さて、新年を迎えたわけで。
普段は暇だ暇だとぼやく巫女のところにも、それなりの参拝客が訪れていた。
今年は別の神社もできたから、そちらに人が流れるかとも思ったのだが、昨年と比べて大差はない。
大方、あちらは天狗と河童で賑わっていることだろう。
天狗と河童が新年を祝うのかは、はなはだ謎であるが。
などと考えていると、参拝客に紛れて氷の妖精がやってきた。
「ねえねえ、霊夢。ちょっと来て欲しいんだけど」
「どこへ?」
「いいから、いいから」
行き先を告げないなど、妖しさここに極まりといった感じである。
それがチルノの言葉なら、倍率は二倍どころか十倍ぐらいに膨れ上がるのだが。
賽銭箱が温かいせいか、今日の霊夢は機嫌が良かった。
「仕方ないわね」
呆れたように肩をすくめて、チルノの後についていく。
さて、新年を迎えたわけだが。
東風谷早苗は頭を抱えていた。
信仰は良いものだ。
あればあるほど、困るものではない。
それにしたって、できれば人間の信仰が欲しいところ。
河童や天狗がわいわいがやがや騒いでいる神社を見れば、どんな巫女でもそう思うのではないか。
まあ、博麗の巫女がどう思うのかはわからないが。
溜息をついていると、見慣れない氷の妖精がやってきた。
「ねえねえ、ちょっとついてきて」
すわ落とし穴にでもはめられるのかと思った。
妖精は悪戯好きと聞く。
新年早々、悪戯をしてきても不思議ではない。
だが、今の早苗はどうでもよかった。
今更落とし穴に落ちようが、これ以上のどん底はない。
「仕方ないですね」
がっくりと肩を落としながら、チルノの後についていった。
「見てみて、レティ」
そう言って、チルノは二人の巫女をレティの前に突き出す。
何が始まるのかと、巫女達も怪訝そうな顔をしていた。
そして、名前を呼ばれたレティ自身も。
「この二人がどうかしたの?」
そう尋ねると、チルノは笑いを堪えながら言った。
「和尚が二人で、お正月!!」
「巫女よ」
「巫女です」
「巫女じゃない」
「…………あれ?」
このギャグで笑うことになろうとは……!
和尚が二人(ツー)ではないですかww
確かパッパラ隊でもそんなネタが・・懐かしいwwww
笑わせてもらいました。
今年もチルノは可愛さ全開。