※多分普通の霖之助です。オリ設定が多少あるので苦手な方ブラウザで戻るをどうぞ。
※前作『霖之助商売奮闘記その1』の続きです。一応役に立たない粗筋が書いてありますが
前作を読んで置くと多分得した気分になれます。
あらすじ
あるところに霖之助という若者(?)とルーミアという少女(?)が住んでいました。
二人は貧しいながらも楽しい生活を送っていましたが、ある秋の日、とうとうヤバイ所まで来てしまったので
霖之助が「ご飯を減らそう」と言ったところ、るみゃのまさかのマジ泣き。
どうしようと困り果てたその時! 僕らのヒーロー魔理沙さん登場!
しかし乙女の勘違い、このロリコンがっとばかりにファイナルスパーク。
おかげで香霖仮死状態、三途でばったり小町姐さんと遭遇、愚痴り合う。
「愚痴に付き合ってくれたお礼だよ」
・霖之助は『雑誌』を手に入れた!
復活したら埋められそうになってた。 以上、こんな感じだったはず
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
仮死状態から復活した際、僕は穴の中に居てあろうことか体中に土がかかってた。
そして上の方――穴の入り口ではえっさほいさと土をスコップで埋めにかかる……なにやら必死な顔の魔理沙の姿が。
目が合う。魔理沙の顔が引きつった。
「魔理沙……? これはどういう……」
「うわぁぁぁぁ!! あ、悪霊退散! 南無阿弥陀仏! なかったことに! 夢想封印!」
よくわからない叫びと共にざっくざっくと土が入れられる。
「うわっ!? ちょっ、待て、やめるんだ!!」
「とにかく早く埋まれぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「ああああああああ!?」
程なくして埋めきった。
二分後、死に物狂いで這い出た。生きているって素晴しい。
墓標代わりにでもしようとしたのか、すぐ近くに自分の眼鏡が落ちていた。
適当に土を払い、かけ直す。
辺りを見回すとどうやら魔理沙は埋めた後すぐ逃げたようで近くにスコップが捨てられていた。
魔理沙め……
しかし本人がいない以上泣こうが喚こうが意味は無い。
見たところ家の割と近く――かな。歩いて帰れる距離だ。
多分魔理沙のことだ、魔法の森ならば証拠隠滅も楽だと考えたに違いない。
眼鏡があった事と家に近い事は不幸中の幸いといったところか。
ルーミアのことも気掛かりだし、さっさと帰って……
ぐぅ~~
突如盛大に腹が鳴った。気がつけば空は濃い橙色(ちぇんいろじゃないよ、だいだいいろ。)
鴉の鳴く頃だ。
そういえばルーミアもお腹を空かせてたな。
むう。早く帰らないと食料が……
とりあえず急ぎ足で帰ることとする。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
がちゃ。
がぶっ
家のドアを開けた瞬間ルーミアに襲われた。(食的な意味で)
「あ痛ーーーーー!?」
ドアを開いく際に使った右腕に大きく噛り付くルーミア。
豪快に噛まれればどこであっても痛い。
がじがじがじがじ
「いたっ! ル、ルーミア! 痛い!」
よく見るとルーミアの目は虚ろで三大欲求の内の1つを満たす為、
一切の考えをしていないようだった。(もちろん食欲)
「ぼ、僕だ! 霖之助だ!」
・ ルーミアはうっとりしている
(ぐあああ! 駄目だ! 聞いてない! ともかく口を……口を開かせるんだ!!)
暴力的でなく、かつ可及的速やかに相手の口を開かせる方法――
(これでどうだっ!!)
左手をルーミアの右腋に、そのまま――くすぐる!!
ルーミアの体がびくんっと跳ねた
「っ! ぷあっ!? うひゃうっっ!?」
外れた!! 今度この対処法を阿礼乙女に教えとこう!
口が離れた瞬間うまく横をすりぬけ店のカウンターの裏へ。
振り向くルーミア。霖之助に飛びかかるまであと2秒。
カウンター裏で箱に手を突っ込み目当ての物を探り出す霖之助。あと1秒。
飛びかかるルーミア。紐の付いた「それ」を引きずり出す霖之助。
霖之助は「それ」をカウボーイよろしく、ルーミアの口めがけて投げる。
「それ」は一本の紐にカラフルな丸いものがいくつかついた――
売り物の駄菓子アイテム、「紐飴」だった。
がぽっ
紐飴は見事ルーミアの口にジャストイン。
「む……あまーい。」
・ ルーミアは正気に戻った
霖之助はほっと胸を撫で下ろし、飴に感謝した。甘いもの万歳。
「あ、ひんのひゅけおひゃえり~」
紐についた飴をほおばりながら何事もなかったかのようにルーミアは挨拶した。
「ああ……うん、ただいま。」
ごくん。
「よかった、白黒に連れ去られてもうしばらく帰ってこないのかと思ったよ~」
うん、ちょっと死んでたし、ついでに埋められかけたり、君に食われかけたりした。
……あ、そうだ。小町にもらった雑誌は……
服の上からぱんぱんと叩くと懐に紙の感触があり、取り出すと、例の雑誌が出てきた。
さっそく読もうかと思ったが、
ぐう。
間抜けな音が店内に響く。
「……ご飯にしようか。」
「うん!わたし、りんのすけが帰るまで待ってたんだよ?途中から覚えてないけど。」
……今度から気を付けよう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さて、質素な食事も済み、辺りは深い藍色(らんいろじゃないよ、あいいろ。)になってきた。
ルーミアも食料を探しに外に出て行った。今更ながら僕は土と腕が涎まみれの服を籠に入れ、着替えた。
「さて、と。」
カウンター内にあるに椅子に座り、足を組んで一息。ああ、やはりここは落ち着く。
ほどなくして貰った雑誌をぱらぱらと捲る。何種類もの職業、、実際ある有名な店など。
横文字も多く解読しにくい現代語の箇所もあるが概ね読める。写真付きはありがたい。
(しかしすごいなこれは……思いもよらぬ仕事が多いし、正直見ていて驚かされる。)
「……ん?」
ふと、あるページに目が止まった。
飲食店の項。喫茶店というもの。
茶屋とは違い、いかにもな洋風の造りの店で甘いスイーツやお茶を嗜む癒しの空間。
スイーツとは多分洋菓子のことだろう。
……む。和風喫茶というのもあるのか。
ははあ、制服はかわいらしいのが多いな。この服なんてちょっと魔理沙っぽいかも。
まあその魔理沙っぽい服の店はいわゆる『コスプレ喫茶』なのだが。
「あ、そういえばこんな服が店の倉庫にあったな。なるほどこういう店の為なのか。 ふむ、検討しておこう。」
しばらくして
「ただいま~今日は狼が捕れたよ~」
真剣に経営の算段について悩み始めた時、
ルーミア帰宅。
獲物は2mはある狼。さすがルーミア。たくましい女の子だ。
「お、めずらしいね。大物だ。」
よし、これでまた少し命が延びる。
「うん! ちょっと竹林まで行ったらいたんだよ。」
ちなみに、この狼は永遠亭の兎を前々から狙っており、いざ行動を起こそうとした時、ルーミアに見つかり撃破された。
運が悪かったといえばそれまでだが、結果的に永遠亭の兎を救ったというのに二人はそんなこと知る由も無かった。
今日も永遠亭は平和です。
「とりあえず干し肉にしようか。新鮮なうちにちゃっちゃとやろう。」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
~青年捌き中~
「ルーミア、内臓食べる?」
「うん」
~少女貪り中~
「りんのすけは?おいしいよ?」
「魚はいいけど動物のは苦手なんだ……」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それから約10分後
「……ふう。」
肉付きのいい狼でよかった。食べられる箇所も多い。
適当に切り分け、塩を摺りこんで漬けておく。
外でむしゃむしゃとまだルーミアは内臓を食べていた。
せっかくの恵みだ、無駄にはしない。
骨は砕いて肥料に、牙で装飾品でも作るか。魔除けになるらしいし。
皮は……なめして敷物にでもして永遠亭か紅魔館にでも売ろう。人里の富豪でもいいか。
それにしても血生臭いな。当たり前だけど。
「ごちそうさま!」
ばん、と扉を足で開けてルーミアが戻ってきた。両手、口ともに真っ赤だ。
顔は満足そのものだが。
「ルーミア、血だらけじゃないか。今お風呂沸かすから入りなさい。」
ずぼ、と僕は腕まで覆う伸縮性のある手袋、『ゴム手袋』を外して水を張った『バケツ』に入れる。
こういうとき、外の技術の品はあると本当に助かる。噂ではこの分厚い『ゴム手袋』より
ワンランク上の『しゅじゅつ用ゴム手袋』という品があるそうだが眉唾ものだ。いいにくい名前だし。
「はーい」
ルーミアは例の十進法のポーズのまま店の中で待っていた。
待つことしばらく。
ルーミアは暇になったので軽い悪戯気分で浮いて天井に手形をつけといた。
離れて見ると、うん、そこはかとなく不気味だ。
「おーい、ルーミアーおいで~」
「いまいく~~」
霖之助に呼ばれ、ルーミアはぱたぱたと浴室に向かった。
とりあえずルーミアの服をてきぱきと脱がし、水の張った桶に着ていた服を入れる。
黒い服で目立たなかったが、案の定ブラウスなどは血に濡れていた為、桶の水はすぐ真っ赤になった。
……ちょっと前に僕が新調しておいたばかりなのに。
「あ……ごめんなさい。久しぶりにたくさん食べれたから……」
ルーミアは申し訳なさそうにうつむいた。
「いや、気にすることはないよ。着替えを探すからお風呂でよく体を洗うんだ、いいね?」
「あれ?一緒に入らないの?」
「着替えを探さなきゃいけないからね。――ああ、でも髪は洗ってあげるよ。」
「わーい」
霖之助はルーミアの髪をしゃんぷーで洗い、ついでにと体も洗って浴室を後にした。
もちろんに霖之助に邪な気は一切無い。
どちらかといえば金髪であるあたりから昔の魔理沙を思い出してああこんな日々もあったなとかちょっと感慨に耽っていた。
…ちなみにいつもはルーミアと一緒に湯船に入ってたりする。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
がさがさ…
「えーっと子供服は……これか。うん、このワンピースなら涼しくていいな。」
なにぶん服装に対する感性というものが霖之助には皆無だったので
こういう簡素なものは助かる。
が、寝る時の服装としてどうかとかは考えなかった。
「りんのすけー」
丁度よくとてとてとルーミアが歩いてきた。
「あ、丁度いい所に。ルーミアほら……ってちゃんと頭拭いてないじゃないか」
ぐしぐしとルーミアの頭を手拭いで拭いてやる。
「うゆぅー」
「はい、これ着てもう寝なさい。僕はもう少し考え事してるから。」
「はーい。じゃありんのすけおやすみー」
ルーミアは白いワンピースのみを身に纏い部屋の奥へと向かった。
「さて……どうするかな。」
再び椅子に座り、霖之助は天井を眺めて呟く。
天井には不気味な紅い小さな手形があった。
※前作『霖之助商売奮闘記その1』の続きです。一応役に立たない粗筋が書いてありますが
前作を読んで置くと多分得した気分になれます。
あらすじ
あるところに霖之助という若者(?)とルーミアという少女(?)が住んでいました。
二人は貧しいながらも楽しい生活を送っていましたが、ある秋の日、とうとうヤバイ所まで来てしまったので
霖之助が「ご飯を減らそう」と言ったところ、るみゃのまさかのマジ泣き。
どうしようと困り果てたその時! 僕らのヒーロー魔理沙さん登場!
しかし乙女の勘違い、このロリコンがっとばかりにファイナルスパーク。
おかげで香霖仮死状態、三途でばったり小町姐さんと遭遇、愚痴り合う。
「愚痴に付き合ってくれたお礼だよ」
・霖之助は『雑誌』を手に入れた!
復活したら埋められそうになってた。 以上、こんな感じだったはず
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
仮死状態から復活した際、僕は穴の中に居てあろうことか体中に土がかかってた。
そして上の方――穴の入り口ではえっさほいさと土をスコップで埋めにかかる……なにやら必死な顔の魔理沙の姿が。
目が合う。魔理沙の顔が引きつった。
「魔理沙……? これはどういう……」
「うわぁぁぁぁ!! あ、悪霊退散! 南無阿弥陀仏! なかったことに! 夢想封印!」
よくわからない叫びと共にざっくざっくと土が入れられる。
「うわっ!? ちょっ、待て、やめるんだ!!」
「とにかく早く埋まれぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「ああああああああ!?」
程なくして埋めきった。
二分後、死に物狂いで這い出た。生きているって素晴しい。
墓標代わりにでもしようとしたのか、すぐ近くに自分の眼鏡が落ちていた。
適当に土を払い、かけ直す。
辺りを見回すとどうやら魔理沙は埋めた後すぐ逃げたようで近くにスコップが捨てられていた。
魔理沙め……
しかし本人がいない以上泣こうが喚こうが意味は無い。
見たところ家の割と近く――かな。歩いて帰れる距離だ。
多分魔理沙のことだ、魔法の森ならば証拠隠滅も楽だと考えたに違いない。
眼鏡があった事と家に近い事は不幸中の幸いといったところか。
ルーミアのことも気掛かりだし、さっさと帰って……
ぐぅ~~
突如盛大に腹が鳴った。気がつけば空は濃い橙色(ちぇんいろじゃないよ、だいだいいろ。)
鴉の鳴く頃だ。
そういえばルーミアもお腹を空かせてたな。
むう。早く帰らないと食料が……
とりあえず急ぎ足で帰ることとする。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
がちゃ。
がぶっ
家のドアを開けた瞬間ルーミアに襲われた。(食的な意味で)
「あ痛ーーーーー!?」
ドアを開いく際に使った右腕に大きく噛り付くルーミア。
豪快に噛まれればどこであっても痛い。
がじがじがじがじ
「いたっ! ル、ルーミア! 痛い!」
よく見るとルーミアの目は虚ろで三大欲求の内の1つを満たす為、
一切の考えをしていないようだった。(もちろん食欲)
「ぼ、僕だ! 霖之助だ!」
・ ルーミアはうっとりしている
(ぐあああ! 駄目だ! 聞いてない! ともかく口を……口を開かせるんだ!!)
暴力的でなく、かつ可及的速やかに相手の口を開かせる方法――
(これでどうだっ!!)
左手をルーミアの右腋に、そのまま――くすぐる!!
ルーミアの体がびくんっと跳ねた
「っ! ぷあっ!? うひゃうっっ!?」
外れた!! 今度この対処法を阿礼乙女に教えとこう!
口が離れた瞬間うまく横をすりぬけ店のカウンターの裏へ。
振り向くルーミア。霖之助に飛びかかるまであと2秒。
カウンター裏で箱に手を突っ込み目当ての物を探り出す霖之助。あと1秒。
飛びかかるルーミア。紐の付いた「それ」を引きずり出す霖之助。
霖之助は「それ」をカウボーイよろしく、ルーミアの口めがけて投げる。
「それ」は一本の紐にカラフルな丸いものがいくつかついた――
売り物の駄菓子アイテム、「紐飴」だった。
がぽっ
紐飴は見事ルーミアの口にジャストイン。
「む……あまーい。」
・ ルーミアは正気に戻った
霖之助はほっと胸を撫で下ろし、飴に感謝した。甘いもの万歳。
「あ、ひんのひゅけおひゃえり~」
紐についた飴をほおばりながら何事もなかったかのようにルーミアは挨拶した。
「ああ……うん、ただいま。」
ごくん。
「よかった、白黒に連れ去られてもうしばらく帰ってこないのかと思ったよ~」
うん、ちょっと死んでたし、ついでに埋められかけたり、君に食われかけたりした。
……あ、そうだ。小町にもらった雑誌は……
服の上からぱんぱんと叩くと懐に紙の感触があり、取り出すと、例の雑誌が出てきた。
さっそく読もうかと思ったが、
ぐう。
間抜けな音が店内に響く。
「……ご飯にしようか。」
「うん!わたし、りんのすけが帰るまで待ってたんだよ?途中から覚えてないけど。」
……今度から気を付けよう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さて、質素な食事も済み、辺りは深い藍色(らんいろじゃないよ、あいいろ。)になってきた。
ルーミアも食料を探しに外に出て行った。今更ながら僕は土と腕が涎まみれの服を籠に入れ、着替えた。
「さて、と。」
カウンター内にあるに椅子に座り、足を組んで一息。ああ、やはりここは落ち着く。
ほどなくして貰った雑誌をぱらぱらと捲る。何種類もの職業、、実際ある有名な店など。
横文字も多く解読しにくい現代語の箇所もあるが概ね読める。写真付きはありがたい。
(しかしすごいなこれは……思いもよらぬ仕事が多いし、正直見ていて驚かされる。)
「……ん?」
ふと、あるページに目が止まった。
飲食店の項。喫茶店というもの。
茶屋とは違い、いかにもな洋風の造りの店で甘いスイーツやお茶を嗜む癒しの空間。
スイーツとは多分洋菓子のことだろう。
……む。和風喫茶というのもあるのか。
ははあ、制服はかわいらしいのが多いな。この服なんてちょっと魔理沙っぽいかも。
まあその魔理沙っぽい服の店はいわゆる『コスプレ喫茶』なのだが。
「あ、そういえばこんな服が店の倉庫にあったな。なるほどこういう店の為なのか。 ふむ、検討しておこう。」
しばらくして
「ただいま~今日は狼が捕れたよ~」
真剣に経営の算段について悩み始めた時、
ルーミア帰宅。
獲物は2mはある狼。さすがルーミア。たくましい女の子だ。
「お、めずらしいね。大物だ。」
よし、これでまた少し命が延びる。
「うん! ちょっと竹林まで行ったらいたんだよ。」
ちなみに、この狼は永遠亭の兎を前々から狙っており、いざ行動を起こそうとした時、ルーミアに見つかり撃破された。
運が悪かったといえばそれまでだが、結果的に永遠亭の兎を救ったというのに二人はそんなこと知る由も無かった。
今日も永遠亭は平和です。
「とりあえず干し肉にしようか。新鮮なうちにちゃっちゃとやろう。」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
~青年捌き中~
「ルーミア、内臓食べる?」
「うん」
~少女貪り中~
「りんのすけは?おいしいよ?」
「魚はいいけど動物のは苦手なんだ……」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それから約10分後
「……ふう。」
肉付きのいい狼でよかった。食べられる箇所も多い。
適当に切り分け、塩を摺りこんで漬けておく。
外でむしゃむしゃとまだルーミアは内臓を食べていた。
せっかくの恵みだ、無駄にはしない。
骨は砕いて肥料に、牙で装飾品でも作るか。魔除けになるらしいし。
皮は……なめして敷物にでもして永遠亭か紅魔館にでも売ろう。人里の富豪でもいいか。
それにしても血生臭いな。当たり前だけど。
「ごちそうさま!」
ばん、と扉を足で開けてルーミアが戻ってきた。両手、口ともに真っ赤だ。
顔は満足そのものだが。
「ルーミア、血だらけじゃないか。今お風呂沸かすから入りなさい。」
ずぼ、と僕は腕まで覆う伸縮性のある手袋、『ゴム手袋』を外して水を張った『バケツ』に入れる。
こういうとき、外の技術の品はあると本当に助かる。噂ではこの分厚い『ゴム手袋』より
ワンランク上の『しゅじゅつ用ゴム手袋』という品があるそうだが眉唾ものだ。いいにくい名前だし。
「はーい」
ルーミアは例の十進法のポーズのまま店の中で待っていた。
待つことしばらく。
ルーミアは暇になったので軽い悪戯気分で浮いて天井に手形をつけといた。
離れて見ると、うん、そこはかとなく不気味だ。
「おーい、ルーミアーおいで~」
「いまいく~~」
霖之助に呼ばれ、ルーミアはぱたぱたと浴室に向かった。
とりあえずルーミアの服をてきぱきと脱がし、水の張った桶に着ていた服を入れる。
黒い服で目立たなかったが、案の定ブラウスなどは血に濡れていた為、桶の水はすぐ真っ赤になった。
……ちょっと前に僕が新調しておいたばかりなのに。
「あ……ごめんなさい。久しぶりにたくさん食べれたから……」
ルーミアは申し訳なさそうにうつむいた。
「いや、気にすることはないよ。着替えを探すからお風呂でよく体を洗うんだ、いいね?」
「あれ?一緒に入らないの?」
「着替えを探さなきゃいけないからね。――ああ、でも髪は洗ってあげるよ。」
「わーい」
霖之助はルーミアの髪をしゃんぷーで洗い、ついでにと体も洗って浴室を後にした。
もちろんに霖之助に邪な気は一切無い。
どちらかといえば金髪であるあたりから昔の魔理沙を思い出してああこんな日々もあったなとかちょっと感慨に耽っていた。
…ちなみにいつもはルーミアと一緒に湯船に入ってたりする。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
がさがさ…
「えーっと子供服は……これか。うん、このワンピースなら涼しくていいな。」
なにぶん服装に対する感性というものが霖之助には皆無だったので
こういう簡素なものは助かる。
が、寝る時の服装としてどうかとかは考えなかった。
「りんのすけー」
丁度よくとてとてとルーミアが歩いてきた。
「あ、丁度いい所に。ルーミアほら……ってちゃんと頭拭いてないじゃないか」
ぐしぐしとルーミアの頭を手拭いで拭いてやる。
「うゆぅー」
「はい、これ着てもう寝なさい。僕はもう少し考え事してるから。」
「はーい。じゃありんのすけおやすみー」
ルーミアは白いワンピースのみを身に纏い部屋の奥へと向かった。
「さて……どうするかな。」
再び椅子に座り、霖之助は天井を眺めて呟く。
天井には不気味な紅い小さな手形があった。
さて、新商売の一端が出てきましたか。コスプレとはどれだ?ルーミアのメイド姿希望とだけ。
>「うわぁぁぁぁ!! あ、悪霊退散! 南無阿弥陀仏! なかったことに! 夢想封印!」
おっ!夢想封印使えちゃうか!?とか思ってしまった
なるほど、こういう状況だったわけか
コスプレ喫茶にするなら紅魔館と提携して運営したほうがいいきがするなぁ
ルーミアやこーりんじゃそれほど美味い紅茶も淹れられないだろうし
ともかく、本能が強い(と思われる)ルーミヤが好むのも無理はないかと。
あと以外にも誰も言ってないので言うけどこーりんコロスww
肉食獣の腸だとダメなんでしたっけ?
るみゃかわいいよ。
前回、それぞれの方にレスをしてなかったので
今回はちゃんとレスをさせていただきます!
では下から順に
>道端から覗く程度の能力さん
霊夢は優しさ溢れる巫女さん、というのが私のイメージです
>名無し妖怪さん(一人目)
>ルーミアのメイド姿希望
(……ニヤッ)プロット上ではトンでも事態になってます。ええ。
>名無し妖怪さん(二人目)
実は当初は我慢と本能の間で激しい脳内バトルが繰り広げられ、
オーバーヒートしていた、という設定でした。使えばよかったかな…?
夢想封印は使えませんがとりあえず叫んだだけです。困った時は夢想封印。
>名無し妖怪さん(三人目)
>喫茶にするなら紅魔館と提携して運営したほうがいいきがするなぁ
(……ニヤッ)紅魔館がかなり大変な状況になってます。とだけ。
>時空や空間を翔る程度の能力さん
怖いですよねぇ。特に動物的なのは。
>名無し妖怪さん(四人目)
私自身はモツ鍋とかは嫌いじゃないのですが周りのウケは悪いですね。
>こーりんコロ(ry
これを聞くと安心してしまう…何故だろう?
>名無し妖怪さん(五人目)
腸、というと今の所バイオ関係において腸内から造る細菌の利用が
注目されています。…といっても自分の研究機関内の話ですがw
るみゃがかわいいのは間違いありませんね。
と、こんなところでしょうか。
…実はこの霖之助商売奮闘記なのですが、
思いのほかキャラが増えていることに気が付きました。
現状の一番新しいプロットだと13人とか手に負えないぐらい増えてます。
まあ何とかなるだろうと思いつつ。
次回、霖之助商売奮闘記その3は2月11日を予定しています。お楽しみに?