Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

福神様

2008/01/04 04:00:08
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相も変わらず閑散とした、博麗神社の縁側で。
相も変わらない二人の少女は、呑気にお茶をすすっていた。

「する事が無いのは、退屈だぜ」

「だったら、退屈しのぎに境内の掃除でもしてくれる?」

「やりたくない事をするのは、やる事がないのと同じくらい嫌だぜ」

他愛のない無駄話に興じている、その時だった。
ぱきんという音と共に、彼女達の湯飲みが真っ二つに割れた。
幽霊庭師でもここまで綺麗には斬れないであろう、平らな断面がごろりと上を向く。

「……不吉ね」

「……きっと職務怠慢な巫女への天罰だな」

破片をつまみ上げ眉をひそめる霊夢をよそに、魔理沙はお茶請けの煎餅を手に取る。
しかし、口元に運ぼうとした煎餅はするりと指から滑り抜け、地面に落ちて粉々に砕けた。

「……ついてないぜ」

「……呪いのアイテムでも拾ったんじゃないの?」

二人は怪訝な顔で互いを見合わせる。すると、

「助けてーっ」

明らかに参拝客ではないであろう悲鳴が、空の彼方から聞こえてきた。
目も当てられないほど強烈な負のオーラを放ちながら、赤いドレスの少女が横回転で舞い降りてくる。
そして、

「夢想封印!」

霊夢の放った弾幕が、神社の上空に爆発を巻き起こした。





境内の真ん中に墜落した黒焦げの少女―――厄神こと鍵山雛。

彼女の下に、霊夢と魔理沙が駆け寄ってきた。

「あぁ、あなた達……」

「あんたかーっ!」

喋る間も与えず、霊夢は雛の襟首をふん捕まえる。

「あんたが何処で何しようと勝手だけど、うちにだけは来ないでって言ったでしょ!
 傾くわよ?建物的にも財政的にもポッキリいくわよ!?」

「クリスマスはとっくに終わったぞ?来年まで押入れの隅で埃被ってたらどうなんだ?」

「うぅ、あんまりだわ……」

よよよ、と嘆き崩れる厄神。
が、既に何人も神様を屠ってきた少女達は、それを冷ややかな視線で見下ろすだけだった。
肌を刺す視線に耐えられなくなった雛は、あきらめて立ち直る。

「そんな事より、大変なんです!実は……」

「いいから、湯呑み弁償しなさいよ。ついでに賽銭入れてきなさい」

「それより香霖堂行って煎餅買って来いよ。ほらほら、ジャンプしてみ?」

「話を聞いてくださいお願いですから!」

祓い棒と箒を構えてにじり寄る霊夢達に本気で怯えながら、雛はやけ気味に叫んだ。

「奴が……奴が来るんですぅ!」

「「は?」」

二人の体がぴたりと止まる。それに合わせたかのように。

「ほーっほっほっほっ!」

甲高くうざったい笑い声が、やはりと言うべきか上空から響いてきた。

「な、何だぁ?」

聞き覚えのない声に多少の不安を覚え、二人は空を見上げる。
遥か彼方から近づいてくる、謎の人影。霊夢はそれを指差した。

「ちょっと、奴ってあれの事!?」

「そうです、奴こそ……」

雛はわなわなと拳を握り締め、高らかに告げた。

「私の宿敵、福神です!」

彼女らしからぬその煽り振りに、霊夢と魔理沙は息を呑む。

距離を縮めると共に、その人影は徐々に輪郭を露わにしていく。
目も当てられないほどの輝かしいオーラを放ちながら、少女はくるくると舞い降りてきた。


縦回転で。


「マスタースパーク!」

魔理沙の放った弾幕が、神社の上空に二度目の爆発を轟かせた。
「やった、福神を生け捕ったわ!焦げてるけど」

「これで神社も安泰だな!焦げてるが」

「でも、人の幸福を集めちゃうから皆不幸になっちゃうんですよね」


「意味ないでしょーが!」 「意味ないだろが!」

マリス砲もびっくりの合体弾幕が、幻想郷の空を震わせた。



(やりたかっただけです。イメージはFF8のライブラ)
転寝
コメント



1.名無し妖怪削除
なるほど、厄神が「厄を集める神様」なら福の神は…って、そんなわけあるかwww!
2.名無し妖怪削除
どっちにしても近づくと不幸になるんだなww
3.名無し妖怪削除
つまり厄=副で副=厄…
て、縦回転てwww
4.名無し妖怪削除
だったら厄神は歓迎するべきでは?
5.偽物削除
回転しすぎww
6.苦有楽有削除
この場合、一番得をするのは、雛ちゃんですねw。
7.名無し妖怪削除
知ってたか?あのライブラはとあるキャラだけ縦回転しないんだぜ。
8.名無し妖怪削除
回ればいいというものでもないだろうwww