「うーーーーーん、春だーーーーーーーー!」
洩矢諏訪子は境内の中心で春を叫んだ。
諏訪子たちが幻想郷にやってきて数ヶ月、春を迎えた幻想郷。
その日諏訪子は冬眠を終えた蛙のようにはしゃぎながら、大蝦蟇の池へと向かって飛んでいった。
「みんなは元気にしてるかなー。冬眠が終わったばかりだから寝ぼけてたりしてね」
池にいる蛙たちの様子を想像し、笑みを浮かべた。
「ゲロゲロゲロゲーロ!」
聞き覚えのある蝦蟇の声を耳にし諏訪子は止まり辺りを見渡した。そして、眼下の道の端に数匹の蝦蟇がかたまり、諏訪子を見上げていた。
「おーみんなー、こんなところでどうしたのさ、池から結構離れてるよね?」
諏訪子が着地すると蝦蟇たちが一斉に鳴き出した。
「はいはい落ち着いて……こういうときはアレだね。はい、みんなせいれーつ!」
諏訪子の号令に蝦蟇たちが一列横隊になる。
「よし、ミュージック、スタート!」
どこからともなく音楽が流れ出し、それに合わせて諏訪子と蝦蟇たちはリズムをとる。
わたしゃ 山の神 洩矢諏訪子~♪
きょうは 蛙の気持ちを 聞いてみましょう~~♪
ケロケッケッケッ♪ ケロケッケッケッ♪
ケロケッケッケッ♪ ケロケッケッケッ♪
……わからない~~~♪
「ゲロゲーロ! ゲロゲーロ!」
音楽が終わると蝦蟇たちが抗議するように鳴き出す。
「あははは、わからないのは冗談だって、池に厄介者が来たのね。わかった、私がやっつけてやる。それじゃ、安全な所で待っててねー」
諏訪子は池を目指して飛んでいった。
「こらーーー! 蛙にいたずらするなーーーバカ妖精ーーーーえ?」
池に降り立つなり怒鳴る諏訪子だったが、そこにチルノの姿はなく、首をかしげた。
「あれ? あいつじゃないのか? じゃあ誰が池の蛙たちを……」
考える諏訪子の背後の草むらが揺れた。
「む!? そんなところに隠れてたのか、このバカ妖……せ………………」
振り向いた諏訪子はそのまま硬直した。そこには、身の丈十数メートルはあろかという、大蛇が諏訪子を睨みつけていた。
「シャーーーー!」
まさに蛇に睨まれた蛙。諏訪子は指一本動かせないでいた。大蛇は、ゆっくりと近寄ってくると、口を開いた。
「ひぎっ……」
食われると諏訪子は理解する。事実、大蛇の口は諏訪子など一飲みにできるほど大きかった。
土着神の頂点に立つ自分の最後が、妖怪化した大蛇のエサ。なんとも滑稽だと思いながら、諏訪子は気絶し、ぺたんと座りこんだ。同時に、帽子が諏訪子の鼻あたりまでずり落ちた。
「ゲロゲーロ!」
大蛇が諏訪子を食べようとした瞬間、蝦蟇の鳴き声がし、大蛇が振り向いた。そこには、先ほど諏訪子が出会った蝦蟇たちが震えながら大蛇を睨んでいた。
「シャーーー!」
大量の獲物を見つけた大蛇は諏訪子を無視し、蝦蟇たちのもとへと向かっていった。
「ケロケロロ……」
その時、諏訪子がゆっくりと立ち上がり鳴いた。帽子の目玉がギョロリと大蛇を睨む。
「吾輩は、ケロロン神で~ありま~す! そこの蛇、吾輩が温厚なうちにこの池から出ていくのです」
大蛇は再び諏訪子に向き直ると、威嚇した。しかし、先ほどとは違い、諏訪子は平気な様子だった。
「ケロロン。どうやら、命は惜しくないようですねぇ」
帽子の陰から見えた口が細い三日月のような笑みを浮かべた。
「ならば、容赦はしない」
諏訪子は飛び上がると、袖の中からカエルのヌイグルミを取り出す。そして、カエルのヌイグルミを大蛇へと向けると、カエルの口が開き中からガトリングガンの銃身が飛び出した。
「大蝦蟇の池に蛇は似合わん! くらえ、ジャイアントケロトリングを!」
ヌイグルミの両前足を握るとガトリングガンが火を噴いた。
ゲロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ!!!!
蛙の鳴き声のような射撃音とともに、無数の弾が大蛇へと撃ち込まれる。
「ジャーーーーーッ!」
苦しみ、もがく大蛇。
「ケロケロケロ! ハチの巣にしてやるであります!」
ゲロロロロロロロロ……カチッ、カチッ……
「ゲロッ! しまった、弾切れであります。こないだ使ったまま、弾薬交換を忘れていたであります」
何度も前足を握るが、弾は出ない。
「ジャギャーーー!」
怒った大蛇が毒液を飛ばす。諏訪子は慌てて避けるが、数滴がガトリングに付着した。すると、ついたところから煙が上がり銃身が溶けていった。
「ケロォーッ! 危ないであります。むううっ、こうなったらあの禁断兵器を使うであります!」
両袖から、中が空洞になった鉄製の御柱を取り出す。そして、片方を右肩に乗せた。残る片方の先端にカエルのヌイグルミを入れると、肩に乗せた御柱に合わせる。ガチャリと音がし、つなぎ目がくっつくと取っ手が飛び出した。
「ジャーーー!」
大蛇は身の危険を感じ、毒液を飛ばしてきた。
「ふんっ!」
左袖から分厚い鉄の盾を取り出し、毒液を防ぐ。
「ケロケロケロ、照準よし!」
盾で体を隠しながら、御柱を大蛇へと向けた。
「ケロミックバズーカ、発射!!」
取っ手の引き金を引くと、ヌイグルミが発射された。
「シャーーーーッ!」
飛んでくるヌイグルミを獲物と勘違いした大蛇は、飛び跳ねるとヌイグルミを飲み込んだ。その瞬間、大爆発が起こり光の柱が空へと向かって延び十字架を形作った。
「ケロケーロ。ケロロン神の力思い知ったか~! ケーロケロケロケロケロケロケロケロ!!!!」
胸を反らし大笑いする。そして、反らし過ぎてクルリと一回転した。すると、帽子が元の位置に戻った。
「ぷはーっ、久々にこの力を使ったな~。でも、これで池に平和が戻ったね」
見下ろす池には蝦蟇たちが思い思いの場所で春を満喫する姿があった。
「さーてと、私も帰ろうっと。ケロケッケッケッ♪」
諏訪子は鼻歌を歌いながら山の神社へと帰っていった。
洩矢諏訪子は境内の中心で春を叫んだ。
諏訪子たちが幻想郷にやってきて数ヶ月、春を迎えた幻想郷。
その日諏訪子は冬眠を終えた蛙のようにはしゃぎながら、大蝦蟇の池へと向かって飛んでいった。
「みんなは元気にしてるかなー。冬眠が終わったばかりだから寝ぼけてたりしてね」
池にいる蛙たちの様子を想像し、笑みを浮かべた。
「ゲロゲロゲロゲーロ!」
聞き覚えのある蝦蟇の声を耳にし諏訪子は止まり辺りを見渡した。そして、眼下の道の端に数匹の蝦蟇がかたまり、諏訪子を見上げていた。
「おーみんなー、こんなところでどうしたのさ、池から結構離れてるよね?」
諏訪子が着地すると蝦蟇たちが一斉に鳴き出した。
「はいはい落ち着いて……こういうときはアレだね。はい、みんなせいれーつ!」
諏訪子の号令に蝦蟇たちが一列横隊になる。
「よし、ミュージック、スタート!」
どこからともなく音楽が流れ出し、それに合わせて諏訪子と蝦蟇たちはリズムをとる。
わたしゃ 山の神 洩矢諏訪子~♪
きょうは 蛙の気持ちを 聞いてみましょう~~♪
ケロケッケッケッ♪ ケロケッケッケッ♪
ケロケッケッケッ♪ ケロケッケッケッ♪
……わからない~~~♪
「ゲロゲーロ! ゲロゲーロ!」
音楽が終わると蝦蟇たちが抗議するように鳴き出す。
「あははは、わからないのは冗談だって、池に厄介者が来たのね。わかった、私がやっつけてやる。それじゃ、安全な所で待っててねー」
諏訪子は池を目指して飛んでいった。
「こらーーー! 蛙にいたずらするなーーーバカ妖精ーーーーえ?」
池に降り立つなり怒鳴る諏訪子だったが、そこにチルノの姿はなく、首をかしげた。
「あれ? あいつじゃないのか? じゃあ誰が池の蛙たちを……」
考える諏訪子の背後の草むらが揺れた。
「む!? そんなところに隠れてたのか、このバカ妖……せ………………」
振り向いた諏訪子はそのまま硬直した。そこには、身の丈十数メートルはあろかという、大蛇が諏訪子を睨みつけていた。
「シャーーーー!」
まさに蛇に睨まれた蛙。諏訪子は指一本動かせないでいた。大蛇は、ゆっくりと近寄ってくると、口を開いた。
「ひぎっ……」
食われると諏訪子は理解する。事実、大蛇の口は諏訪子など一飲みにできるほど大きかった。
土着神の頂点に立つ自分の最後が、妖怪化した大蛇のエサ。なんとも滑稽だと思いながら、諏訪子は気絶し、ぺたんと座りこんだ。同時に、帽子が諏訪子の鼻あたりまでずり落ちた。
「ゲロゲーロ!」
大蛇が諏訪子を食べようとした瞬間、蝦蟇の鳴き声がし、大蛇が振り向いた。そこには、先ほど諏訪子が出会った蝦蟇たちが震えながら大蛇を睨んでいた。
「シャーーー!」
大量の獲物を見つけた大蛇は諏訪子を無視し、蝦蟇たちのもとへと向かっていった。
「ケロケロロ……」
その時、諏訪子がゆっくりと立ち上がり鳴いた。帽子の目玉がギョロリと大蛇を睨む。
「吾輩は、ケロロン神で~ありま~す! そこの蛇、吾輩が温厚なうちにこの池から出ていくのです」
大蛇は再び諏訪子に向き直ると、威嚇した。しかし、先ほどとは違い、諏訪子は平気な様子だった。
「ケロロン。どうやら、命は惜しくないようですねぇ」
帽子の陰から見えた口が細い三日月のような笑みを浮かべた。
「ならば、容赦はしない」
諏訪子は飛び上がると、袖の中からカエルのヌイグルミを取り出す。そして、カエルのヌイグルミを大蛇へと向けると、カエルの口が開き中からガトリングガンの銃身が飛び出した。
「大蝦蟇の池に蛇は似合わん! くらえ、ジャイアントケロトリングを!」
ヌイグルミの両前足を握るとガトリングガンが火を噴いた。
ゲロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ!!!!
蛙の鳴き声のような射撃音とともに、無数の弾が大蛇へと撃ち込まれる。
「ジャーーーーーッ!」
苦しみ、もがく大蛇。
「ケロケロケロ! ハチの巣にしてやるであります!」
ゲロロロロロロロロ……カチッ、カチッ……
「ゲロッ! しまった、弾切れであります。こないだ使ったまま、弾薬交換を忘れていたであります」
何度も前足を握るが、弾は出ない。
「ジャギャーーー!」
怒った大蛇が毒液を飛ばす。諏訪子は慌てて避けるが、数滴がガトリングに付着した。すると、ついたところから煙が上がり銃身が溶けていった。
「ケロォーッ! 危ないであります。むううっ、こうなったらあの禁断兵器を使うであります!」
両袖から、中が空洞になった鉄製の御柱を取り出す。そして、片方を右肩に乗せた。残る片方の先端にカエルのヌイグルミを入れると、肩に乗せた御柱に合わせる。ガチャリと音がし、つなぎ目がくっつくと取っ手が飛び出した。
「ジャーーー!」
大蛇は身の危険を感じ、毒液を飛ばしてきた。
「ふんっ!」
左袖から分厚い鉄の盾を取り出し、毒液を防ぐ。
「ケロケロケロ、照準よし!」
盾で体を隠しながら、御柱を大蛇へと向けた。
「ケロミックバズーカ、発射!!」
取っ手の引き金を引くと、ヌイグルミが発射された。
「シャーーーーッ!」
飛んでくるヌイグルミを獲物と勘違いした大蛇は、飛び跳ねるとヌイグルミを飲み込んだ。その瞬間、大爆発が起こり光の柱が空へと向かって延び十字架を形作った。
「ケロケーロ。ケロロン神の力思い知ったか~! ケーロケロケロケロケロケロケロケロ!!!!」
胸を反らし大笑いする。そして、反らし過ぎてクルリと一回転した。すると、帽子が元の位置に戻った。
「ぷはーっ、久々にこの力を使ったな~。でも、これで池に平和が戻ったね」
見下ろす池には蝦蟇たちが思い思いの場所で春を満喫する姿があった。
「さーてと、私も帰ろうっと。ケロケッケッケッ♪」
諏訪子は鼻歌を歌いながら山の神社へと帰っていった。
しかも、エンディングの一番最後の意味深い台詞まで!?
……作者!…貴方は隠しイベントの春祭りを見たことがあるな!?
忘れかけていた感動をありがとうございます!
後、それ分かる脇役さん、すごいっすねぇ…
大丈夫だ!
つか俺元ネタ全然わかんねぇ・・・脇役さんすげぇ!
元ネタわからないなりに楽しくよませてもらいました
いや~、懐かしい!
隠しイベント・・・なにそれ?
たのしく読ませていただきました。
めっさやり込んだぜwwwwwwwwww
当時、あのCMはかなりインパクトがありました。
私も友人に借り何度かクリアしました。
しかし、内容はもはや断片的にしか覚えてないので、隠しイベントとかはわからないです。(脇役さんごめんなさい)
ちなみに、他にもいろいろとパロってます。わかりやすいネタからわかりにくいネタまでありますが、わかった方はひっそりと笑ってくやってださいな。
この隠しの春祭りイベントは、ラスボス戦イベントで鐘がなった後
ワザと負けて、その後温泉のある町に行くと、一回だけですが
町の人総出で踊ってくれるというものです
まだ持っている人、ぜひみてください