アリスと魔理沙は仲がいい。
まぁ、それはアリスが魔理沙に恋をしているからって言うのもあるんだけれど、魔理沙が誰にでも親切で好意的なので、アリスにも優しいからと言うのがあるのだろう。
……ところで、そんなアリスにはこの頃密かな悩みがある。
それは……。
「よう、アリス。今日は森の奥でアリスによく似た木を見つけたんで持ってきてやったぜ」
「ありがとう、魔理沙」
「よう、アリス。確か人形関係の魔法書探してたよな。家の中に転がってたから一通り纏めてお前にやるよ」
「ありがとう、魔理沙。こんなにいっぱいの本をいただけるなんて嬉しい」
……こんな調子で増えていったガラクタやら本の山やらが部屋に所狭しと並び、人形たちが行動するのにも大変邪魔な状態になってしまっている。
魔理沙はあの性格だから、意外と捨ててしまってもけろっとしていそうな気はするのだが、それはそれとて折角の魔理沙からのプレゼント。
捨ててしまうのは自分が嫌だし、やっぱり魔理沙にも悪い。
でも、これ以上者を置くようなスペースも全くないのも事実なので、どうしようか考えてみる事にした。
……と言うわけで計画その壱。
積み方と並べ方を変えてみる。
たくさんの贈り物の多くは書物等の比較的積みやすい物なので、上海達と一緒に積みなおす。
まず、棚の上に板を敷いて、新しい棚を作り、そこに本を流し込むように並べる。
ポイントは板の下。
魔理沙から貰ったのはいいけれど、比較的頑丈で、且つ壊れにくい置物をベースに、つっかえ棒的な物を四ヵ所に配置。
真ん中にある置物と、四箇所の棒のおかげで比較的崩れにくくなった。
次に、実験器具等。
ここら辺は比較的割れ安いのでそういったものに対する棚を新たに作成して、ひとまず収納。
微妙に使わない一部の器具は階段の裏のスペースに移動させる。
とまぁ、そんな感じで収納名人ぽい収納術を駆使して部屋にある魔理沙からの贈り物を整理。
こうして、一旦アリスの部屋は落ち着きを取り戻した。
……まぁ、結局一ヶ月もしないうちに更に追加された贈り物で埋まったが。
計画 その弐
壱でやった収納術でも収まりきれなくなったアリスの家。
この状態ではそのうち家が潰れてしまうかもしれない。
仕方がないので、アリスは新しい収納場所を探す事にした。
とりあえず、アリスの家の周辺にそういった場所がないかを探す。
上海達と一緒に森の上と下から良い場所がない見て回ると、丁度いいことに一軒の廃屋が発見された。
ぼろくなっているけれど、ここにおいておけば問題ないだろう。
……と言う事で早速移動開始。
割と大きめで幅を取る物を中心に廃屋に移動させる事約一日。
アリスの部屋も広く使えるようになり、大分落ち着いたので一旦家に戻ってご飯にしていると、廃屋で引き続き作業をしていたであろう上海達が慌てて戻ってきた。
「シャンハーイ、アリス、ハイオクニドロボウ」
「ホウラーイ、シャンハイタチジャテニオエナイ」
上海と蓬莱が泥棒が来たと報告に来たので、慌てて先ほどの廃屋に飛んでいくと、大きな風呂敷を抱えた盗人達が逃げていくのが見えた。
アリスが魔法を使って威嚇すると、泥棒たちは風呂敷包みを置いて逃げ去っていく。
廃屋に一日置いていただけで泥棒が出てくる有様だ。
こんな状態では夜もおちおち寝ていられない。
丸一日の作業でくたくたなアリスだったが、廃屋に置いた荷物を回収して、結局家に戻す事にした。
「アリス。イラナイモノハステル」
「イエノナカモノデウマッチャウ」
人形達はアリスのためを思ってそんな事を言ってくれる。
でも、アリスの部屋を埋め尽くしているのはあの魔理沙からの送り物。
どれ一つとしてアリスに捨てられる物などないのだ。
「新しい専用の小屋でも建てようかな……」
ガラクタ的な物が散乱するアリスの部屋。
その、ベッドの上にすら置いてある魔理沙からの送り物を見ながら、アリスはちょっと一人事をつぶやいた。
アリスがそうやって悪戦苦闘した次の日……。
「よう、アリス。昨日良い茸を見つけてな。それで料理を作ったんだけど、一緒に食べようぜ」
……アリスの家の玄関から魔理沙の声が聞こえる。
慌てて玄関の扉を開けると、家の中に急遽戻したガラクタが魔理沙とアリスに向かって降ってきた。
魔理沙はアリスをかばうように抱きかかえるとガラクタの雨の中、必死に堪える。
そうして一通り崩れた後……。
「イタタタタ……、ったく、なんでこんない物がいっぱいあるんだ?」
魔理沙はこの状況を見て頭に疑問符を浮かべる。
勿論、アリスには魔理沙からの贈り物で部屋の中が埋まったなどと言える筈もない。
アリスが照れたように焦るように魔理沙の方を向くと、魔理沙は
「こんなに物があるんじゃ生活に困るだろう。いらないっポイ物は適当に外に運び出すから、いるものだけ中に移動させて他のは捨てちゃおうぜ」
と言い出すので
「わかった、魔理沙。ちょっと大変だけど、片付け手伝って」
アリスは魔理沙と一緒に部屋の片づけをする事にした。
……そうして半日。
魔理沙から貰ったプレゼントのうちの多くは、魔理沙自身の手によって片付けられ、魔理沙から貰った本のうちの一部は
「丁度この本探してたんだ、ちょっと借りてくぜ」
の一言と共に魔理沙自信に回収されていった。
結果として部屋は生活しやすい空間に生まれ変わり、上海達にとってもアリスにとっても万々歳。
……な筈なのだが。
「魔理沙は結局私に贈った物の事なんてこれっぽっちも覚えてないのかしら」
なんとなく広くなって女の子らしい部屋に戻った自室で、アリスは魔理沙の態度を思い返して拗ねていた。
でも、そうやって拗ねてからちょっと経つと……。
「私のために身を挺して守ってくれた魔理沙のカッコイイ姿……ああ、やっぱり魔理沙は頼りになるわ」
……とか、魔理沙の姿を思い返してときめいていた。
なんだかんだで魔理沙とアリスはなかよしこよし。
まぁ、それはアリスが魔理沙に恋をしているからって言うのもあるんだけれど、魔理沙が誰にでも親切で好意的なので、アリスにも優しいからと言うのがあるのだろう。
……ところで、そんなアリスにはこの頃密かな悩みがある。
それは……。
「よう、アリス。今日は森の奥でアリスによく似た木を見つけたんで持ってきてやったぜ」
「ありがとう、魔理沙」
「よう、アリス。確か人形関係の魔法書探してたよな。家の中に転がってたから一通り纏めてお前にやるよ」
「ありがとう、魔理沙。こんなにいっぱいの本をいただけるなんて嬉しい」
……こんな調子で増えていったガラクタやら本の山やらが部屋に所狭しと並び、人形たちが行動するのにも大変邪魔な状態になってしまっている。
魔理沙はあの性格だから、意外と捨ててしまってもけろっとしていそうな気はするのだが、それはそれとて折角の魔理沙からのプレゼント。
捨ててしまうのは自分が嫌だし、やっぱり魔理沙にも悪い。
でも、これ以上者を置くようなスペースも全くないのも事実なので、どうしようか考えてみる事にした。
……と言うわけで計画その壱。
積み方と並べ方を変えてみる。
たくさんの贈り物の多くは書物等の比較的積みやすい物なので、上海達と一緒に積みなおす。
まず、棚の上に板を敷いて、新しい棚を作り、そこに本を流し込むように並べる。
ポイントは板の下。
魔理沙から貰ったのはいいけれど、比較的頑丈で、且つ壊れにくい置物をベースに、つっかえ棒的な物を四ヵ所に配置。
真ん中にある置物と、四箇所の棒のおかげで比較的崩れにくくなった。
次に、実験器具等。
ここら辺は比較的割れ安いのでそういったものに対する棚を新たに作成して、ひとまず収納。
微妙に使わない一部の器具は階段の裏のスペースに移動させる。
とまぁ、そんな感じで収納名人ぽい収納術を駆使して部屋にある魔理沙からの贈り物を整理。
こうして、一旦アリスの部屋は落ち着きを取り戻した。
……まぁ、結局一ヶ月もしないうちに更に追加された贈り物で埋まったが。
計画 その弐
壱でやった収納術でも収まりきれなくなったアリスの家。
この状態ではそのうち家が潰れてしまうかもしれない。
仕方がないので、アリスは新しい収納場所を探す事にした。
とりあえず、アリスの家の周辺にそういった場所がないかを探す。
上海達と一緒に森の上と下から良い場所がない見て回ると、丁度いいことに一軒の廃屋が発見された。
ぼろくなっているけれど、ここにおいておけば問題ないだろう。
……と言う事で早速移動開始。
割と大きめで幅を取る物を中心に廃屋に移動させる事約一日。
アリスの部屋も広く使えるようになり、大分落ち着いたので一旦家に戻ってご飯にしていると、廃屋で引き続き作業をしていたであろう上海達が慌てて戻ってきた。
「シャンハーイ、アリス、ハイオクニドロボウ」
「ホウラーイ、シャンハイタチジャテニオエナイ」
上海と蓬莱が泥棒が来たと報告に来たので、慌てて先ほどの廃屋に飛んでいくと、大きな風呂敷を抱えた盗人達が逃げていくのが見えた。
アリスが魔法を使って威嚇すると、泥棒たちは風呂敷包みを置いて逃げ去っていく。
廃屋に一日置いていただけで泥棒が出てくる有様だ。
こんな状態では夜もおちおち寝ていられない。
丸一日の作業でくたくたなアリスだったが、廃屋に置いた荷物を回収して、結局家に戻す事にした。
「アリス。イラナイモノハステル」
「イエノナカモノデウマッチャウ」
人形達はアリスのためを思ってそんな事を言ってくれる。
でも、アリスの部屋を埋め尽くしているのはあの魔理沙からの送り物。
どれ一つとしてアリスに捨てられる物などないのだ。
「新しい専用の小屋でも建てようかな……」
ガラクタ的な物が散乱するアリスの部屋。
その、ベッドの上にすら置いてある魔理沙からの送り物を見ながら、アリスはちょっと一人事をつぶやいた。
アリスがそうやって悪戦苦闘した次の日……。
「よう、アリス。昨日良い茸を見つけてな。それで料理を作ったんだけど、一緒に食べようぜ」
……アリスの家の玄関から魔理沙の声が聞こえる。
慌てて玄関の扉を開けると、家の中に急遽戻したガラクタが魔理沙とアリスに向かって降ってきた。
魔理沙はアリスをかばうように抱きかかえるとガラクタの雨の中、必死に堪える。
そうして一通り崩れた後……。
「イタタタタ……、ったく、なんでこんない物がいっぱいあるんだ?」
魔理沙はこの状況を見て頭に疑問符を浮かべる。
勿論、アリスには魔理沙からの贈り物で部屋の中が埋まったなどと言える筈もない。
アリスが照れたように焦るように魔理沙の方を向くと、魔理沙は
「こんなに物があるんじゃ生活に困るだろう。いらないっポイ物は適当に外に運び出すから、いるものだけ中に移動させて他のは捨てちゃおうぜ」
と言い出すので
「わかった、魔理沙。ちょっと大変だけど、片付け手伝って」
アリスは魔理沙と一緒に部屋の片づけをする事にした。
……そうして半日。
魔理沙から貰ったプレゼントのうちの多くは、魔理沙自身の手によって片付けられ、魔理沙から貰った本のうちの一部は
「丁度この本探してたんだ、ちょっと借りてくぜ」
の一言と共に魔理沙自信に回収されていった。
結果として部屋は生活しやすい空間に生まれ変わり、上海達にとってもアリスにとっても万々歳。
……な筈なのだが。
「魔理沙は結局私に贈った物の事なんてこれっぽっちも覚えてないのかしら」
なんとなく広くなって女の子らしい部屋に戻った自室で、アリスは魔理沙の態度を思い返して拗ねていた。
でも、そうやって拗ねてからちょっと経つと……。
「私のために身を挺して守ってくれた魔理沙のカッコイイ姿……ああ、やっぱり魔理沙は頼りになるわ」
……とか、魔理沙の姿を思い返してときめいていた。
なんだかんだで魔理沙とアリスはなかよしこよし。