Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ワイルドストロベリー

2008/01/03 06:18:39
最終更新
サイズ
3.21KB
ページ数
1
※百合とかカップリングとか嫌いな人はご注意を
 同性愛的な表現が入っております。












魔法の森の奥深く、二人の魔女が探検中

「ねえ魔理沙、本当に野いちごなんてあったの?」
「もちろん、この目でちゃんと確かめたんだぜ!」

本来なら、いちごの季節からは大分外れているが、
この常識のひん曲がった幻想郷ならあり得るかもしれない。
そう思って、黒い魔女の提案したいちご狩りに同行したのだった。


「あっれ、おかしいな。確かにこの辺りにあったはず・・・」
「ちょっと、何でここだけ焼け野原になってるのよ」
「分かりやすいように恋の魔法でなぎ払っただけだぜ。」
「・・・いちごも吹き飛ばされてたりしてね」


いちごを探してうろうろと
しばらく経って黒い魔女が言った


「こりゃダメだ、野生の巫女にでも食べられたに違いないぜ」
「あり得ないって言い切れない所が怖いわ・・・」

結局いちごは見つからず、魔女達はのんびり帰路につく

「とんだ無駄足だったわ・・・。」
「まあまあ、そんな日もあるさ。」

それに・・・、と七色の魔女を宥めながら黒い魔女は付け加える

「お前は人間なんかよりはよっぽど時間あるじゃないか。のんびり行こうぜ、霊夢みたいに」

七色の魔女は何故か少し怒ったように答える

「私はそんなにのんびりしてられないのっ!」

何怒ってるんだ、と首をかしげる黒い魔女




「貴方と一緒にいられる時間は・・・こんなにも少ないのに」




誰にも聞こえないように、心の中で小さく呟いた
その呟きは、自分自身にも届かない

顔を明後日の方に向け、不貞腐れたように頬を膨らませる少女に、黒い少女は静かに近付く。

「アリス、」
何よ、と言い終わる前に唇が塞がれた。


「んっ・・・」
「んぅ、これでいちごの代わりには・・・ならないか?」

七色の魔女の頬を撫でながら、黒い魔女は甘えるように唇を離した。
唇が触れあうだけの、軽いキス


「・・・あっ、この馬鹿・・・」
少女の頬が、わずかに桃色に染まる
そんな顔を隠す様に、顔を近づけてくる魔女から目を逸らした。

しかし、尚も相手は続きを求めてくる。
「アリス・・・好き・・・・・・・」

耳元で囁かれるそんな言葉を聴きながら
もしかしてこれが目的だったのだろうか、と勘ぐり始めたが・・・。



抵抗は、しない。





         ◇                 ◇



「なあ」
「あによ」

二人の魔女がのんびり空を飛んでいる
黒い魔女は箒に乗って
七色の魔女はその後ろに腰掛けて

「甘かった?」

「・・・何が」

「私が」

しばらくの沈黙。

何で素面でそういうこと言えるのかなぁ
アリスは、周りに誰もいないのに何故か自分が恥ずかしくなってきた。

「魔理沙」
「ん?」

「酔ってるの?」
「ああ、お前にな」

「・・・本気なのか冗談なのか分からないからやめてよね、そういうの」

「私はいつでも本気だぜ、っと。そろそろ着くぜ。」

「あ、ありがと。」

箒はゆっくりと減速し、森の中の家に向かって降下する。

その家の扉の前で、二人の少女は別れを告げた。

「じゃあな、アリス」
「うん、またね魔理沙」

さてと、と宙に浮きかけた魔理沙に、ちょっと待ってと声をかける。

「ねえ、結局いちごって本当にあったの?」

魔理沙は少し驚いたような顔をした後、

「いちごは・・・ここだぜ」

カツッ
と何か硬いもの同士がぶつかる音


「じゃあな!」

言うが早いか、魔理沙は箒にまたがり夕暮れの空にすっ飛んでいってしまった。




「また不意打ち・・・」

魔理沙が逃げ帰った後、苦笑しながら呟いた。







とんだいちご狩りだった、と思いつつも顔がニヤけるのは隠し切れないアリスであった。


      

                                                    

「結局、苺はどっちだったのか」

東方河想狗蒼池のアリス→デレ中毒になりました。助けてえーりん
乳輪大納言
コメント



1.名無し妖怪削除
これはよい苺だ