いしのなかにいる！作者: アティラリ

よう霊夢、久々に遊びに来てやったぜ。
はは、まぁそんな呆れた顔するなよ。手土産も持ってきたんだからさ。

しかしまぁ……毎回毎回思うんだが、相変わらずしみったれた場所だよな。
もう少しこう、何と言うか、なぁ？派手にならないのか？
ま、霊夢には無理な相談か

いや違うぜ。
ほんと違うぜ。
別に金銭的に無理だとかそんな意味は含まれてないからな。

多分。

OK霊夢、私が悪かった、機嫌直してくれ。
今度はもっと美味い酒でも持ってくるからさ。

……さて、ちょいと長居しすぎちまったかな？今日はちょっと野暮用があってな、そろそろ行くぜ。
それじゃあまたな、霊夢。

ちょっと久々に来て見れば、こんな時間からそんなもの飲んでるの？
ま、そんなものを持ってくるのなんて魔理沙くらいしか居ないわよね。
ん？私の用事？そんな大した事じゃ無いわよ。ちょっと様子見程度に…ね。
とりあえず私からもお土産。アリス・マーガトロイドお手製ケーキ。

いや、そんなものも作れたんだって顔しないでよ。
お菓子を作れる女性ってのはね、それだけで魅力的に見えるのよ。

多分。

いや、まぁ。別に詭弁って訳じゃないけどね。作ること自体も結構楽しいのよ？霊夢もやってみれば……あ。

いや、ほんとに違うから。
嗜好品を作れないくらいお賽銭入ってないとか思って無いから、ね？
そもそもお賽銭だけが収入源って訳でもないんでしょう？ならいいじゃない。

ん、もうこんな時間？霊夢と話してると何故か時間の進みが早く感じるのよね。
それじゃあ私はそろそろ行くわ。パチェにちょっと呼ばれてるのよ。また今度来るわね。

あ、霊夢が美味しそうなもの食べてるー。
ねぇ、それ私も食べて良い？良いよね？……あ、やっぱ駄目？それじゃあしかたないなー。
何で私が居るかって？良い質問だねー。
実はねー、みすちーが良い鰻が取れたから持ってってあげてって頼まれていたのだー！

ただー
そのー
ちょっとー

余りの蒲焼の匂いに半分ほどツマミ食いしちゃって、本来の半分くらいにー……。

ごめんなさい。

ほんとごめんなさい。

ルーミア反省してます。

だから何時もみたいにさ、ほら、笑って許して欲しいなー。

それじゃあ私の用事はこれだけだからー。また気が向いたら来るからねー。

よっ、霊夢。相変わらずハチャメチャな喰い合わせしてるね。
酒に蒲焼は兎も角、甘いケーキってどうなのよ、ケーキって。
しかしま、今日くらいは誰も来てないかと思ったけど。相変わらず人気者だねぇ、コノコノ！
ん？何で私が来たかって？
そんな事決まってるじゃないか。
永遠を生きる者の気紛れって奴さ。もしくは暇潰し？

そんな顔しないしない。私もお土産持ってきたんだからさ。
ほら、あまーい団子。勿論、その酒とは超絶的に合わないくらいに甘ったるい品だ。
ま、せっかく持ってきたんだから遠慮せずに食っちゃえ食っちゃえ。

うん、本当にね。最近は平和なもんさ。大した異変も起きてないからね。

最近は私と輝夜との殺し合いの頻度もめっきり少なくなったから余計かな？
もうね、恨みとかそういうのはどうでも良くなってきててさ。
今じゃ戯れ程度にしか殺ってないよ。

あっはっはっは、確かに戯れで殺しあうって時点で常人じゃ無いけどさ。
でもさ、私と輝夜ってのはこれから先、何が起こってもそんな関係なんだと思うんだ。

大丈夫大丈夫、最近はボヤすら起こして無いから心配しない。
慧音じゃないんだから、霊夢までそんな事するなって。

さて、日も傾いたし。そろそろお暇するかな。
それじゃ霊夢。また私の気が向いた時にでもな。

やっほー、霊夢。今夜も良い月ね。
ほんと、アレで紅かったら正に私に相応しいのに……ねぇ？そう思わない？

確かにまぁ、私の我が儘に過ぎないんだけどね。
でもほら、望むだけなら無料じゃない？望むだけなら。
お金を入れても望みが叶わない博麗神社とは大違い。

そう怒らないの。だって事実なんだから仕方ないじゃない。
そもそもこんな辺境にあったら普通の人間が来る方がおかしいわよ。もっと行き来しやすい場所にしなくちゃ。
主に紅魔館の隣とか。

霊夢が立てた訳じゃないからどうにもならないのは分かってるけどね。

はい、紅茶。い、言って置くけど霊夢の為に自分で入れた訳じゃないんだからね！咲夜が居ないから仕方なくなんだから！

いや、ツンデレって一回はやってみたかったのよ。それも典型的な奴を。
でも咲夜が居ないってのは本当。今日は連れて来てないわ。

うん、これからはここに来る時は一人で……かしらね。

さて、それじゃあそろそろ館に帰るわ。こう見えても色々忙しいのよ？私。
それじゃあまた来るわね。さよなら霊夢。

ふふふ、相変わらずね霊夢。人妖を惹き付ける程度の能力に変えたほうがいいんじゃないかしら？
私もね、歴代の博麗とは色々あったけれど。ここまで自分から近づきたいと思ったのは貴女が初めてよ？

そして貴女はそこで、物凄く嫌そうな顔をする。ふふ、当たってるでしょ？
答えを聞けないのがちょっと残念だけど。私の知ってる霊夢なら十中八九はそうしてたわ。

貴女が居なくなってから、少しつまらなくなるかもしれなかった幻想郷だけれど。
異変が起きない意外は、概ね面白く過ごしてるわよ。私に限らず、みんなね？
それだけきっと、博麗霊夢との出会いが根付いているんでしょう。
流石としか言いようが無いわ。貴女がここに居なくなってからも、貴女にあった全ての人妖がここに惹き付けられる。
どれだけ貴女が愛されていたか、一目瞭然だわ。

照れない照れない。むしろこれは誇るべき事よ？
何ていったって幻想郷最強クラスの人妖全てが貴女の友人なんだもの。
だからね、霊夢。友人として一つだけお願い。

我が儘だけれど、これがきっとみんなの願い。

もし叶うならば、またこの神社で会いましょう。