ」
谷カッパ、河城にとり。
彼女は、とある人間達に壊されてしまった、光学迷彩スーツの修理をしていました。
どうやら、無事に修理が完了したようです。
「後は試すだけね。
…ふっふっふ、この機会に透過度を上げたり、あれやこれや機能を追加して、今から楽しみだわ~!」
新しいおもちゃを手に入れた子供のように、ウキウキワクワクが止まらないって顔をしています。
危ないです。
「さ~て、川のほうで実験!実験!と、あれ?」
にとりが川に向かうと、小さな人影がこちらに向かってきます。
「妖怪の山に入ってくるなんて、物好きだな~。
そうだ!迷彩スーツを試してみよう!!」
そう決めると、にとりはスーツの機能を作動させ、ゆっくり目標に近づいていきました。
「あれ~?どんどん森が深く?なんで~?」
進めど進めど、いっこうに森から出ません。
それどころか、橙は奥に進んでいる気がしてきました。
それでも、足を止めることなく、進んでいきます。
「うにゃ~、藍様~」
もう、不安と心細さが頂点になりそうなときでした。
「ばあ!!」
「にゃああああああああああ!!!???」
発動!!『翔符 飛翔韋駄天』!!
‘ドカカカカカカカカ!!’53HIT COMBO!!
にとり DOMN!!
スーツの調子を確認していた、にとりが不意に現れた!
橙は、これ以上ない、という感じで驚き、スペルカードの発動と同時に飛び去った!
哀れ、にとりは、至近距離からスペルカードをまともに食らい、修理した光学迷彩スーツを、再び壊されました。
そしてそのまま、川に落ち、流されていきました。
「こちらも異常はなしっと」
滝のあたりで、いつものように見回りをしている、白狼天狗の犬走椛。
「にとり殿は最近、将棋に付き合ってくれないでござるなあ」
暇つぶしの方法を考えながら、見回りを続けます。
「おろ?あれは何でござろうか?」
そろそろ見回りも切り上げようかというとき、くるくる回ってこちらに近づいてくる物を見つけました。
「もしや、侵入者でござろうか!?」
椛は、そのくるくる回る物へ近づき、警告します。
「そこなあやしい奴!!止まるでござる!!止まらぬとって、わあああ!?」
‘ドーン!!’
椛にぶつかり、ようやくくるくる回っていた物は止まりました。
「いたたたた。ひどい目に遭ったでござる」
「うわーーーん!!らんさまーーー!!」
止まった物は、子供の化け猫でした。わんわん泣いています。
「子供?どうしてこんなところに?
どうしたでごさる?なんで泣いてるでござるか?」
おろおろ。そんな感じで椛は問いかけます。
「うわーーーん!!らんさまーーー!!」
「落ち着くででござるよ~。名前は?」
「うわーーーん!!うわーーーん!!」
「泣きやむでござるよ~。おうちはどこでござるか?」
「らんさまーーー!!うわーーーーん!!」
名前を聞いても、おうちを聞いてもわかりません。
「どうしよう?困ったでござる…」
しばらくあやし続けますが、全然落ち着いてくれません。
どれくらいか時間が経ったとき、ふと、名案を思いつきました。
「こうなったら…。
ワオーーーーーーーン!!ワオーーーーーーーン!!」
椛は遠吠えで、応援を呼びました。
「呼ばれて飛び出て、文ちゃん参上!
椛ちゃん、子守ご苦労様」
「へ、文様?知っていたのでござるか?」
「そうですよ。この子はマヨイガの黒猫、すきま妖怪の式の式、橙ちゃんです。
そして、あちらは橙ちゃんの主、八雲藍さん」
どうやら、文は、橙の保護者を連れて来ていたようです。
幻想郷最速は、あなどれない。
「わーーーん!らんさまーーー!」
「橙。もう大丈夫だよ。よしよし」
橙を抱きしめ、藍は落ち着かせます。橙は、藍に抱きしめられ、安心したようです。
「よかったでござるな」
「そうですね。‘カシャ、カシャ’」
ほっと安心し、胸をなで下ろす椛と、感動的なシーンを写真に納める文。
と、椛がふと、疑問を口にします。
「ところで文様。なんであんなにタイミングよく来てくれたのでござろうか?保護者まで連れて」
「それはですね、橙ちゃんが森に入ってから、見ていた(撮っていた)からですよ。
椛ちゃんにぶつかったところで、藍さんを呼びに行ったんです」
「ほう、そうか。それでは、橙の困る顔などを写真に納めていたのだな」
「ええ、結構いい写真が撮れまし…た…?」
「写真を撮っている暇があったら、すぐに呼びに来ないか!!」
『式輝 狐狸妖怪レーザー』!!!
既に椛は、橙を連れて退避してました。
「いろいろ騒がせてすまなかったな」
倒れている文を尻目に、藍は椛に礼を言いました。
なお、橙を撮った写真のフィルムは没収済みです。
「いえ、無事でなによりでござる」
「ほら、橙もお礼を言いなさい」
「うん!ありがとう!お姉ちゃん!」
すっかり元気になり、笑顔で橙が礼を言います。
「いえいえ、どういたしましてでござる」
椛も笑顔で返します。
が、いつまでも妖怪の山に置いておくわけには行きません。
「申し訳ないでござるが、ここはよそ者を嫌う土地柄でごされば…」
「おおう。そうか。お世話になりました」
「またね。犬のお姉ちゃん!」
と、去っていく二人が見えなくなる頃に、苦笑しながら呟きました。
「またね、でござるか。妖怪の山にはあまり入って来てほしくは無いのでござるけどなぁ」
そして、
「それと…、拙者は犬ではござらーーーーーん!!!」
と、遠吠えが聞こえました。
‘ぷかー’
「お、霊夢。カッパが川を流れているぜ」
「ほっておきなさい。いつものことでしょ」
「それもそうだな」
その後、にとりは5kmくらい流されてから、一緒に流れていた雛が、連れて帰りました。
あはれにとり・・・
絵本に出てくる内容ですね。
関係ないけど「拙者」「ござらん」で流浪人某を思い出してしまったw
…ん、遠吠え?
「だから拙者は犬ではござらーーーーーん!!!」
自分も某流浪人を思い出しました。が、案外キャラに合ってる気もします。
結構メジャーだと思うんだけど(´・ω・`)