Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

門番とコッペパン

2008/01/06 11:30:58
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「お、お腹が空いた……」

そう力無く呟くのは今日も頑張る中華な門番、紅 美鈴――

「――……」

――通称、中国である。

「時間差攻撃!?」


~~~~~~~~~~


白黒魔法使いに何度も突破されている私の株は連日ストップ安を更新、
上場廃止(クビ)も時間の問題かという話が紅魔館のメイド達を騒がせてい
ます。
今日も昨日魔理沙を止める事が出来なかったペナルティとして、メイド長
から食事抜きと宣言されました。

「うぅ、咲夜さんの鬼ぃ……」

愚痴りながらもこれ以上罰を受けるわけにはいかないので空腹で力が出な
い体に鞭を打ち、門前に立ち続けます。
その時、紅魔館の方から音楽が聞こえてきた。


コッペパーン♪コッペパーン♪コッペパーーーン♪


コッペパンとテーマ曲に定評のあるパン屋さんです。
知らない内に出来ていたのですが味は確かなので紅魔館では定期注文を行
っています、恐らくパンの配達の帰りでしょう。

「門番さん、また食事抜き喰らったんだって?」

そう話しかけてきたのはパン屋の店主、魅魔さんだ。
悪霊とか、トンガリ帽子など怖いイメージがあったが話してみると中々気
さくで、優しい人(?)です。
 
「ええ……まぁ」
「何というか、すまないねぇ」
「えっ、何で貴方が謝るんですか?」
「いや……何でもない」
「???」

この人は魔理沙の話題になると複雑な表情になる。
彼女と何か関係があるのでしょうか?

「それより、今日はパンを作りすぎたのか余ってしまったんだよねぇ、門
 番さんお一つどうだい?」
「えっ! でも――」
「良いって良いって、黙っておけばばれやしないよ。で、何が欲しい?」
「えっと、じゃあコ、コッペパンを所望します」
「あいよ」

魅魔さんが自分が引いてきた荷台からコッペパンを取り出し、私に渡しました。

「あっありがとうございます!」

かなりの空腹だったのでお礼をいうとすぐにパンに噛り付いた。
しかし、すぐにその動きを止めます。

「み、魅魔さん、これって……」

口の中でパンといっしょに何やら上品な甘さと濃厚な味が絶妙なハーモニ
ーを生み出している、これはまさか!

「小豆マーガリンだよ。生憎普通のコッペパンは切れてしまっててね、嫌
いだったかい?」
「と、とんでもありません! 本当にありがとうございます!」
「お安い御用だよ、この位。じゃあお礼として一つ質問に答えてくれない
かい?」
「はい? いいですけど」
 
一体どんな質問をされるんだろう?

「門番さんの名前は何ていうんだい? あの中国ってのは違うんだろ?」
「――っ!?」

こ、この人はっ!?

「美鈴です! 紅 美鈴です!!」
「美鈴ね、覚えたよ。」
「――!? くぅっう……」
「べ、別に泣く事じゃないだろ?」

この人はなんで――

「なんで私なんかにこんなに良くしてくれるんですかぁ?」
「え?」

泣きながら質問する私に魅魔さんは戸惑いながら答えた。

「あー、何というかその、頑張っている赤毛の女の子がいるとほっとけな
いんだよねぇ、私ゃ」
「ぇ?」

なんか随分と限定された条件ですね……冗談?


~~~~~~~~~~


あれから魅魔さんは私が落ち着くまで一緒にいてくれました。

「もうそろそろ私は帰るよ」
「すいません、迷惑を掛けてしまいました」
「気にしないよ、この位は」
「あの、またこんどここに寄ってくれませんか? 今日のお礼に美味しい
中国茶でもご馳走します」
「そいつは楽しみだねぇ……またね美鈴、頑張るんだよ」
「はいっ!!」


コッペパーン♪コッペパーン♪コッペパーーーン♪


魅魔さんはテーマ曲を鳴らす荷台ごと湖の向こうへ飛んでいきました。
私が思うにあんなに優しい人が悪霊なわけがありません。
私は魅魔さんに最大の感謝の意を込めてこう呟きました

「成仏しろよ……」

その時、湖をパトロールしていた門番隊の妖精がこっちへ飛んできまし
た。

「門番長! 敵襲です! 第一防衛ラインが突破されました!!」
「――ッ!? 魔理沙ですか?」
「違いますっ! MARISAです!!」
「なにぃ!?」

説明しよう、MARISAとは謎のキノコを摂取し8頭身化した恐怖の白黒魔
法使いの事である。今の彼女は弾幕を全て弾き返してしまうのでそこいら
の妖精では歯が立たない。

「MARISAは猛スピードでここに接近中です、もうすぐこっちに来ます!」
「ええ、もう確認しました」
「えっ、嘘!? 早すぎる!!」

湖の方見ると盛大に水飛沫を上げながら水上を走ってくるMARISAが視認で
きる距離まで近づいてきている。

ズドドドドドドドドドドドドド!
「イッツショータァァァァイム!!!!」
「ひぃっ!」
「貴方は下がっていてください!」
「でっでも!」
「いいからっ、アレは私が何としてもここで食い止めます」
「門番長……解りました、幸運を祈ります」
「行って!」

避難する妖精を見届けた私は再び前を見据える。

「絶好調だZE!!」

もうMARISAは目の前と言っても良い位距離を詰めてきています、あまりの
迫力に逃げ出したく気持ちを抑えながら作戦を考えます。
彼女には弾幕は通じない、圧倒的なパワーで跳ね返されるのが目に見えて
います。弾幕が駄目なら残す方法は一つ――

ザッ――
「身体で止める!!」

両手を広げ門の前に立ち塞がる。
あのコッペパンの炭水化物が! 小豆の糖分が! マーガリンの脂肪分が!
そして何より久しぶりに呼ばれた本名が私の身体にエネルギーを与えてくれ
る! 今の私なら彼女を止められる!!

「うおおおぉぉぉおぉおぉおお!!」
「マスタァァァスパークDA!!」 

私の右側を突っ切ろうとした彼女に飛び掛かる!

ダッッ!!
「(届け……ッ!)」
ガシィ!!

精一杯伸ばした右腕が彼女を捉える、しかし――

「(届いたっ)――うあっ!?」
グオオオッ!!

勢いのついた彼女は私の体ごと門を突き破ろうとする。
咄嗟に左腕に気を溜めて――

「てえぇぇぇぇい!!」
 ドゴオッ!

彼女の身体に手刀を叩き込んだ。

「パチュリーのことかぁぁぁあぁぁああ!!」
「やった!」

堪らず彼女は吹き飛んでいった――








――紅魔館に向かって……

「ッ!?しまっt(ガシャァァン)」
「きゃあああああああ!!!」

しかも運が悪い事にMARISAが着弾したのは紅魔館に存在する数少ない窓付き
の部屋、もっと詳しく言うと紅魔館メイド長十六夜 咲夜さんの部屋です。
さらに不運は続きます、普段咲夜さんはこの時間帯はあまり自室へ戻る事は
ありません。あるとすれば――

「……着替え中、だったのかな?」

むしろそれ以外考えられません。
それならあの悲鳴にも説明がつきます、咲夜さんのあんな悲鳴は滅多に聞け
る物ではありません。激レアです。しかしこれはとても喜んでいられる状況
では無い事は火を見るより明らかです。

「ちゅぅぅぅぐぉくうぅぅぅぅぅ!!!」
「ひぇぇ」

魅魔さんごめんなさい、中国茶を御馳走する約束、守れないかもしれません。
ぷちに投稿するのは初めてです、ひぃやという者です。
東方には緑髪のキャラがやたらと多い様な気がしますが魅魔様こそが東方の元祖緑髪キャラです、自分は魅魔様の復活を心待ちにしております(何か色々と期待できる動きもありますし)。
劇中の魅魔様はパン屋になったのを切欠に相当丸くなったんだと思います、それとマリサラの八頭身魔理沙は個人的にトラウマです。
風神録の委託が始まった日にパソコンが壊れてから何も書いていなかったせいでただでさえ低い文章力が更に低下しました。この東方風神録もスムーズに動くハイスペックなPCでこれから頑張ろうと思います。
ひぃや
コメント



1.名無し妖怪削除
魅魔様何やってんだwwww
そりゃリーインカーネイションはコッペパンに聞こえるけども・・・
2.名無し妖怪削除
MARISAに爆笑
3.名無し妖怪削除
ニコニコでのコッペパンネタがこの話で具現化されたwww

あの歌はある意味洗脳されますよ。(;^ω^)
4.墨染削除
時間差バルスww
5.時空や空間を翔る程度の能力削除
魅魔様
いつから副業を?
私にもコッペパン1つくださいな。
6.偽物削除
メイド長の部屋に突っ込んだMARISAの運命や如何にっ!?
7.名前が無い程度の能力削除
魔梨沙のことかーwww