紅魔館。
「今年も、いい年でありますように」
自分の部屋(部屋というのか甚だ疑問だが)にて、フランは今年に対して希望を持つかのように祈っていた。
「何か、面白いことでも起きないかな?例えば、お姉さまが来て私を連れて出かける、とか」
そんなことを思うフランドールの願いをかなえるかのように、部屋のドアがコンコンとノックされた。
「え!?まさか本当にお姉さま!?」
そしてそのドアを開けて出てきたのは、彼女の大好きなお姉さま。
「メリークリスマス!」
ではなく、サンタさんだった。
「もう年明けだよ」
題符「今年も早くから(黒)サンタさんがやってきた!」
さて、このサンタさん。よく見ると黒い。いや服装が。
しかも袋には黒帽子のマークがついている。しかも所々に角が見える。これ多分本。
「さて、フランちゃん、今年もいい子にしていたかい?」
「始まったばかりですけど」
「気にするなだぜ」
「そうなんだ。まぁ今年はいい子にしてるよ。現在進行形で」
その言葉を聴くと、黒サンタは嬉しそうに笑い(顔にはバラクラバをしてるため表情は良く見えないが)袋の中に手を突っ込んで彼女にプレゼントを渡した。
「そんなお前に、ほらプレゼントだぜ!」
「……『セガサターン』?」
「最新モデルだぜ!」
幻想郷では最近メジャーのセガサターン。これを貰って喜ばない子供はいない。
が、しかし。フランは喜ばなかった。
「いや、私別なのがいいんだけど」
「そうか。それなら仕方が無いぜ。じゃぁこれならどうだ?」
そういって黒サンタが袋から出したのは。
「『ワンダースワン』?」
「カラーもあるぜ」
「いや……いい」
これまたフランにはお気に召さないようで。
「んじゃこれは?『スワンクリスタル』」
「いらない」
「じゃあ『フランクリスタル』は?」
「いらな……フランクリスタル!?初めて聞いたよ!何それ!?」
初めて聞くタイトルに、初めてフランは興味津々の表情を見せた。
「壊れた『スワンクリスタル』」
「じゃぁ、いい」
そのときのフランの落ち込みようといったら増田こう○けが書く漫画キャラの落ち込みようの如しだった。
「困ったぜ、じゃあ何がほしいんだ?……あ、そうだ。ここに二つの箱がある」
「うんうん」
「この紅い箱と青い箱。どっちか好きなほうを選びな。選んだほうの中身をプレゼントしよう」
「えーとね。じゃぁ……」
フランは数秒悩んだ後、自らがほしいほうを選んだ。
「こっち」
「……え、私?」
フランが選んだのは、何を隠そう黒サンタだったのだ。
「うん。貴方が、ほしい」
「いや、それは困るぜ。ほら、某ゲームでもあるだろう?
金髪か青髪かどっちか選べといわれてるのにあえて真ん中を選ぶやつ。あれあのままおっさんと結婚したらお前だっていやだろう。
しかもその後誰が親捜すんだよ。こどもいねぇだろ」
「大丈夫。そこらへんはお薬屋さんにでも頼めば子供生めるようにしてくれるよ」
「いやいやいや。今私が話してるのはゲームの話で、実際問題はそうすればいいかもしれないけどゲームじゃ無理だろ。……ん?私は何を言ってるんだ?」
黒サンタは混乱している。
「とにかく、どっちか選べ」
「え~」
渋るフラン。仕方なしに片方の箱を指差した。両腕で。
「両方」
「来ると思ったぜ。通るわけないだろう、そんなの」
「じゃぁ、プラスあなた」
「もっと通らないって」
黒サンタは呆れ顔で言った。
「指は片方だけ。分かったか?」
「うん。分かった」
そういって今度こそフランは片方の腕で指差しました。二人のフランが。
「ツーオブアカインド」
「いやいやいやいや、ないだろそんなスペカ。それ以前にだめだって」
「スリーオブアカインド」
「だから私を追加するな」
「フォーオブアカインド」
「意味なく増えるな」
「パチュコンオブアカインド」
「増えすぎ!増えすぎぃ!」
わらわらと増えるフラン。これだけの妹様がいたら東の国は壊滅します。
「――……とにかく、片方だけを選べって」
「じゃぁ、紅いほう」
「よし分かった。紅いほうだな。この箱の中身は……」
と、黒サンタが紅い箱の中に手を突っ込んでその中からプレゼントを取り出した。
「ほら『ディスクシステム』だ」
「……」
フランの不満ポイント、10。
「まだまだあるぞ、『PCエンジン』に『ゲームギア』それに『バーチャルボーイ』と『LYNX』だぜ」
フランの不満ポイント、69。
「さらにさらに、驚くべきことに、最新型の『ツインファミコン』だぜ!」
「規格下がってどうするのよ」
フランの不満ポイント、495。
「クリスマスプレゼントなのに、何で何一つとしてまともなのがないのよ!」
「ちょ、ちょっとまて。レーヴァティンはまずいだろ!何が気に入らないんだ!?」
「ここまでやっててわからないの!?よくよく考えてみてよ!これだけたくさんの種類があって、確かに面白そうだけど」
「面白そうだけど?」
「肝心の……肝心の……!!」
「ソフトが一種類もないじゃない!!」
「それはしょうがないぜ。もうクリスマス過ぎてるから」
終わり(半落ち)
「今年も、いい年でありますように」
自分の部屋(部屋というのか甚だ疑問だが)にて、フランは今年に対して希望を持つかのように祈っていた。
「何か、面白いことでも起きないかな?例えば、お姉さまが来て私を連れて出かける、とか」
そんなことを思うフランドールの願いをかなえるかのように、部屋のドアがコンコンとノックされた。
「え!?まさか本当にお姉さま!?」
そしてそのドアを開けて出てきたのは、彼女の大好きなお姉さま。
「メリークリスマス!」
ではなく、サンタさんだった。
「もう年明けだよ」
題符「今年も早くから(黒)サンタさんがやってきた!」
さて、このサンタさん。よく見ると黒い。いや服装が。
しかも袋には黒帽子のマークがついている。しかも所々に角が見える。これ多分本。
「さて、フランちゃん、今年もいい子にしていたかい?」
「始まったばかりですけど」
「気にするなだぜ」
「そうなんだ。まぁ今年はいい子にしてるよ。現在進行形で」
その言葉を聴くと、黒サンタは嬉しそうに笑い(顔にはバラクラバをしてるため表情は良く見えないが)袋の中に手を突っ込んで彼女にプレゼントを渡した。
「そんなお前に、ほらプレゼントだぜ!」
「……『セガサターン』?」
「最新モデルだぜ!」
幻想郷では最近メジャーのセガサターン。これを貰って喜ばない子供はいない。
が、しかし。フランは喜ばなかった。
「いや、私別なのがいいんだけど」
「そうか。それなら仕方が無いぜ。じゃぁこれならどうだ?」
そういって黒サンタが袋から出したのは。
「『ワンダースワン』?」
「カラーもあるぜ」
「いや……いい」
これまたフランにはお気に召さないようで。
「んじゃこれは?『スワンクリスタル』」
「いらない」
「じゃあ『フランクリスタル』は?」
「いらな……フランクリスタル!?初めて聞いたよ!何それ!?」
初めて聞くタイトルに、初めてフランは興味津々の表情を見せた。
「壊れた『スワンクリスタル』」
「じゃぁ、いい」
そのときのフランの落ち込みようといったら増田こう○けが書く漫画キャラの落ち込みようの如しだった。
「困ったぜ、じゃあ何がほしいんだ?……あ、そうだ。ここに二つの箱がある」
「うんうん」
「この紅い箱と青い箱。どっちか好きなほうを選びな。選んだほうの中身をプレゼントしよう」
「えーとね。じゃぁ……」
フランは数秒悩んだ後、自らがほしいほうを選んだ。
「こっち」
「……え、私?」
フランが選んだのは、何を隠そう黒サンタだったのだ。
「うん。貴方が、ほしい」
「いや、それは困るぜ。ほら、某ゲームでもあるだろう?
金髪か青髪かどっちか選べといわれてるのにあえて真ん中を選ぶやつ。あれあのままおっさんと結婚したらお前だっていやだろう。
しかもその後誰が親捜すんだよ。こどもいねぇだろ」
「大丈夫。そこらへんはお薬屋さんにでも頼めば子供生めるようにしてくれるよ」
「いやいやいや。今私が話してるのはゲームの話で、実際問題はそうすればいいかもしれないけどゲームじゃ無理だろ。……ん?私は何を言ってるんだ?」
黒サンタは混乱している。
「とにかく、どっちか選べ」
「え~」
渋るフラン。仕方なしに片方の箱を指差した。両腕で。
「両方」
「来ると思ったぜ。通るわけないだろう、そんなの」
「じゃぁ、プラスあなた」
「もっと通らないって」
黒サンタは呆れ顔で言った。
「指は片方だけ。分かったか?」
「うん。分かった」
そういって今度こそフランは片方の腕で指差しました。二人のフランが。
「ツーオブアカインド」
「いやいやいやいや、ないだろそんなスペカ。それ以前にだめだって」
「スリーオブアカインド」
「だから私を追加するな」
「フォーオブアカインド」
「意味なく増えるな」
「パチュコンオブアカインド」
「増えすぎ!増えすぎぃ!」
わらわらと増えるフラン。これだけの妹様がいたら東の国は壊滅します。
「――……とにかく、片方だけを選べって」
「じゃぁ、紅いほう」
「よし分かった。紅いほうだな。この箱の中身は……」
と、黒サンタが紅い箱の中に手を突っ込んでその中からプレゼントを取り出した。
「ほら『ディスクシステム』だ」
「……」
フランの不満ポイント、10。
「まだまだあるぞ、『PCエンジン』に『ゲームギア』それに『バーチャルボーイ』と『LYNX』だぜ」
フランの不満ポイント、69。
「さらにさらに、驚くべきことに、最新型の『ツインファミコン』だぜ!」
「規格下がってどうするのよ」
フランの不満ポイント、495。
「クリスマスプレゼントなのに、何で何一つとしてまともなのがないのよ!」
「ちょ、ちょっとまて。レーヴァティンはまずいだろ!何が気に入らないんだ!?」
「ここまでやっててわからないの!?よくよく考えてみてよ!これだけたくさんの種類があって、確かに面白そうだけど」
「面白そうだけど?」
「肝心の……肝心の……!!」
「ソフトが一種類もないじゃない!!」
「それはしょうがないぜ。もうクリスマス過ぎてるから」
終わり(半落ち)
小ネタいっぱいで面白かったよー
まだ幻想入りされて無いんだ…。よかったぁ…
(実はNEO・GEOファンの自分)
>名無し1stさん
面白かったですか、ありがとうございます。小ネタはたくさん出すに限ります(限るのか
>名無し2ndさん
ダイアルアップ。家は使ってないですね……。きっとそろそろですよ。私も幻想郷入りしたい……あ、後半はボヤキですよ。
>名無し3rdさん
フラマリですか。私はカップリングは誰でもおkだぜ!って人です。そんな負け組みの貴方びはバラクラバをぷれぜんt(ry
>思想の狼さん
ネオジオは家にもまだありますから。実を言うとセガサターンも家にあるんですが。
私はN64ファンですよ。
それでは皆様、感想ありがとうございました。