Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

味噌汁

2008/01/25 09:58:50
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 妖怪の山に新たにやってきた神社の巫女さん
 早苗さんが目を覚ます、そして時計を見て目を見開く
「いけない!寝過ごした!」
 
 幻想郷にやってきて、毎日毎日信仰を集めるのと
 山の妖怪達と宴会をする神様のお世話をするのに疲れが蓄積していたのか
 今日はうっかり寝坊をしてしまった

(いけない!すぐに朝ご飯作らないと……)
 パジャマから、急いで巫女服に着替え身だしなみを整えて
 料理を作るために急いで台所に向かう……
 するとそこには…

「おや?もう起きたのかい?」
 神奈子様がすでに起きていました
「すいません!今すぐに朝ご飯……あれ?」
 エプロンつけてご飯を作っている姿の…
「ああ、朝ご飯もうすぐできるから、早苗はちゃぶ台の前で待ってな」
「は、はい」
 お味噌汁を小皿に入れて、味見をしながら神奈子がそう伝えてきたので
 早苗は言われるままにちゃぶ台にむかった
 
 しばらくして…
「朝ご飯できたよ早苗」
「あ、はい」
 神奈子がちゃぶ台の上に、朝ご飯を持ってくる
 そこには、炊き立てのご飯、ワカメと豆腐のお味噌汁
 そして、美味しそうに焼かれた焼き魚があった
 ……二人分
「あれ?諏訪子様はどうしたんですか」
「ああ、朝すぐに氷の妖精と一緒に夜雀の屋台に行ったよ」
「はあ…」
「それじゃあ、食べようか」

 神奈子が両手を合わせると、早苗もそれに続く
「「頂きます」」
 
 料理の味は美味しかった……
 早苗が作る物よりも
 料理を食べた後で、早苗が神奈子に疑問をぶつけた
「神奈子様…」
「ん?どうしたんだい早苗」
「なんで、今日朝ご飯を?」
 その答えに、神奈子は少し笑うと
「ああ、最近早苗も疲れてるだろうなって思ってね……」
 そう言うと、早苗の頭に手を置く
「このぐらいしてあげても悪くないだろう?」
「……はい…」
 
 その日飲んだお味噌汁の味は…忘れられません(早苗) 









 魔法の森の恋泥棒…もとい魔法使いである霧雨魔理沙は、とある
 実験をしていた、実験の内容はどんなものかは分からないが
 そのために、三日間ほど徹夜をしていた
「あ~!くそっ!これでも駄目か!」
 だが、実験はうまくいかない
 うまくいく事の方が珍しい…実験とはそういうものだ
「……よし、こんどこそ!」
 何回も失敗していい結果が出来るはずだから


「…ん…?」
 気が付けば、魔理沙は机の上で眠っていた
「……眠っちまったぜ…」
 身体がだるい上に、お腹も減っている
 実験をしている間は、気分がハイになっているから
 その事に気づかないが、一旦それが途切れると
 身体が無理した分の代償を欲してくる
(……はあ…お腹減ったけど…ご飯を作るのはめんどくさいぜ)
 魔理沙が、面倒くさそうに思いながらも
「…とりあえず何か食べなきゃな」
 そういって、動かすのが億劫な身体を引きずり
 研究室のドアを開けた

「ん?」
 研究室から出ると、明らかな違和感があった
「綺麗になってる?」
 いつもなら、所狭しと並べられたマジックアイテムが
 部屋の中に散らばっているのだが
 それが綺麗に整頓されていた
(誰だ?)
 考えられるのは、お隣さんであるアリスだが
「……あいつも忙しいよな?」
 魔理沙と同じでアリスも忙しいはずだ
「…考えても仕方がないから……」
 綺麗になった部屋を越えて、台所に着く
 
「…ここも……綺麗になっているぜ」
 実験前に汚かったはずの台所も綺麗に片付けてあった
 そして、テーブルの上に置手紙が置いてあるのを魔理沙が発見した
「誰が部屋を片付けてくれたのか、これで突き止められるぜ」
(ぐぅ~)
「……その前に腹ごしらえだな」
 魔理沙がご飯を食べようと、鍋を使おうとしたとき
「あれ?魔法がかかってる」
 特殊な密閉魔法がかかっていた
 とりあえず気にしないで、その蓋を開けると

「味噌汁?……どこかで同じような匂いを…」
(ぐぅぅ~)
 お味噌汁の美味しそうな匂いによって
 お腹が再び鳴り出した
「食べれば分かるか」
 そして、その隣に用意してあった鍋には同じように
 密閉してあった炊き立てのご飯があった

「おお、丁度いいぜ!」
 早速、ご飯とお味噌汁を茶碗によそうと

「頂きます!」 
 お味噌汁をまず飲んでみる……
(こ、この濃い目の…赤出汁を使った…茸のお味噌汁!?)
 魔理沙は、食べていたご飯を置いて
 急いで先ほどの手紙を開いた
 
「……ぐすっ…ひどいぜ……」
 手紙を確認して、魔理沙は誰が来たのか確認した
 涙を流しながら、ご飯を食べる魔理沙
「…来てくれたのなら……顔見せてくれても良かったのに…」
 ご飯を食べ終わると、そのまま机の上に顔を突っ伏した
「…魅魔様……」


『頑張ってるようだね……師匠として鼻が高いよ
 でも無理はするんじゃないよ?…ちゃんとご飯を食べて
 睡眠もよく取る事!……身体を壊しちゃいけないよ?
 ご飯と、味噌汁作っておいたから食べておくように
 あと、少しは部屋を片付けるようにね……
               
 我が愛しき馬鹿弟子にして、可愛い娘魔理沙へ  魅魔より』


 ……ぐすっ…魅魔様……お味噌汁…
 少し濃すぎで…ひっく…しょっぱいぜ… (魔理沙)











 魔法の森に住む、人形遣いの魔法使いアリスマーガトロイド
 彼女は魔法使いという名の種族である
 人に比べて長い寿命を持つ……
「……でも…風邪はかかるのよね…ごほっごほっ…」
 
 彼女は今風邪をひいていた
 人に比べて幾分かは強いが、それでも身体の調子が悪い時はある
(…こんな時は……ゆっくり寝るしかないわね…)
 熱は出てないが、身体のだるさと頭の痛みはなかなか取れない

(あっ…ご飯食べないと)
 アリスはだるい身体を押して、ご飯を作ろうとして
(……駄目だ…動くのだるい)
 頭の痛みも出てきたせいで、ベッドの上から立ち上がれなかった
(もう少し、横になろう…)
 アリスは身体を動かす事が億劫であったため、そのまま意識を落とした


 
 そして……夢を見た

(アリスちゃん!?…大変!すごい熱…)
 お母さん?…大丈夫よ……私は一人でも幻想郷で頑張っていけるから

(上海ちゃんと蓬莱ちゃんは、急いでタオルと水を持ってきて)
(シャンハーイ!)
(ホウラーイ!)
 もう、お母さんは心配性なんだから……しばらく眠っていれば良くなるから…
 
(……今日これてよかったわ…あ、上海ちゃんと蓬莱ちゃんありがとう
 …うん、タオルを頭に乗せて…)
 あ…冷たくて気持ちいい…

(それじゃあ、上海ちゃんと蓬莱ちゃんはアリスちゃんを見ていてあげてね?)
(シャンハーイ!)
(ホウラーイ!)
 あれ?お母さんどこかに行くの?

(大丈夫よ…ちょっとご飯作って来るだけだから)
 お母さんの作るお味噌汁…また飲みたいな…

(……なら明日の朝に作るね?)
 うん……


(アリスちゃん……お粥出来たけど…食べれる?)
 お母さん食べさせて…

(ふふっ……アリスちゃんは甘えん坊ね…)
 いいの…これは夢だから……

(はい…あーん)
 あーん

(……何かしてほしい事ある?)
 お母さん……手を繋いで…

(…ええ、アリスちゃんが眠るまで繋いでいてあげるから)
 うん……







「う…ん?」
 アリスが目を覚ますと、身体は随分楽になっていた
「……うん、これなら動けるわね」
 アリスが起きてご飯を作るために台所向かうと


「あっ!?アリスちゃん起きたの?」
「お母さん!?」
 魔界神である神綺が、エプロン姿で料理を作っていた
「待っててね、今お味噌汁できるから」
 お玉を片手に料理を作る魔界神…
 シュールである
「な、なんでお母さんが!?」
 アリスが混乱しているのも束の間
「よし!ご飯できたわよアリスちゃん」
「え、あ、うん…」
 
 気がついたら、ご飯が出来ていました
「大丈夫?昨日のようにお粥のほうが良い?」
「えっ?」
 その言葉に、アリスが驚く
(昨日?…お粥……って)
「あ、あれ夢じゃなかったの?」 
「?どうしたのアリスちゃん?」
「な、なんでもない……」
「そう…ならいいんだけど」
 そういうと、神綺はアリスの前にご飯を持ってきた
 ご飯と高野豆腐と卵の煮物、ほうれん草のおひたし
 そして、ワカメと刻み葱が入ったお味噌汁…
   
「朝はしっかり食べないと駄目よ?」
「……うん」

 ご飯を食べている時に、神綺がアリスに一言告げた
「お味噌汁…おいしい?」
「う、うん美味しいけど?」
 アリスがそう答えると、ホッとした表情で答える
「よかった、昨日アリスちゃんに言われたから、久しぶりに作ったんだけど」
「え?昨日……」
 アリスがそう呟くと、神綺が微笑みながら話し始めた
「昨日アリスちゃんに会いに来たんだけど、熱を出していたから
 お母さん驚いたわ…」
「も、もしかして……」
 アリスが、夢の内容を思い出して額から脂汗を流した
 そんな事気がつかないで、魔界神は話を続ける
「ふふっ…久しぶりにアリスちゃんから甘えてもらえて
 お母さんうれしかったな」
「!?」
 それからしばらくの間、魔界神の回想と言う名の拷問が待っていました

 
 懐かしい味のお味噌汁だったけど
 それ以上に恥ずかしかったわ      (アリス)




「神の味噌汁」(神のみぞ知る)
 これが言いたかっただけなんだけど、そのために一日時間がかかりました

 まあ…神奈子様も魅魔様も神綺様も……料理が作れると思うんだ
 ……さて、インスタントの味噌汁でも作って自分に餌をやるか…







おまけ
 
霊夢「…はあ、今日も具無しのお味噌汁か…」
博麗神社の味噌汁……ダシは霊夢のサラシで取る
脇役
コメント



1.名無し妖怪削除
一見、感動したと思ったら後書きwwwww
とりあえず、そのサラシはこちらに寄越しなさい。
2.苦有楽有削除
味噌汁かぁ・・・
そういえば、最近飲んでいないなぁ・・・・

先日、ノロウィルスって物にかかり、親のありがたさを痛感した身として、
このお話は、本当によく分かります。

3.削除
お味噌汁の具のチョイスが実にいいとこ突いてますね。
ああ、どれも立ち上る湯気が目に見えそうなくらい温かくて……と、後書きでぶち壊しだwwwww
4.名無し妖怪削除
ちょwwwサラシでダシってwww
サラシでダシ取り→汗により塩が不要→ついでにサラシを熱湯消毒→後は味噌を溶かし完成→消毒したサラシは乾燥させた後、再装着
味付けの塩も使わず、サラシも清潔に出来て一石二鳥なんだなwww
5.名無し妖怪削除
つまりロリス化してたと
6.名無し妖怪削除
味噌汁はやっぱり赤味噌だね。
白味噌はまずくはないけどやっぱり赤味噌が一番だ。
7.名無し妖怪削除
暖かくていいお話でした~ふ の入った白味噌は王道ですよね?
8.名無し妖怪削除
魅魔様がかっこよすぎる!

しかし後書き
9.幻想入りまで一万歩削除
味噌入っていないのに味噌汁というのだろうか? 誰か霊夢に味噌をあげてw

魅魔さまの優しさに涙腺が壊れました、母は偉大です。
10.思想の狼削除
魅魔様の優しさに魔理沙が泣いた

…ホロリと来たのに後書きで台無しw
つーか、博麗神社には確か核で動くメイドロボがいませんでしたっけ?
11.時空や空間を翔る程度の能力削除
♪~、うっぷ~、しばれるね~。
~あの人、この人、大臣だって~♪。

お母さんのお味噌汁偉大です。
心のソールフードですね。
12.名無し妖怪削除
折角良い話で終わると思ったのに……
あ~、ちくしょう!脇役さんの思い通りに後書きで噴出しましたよ!wwwww
13.名前が無い程度の能力削除
ちょっと博麗神社の味噌汁飲んでくる
14.名前が無い程度の能力削除
なんだこの落ちはwww
だけど上手い、味噌汁だけに
15.名前が無い程度の能力削除
>「神の味噌汁」(神のみぞ知る)
“ト”が無い自称普通の中学生こと最強のサバイバーですねわかります