Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

硫黄自慢からの手紙

2008/02/08 17:16:18
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 どこの誰でも構わないが、この報告書を読み終えたら、丸めて鼻でもかんで捨てて欲しい。
 最近、私の所有物を勝手にオークションにかける輩がいるからだ。
 お気に入りの下着とか、ちょっと人に言えない時に使う布地とか、その他色々が世の中に出回っている。
 主に、あんまし異性と縁の無さそうな殿方が、購入してるっぽい。気持ち悪い。
 そんな訳で、この手紙も捨ててね。絶対に売るなよ。
 話は変わって、姫様のご機嫌はどうですか。斜めですか。斜め上ですよね、最近は。
 節分とかいう、年の数だけ豆を食わされる拷問のせいだよね。師匠の嬉々として豆をぶち込んでた顔が忘れられない。ちょっとゾクッとした。
 多分、日頃の鬱憤をあれで晴らしてたんだろうな……。姫を虐めるくらいなら私をとあれほど。
 師匠曰く、自ら名乗り出るような子を虐めても面白くないとか。本物ですね。流石ですね。
 そして、ほとぼりが冷めてから無理難題を押しつけてくる手腕に感動。気がつけば山中とか。鬼か。  

                                        鈴仙より 





















 ごめんなさい、前回の報告書は意味不明でしたね。姫の愚痴と師匠のノロケ話ばっか書いた気がする。反省。
 事情を良く知らない人が受け取るかもしれないって事を、忘れてました。
 説明します。私は今、不死鳥と山登り中です――とにかくコイツが我がままで困ってる。
 やれ、私がトイレしてる間は遠く行けー、とか。飯作れー、とか。何様のつもりだと聞けば、貴族です、と返事した。
 そういやコイツ、そこそこ身分高い家の生まれだっけ? もんぺだから高貴さ感じないんだよね。
 指摘したら、お前の破廉恥な格好よりマシだ、との事。失礼な。
 それと、夜が一番酷い。変な意味じゃないよ? いびきとか寝言とか。寝れねーっつーの。

「輝夜死ね」
「お父様に謝れ」
「うわちょ慧音脱ぐな」

 断片的な寝言から推察するに、粘着質でファザコンでヘタレ。友達にはしたくないが、玩具にしたら面白そうだ。
 そういえば、師匠はこの気難しいもんぺをどうやって説得したんだろう?
 そりゃ、不死身だし熱に強いし、活火山の探索には最適の人材でしょうけど。
 硫黄採集なんて、姫の身内でもやりたくないのに。ヘンなの。



























 硫黄がちょこちょこ目に付くようになってきました。山頂についたみたいです。
 マジで地獄絵図っぽい景観。活火山だから仕方ないんでしょうけど。
 もんぺの方はというと、無駄に元気です。火の鳥だからでしょうか。熱いのは平気みたい。
 ところで、火口付近でぴょんぴょん跳ね回る不死身の生物をみると、大気圏の外に追い出したくなります。何故?
 ……答えが出ないので、考えるのをやめた。今はただ黙々と硫黄を集めるのみ。なんて意気込んでたんですけどね。
 この物体、臭いしへんぴなトコにしか落ちてないし、最悪。師匠の命令でなければ触りもしない。命令ってのが重要。上から目線で指示されると、ゾクゾクしてしまう。
 上から目線といえば。もんぺの奴が、軍曹チックなノリで指示を送ってくるんですが。 
 人の生き死にが関わってる、とか叫んで、率先して硫黄を集めてる。何故?
 確か、美容目的で硫黄集めてるんですよね? 硫黄は吹き出物に効くらしいですし……。私はそう聞いたんですけど。
 なんか、もんぺと会話が噛み合わない。























 ……師匠のステッキーな口車には驚嘆致しました。
 どうやってこの気難しいもんぺの協力を得たのか、ずうっと疑問に思ってたけど、見事に解決。

 
 ――姫の身に宿った新たな命(アクネ菌)が、姫のご負担となって……。なんせ、あちら(アクネ菌)の方から無理矢理……。


 かっこの中を伏せて説明すれば、世の女性は確実に同情する惨劇に聞こえますもんね。人の心が有るなら、誰だって協力するよね。
 あれですね。姫、豆の食いすぎで体調崩して、ニキビできましたもんね。確かに嘘はついてないわな、うん。
 隣にいるもんぺは、こないだ姫のお腹を蹴り飛ばした事を思い出して、めっさ後悔してます。面白いから、事実は告げてやらない。
 時々、姫がどんな目に会ったかを想像して、青くなったり赤くなったりを繰り返してる模様。
 お前は一体、頭の中でどんな光景を繰り広げてるんだ。聞いてみたら、逃げた。
 師匠も普段、こんな気分なのかな。嗜虐的な感情がもりもり沸いてきてしまい、詰問ラッシュしたらフジヤマヴォルケイノりやがった。
 あらゆる食料が炭化しました。現在、昆虫はどの調理法でもデザートに適さない事を実感中。
 はい。ぶっちゃけ食糧難です。どうしよう……。


























 








 天候悪化。両手一杯に集めた硫黄も負担。
 ちょっと帰れそうにないです。もんぺの奴は、相変わらず熱血路線でうざい。
 それと時々、私を飢えた目つきで見つめてきます。
 食われて、たまるか。(カロリー的な意味で)





























 ネクタイって意外と美味しいですね。
































 もんぺって意外と美味しいですね。































 今まで藤原妹紅を『もんぺ』、なんて服装から連想した蔑称で書いていたので、あらぬ誤解を招いたかも。
 カニバリズムとは無縁ですよ。兎ですから。互いの衣服をしょっぴいて召し上がったんです。
 奴は今、下着と靴下のみなので、もんぺと呼べなくなっちまった。新しくパンツと呼べばいいのか? 柄も考慮しようか。
 水玉、バブル、アクアボール……。どれもしっくりこないな。いえね、火の鳥のくせして爽やか水玉模様なのよね。
 はー。早く天候直らないかな。女のパンツなんか見ても面白くない。



































 バブル妹紅が下山を決意。視界はどう見ても最悪、雪とか灰とかでレミングよろしく、自殺志願者に対する福音としか思えない。
 そりゃ、妹紅は不死身だからいいけど。私はどうなる。
 ガスコンロ兼暇つぶしの道具を失ったら死ぬ。寒さとか寂しさで。後の方だけ伝えたら、何か嬉しがってた。

「そうかそうか。私がいなくなったら寂しいのね」

 と、得意気にニヤニヤしてる……。こんな極限状態じゃなきゃ相手しねぇよ。


















 


 
 やった、晴れた。
 飛ぶ気力は残ってますが、結構高い所にいるのがネック。浮遊したら、空気薄すぎて死にかけた。
 ある程度空気の濃いところまで徒歩で下山してから、一気に飛んで帰るのがベストと判断。
 っていうかできれば助けに来てくれませんか。






















 妹紅が動かなくなった。不死身だし、ほっといても大丈夫そうだけど……。
 確か蓬莱人も空腹は感じるんだよね。つまり、永遠に飢えて行動不能なまま、ここに置いてけぼりな状態にできると。
 やったぁ厄介者排除じゃん、とか一瞬思ったけどそこまで鬼畜じゃない、そういうのは師匠の担当。
 おんぶしてます。奴を。一気に行動範囲が狭まりました。
 そして、身近な所でカロリーを摂取するためにはアレな訳で。
 その、何ていうか……。この報告書用の紙と、パンツ。どっち食べるかの二択で迷ってる。
 個人的には紙をプッシュしたいけど、報告書に愚痴書く事で精神の平静を保ってる気がするし……。

 ――。

 もし、これからもそちらに報告書が届くようだったら、パンツの事には触れないでほしい。
























 ――何故報告書を届ける事ができるのか。そんな疑問に答えたい。
 よく訓練された鳩の足に手紙を結んでるからです。つまり、この伝書鳩についていけば、迷わずに帰れるという訳で。
 やっぱり鳥は偉いな、と妹紅も得意気です。もうちょっとで下山できそうです。
 帰ったら妹紅にネタバレして、二人して姫をぶん殴りたいです。
 たかが吹き出物くらいでこんな……。蓬莱人なら自力で治せるんじゃあ……。薬使った方が治り早いのかな。
 それとも、追加効果の美肌目的なのかな。どっちみち許さん。








 
 
 
 最後の報告書を受け取った後、私はそれを丸めて胸の谷間に挟んで隠した。
 こんな面白いもの、捨てられる訳ないじゃない。しばらくは額縁に入れて飾って、姫と一緒にニヤニヤする。
 
「パンツの味についてkwsk」

 姫のねっとりとした質問攻めにうんざりな様子の二人。
 下山直後、周辺の村人に保護されてたとかで。
 普通にピンピンしてるのが惜しい、苦悶の表情が一番可愛いのに。
 
「もう質問とか勘弁してよね。梅干しでも食べて横になってれば?」
「梅干し?」
「ああ、いや、ほら。つーか硫黄で治療できんの? 産湯にでも入れるのかしら」
「産湯?」

 未だに藤原妹紅は誤解している模様。面白いので放置。
 うどんげの方はというと、

「師匠、パンツって炒めても美味しいですよ」

 変な食習慣が身についてしまった……。後で躾け直さないと。
 とりあえず、怒りの矛先が私に向かわないようにせねば。ねぎらいの言葉と意味ありげな視線を与えておく。
 これでいい。うどんげの奴は、しばらくの間、変な期待して悶々と過ごす筈だ。でも何もしてやらない。
 手元にずっしりとめり込む硫黄を見る。二人合わせて4000グラム超、得意気に持ってきた時はもうね。
 鼻が曲がるかと。集めすぎよね。張り切りすぎよね。正直、扱いに困る。
 だが、一番困るのは、二人が下山した時にはもう、姫の吹き出物が完治していた事だ。なんという無駄足。
 硫黄の使い道にアレコレ悩んでた所にてゐ登場、

「湯船にぶち込めば温泉気分じゃないっスか」

 流石だ。無駄に長生きしてるだけある。(お前もだろとか思ったかしら? 殺すわよ)
 卵入れたら擬似温泉卵作り放題なのも良い。新しい商売に出来そう。
 うどんげの下着なんて、二束三文でしか売れなくなってきてるし。全く。
 縞模様以外は、男ウケが悪いから履くな、とあれ程言ったのに。
 何が面白くてレースなんざ履く、売れねぇよ、と思わず呟いてしまった。

「――! もしや、私の下着の裏取引に師匠が一枚噛んで……?」

 我が弟子ながら勘のいい奴だ。まて、その手はなによ、暴力いけないや め
紳士的ロリコン
コメント



1.名無し妖怪削除
二人とも無事に(?)帰ってこれてなにより。
それにしても師匠が外道だwww
2.名無し妖怪削除
>私がトイレしてる間は遠く行けー
 お前の破廉恥な格好よりマシだ
考えてみれば、まともな事だなW
3.名無し妖怪削除
えーりん鬼畜すぎるだろw
あと、姫うぜぇw
4.名無し妖怪削除
バブル妹紅で死んだ
5.名無し妖怪削除
どうかんがえてもこの永遠亭は終わってる
姫とてゐは逃げたほうがいい
6.名無し妖怪削除
だから突っ込みきれねぇんだよぉぉぉぉ!!!
7.俄雨削除
ひっでぇwww
8.削除
そして、今度は暴力を振るう側として目覚めたうどんげといたぶられる快感を知ったえーりんが立場逆転したりして……w
9.三文字削除
フジヤマヴォルケイノらず
フジヤマヴォルケイノり
フジヤマヴォルケイノる
フジヤマヴォルケイノれ
フジヤマヴォルケイノれば
・・・・・・いや何となく。それにしてもカオスwwネクタイでマジで色々と吹いたので謝罪とば(ry
10.名無し妖怪削除
>>バブル妹紅で死んだ
俺もだ。
11.捨異聞背少女削除
タイトルからして吹いたw 全員なにやってんだw
ハートマンノリ? の口の悪さが素敵。
12.名無し妖怪削除
もこたんは何にも悪くないよ!

>ファザコンでヘタレ
なんだかイイ。
13.名無し妖怪削除
ノシ<バブル妹紅で死んだ
いかん全員頭沸いてやがるwwwww
14.名前が無い程度の能力削除
これってどこからつっこめばいいんだかwwwww
15.名前が無い程度の能力削除
師匠鬼すぎるwwwwwwwww