森近霖之助と藤原妹紅のカップリング要素というものがいくらか含まれております。
嫌いな人は、そっと『戻る』ボタンを押すかウィンドウを閉じてください。
「なあ霖之助。最近、めっきり冷えるようになったとは思わないか?」
「確かに」
それなりに不思議な品々を扱っている道具屋の香霖堂。
色々な客や客じゃない何かがやってきて、潰れない程度には儲かっていた。
店主の霖之助は少し変人だが基本的には真面目な常識人である。
妖怪の血が半分ばかりまざっているおかげで病気に強く、少し長生きでもある。
だがそれも人外魔境の幻想郷においては薬にも毒にもなっていない。
そんな香霖堂に、最近になって常連客が増えた。
何かと理由を作っては店にやってきて何だかんだといいながら長居していく。
客でにぎわうことのない香霖堂にとって、それはちょっとした変化だった。
藤原妹紅。老いることと死ぬことのないとされる、永遠の少女。
そんな妹紅が何を思ったのか、足しげく店に通ってきていたのだ。
「で、そんな寒さにうってつけなのが、これなんだ」
「おや、これは立派な毛皮だね」
「寒いだろうし、霖之助にやるよ」
「ええ?」
それはいけないと、霖之助は降って湧いたような儲け話に難色を示した。
これほどの品ならかなりの額になるだろうことは、商売人でなくてもわかる程の品だったのだ。
「いいから、お前に使って欲しいんだ」
「使うって……」
「……ダメか?」
「い、いやそんなことは」
だんだんと妹紅の表情が暗く沈んでいく様を見て、急いで笑顔で受け取ることにした。
せっかくの贈り物をむげにするわけにもいかないと思ったのだ。
「受け取ってもらえるか!良かった。さっそく上着にでもしてやろう」
「それくらいなら僕がやるよ」
「いや、私にやらせてくれ。こう見えて、ある程度の縫い物なら出来るんだ」
「……わかった」
喜び勇んで毛皮を『借りて』帰っていく妹紅を、霖之助は苦笑しながら見送った。
そして、翌々日。
「できたぞ。どうだ?ぴったりだろう」
「大した物だよ。着心地は文句なしだ。こうしてみると『かぶき者』みたいだけど」
「いや、似合ってるよ」
出来上がった毛皮の上着は、とても暖かい。毛皮独特の匂いも、じきに気にならなくなるだろう。
純粋な好意に、霖之助は嬉しかった。だがどうしても気になることがある。
「立派な毛皮だけど、これほどの毛皮を手に入れるのは大変だったろうね」
そういわれた妹紅は、頬を朱に染めて、恥ずかしそうにこう言うのだった。
「毛皮を痛めずに仕留めるまでに、3回は殺されたよ……べ、別にいいだろ。私の血も、もうついて無い筈だし」
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「なあ霖之助。最近、めっきり冷えるようになったとは思わないか?」
「確かに」
それなりに不思議な品々を扱っている道具屋の香霖堂。
色々な客や客じゃない何かがやってきて、潰れない程度には儲かっていた。
店主の霖之助は少し変人だが基本的には真面目な常識人である。
妖怪の血が半分ばかりまざっているおかげで病気に強く、少し長生きでもある。
だがそれも人外魔境の幻想郷においては薬にも毒にもなっていない。
そんな香霖堂に、最近になって常連客が増えた。
何かと理由を作っては店にやってきて何だかんだといいながら長居していく。
客でにぎわうことのない香霖堂にとって、それはちょっとした変化だった。
藤原妹紅。老いることと死ぬことのないとされる、永遠の少女。
そんな妹紅が何を思ったのか、足しげく店に通ってきていたのだ。
「で、そんな寒さにうってつけなのが、これなんだ」
「おや、これは立派な毛皮だね」
「寒いだろうし、霖之助にやるよ」
「ええ?」
それはいけないと、霖之助は降って湧いたような儲け話に難色を示した。
これほどの品ならかなりの額になるだろうことは、商売人でなくてもわかる程の品だったのだ。
「いいから、お前に使って欲しいんだ」
「使うって……」
「……ダメか?」
「い、いやそんなことは」
だんだんと妹紅の表情が暗く沈んでいく様を見て、急いで笑顔で受け取ることにした。
せっかくの贈り物をむげにするわけにもいかないと思ったのだ。
「受け取ってもらえるか!良かった。さっそく上着にでもしてやろう」
「それくらいなら僕がやるよ」
「いや、私にやらせてくれ。こう見えて、ある程度の縫い物なら出来るんだ」
「……わかった」
喜び勇んで毛皮を『借りて』帰っていく妹紅を、霖之助は苦笑しながら見送った。
そして、翌々日。
「できたぞ。どうだ?ぴったりだろう」
「大した物だよ。着心地は文句なしだ。こうしてみると『かぶき者』みたいだけど」
「いや、似合ってるよ」
出来上がった毛皮の上着は、とても暖かい。毛皮独特の匂いも、じきに気にならなくなるだろう。
純粋な好意に、霖之助は嬉しかった。だがどうしても気になることがある。
「立派な毛皮だけど、これほどの毛皮を手に入れるのは大変だったろうね」
そういわれた妹紅は、頬を朱に染めて、恥ずかしそうにこう言うのだった。
「毛皮を痛めずに仕留めるまでに、3回は殺されたよ……べ、別にいいだろ。私の血も、もうついて無い筈だし」
てるよがこれを知ったら…想像は膨らむばかり…
香霖はフラグ立て逃げ常習犯だと私は信じてます。
でも攻略はしない…
もこーは一日中暇そうだから香霖堂に入り浸ることができるキャラって感じ
さて、次回はライバル登場っすか?楽しみです
甘い話とかはいつか書きたいと思うのですが難しいです!
読んでくれてありがとうございました!