ぅ…ん……
あれ……私…寝てた……?
ぇ…?どこ……ここ………?
……ちょっと……待って…
私、いつまで起きてたっけ…?
………と言うか、何してたっけ?……
がちゃっ
「A Happy new year~♪ パチェ~?起きた?」
「あ、お嬢様~、たった今、起きられたところです~」
…えっ?
レミィ?小悪魔?
えっと…「Happy new year」って…?
とりあえず…返事しなきゃ……
「…ぅ……ぉはょ……ぅ…」
…ダメだ……頭に…血が……行かない……
ぼふっ
「……むきゅー………」
「あらら…おーいパチェ~?無理しなくていいのよ~?」
レミィが優しく声をかけてくれるけど……
………起き上がれない…
「すいません…本当に今起きたばかりなんですよ~」
……何か固いなぁ…って思ったら……
私……本を………枕に……
「何でベッドに連れて行かなかったの?」
「いや、普段から魔導書書いてるときに寝てしまっても、そのままにしとけって聞かないんですよ~」
「それこそ何でよ?」
「起き抜けの頭にいいスペルが導き出される事もあるからって…」
「頭がいいヤツが考えることってのは、よく分かんないわね…」
ほ…っとい…て…
「とりあえず、ベッドまで運ぶわよ、新年早々パチェの閻魔初めなんか見たくないわ」
「そんな姫○めみたいに言わないで下さいよ~」
…あ、…ダメ…そんな……持ち方……しちゃ……
がこっ!ダンッ!!ごきっ!!
がくっ…
「…ほ……ら…ね」
「あ”ぁ”~!!ぱ、パパパパパチュリー様があああぁぁー!!!」
「ちょ、間接が色々と曲がっちゃいけない方向に!さくやー!!さくやーー!!!!」
「あ、閻魔」
「…年始早々何やってんですか、アナタは」
「…ホント、何をしているんだろうね……」
何故か泣きたくなってき…ん?
何か引っ掛かる言葉が?
「あの…」
「小町も!結果分かっているんだからこういう時に限ってきっちり連れて来ない!!あなたの裁量で還らせる事も出来るでしょうに!」
「…へへ、すいませんねぇ」
「ったく…じゃあ還しますよ」
「いつもごめんね」
「全くです、それでなくても新年は酔っ払いだの珍だので忙しいのに……」
「…えっ?新n」
「…年……って?」
「あ、気が付きましたよ~」
「よ、よかったぁ~…」
…美鈴?…小悪魔?
……あ、気を……
「…ありがと……」
「いえいえ、あ、そういえばパチュリー様」
「…何…?」
「新年好!」
……ぇ?…
「美鈴……それ……」
「ああ、えっと…あけましておめでとうございます!」
…あけ…?
「ねぇ…美鈴」
「はい?」
「変なこと聞いていい?」
「は…」
がちゃっ
「パチェ?気が付いた~?」
「あ、お嬢様!もう大丈夫ですよ!」
「流石美鈴ね、あ、立たなくていいわよ」
つかつかつか
レミィが私に近寄ってきた…
「パチェ大丈夫?」
「…何とか……ね」
「良かった…一時はどうなるかと」
「閻魔と会って来たわ…」
「あちゃ~…やっぱり閻魔初めになっちゃったのね」
「ところでレミィ…」
「ん?何?」
「もしかしたら何だけど…」
「もしかしたら?」
「年…越した……?」
………
……
…こくり
「……やっぱり…」
「パチェ…カレンダーくらい替えとこうよ…」
カレンダー…?
あ、10月のままだ…
「パチェ、今日から新しい年よ!新年よ!」
…新…年……
「レミィ、満月よ」
「それは真円」
「秋姉妹からのお歳暮か…ビリビリ、カパッ、あら良い物いっぱい」
「それは新鮮」
「妖夢、それって本物の刀なの?」
「それは真剣」
「魔理沙、ついに本を返す気になったのね」
「それは観念」
「3度目の契約更改、保留します」
「それは越年」
「鶴は?」
「千年」
「今はこれだけに集中」
「それも専念」
「亀は?」
「万年」
「博麗神社のお賽銭箱はいつもからっぽ」
「それも万年」
「上白沢」
「それは慧音、遠くなってきたわよ」
「『あ、さんねーんびーぐみぃー』」
「きんぱ…全然関係ない!」
あ、突っ込まれた…
「違うわよ!誰よそれ!?」
「『君達も一度図書館で過ごしてみるといい、実に興味深い』」
「上手いのは分かったから!新しい年よ!」
「リリーを見ました、だから今日はちょっと大胆に攻めようかと…」
「それは春らしい装い…だからもぉいいって!!」
「今のよくついて来たわね…」
「どんだけアナタの相方やってると…って違う!」
羽根を思いっきりパタパタさせて突っ込む相方、もといレミィ。
「…ふぅ……」
「何ため息ついてるのよ」
「いや、久々に声真似やったから…」
「えっ?そっち?」
「嘘よ…そう、私の知らぬ間に年を越していたのね…」
「そうよ、分かって頂けた?」
「えっと、消極的に新年の挨拶をする方法は…」
「ああもう!そんなのあとでいいから!」
本を私から取り上げるレミィ。
「あ…」
「改めて言うわ!パチェ!あけましておめでとう!」
「一波目を避けて…あ、しまった米粒弾が!」
「それは避けたけど米でドーン!もの凄く遠いし!もういいって!」
「…冗談よ、あけましておめでとう」
「……何で挨拶一つするのに、こんなに時間かかるのよ…」
がくっ
肩を落とし、頭をもたげるレミィ。
むぅ…しかしレミィも腕を上げたわね、今のを返せるなんて…
「ふぅ…まぁいいわ」
一息ついてレミィは顔を上げた。
「アナタが居ないと紅魔館の新年パーティが始められないのよ!」
「そうですよ、パチュリー様」
「さ、行きましょ!」
待ってられないとばかりに手を引くレミィ。
「はいはい、分かったわよ…だからひっぱらないで~」
年を越すとか、越さないとか
年の初めはめでたいとか
そんなことはどうでもいい
さっきまでの時間が昨日になって、今の時間が今日になる
ただそれだけなのだ
私のすることはいつもと変わりない
一日は、一日
でも
私はレミィが好きなのだ
この騒ぐのが好きで、我侭で、あんまり悪魔らしくないこの親友が
こんな私が起きただけで、とても嬉しそうな顔をしてくれる彼女が
とてもとても大好きなのだ
だから、その笑顔を見るためだけにも
新年の一日を「特別な日」にしてもいいと思う
「レミィ…」
「何?」
「今年も宜しくね」
「うん!こちらこそね!」
「あ、パチュリー様!まだ終わってません!」
「えっ?あっ」
ぐきっ! がたっ! ばぁーん! ごきぃっ!
ぐたり…
「あ”あ”あ”~!!!またパチェがあぁ!!!」
「あ、泡吹いてますよ!!!!」
消えゆく意識の中で思ったこと
(レミィは…泣き顔も……可愛いわ……ね……)
(了)
「…一日に2回も来ないで下さい」
「いえ、挨拶を忘れてたから言いに来ただけ…あけましておめでとう」
「はい、あけましておめでとうございます、もうしばらく来ないようにね」
「…善処するわ」
あれ……私…寝てた……?
ぇ…?どこ……ここ………?
……ちょっと……待って…
私、いつまで起きてたっけ…?
………と言うか、何してたっけ?……
がちゃっ
「A Happy new year~♪ パチェ~?起きた?」
「あ、お嬢様~、たった今、起きられたところです~」
…えっ?
レミィ?小悪魔?
えっと…「Happy new year」って…?
とりあえず…返事しなきゃ……
「…ぅ……ぉはょ……ぅ…」
…ダメだ……頭に…血が……行かない……
ぼふっ
「……むきゅー………」
「あらら…おーいパチェ~?無理しなくていいのよ~?」
レミィが優しく声をかけてくれるけど……
………起き上がれない…
「すいません…本当に今起きたばかりなんですよ~」
……何か固いなぁ…って思ったら……
私……本を………枕に……
「何でベッドに連れて行かなかったの?」
「いや、普段から魔導書書いてるときに寝てしまっても、そのままにしとけって聞かないんですよ~」
「それこそ何でよ?」
「起き抜けの頭にいいスペルが導き出される事もあるからって…」
「頭がいいヤツが考えることってのは、よく分かんないわね…」
ほ…っとい…て…
「とりあえず、ベッドまで運ぶわよ、新年早々パチェの閻魔初めなんか見たくないわ」
「そんな姫○めみたいに言わないで下さいよ~」
…あ、…ダメ…そんな……持ち方……しちゃ……
がこっ!ダンッ!!ごきっ!!
がくっ…
「…ほ……ら…ね」
「あ”ぁ”~!!ぱ、パパパパパチュリー様があああぁぁー!!!」
「ちょ、間接が色々と曲がっちゃいけない方向に!さくやー!!さくやーー!!!!」
「あ、閻魔」
「…年始早々何やってんですか、アナタは」
「…ホント、何をしているんだろうね……」
何故か泣きたくなってき…ん?
何か引っ掛かる言葉が?
「あの…」
「小町も!結果分かっているんだからこういう時に限ってきっちり連れて来ない!!あなたの裁量で還らせる事も出来るでしょうに!」
「…へへ、すいませんねぇ」
「ったく…じゃあ還しますよ」
「いつもごめんね」
「全くです、それでなくても新年は酔っ払いだの珍だので忙しいのに……」
「…えっ?新n」
「…年……って?」
「あ、気が付きましたよ~」
「よ、よかったぁ~…」
…美鈴?…小悪魔?
……あ、気を……
「…ありがと……」
「いえいえ、あ、そういえばパチュリー様」
「…何…?」
「新年好!」
……ぇ?…
「美鈴……それ……」
「ああ、えっと…あけましておめでとうございます!」
…あけ…?
「ねぇ…美鈴」
「はい?」
「変なこと聞いていい?」
「は…」
がちゃっ
「パチェ?気が付いた~?」
「あ、お嬢様!もう大丈夫ですよ!」
「流石美鈴ね、あ、立たなくていいわよ」
つかつかつか
レミィが私に近寄ってきた…
「パチェ大丈夫?」
「…何とか……ね」
「良かった…一時はどうなるかと」
「閻魔と会って来たわ…」
「あちゃ~…やっぱり閻魔初めになっちゃったのね」
「ところでレミィ…」
「ん?何?」
「もしかしたら何だけど…」
「もしかしたら?」
「年…越した……?」
………
……
…こくり
「……やっぱり…」
「パチェ…カレンダーくらい替えとこうよ…」
カレンダー…?
あ、10月のままだ…
「パチェ、今日から新しい年よ!新年よ!」
…新…年……
「レミィ、満月よ」
「それは真円」
「秋姉妹からのお歳暮か…ビリビリ、カパッ、あら良い物いっぱい」
「それは新鮮」
「妖夢、それって本物の刀なの?」
「それは真剣」
「魔理沙、ついに本を返す気になったのね」
「それは観念」
「3度目の契約更改、保留します」
「それは越年」
「鶴は?」
「千年」
「今はこれだけに集中」
「それも専念」
「亀は?」
「万年」
「博麗神社のお賽銭箱はいつもからっぽ」
「それも万年」
「上白沢」
「それは慧音、遠くなってきたわよ」
「『あ、さんねーんびーぐみぃー』」
「きんぱ…全然関係ない!」
あ、突っ込まれた…
「違うわよ!誰よそれ!?」
「『君達も一度図書館で過ごしてみるといい、実に興味深い』」
「上手いのは分かったから!新しい年よ!」
「リリーを見ました、だから今日はちょっと大胆に攻めようかと…」
「それは春らしい装い…だからもぉいいって!!」
「今のよくついて来たわね…」
「どんだけアナタの相方やってると…って違う!」
羽根を思いっきりパタパタさせて突っ込む相方、もといレミィ。
「…ふぅ……」
「何ため息ついてるのよ」
「いや、久々に声真似やったから…」
「えっ?そっち?」
「嘘よ…そう、私の知らぬ間に年を越していたのね…」
「そうよ、分かって頂けた?」
「えっと、消極的に新年の挨拶をする方法は…」
「ああもう!そんなのあとでいいから!」
本を私から取り上げるレミィ。
「あ…」
「改めて言うわ!パチェ!あけましておめでとう!」
「一波目を避けて…あ、しまった米粒弾が!」
「それは避けたけど米でドーン!もの凄く遠いし!もういいって!」
「…冗談よ、あけましておめでとう」
「……何で挨拶一つするのに、こんなに時間かかるのよ…」
がくっ
肩を落とし、頭をもたげるレミィ。
むぅ…しかしレミィも腕を上げたわね、今のを返せるなんて…
「ふぅ…まぁいいわ」
一息ついてレミィは顔を上げた。
「アナタが居ないと紅魔館の新年パーティが始められないのよ!」
「そうですよ、パチュリー様」
「さ、行きましょ!」
待ってられないとばかりに手を引くレミィ。
「はいはい、分かったわよ…だからひっぱらないで~」
年を越すとか、越さないとか
年の初めはめでたいとか
そんなことはどうでもいい
さっきまでの時間が昨日になって、今の時間が今日になる
ただそれだけなのだ
私のすることはいつもと変わりない
一日は、一日
でも
私はレミィが好きなのだ
この騒ぐのが好きで、我侭で、あんまり悪魔らしくないこの親友が
こんな私が起きただけで、とても嬉しそうな顔をしてくれる彼女が
とてもとても大好きなのだ
だから、その笑顔を見るためだけにも
新年の一日を「特別な日」にしてもいいと思う
「レミィ…」
「何?」
「今年も宜しくね」
「うん!こちらこそね!」
「あ、パチュリー様!まだ終わってません!」
「えっ?あっ」
ぐきっ! がたっ! ばぁーん! ごきぃっ!
ぐたり…
「あ”あ”あ”~!!!またパチェがあぁ!!!」
「あ、泡吹いてますよ!!!!」
消えゆく意識の中で思ったこと
(レミィは…泣き顔も……可愛いわ……ね……)
(了)
「…一日に2回も来ないで下さい」
「いえ、挨拶を忘れてたから言いに来ただけ…あけましておめでとう」
「はい、あけましておめでとうございます、もうしばらく来ないようにね」
「…善処するわ」