ある晴れた昼下がり。香霖堂の店主、森近霖之助はめずらしく外に出ていた。
といっても、ただの散歩ではなく、外の世界のものが流れ着いていないかを探す、要は商品の仕入れのため、である。
そう急ぐ目的もなく、少し遠回りをしてみようと、ある丘にたどり着いたとき、黄色いビニールシートの上で倒れている人物を発見した。
霖之助は、できれば関わりたくないぁと思いながらも、倒れている人物が店の常連様ため、声をかけた。
「大丈夫かい?小悪魔さん」
倒れていたのは、紅魔館の図書館に住む、小悪魔であった。
彼女は店のお客さんとしては、比較的常識があるほうである。
「はれぇ?香霖堂さん?」
一応、返事はしてくれた。目は死んでいるけど。
「ああ、そうだよ。どうしたんだい?こんなところで?」
「う、うう…、それがですね…。今日の朝、いつものように門番長さんに挨拶と(性的な)悪戯をしに行ったんですけど、
そのときに、いい天気だなぁって思いまして…」
ちなみに門番長の(性的な)悪戯阻止率は100%である。時を止めても無理でした!
「で、引きこもっていることが多いパチュリー様をピクニックに誘ったんですが、案の定断られまして」
「まあ、そうだろうね」
霖之助は一度、魔理沙に強引に連れてこられた、紫の少女を思い出した。
「それでもったいないなぁーと思ってたら、パチュリー様が、羽をのばしてきたらってお暇をくれたんです。
せっかくくださった休みだし、気合いを入れてピクニックを楽しもう!と思って、お弁当も作ったんですが…」
「なるほど。そのお弁当を忘れてきた、と」
「そのとおりなんですぅ…、しくしく」
どよ~んと、ルナサ姉さんを召還しかねない空気を発し始めた小悪魔を見て、霖之助はさすがに憐れに思い、
自分の昼飯の包みを小悪魔に差し出す。
「よかったらどうだい。具も入っていない、塩をかけただけの握り飯だけど」
「ふぇっ!いいんですか?」
「ああ、僕もちょうど昼にしようと思っていたところだしね」
「あ、ありがとうございます!!」
と、小悪魔は握り飯をそれはそれはうれしそうに、もくもく食べ始めた。
それを見て霖之助もビニールシートの上に座り、握り飯を食べる。
青空の下で食べる握り飯は、とてもおいしかった。
「ごちそうさまでした。とってもおいしかったです」
「それはよかったよ。じゃあ、僕はそろそろ行くかな」
「あ、ちょっと待ってください」
霖之助が立ち上がろうとすると、小悪魔が呼び止めた。
「な、何かお礼をしないと…」
「いや、気にしなくてもいいよ。せっかくの休日なんだ、ゆっくり楽んだらどうだい?」
「そうはいきません!お世話になりっぱなしでは小悪魔の名が泣きます!!」
反論を許さぬ剣幕で、小悪魔は霖之助に詰め寄った。あまりの迫力に
「あ、ああ。そうか。じゃあ、店の商品の整理を頼もうか…」
と、思わず口走っていた。
結局、一度口に出した以上、お願いすることになり、霖之助は小悪魔を連れて、香霖堂に戻ってきた。
「本当にいいのかい?休日がつぶれるよ?」
「大丈夫です。それに、香霖堂さんの商品がどれくらいあるか、知りたかったりもするんです」
「そうかい。じゃあ、遠慮なく頼もうか」
「はい!」
「そっちの奥の花瓶を、こっちに出してくれるかい?」
霖之助が指示した花瓶を、言われた場所に出す小悪魔。
「これですね。こうゆう感じでどうでs‘ガシャン’あれ?」
そして、見事に花瓶を落とした。
この花瓶の残骸を片付けるのに、なぜか花瓶の残骸が2組に増えていた。
つまり、小悪魔はドジッ子だった。正真正銘のドジッ子だった。針の穴を通す精度でドジッ子であった。
小悪魔が行動を起こすたびに、商品が一つ割れ、使い物にならなくなり、形が変わっていった。
こうして香霖堂のあるかなしかの収益が、少しずつ減っていく。
それでも一応(ほんとうに一応だが)、商品の整理が一息ついたとき、日もだいぶ傾いていた。
「もうすぐ日が暮れるから、今日はもう帰ったらどうだい?」
「はい…、今日はすみませんでした」
「いや、いいよ。でも、悪いと思ったなら、今度はお客様として助けてくれるかい?」
「それなら、是非!今は手持ちもないので、また今度でいいですか?」
「ああ、頼むよ」
「今日は、本当にありがとうございました。また今度」
「また今度」
こうして小悪魔は帰って行った。霖之助は小悪魔の出した損害を計算し、ため息をついたのであった。
霖之助さんに今度は幸せの天使がくるといいですね。
と、
「香霖!これとこれとこれをもらっていくぜ!!」
「霖之助さん、このお茶いただいていくね」
霖之助の持ち金が4分の1になった。
といっても、ただの散歩ではなく、外の世界のものが流れ着いていないかを探す、要は商品の仕入れのため、である。
そう急ぐ目的もなく、少し遠回りをしてみようと、ある丘にたどり着いたとき、黄色いビニールシートの上で倒れている人物を発見した。
霖之助は、できれば関わりたくないぁと思いながらも、倒れている人物が店の常連様ため、声をかけた。
「大丈夫かい?小悪魔さん」
倒れていたのは、紅魔館の図書館に住む、小悪魔であった。
彼女は店のお客さんとしては、比較的常識があるほうである。
「はれぇ?香霖堂さん?」
一応、返事はしてくれた。目は死んでいるけど。
「ああ、そうだよ。どうしたんだい?こんなところで?」
「う、うう…、それがですね…。今日の朝、いつものように門番長さんに挨拶と(性的な)悪戯をしに行ったんですけど、
そのときに、いい天気だなぁって思いまして…」
ちなみに門番長の(性的な)悪戯阻止率は100%である。時を止めても無理でした!
「で、引きこもっていることが多いパチュリー様をピクニックに誘ったんですが、案の定断られまして」
「まあ、そうだろうね」
霖之助は一度、魔理沙に強引に連れてこられた、紫の少女を思い出した。
「それでもったいないなぁーと思ってたら、パチュリー様が、羽をのばしてきたらってお暇をくれたんです。
せっかくくださった休みだし、気合いを入れてピクニックを楽しもう!と思って、お弁当も作ったんですが…」
「なるほど。そのお弁当を忘れてきた、と」
「そのとおりなんですぅ…、しくしく」
どよ~んと、ルナサ姉さんを召還しかねない空気を発し始めた小悪魔を見て、霖之助はさすがに憐れに思い、
自分の昼飯の包みを小悪魔に差し出す。
「よかったらどうだい。具も入っていない、塩をかけただけの握り飯だけど」
「ふぇっ!いいんですか?」
「ああ、僕もちょうど昼にしようと思っていたところだしね」
「あ、ありがとうございます!!」
と、小悪魔は握り飯をそれはそれはうれしそうに、もくもく食べ始めた。
それを見て霖之助もビニールシートの上に座り、握り飯を食べる。
青空の下で食べる握り飯は、とてもおいしかった。
「ごちそうさまでした。とってもおいしかったです」
「それはよかったよ。じゃあ、僕はそろそろ行くかな」
「あ、ちょっと待ってください」
霖之助が立ち上がろうとすると、小悪魔が呼び止めた。
「な、何かお礼をしないと…」
「いや、気にしなくてもいいよ。せっかくの休日なんだ、ゆっくり楽んだらどうだい?」
「そうはいきません!お世話になりっぱなしでは小悪魔の名が泣きます!!」
反論を許さぬ剣幕で、小悪魔は霖之助に詰め寄った。あまりの迫力に
「あ、ああ。そうか。じゃあ、店の商品の整理を頼もうか…」
と、思わず口走っていた。
結局、一度口に出した以上、お願いすることになり、霖之助は小悪魔を連れて、香霖堂に戻ってきた。
「本当にいいのかい?休日がつぶれるよ?」
「大丈夫です。それに、香霖堂さんの商品がどれくらいあるか、知りたかったりもするんです」
「そうかい。じゃあ、遠慮なく頼もうか」
「はい!」
「そっちの奥の花瓶を、こっちに出してくれるかい?」
霖之助が指示した花瓶を、言われた場所に出す小悪魔。
「これですね。こうゆう感じでどうでs‘ガシャン’あれ?」
そして、見事に花瓶を落とした。
この花瓶の残骸を片付けるのに、なぜか花瓶の残骸が2組に増えていた。
つまり、小悪魔はドジッ子だった。正真正銘のドジッ子だった。針の穴を通す精度でドジッ子であった。
小悪魔が行動を起こすたびに、商品が一つ割れ、使い物にならなくなり、形が変わっていった。
こうして香霖堂のあるかなしかの収益が、少しずつ減っていく。
それでも一応(ほんとうに一応だが)、商品の整理が一息ついたとき、日もだいぶ傾いていた。
「もうすぐ日が暮れるから、今日はもう帰ったらどうだい?」
「はい…、今日はすみませんでした」
「いや、いいよ。でも、悪いと思ったなら、今度はお客様として助けてくれるかい?」
「それなら、是非!今は手持ちもないので、また今度でいいですか?」
「ああ、頼むよ」
「今日は、本当にありがとうございました。また今度」
「また今度」
こうして小悪魔は帰って行った。霖之助は小悪魔の出した損害を計算し、ため息をついたのであった。
霖之助さんに今度は幸せの天使がくるといいですね。
と、
「香霖!これとこれとこれをもらっていくぜ!!」
「霖之助さん、このお茶いただいていくね」
霖之助の持ち金が4分の1になった。
しかし、リトルデビル(小悪魔)で所持金4分の1だったら、ちとつらい感じですなぁ…
咲夜さん、あなたもですか・・・
美鈴はすごいね