魔法の森の入口近くの香霖堂。
店主 森近 霖之助は不意に本から壁掛け時計に視線を移し小さく呟いた。
「もう、こんな時間か…」
気がつけば壁掛け時計の針は、すでに12を過ぎた所を指していた
この時計、12という時刻を過ぎたというのに主人に伝える意思がないようである。
最近、調子のおかしいこの時計を修理しようと思うのだが、どうにも修理する気が起きずそのままずるずると『今日』まで引きずってしまっていた。
そう、『今日』は正月なのだ。
「とりあえず、酒でも出すかな?」
戸棚から酒と杯を取り出し、蓋を開ける。
摘みはない。
ついでに餅もない。
なくて困るわけでもない。
ないこと尽くしだが酒があるため気にすることもない。
「…ふぅ」
今頃、神社では去年から続く宴会で騒がしいのだろう。
これからしばらくの間、神社からは騒々しい声が響き渡るだろう。
そのため、霊夢や魔理沙が新年のあいさつをするのは来週か、はたまた再来週か。
しかし、そんなことは気にすることはない。
その間は静かでゆっくりとした時間が過ごせる。
元来、騒がしい事が苦手な自分にとっては彼女たちがこない分有意義な時間が取れるため、むしろうれしい限りである。
「そういえば…」
と、ふと思いだしたことのため、店の入り口へと足を向ける。
扉を開ければ、凍えるような寒気が扉の隙間から我先にと店内に侵入してくる。
それを気にすることもなく、外扉に掛けてある『開店中』と書かれているプレートをひっくり返す。
ひっくり返ったプレートにはただ一言『休業中』とだけ書かれている。
「さて、今日の仕事はこれでおしまいだ」
今日だけでなくしばらくの間の休み。
椅子に座ってから一杯煽る。
やはり、一仕事を終わらしてからの一杯は美味い。
さっきの一仕事で冷えた体をストーブが癒してくれる。
「今年こそ…いや、今週中にはあの時計を直そうかな」
壁掛け時計に目をやれば、その薄情な時計は変わらず時を刻み続けている。
さてどうやって直したものかと思案に吹けつつ、杯に残った酒を喉奥へと流し込む。
ほのかな苦みが心地よく体中に沁みわたった。
とても寒い正月に、古臭い古道具屋は小さな明かりが騒ぐわけでもなく静かに灯っていた。
店主 森近 霖之助は不意に本から壁掛け時計に視線を移し小さく呟いた。
「もう、こんな時間か…」
気がつけば壁掛け時計の針は、すでに12を過ぎた所を指していた
この時計、12という時刻を過ぎたというのに主人に伝える意思がないようである。
最近、調子のおかしいこの時計を修理しようと思うのだが、どうにも修理する気が起きずそのままずるずると『今日』まで引きずってしまっていた。
そう、『今日』は正月なのだ。
「とりあえず、酒でも出すかな?」
戸棚から酒と杯を取り出し、蓋を開ける。
摘みはない。
ついでに餅もない。
なくて困るわけでもない。
ないこと尽くしだが酒があるため気にすることもない。
「…ふぅ」
今頃、神社では去年から続く宴会で騒がしいのだろう。
これからしばらくの間、神社からは騒々しい声が響き渡るだろう。
そのため、霊夢や魔理沙が新年のあいさつをするのは来週か、はたまた再来週か。
しかし、そんなことは気にすることはない。
その間は静かでゆっくりとした時間が過ごせる。
元来、騒がしい事が苦手な自分にとっては彼女たちがこない分有意義な時間が取れるため、むしろうれしい限りである。
「そういえば…」
と、ふと思いだしたことのため、店の入り口へと足を向ける。
扉を開ければ、凍えるような寒気が扉の隙間から我先にと店内に侵入してくる。
それを気にすることもなく、外扉に掛けてある『開店中』と書かれているプレートをひっくり返す。
ひっくり返ったプレートにはただ一言『休業中』とだけ書かれている。
「さて、今日の仕事はこれでおしまいだ」
今日だけでなくしばらくの間の休み。
椅子に座ってから一杯煽る。
やはり、一仕事を終わらしてからの一杯は美味い。
さっきの一仕事で冷えた体をストーブが癒してくれる。
「今年こそ…いや、今週中にはあの時計を直そうかな」
壁掛け時計に目をやれば、その薄情な時計は変わらず時を刻み続けている。
さてどうやって直したものかと思案に吹けつつ、杯に残った酒を喉奥へと流し込む。
ほのかな苦みが心地よく体中に沁みわたった。
とても寒い正月に、古臭い古道具屋は小さな明かりが騒ぐわけでもなく静かに灯っていた。
とりあえずssの良い雰囲気に酔いながらあけましておめでとうござい。
霖之助がとってもシブい件。
こんな雰囲気もアリですねww