Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

厄神様の厄払い

2008/01/18 12:10:53
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 妖怪の山にいる神様の一人である鍵山雛

「……よし、今日も厄を集めたわ」

 彼女の役目は厄を集める事、そのおかげで周りには大量の厄が視覚できるほどである

「これで少しでも不幸な事が少なくなるわね」

 いつの頃から、厄を集めたのかは思い出せないが
 この厄を集めると言う仕事は、鍵山雛にとっての自慢であった
 
 自分の周りに集められた厄の数=他の人が幸せである

 という事が、彼女にとっての幸せなのである
(……私にかかれば、どんな厄だって集められるわね)
 そして、そのどんな厄でも集めることが彼女の自慢でもあった
 
 その証拠に……
「あやややっ!雛さんお久しぶりですね~」
「あっ、新聞記者の天狗さん」
「どうも、射命丸文ですよ」
 二人がお辞儀をすると
 雛が、文に対して問いかけた
「どうですか?厄を取ってから何か変化は?」
 その問いかけに、文は微笑み返すと
「はい!おかげで購読者が随分増えましたよ」
 そう答えた……

 雛が厄を取り払うと、その分だけ不幸が少しだけ消えるのだ
 幸福が来るのではなく、不幸が少しだけ無くなる
 つまり、幸福が現れるのではなく
 その人の持っている不幸を取り除いた分だけを…
 その分だけ、幸せがやってくるのだ

「また、厄を取ってくれませんか?」
 文がそう言うと、雛は首を振って
「残念ですけど、今は厄がないから取れません」
 その答えを聞いて、文は悪い顔一つせずに答えた
「あははっ、気にしないですよ……おっと、もうこんな時間ですか…それでは!」
 そう言って文が飛んで行った

(うん!やっぱり厄を集める仕事はいいね)

 それから、さらに仕事に精を出していた時に…
「そういえば、幻想郷で一番不幸な人の厄ってどんなものなんでしょう?」
 ふと、そのような考えが頭によぎる
(……いままであんまり考えなかったけど…)
 一度考えたその思いは、なかなか消える事がなく

「……よし!その厄を取りに行こう」

 雛は、旅に出ることにした
「…でもその前に」
 鍵山雛は、御山の神様にお願いに行きました

「……と言うわけで、私の体の周りに集めてある厄が、
 周りに迷惑がかからないようになる方法教えてください」
「……確かにそのままだと迷惑だねぇ…」
 旅に出るとなると、その身体についた厄はとても危険だ
 それを何とかするために、新たに山に来た神様である
 八坂 神奈子に話をしにきたのだ。
 神奈子が少し考えると……
「そうだ……ちょっと待ってな」
 そう言って、神奈子は小さな御柱を一つ取り出して
「お~い……早苗!ちょっとこっちに来て」
 早苗を呼び出した。
 そして、呼ばれた早苗がやってくると
「なんですか?神奈子様?」
「ちょっと、お前の力を貸してもらうよ」
 そう言って、早苗に耳打ちすると
「はい、それじゃあ……」
 早苗が、取り出した御柱に対してなにやら呪い(まじない)をかける
 しばらく、唱えるとその呪いの声が止む
 それと同時に、神奈子が御柱を掴み……
「ほい、これを持っていたら厄が周りに飛び散る事はないから」
 神奈子がそれを雛に渡した


「ありがとうございました」
「いや、いや気にすることはないよ」
 雛が丁寧にお辞儀をして、神社を後にした

「やれやれ……今時珍しい神様だね」
「それ、神奈子様が言っても説得力ないですよ?」
 しばらくしてから、山の上の神社で少しどたばたがあったが
 それはこのお話には関係ない……



 そして、鍵山雛の旅が始まった

「厄を祓うためにやってきました」
 そう伝えて、様々な所に向かった
 
 博麗神社
「……ごめんなさい、この厄は取れないみたい」
「どういうことよ!?」
 この神社の巫女さんからは、取る事が出来ない厄がありました


 冥界の屋敷
「……取っても取っても、消えませんね」
「…そうですか」
 冥界の庭師さんの厄は、取っても取ってもなくなりませんでした
「妖夢~ごはんまだ~?」
「……あれが原因ですね」
「…そうですか」


 マヨヒガにて
「結構大きな厄ですね」
「そうか?私はそうは思っていないが」
 狐の式の大きな厄を祓うと
「藍様~」
「こら、橙…お客様の前だろ?」
「……私はこれで」
 狐の式の幸せそうな顔が私にとってのご褒美でした


 永遠邸
「はい、厄を取りましたよ」
「……あら?あんまり変わりがないわね?」
 永遠邸の薬師である人の、大きな厄を取る
「……おかしいですね?かなり大きな厄だったんですが」
 雛と永琳が首をかしげると、後ろの扉が開き
「あっ!永琳、丁度いいところに」
「あら?姫様どうしたんですか?」
 永遠邸の主である、蓬莱山輝夜が現れて一言

「うん、仕事がしたいんだけど、何かいい仕事ないかな?」
「!?」
 
 後に、薬師の弟子が語る
「……本気で涙流した師匠を見たのは…あれが初めてでした」


 魔法の森のとあるお屋敷にて
「厄取れましたよ?」
「……あんまり変化ないんだけど…」
(ガタン!) 
「オッス!アリスいるか?」
「魔理沙?」
「ああ、丁度面白い物が手に入ったからなアリスにも見せてやるぜ」
 少なからず、友達と呼べる人が集まるようになりました


 人が来ないお店にて
「……ごめんなさい」
「いや、慣れてるからね」
 人は来ましたが……
「これ貰っていくわね?森近さん」
「これ貰っていくぜ!香霖」
 客ではなく、泥棒でした


 様々な所をめぐってきて雛は、自信を持っていました
(どんな厄も、私が集める事ができる!)

 ……そう思って、紅い屋敷にやってきました

「……ここが紅魔館…」
 紅魔館の門の前に進むと……

「あれ?どちらさまですか」
「!?」
 門番が立っていた……
 それだけならけしておかしい事ではない
 だが、雛は初めて恐怖を体験した
「……あの?どうしました」
 その門番の背中には………

「な、なんて量の厄……」
「はい?」

 雛の目にはその背中についている厄が見えた
 その量は……
(厄量……一万五千…一万七千…嘘!?まだ上がっていく!?)
 すでに、厄神アイのセンサーが壊れそうだった
(こ、この厄……私が今まで集めた厄のそれをはるかに上回る!?)

「あの?」
 門番が目の前で頭を押さえる人物に駆け寄る
「大丈夫ですか?」
 門番に身体を揺らされて、雛は気を取り戻す
「あっ…だ、大丈夫です……」
 余りに大量の厄に、気を失いかけていたが何とか立ち上がろうとする
「あっ…」
 だが、身体が疲れていたせいか、そのまま倒れてしまった



「……あ、あれ?」
 雛が気がつくと、そこはベッドの上でした
「気がついたみたいですね」
 雛に対して誰かが声をかけてきた、声がしたほうを向くと
「あっ…門番さん?」
 そこには、先ほどすごい量の厄を背負っていた門番の姿があった
「はい!紅魔館で門番をしている紅美鈴って言います」
 雛に対して、そのように自己紹介をした
「どうも…鍵山雛って言います…え~と、ここは……」
「門番隊の休憩所ですよ」
 門番が言うには、門の前にやってきて美鈴を見た瞬間に倒れて
「それで、ここに運んできたんですよ」
「ど、どうも……すみません…」
 雛が、ベッドに寝たまま頭を下げると
「いえいえ、無事ならいいんですよ」
 美鈴がそういって笑いかけると、何かを雛の前に持ってきた
「一応、お粥作ってきたんですけど、食べれますか?」
 美鈴が持ってきたのは、お粥だった
 流石に、介抱してもらった挙句に食事まで貰うわけには
 と思って、雛が遠慮しようとした時
(ぐ~)
「あっ…」
 お約束のタイミングで雛のお腹が鳴った
 それを、聞いた美鈴がお粥をよそって雛に手渡した
「はい……口に合うかどうか分かりませんけど」
「……頂きます」

 病人用に、薄く味付けしてあるお粥であった
 だが、けして手抜きではない
(……美味しい)
 気がついたら、雛はそのお粥を全て平らげてしまった
「それだけ食べれたら、大丈夫ですね」
 美鈴が屈託なく笑うと、雛の食べ終えた皿を洗うために持って行った

(あの人……いい人だ)
 門の前で倒れた人を、ここまで介抱してくれるなんて
 常識では、あんまり考えれない
 雛が、そう考えていると
 外から、激しい音が聞こえてきた
(な、何事?)
 しばらくすると、音が止んで……

「だ、大丈夫でしたか?」
「そ、それはこちらの台詞です!」

 全身火傷と、大量のナイフの痕を全身につけて
 しかも、頭にナイフが刺さっている状態の美鈴の姿がありました
「大丈夫ですよ、いつもの事ですから」
「い、いつもって……普段一体どのような生活送っているんですか!」
「普段って……ん~聞いても面白くもなんともないですよ?」

 そして、雛は門番の生活を聞いて……泣いた…
(私……恵まれていたんだ……)
 そして、一週間食事を抜かれる話を聞いた後で
「もういいです……」
「つまらなかったでしょ?」
 あれ以上聞くと、自分が耐えれないと思った雛は
 話を止めさせてから、己の使命を思い出す

「紅美鈴さん…実は」
 雛は、美鈴に対して自分が今、幻想郷中を回っている事を話して
「貴方の厄を……取ります!」
 決意を決めた

 

 美鈴が門の前に立つと、その隣に雛が立つ
「この場所に…立っていれば良いんですか?」
「はい!」
 美鈴の答えに、雛が力強く頷くと、気合を入れ始める
「はあ~!!!!!」
 そうして、思いっきり横回転をしていくと
 美鈴の身体の周りから、なにやら大量の黒い煙みたいな物が見え始めた
「な、なんですか?これ」
 美鈴が驚いくと、雛がそれに答える
「それが厄です!」
 そう言い放つと同時に、さらに回転スピードを上げる
(な、なんて量の厄!……)
 すごいスピードで厄を集めているが、それ以上に美鈴の身体から出る厄の量がとんでもなく多かった

 そして、厄を吸いきれずに雛が倒れた
「だ、大丈夫ですか!」
 美鈴が自分の無事を心配してくれたが、
 雛は自分が情けなくて仕方がなかった…
(何が……どんな厄でも集めれるだ…)
 雛は、自分を恥じると美鈴の方を向いて
「ごめんなさい!、ニ~三日してからもう一度だけ、チャンスをください」  
 頭を下げた
 美鈴は、その様子に驚いたが
「頭を下げなくても大丈夫ですよ、私は門の前にいつでも居ますから
 好きな時に来てください」
 美鈴はそういって、雛の身体を気遣った
 だが、雛の中には闘志が浮き上がってきていた

(この人の厄を……絶対に払ってみせる!)
 そして、雛は改めて美鈴に頭を下げると
「絶対に、貴方の厄を祓って見せます」
 そう言ってから己の、慢心を振り払うために
 元居た山の中に戻ることを決意した。  





 そして……自分一人だけで、何とかできると思った心を捨て
「他の神の力も借りよう」
 前の自分なら、そのような事を考えることすらなかったであろう
 
 雛は、様々に動いた、それは慢心なんかではなく
(美鈴さんの厄を…祓うために!)
 たった一人のために…それはとても美しい姿だった






 そして、遂に門の前にやってくる
「……お待たせしました」
「あっ!雛さん、お久しぶりです」
 美鈴が挨拶をすると、雛も頭を下げて
 本題に入る
「早速、貴方の厄を取ります!」
「だ、大丈夫なんですか?」
「……今度は切り札があります!」
 雛がそういうと、前と同じように美鈴を立たせる 

「いきます!」
 再び美鈴の厄を取るために、高速横回転をする雛
 前と同じように、大量の厄が雛の身体に吸い寄せられる
 だが、美鈴の身体から出る厄の量はさらに激しさを増す
「ひ、雛さん!このままでは」
 また前のように、雛が倒れたら大変を思って美鈴が叫ぶ
 雛も額から汗を流す
(くっ!わ、私一人の力では…どうする事も出来ない!)
 
 その時、雛の身体の周りに何者かが集まってきた
「来てくれた!?」
 雛の驚く声に対して、集まってきた者達の声が響く


 祟り神「四人の!」
 魔界神「新旧の神々が!」
 神奈子「貴方に!」
 諏訪子「少しばかりの力を貸すよ!」

 まさに、神の助けであった……これが雛が言っていた切り札であった
「あ、ありがたい!」
 その人物達が、雛に向かって飛び込んできた

「「「「「災厄粉砕パワー!全開!」」」」」
 
 雛の身体が、さらにスピードを上げて美鈴の身体から出る厄を吸収していく
 そして遂に……


































「「「「「ごめんなさい!無理でした!!!」」」」」

 五人ともそう言うと、吹っ飛んでいった 
 そして、気がつけば目の前に雛が倒れていた
「だ、大丈夫ですか!?」
 美鈴が雛を抱き起こすと
「ごめんなさい……私では無理でした」
 雛が涙を流しながらそう告げた
「いいんですよ……それより、怪我はないですか?」
 美鈴の優しい一言が、余計に雛には辛かった
 故に、雛は泣いた……

 ひとしきり雛が泣くと、美鈴が問いかけた
「ところで、厄って何ですか?」
「って!厄の意味知らなかったんですか!?」 



 美鈴に詳しく厄の話をすると
「この、厄って……武器になりませんかね?」
「武器って……」
 美鈴が雛に対して自分の考えを話した

「……やってみましょう」
「お願いします」













「ひゃっほ~!邪魔するぜ中国!」
 いつものように、魔理沙が図書館の本を奪うために門の前にやってきた

「雛さん!作戦開始です!」
「はい!」
 いつもと違う様子に、魔理沙の動きが少し止まる
 その隙に、雛と美鈴が魔理沙をはさむように動くと
 美鈴と雛が腕を差し出すと、高速横回転して叫んだ



「災厄パワー!プラーース!!!」
「災厄パワー!マイナース!!!」


 二人の腕に、どす黒い色の空気が集まる
 やばいと思った、魔理沙が逃げようとするが

「な、なんだ!?吸い寄せられるぞ!?」
 二人の居る空間に向かって、左右から引っ張る力が働いていた
 そして、その二人の間に居る魔理沙に対して

「「クロ~~~ス(苦労する)!!!ボンバ~~~(門番)!」」

 魔理沙の首に対して、二人の合体技が決まった  
 そして、技が決まって落下する魔理沙を美鈴が
 抱きかかえて図書館に放り込んでから
「……雛さん…ありがとうございました」 
 美鈴が雛に対して頭を下げた
 それに対して雛は首を横に振ると
「今度来る時は、絶対に貴方の厄を祓って見せますから」
 そういって笑みを浮かべた
 美鈴もその笑みに対して笑顔で答えた
「はい!……いつでも来てください」

 それ以降、たまに紅魔館の門の前に
 厄を吸い取る神様がやってくる姿が見られるようになった 
 どうも、最近スランプな脇役です
 不幸=厄一杯ってふうに考えたら、こんな作品ができました
 おもえば、キン肉マンのフェニックスもかなり不幸だよね…
 ……さて、また次の作品に取り掛かりますね











 おまけ
「な、なあ?パチュリー?」
「あら?なにかしら魔理沙」
「この縄解いてくれないか?」
「いいわよ?」
「ちょっと待て!何処に連れて行くんだ!?」
「気にしないで、目的地に着いたら縄ほどいてくれるから」
「目的地って……何処!?」


「妹様!これ使って好きに遊んでください」
「ぱ、パチュリー!?嘘だよな!」
「……バイバイ魔理沙」

 キッチリと厄をその身に移された魔理沙の台詞でした
(この後、一週間ほど魔理沙が何処に行ったか分からなくなりました)
脇役
コメント



1.名無し妖怪削除
こまっちゃんがいてもダメかな・・・(死神)
2.欠片の屑削除
落ち着いて見てみると、美鈴以外にも取りこぼしの厄が結構ある厄神様w
そういえば、秋姉妹も神様でっせ?今の時期は使いモンにならないでしょうが…
3.名無し妖怪削除
鍵と鍵穴を見つけられれば!
4.イスピン削除
戦闘力ネタktkr
しかしそうなると他人の厄(戦闘力)を集める雛様は人造人間19・20号に(ブロークンアミュレット)
5.幻想入りまで一万歩削除
もし、美鈴の神様が回収できないほど貯めた厄を取っ払ったら幻想郷全部に影響が出そうな気がw

6.名無し妖怪削除
あれ?もしかしてめーりんって厄神様以上に厄を効率よく集められるんじゃね?
しかも厄は全てめーりんに還元されるから、他人に厄が移ることも無い
はっ!
めーりんが世界中の厄を集める→厄神様がめーりんの厄を吸収→厄流し→めーりんが(ry
これが無限ループか!
7.時空や空間を翔る程度の能力削除
お~い、
完璧超人になってまっせ~~wwwwwww
8.名無し妖怪削除
実は藍と橙も神だったり・・
9.脇役削除
呼んでくれた皆さんに大謝!
美鈴の厄は少なくとも53万キリはあると思うんだ…
しかも、紅魔館に居る人達の命令によって後四つは厄が上がる気がするんだ
多分…何度も死にかけて、そのたびによみがえったものだから
どんどん厄が跳ね上がっていったんだと思う

>こまっちゃんがいてもダメかな・・・(死神)
 死神さんは、眠っていたためこれませんでした。

>欠片の屑様
 秋姉妹は、秋じゃないと力が出せないし、そこまで大きな力は出ないと思うんだ。

>鍵と鍵穴を見つけられれば!
 魔理沙「アポロンウインドーローック!」
 その後、取り乱す雛と、それを一括する美鈴の姿まで出てきた

>イスピン様
雛「いまだー!」
魔理沙「ま、マスタースパークが吸い取られた!?」
 こんな感じですか?

>幻想入りまで一万歩様
 200X年…幻想郷は厄の渦に巻き込まれた……
 どれだけの厄もってるんだよ、美鈴www

>これが無限ループか!
 む、無限ループだ!…途中で紫が止めに入ります
「このままだと、幻想郷のピンチなのよ」

>時空や空間を翔る程度の能力様
美鈴「我々、紅魔館門番隊は相手に対して絶対に背をむけん!」
  だから、あんなに胸があるんです(嘘)
  見たいな~パーフェクト美鈴

>実は藍と橙も神だったり・・
 確かに!式『神』ですねww
10.魔界のメイド削除
神綺様何してるんですか?帰りますよ?